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心身一如―――心よければからだもよし、からだよければ心もよし」(第8回)

2019-05-05 | ポジティブ心理学
心身一如―――気持ちを元気にする習慣づくり 

「心よければからだもよし、からだよければ心もよし」

●心身一如の実感
 心身一如、心とからだは一体を実感させられる自分の体験から。
 原稿を書き出す前、それが依頼原稿だったりして無理やり書かなくてはいけないとき、あるいは締め切りがせまっていても進捗していないとき、必ずといってよいほど、首筋が痛くなります。あたかも書けないことの言い訳をもらったかのようです。
 今悩まされている両手の指の第一関節の痛みも、もしかすると、この原稿が書きたくないからかもなんて思っています。

皆さんもこんな心身一如の体験がありませんか。
自分のこの体験は、ネガティブな世界の話ですが、逆に、うれしいことがあるとき、あるいは、積極的に何かに挑んでいるようなときには、からだのほうも快調、というより、からだのことに意を配る必要がないというようなこともありますね。
ここでは、心身一如のネガティブな面とポジティブな面とを対比させながら、気持ちの元気づくりの話をしてみたいと思います。
  
● 呼吸にみる心身一如
 心身一如に関連して、呼吸を例にして、もう少しこみいった話をしてみます。
 息を吸ったり吐いたりする呼吸。これが止まれば死にます。
普段は、まったくなんの苦労もなく、1分間に20~30回くらいの呼吸を繰り返しています。おかげでなんの苦労もなく生きていけます。
 ところが、この呼吸、一定の範囲内ですが、自分の意志で簡単に止めたり早めたりすることができます。
 ところが、ひとたび何かあると、意志とは無関係に呼吸はそれに呼応して速くなります。
 このように呼吸は、
普段通り自律的に動く
緊急時に反射的に速くなる、
そうしたい時にはそうできる
の3つに局面を持っているのです。前の2つは意志とは関係なく無意識的に動きます。ことばを変えて整理すると、次のようになります
 ○無意識的(不随意的)
   自律的
   反射的
  ○意識的(随意的)
 となります。

 そして、よくよく考えると、からだの働きの至る所で、この3つの局面があるきとに気づかされます。
 たとえば、歩くことを例にとってみると、
  ○無意識的(不随意的)
   自律的―――普通に歩いているとき①
   反射的(自動的)―――突然、自転車が近づいてきたときに②
○意識的(随意的)―--いつもより速く歩くとき③
    (番号は、後の話で使う参照用)

 この分類で、心身一如には、まず、意識ー無意識という心の働きが一つあることを確認しておきます。

そして、自律神経系が支配している内臓の働きの中で呼吸だけは、例外的にこの3つの局面を持っていることも確認しておきます。胃や腸の働きを意識的にコントロールすることはできませんね。

 以下、この3つの局面について、心身一如にもとづく元気づくりの話をしてみます。
 
● 無意識で自律的な心の元気つくり①
 また自分の話になります。
 こちらの大学に来てから時間的にも気持ちの上でも余裕ができたためか、合間に散歩することが多くなりました。大学の近辺をあちこち散策してきましたが、最近は、(自分でひそかにそう呼んでいるのですが)、サッカー場の脇にある「思索と元気づくりの道」をもっぱら散歩しています。
 だいたい、昼食後が多いのですが、ときおり、気分が落ちこんだり、気持ちががさついている時、思い通りに原稿が書けない時や、そのために首が痛くなりそうな時には、この道を30分くらい、ゆっくりと、時にはやや早足で歩いて行ったり来たりします。
実は、今も、この部分を書く直前に詰まってしまい、「思索と元気づくりの道」に出かけてきました。そして、ひらめきました。そして、こうして書いています。

 この体験から、からだのゆったりした定常的な動きは、気持ちと頭を元気にするのに有効であることを確信しました。
 車の運転にたとえるなら、走りだす前のアイドリングのようなものですね。

 余談ですが、京都には「哲学の道」があります。小さい川にそって作られた歩道です。哲学の道と名づけられなければ、どうということのない散歩道ですが、ネーミング効果で、つい思索をしてみたくなります。

 閑話休題。メタボ解消、からだの健康維持で、いま、ウオーキング花盛りです。
とりわけ、高齢者が多いのですが、それとは別に、心を元気にするウオーキングというのもあります。
若者でも、これならやってみる価値はあると思いますが、格好悪いですか。
 
● 無意識で反射的な心身の元気づくり②
「反射的な」という言葉には少し解説が必要かもしれません.
普通に反射的と言うときは、何かの刺激があると即座にそれに対応する反応が起こることです。人のからだには、自分を守るためにそうした生まれつき反射が実にたくさん備わっています。

さらに、学習(経験)によって身につけた反射もあります。赤信号で止まるような反射ですね。条件反射です。たとえば、
・ 恋人が突然あなたの目の前に現れたような時に起こる反射
・ 上司に誉めてもらった時に起こる反射
いずれも、自動的に(反射的に)あなたの心とからだに変化が起こります。
上のような場合なら、
気持ちは、わくわく、明るくなります。
心臓は、どきどきです。
 これは、「反射的」ですから、自分ではどうしようもないのですが、そういう反射が起こるような状況を作り出す努力はできます。
それについて考える前に、なじみのある?逆のほうの話を先にしておきます。
心身症やストレスの話です。

●ストレスのほうが怖い
ストレスを引き起こすものをストレッサーと言いますが、ストレッサーが身の回りにあると絶えずそれへの反射的な反応が心身に起こります。それが恒常的になると、ストレスに負けてしまうことになります。

心身の元気をつくるには、こうしたストレスが充満している状況を、まずなんとかしなければなりません。

そのためには、ひとつには、ストレスが充満している状況から離れることです。
離れ方はいろいろあります。物理的に離れることも、心理的に離れることもあります。気に入らない人が目に入らないようにしたり、できるだけ無視したりすることになります。

さらには、かなりきつい解決方法ですが、ストレス状況に果敢に立ち向かうことです。
友達のあなたへの振る舞いが気に入らないなら、それが「自分にとって、どういう点で気に入らないのか」を相手にはっきりと言うのです。
「私は、あなたが私の悪口を人に言いふらされるのが、すごくつらい」(私表現)、
「なぜ、悪口を言いふらすのか教えて欲しい」(なぜ表現)
とやるのです。

「私表現」によって私の問題であることを宣言します。それによって、相手を攻撃するのではないことを暗黙に伝えることもできます。

「なぜ表現」によって、事を知的世界に移してお互いに冷静に考えるほうへ誘導します。

「えー、こんなことできないよ!!」と言われそうです。そんなときは、誰かに相談してみることをすすめます。友達が一番ですが、今は、多くの職場にカウンセラーがいるはずですので、勇気を出して相談してみることをおすすめします。

3つ目の方策は、ストレス発散です。
気持ちの落ち込みを、スポーツやゲームなどで忘れてしまう(発散してしまう)のです。こちらのほうは、大丈夫ですね。TPOに応じてできるように、豊富なレパートリーを用意しておくのがよいですね。

●元気づくりのための状況を作る
さて、こうしたストレス対応は、元気づくりというより、まずは、ネガティブ世界からの回復の話ですね。
では、反射的に心の元気づくりができる状況づくりには、どうしたらよいのでしょうか。

 やや逆説的になりますが、それは、あなた自身がポジティブになり、状況をポジティブなものに変えていくことが一番です。そのためには、
  笑顔など明るさを演出する
  率先してあいさつをする
自然なポジティブ表現をする
ほめ言葉を多めに口に出す
メリハリのきいた動きをする
などなど
この連載で紹介している心構えや技法すべてを動員することになります。
そして、あなたのまわりがポジティブなものに変われば、それは翻ってあなたの心とからだを自動的に元気にしてくれる状況に様変わりします。

● 意識的なからだ経由の心の元気づくり③
 随意筋というのがからだのあちこちにあります。「随意」、つまり、意のままに動かすことのできる筋です。からだを意のままに動かすことができるのは、この随意筋のおかげです。
 心を元気にする最後の話は、この随意筋がらみの話になります。

 からだを仲介させることで、気持ちを元気にさせようというものです。

 ここで、もう一度、呼吸を話題にしてみます。
 呼吸は、自律神経に支配されているのですが、その支配のもとにある11種類の呼吸筋のうちいくつかは随意筋なのです。これは他の内蔵筋にはない特徴です。このため、呼吸だけは、意志の力である程度はコントロールできるのです。

 そこに着眼して、意志(心)で呼吸をコントロールして気持ちをととのえる呼吸法が開発されたのです。図式的に描けば、図のようになります。
 たとえるなら、アクセルを意識的に踏んで(意志)、エンジンをふかし、車のスピードを上げるようなものです。


 
意志   随意呼吸  
    
     自律神経系  気持ち
 
図 意志で気持ちをコントロールする経路

 呼吸法については、さまざまなものが考案されています。
 「吸うー止める―吐く」を「いつもよりゆっくりと多めに」を何度か反復することで、副交感神経系に働きかけてリラックスするのが基本です。
誰でもいつでもどこでもできるリラックス法です。

では、この呼吸法の理屈を、心の元気づくりに応用すると、どうなるのでしょうか。
 出発点は、あなたの意思、つまり、元気になろう/なりたい、というあなたの意志です。
それがあっても、ただちに気持ちも元気、とはいかないので、からだを活用するわけです。
では、随意呼吸に対応するものとして何を想定すればよいのでしょうか。
 それは、身体随所にある筋肉(随意筋)です。それをあなたの意志で動かすのです。しかも、いつもより1割か2割くらい多めに動かすのです。
・ただ歩くのではなく、やや早く歩くのです
・ただ走るのではなく、やや早く走るのです
・ただからだを動かすのではなく、ややきつめに動かすのです
この1割、2割アップの動きを意識的にすることが、自律神経系の交感神経系を刺激してほどよい緊張をもたらします。これが気持ちの元気につながります。

これが自然にできるのが、スポーツ、運動です。
自分の好きなスポーツ、運動、それも思い立ったら自分一人でもすぐにでもできるものを身つけておくのがよいと思います。
 ウオーキングの中に一部、組み込んでみるのも一計です。








気持ちを元気にするキーワード 「運」第7回

2019-04-30 | ポジティブ心理学

気持ちを元気にするキーワード 「運」第7回

●人生70年、幸運にめぐまれた
 古希を迎えた今、昔を振り返れば、よくぞここまでの感懐に浸ることがしばしばです。
 災害、犯罪に出くわさなかった幸運が第一ですが、日々の生活、仕事でも、あのときもしあの幸運に恵まれなかったら、と思うとぞっとすることがあります。
その一方では、あの努力あっての今ということもまたあります。
実際は、努力と幸運とがコラボレーション(共振)して、ここまで来たのだと思います。努力が幸運を引き寄せた、というところもありますし、不運を努力でカバーしたようなこともあったように思います。
● 運と努力と気持ちのコントロール
 心理学で、原因帰属理論というのがあります。
 自分に何か事が起こった時、それを引き起こした原因として何を想定しがちかということに関する理論です。科学的な因果の話ではなく、ことが起こったときの考え方のくせを問題にするものです。
 たとえば、あなたが事業に失敗したとします。あなたは、その原因として何を想定しがちですか。
 ・運ですか
・努力不足ですか
・能力不足ですか
・事業内容ですか
 もし運が悪かったと考えれば気楽ですね。
 これが、もし自分には能力がなかったと考えてしまうようだと、立ち直るのが大変ですね。
 努力不足が原因と考えるなら、次のがんばりにつながります。
 事業内容が原因と考えるのは、知的でまっとうです。次の挑戦への有効な方策へとつながるからです。
● 気持ちを元気にするための運との付き合いのコツ
① 力によって幸運を引き寄せる
 幸運も不運も偶然に左右されます。自分ではどうにもなりません。でも、その運を選ぶ、あるいは、その運を引き寄せるのはあなた自身の努力によるところがあります。
 宝くじを考えてみてください。くじを買うのはあなたです。そして、1万円より100万円買ったほうが、当たる確率は高まります。(宝くじのおすすめではありません。念のため)
努力に幸運をコラボレーションさせるのです。もう少し正確に言うなら、努力して幸運の確率が高まるような状況を作り出すということですね。成功した人は、これができたのでと思います。
②運を意味あるものにする
 長い人生、幸運も不運も半々、それを努力によって幸運に遭遇する確率を高めるくらいのことしかできないのだと思います。
そう考えると、幸運、不運に一喜一憂せずに、まずは、幸運も不運もしっかりと受け止めて、それを生きる上での意味のある事柄としてポジティブに考えてみることをおすすめします。
運まかせの人生といより、運と友達になる、あるいは、「人事を尽くして天命を待つ」の心境のすすめです。


寛容ー「寛容は相手目線に立つところから生まれる」第5回

2019-04-26 | ポジティブ心理学
 
寛容ー「寛容は相手目線に立つところから生まれる」

●寛容になれる
 この一連の連載を書いているうちに、自分の心が次第にかわってきたことに気がつかされました。その一つが、何事にも寛容になれるようになってきたことです。
 これまでなら、お店の店員さんのちょっとした不親切な応対に腹を立ててしまうようなことがしばしばありましたが、最近では、「店員さんも大変なんだ」という寛容な気持ちになれます。感謝の気持ちさえ沸いてくるようになりました。 
 こういう内容の原稿を書くことが気持ちの変化をもたらしたようです。まさに、知は力なりです。もしかして、この連載をお読みいただいている方々も、そんな気持ちになっていただけたらうれしい限りです。

● 寛容であることは気持ちがいい
寛容になるとどういうことが起きるのでしょうか。
周囲に対する共感性が高まります。
最近よく使われる「相手目線」。これは、心理学で言う「視点取得」です。相手の立場(視点)から事態をみつめることができます。結果として、相手を肯定的に受け入れることができます。
そして、周囲に対する見方、振る舞いが変わります。周りが善意に満ちてみえます。
おおらかでゆったりした振る舞いをするようになります。結果として、相手もまた同じような見方、振る舞いをしてきます。場全体がポジティブ感情に満たされます。

● 寛容になるためのコツ

①許しの心が必要
何か気に入らないことがあっても、それにまともに立ち向かう気持ちがあっては、寛容とは逆の方向、反抗、攻撃の方向にいくことになります。
許しの心というと大げさになりますが、あるがままに人と場のすべてを受け入れ、さらに流してしまう、といったような気持ちが必要です。いわば、柔道の受身のような心ですね。

②忍耐も必要
不快や不条理に耐えられないと、寛容にはなれません。
ややしんどい心の作業になりますが、これも、習慣にしてしまえば、なんとかなります。
育児や介護の経験が、忍耐を身につける格好の現場ではないかと思います。
 忍耐力をつけるためのコツの一つとして、状況に即応しないようにすることがあります。
 気に入らないとき、不快なときに、一拍おく心がけです。
 攻撃、不快といった感情は、その発生源に対してすぐに対応するように心はできています。そうしないと、生き残れなかったからです。しかし、幸か不幸か、今私たちの生活している場にそうした厳しさは、もはやありません。だから、その感度を低めるのです。「どうということない」くらいの感じですね。

③適度の優越感も
 相手の不機嫌、不快には何か理由があってのこと、その理由に思いをはせてみるようにします。接客のまずさは、もしかすると給料の安さや疲労のためかも、と考えてみるのです。
これには、相手や場に対する優越感、あるいは鳥瞰図的な視点が暗に含まれます。へたをすると、見下すことになりますが、適度なら、相手への同情、さらには共感へと心をポジティブにすることができます。
 
 

楽観「誰でも楽観主義者になれる」心を元気にするキーワード第4回

2019-04-25 | ポジティブ心理学

心を元気にするキーワード第4回

楽観「誰でも楽観主義者になれる」

● 楽観主義者ってどんな人
 わが母、かなり過酷な家庭環境のなかでの孤軍奮闘でしたが、母の母,つまり祖母の口癖は、「お母さんが楽観的な人だからよかったね」でした。
今となっては記憶が判然としないのですが、母、とりたてて、明るいというわけでもありませんでした。ただ、何かを深刻に悩んでいるような素振りが一切ありませんでした。変な言い方になりますが、「悩めない人」でした。
さて、その楽観主義者(悩めない人)。ひどい事態に直面したときにでも、次のような考え方をする傾向があることが知られています。
① 悪いことが今押し寄せているが、それは、一時的であって永遠に続くわけではないと考える(一時性)
② 悪いことが起こっている原因は、たまたまそこにあった特定の理由によるもので、いつもその原因があるわけではないのでいつかは好転すると考える(一回性)
③ なんでも、ポジティブに考えることができる(ポジティブ思考性)  
こうしたことが自然にできるかどうか、あるいは、習慣的になっているかどうかが楽観主義者になれるかどうかの決め手になります。

●楽観主義者になるコツ
 「つまずいて骨折して入院してしまった」とします。こんな風に考えることができるようになれば、楽観主義者への道を歩めます。(番号は、前述の番号に対応します>)
① 一時性>1週間がまんすればよい。/完治するので心配ない。
② 一回性>事がたてこんでいて注意力が落ちていた。/たまたま、道路にくぼみがあったから。
③ ポジティブ思考性>これを機会に英気を養っておこう。/病院のあれこれをこの際、見ておこう

では、「資格試験に不合格だった」として、どのように考えれば、楽観主義者になれるでしょうか。挑戦してみてください。(回答例は末尾につけました。)
① 一時性>
② 一回性>
③ ポジティブ認識性>
 いかがでしょうか。これなら自分でもできそうとなれば、楽観主義者の入口まで来れたことになります。あとは、こうした考え方を習慣化することです。

● 蛇足ながら
楽観主義。しかし、いいことずくめではないことも知っておいたほうがよいかもしれません。
楽観主義は、事態を冷静かつ論理的に分析するのとは違った、極端に言えば、それとは、正反対の認識をベースにしています。
事が個人の考え方の問題だけですむならそれでもいいのですが、事の解決を求められるようなことになると、自分に都合の良い楽観主義的な認識だけでは、何かと危ないですね。現実との乖離が大きくなってしまうからです。
怪我で入院となれば、現実的に解決しなければならない問題は山ほどあります。楽観主義だけでは、乗りきれません。でも、気持ち、楽観主義なら、解決の仕方にも違いが出てくるところはあるはずです。

*回答 ①次がある。/じっくりやればよい。②山かけがはずれた。/勉強時間が十分とれなかった。③もっと勉強ができるいい機会だ。/楽観しすぎた



会話---たかが会話、されど会話「心を元気にするキーワード第3回 」

2019-04-24 | ポジティブ心理学

心を元気にするキーワード第3回

会話---たかが会話、されど会話」

● 女性の元気の源は会話にあり
この年になると、人と話すことがかなり減ってきます。とりわけ、大学の教員は、研究室があるので、誰も来なければ、一日まったく会話なし、といこともしばしばです。家でも老夫婦2人だけ。あらためて会話不足の自分に驚かされます。
それもあってか、最近やけに会話のことが気になります。とりわけ、女性の会話上手がうらやましくてなりません。
話すように作られている女性脳と、勝つことを志向するように造られている男性脳との違いなんて話もどこかで聞いた気がしますが、確かに、遺伝的な性差の一面ではないかとは思います。
ところで、会話には3つの機能があります。
 一つは、心の中に溜まっていた思いを吐き出させる「カタルシス機能」です。話してすっきりした、聞いてもらってありがとう、という気持ちにつながります。
 2つは、「親しみを高める機能」です。会話の頻度と親しみとはほぼ比例関係にあります。
 3つは、「情報交換と発想触発の機能」です。うわさ話からビジネス上の情報交換、さらに研究上の発想触発まで多彩です。
 となると、会話は「周りを元気にする」だけでなく、「頭」「気持ち」も元気にする、まさに総合的な機能をもっていることになります。

 ● 気持ちをすっきりさせる会話のコツ
① 聞き上手をみつける
 会話は相手があってはじめて成立します。ましてや、自分の思いのたけを受け止めて気持ちすっきりとなるためには、それなりの相手でないとうまくいきません。あなたの言うこと(思い)を、じっくりと共感的に受け止めてもらえる相手がほしいですね。

② 自分が聞き上手になる
 聞き上手の相手を求める前に、自分が聞き上手になってしまうこともあります。それが、相手に聞き上手の大事さを実感してもらえることにもなるなるかもしれません。会話は、相互的なものです。相互的であることを無視する会話をする人が結構、多いのも事実です。できれば、そういう人は避けたいですね。
「賢さは聞くことに由来し、後悔は話すことに由来する」なんて格言もあるくらいです。

● 親しみを増す会話のコツ

①会話の親しみの機能は、初対面でもう発生している
 前後左右、見知らぬ人に囲まれたところに着席したとして、すぐに隣の方に挨拶ができますか。そして、会話をあなたから開始できますか。

②秘密を話す
「実は、――」は、親しみを確実に増します。自己開示と呼ばれているものです。一種の秘密の共有です。会話の楽しみの一つでもありますね。

③会話の頻度を増やす
 会話に限りませんが、頻度は大事です。用件がなくとも、ともかく、会話する機会を増やすだけでも、親しみが増します。
 
● 頭を元気にする会話のコツ

①話題を豊かにする
 もちろん、ここでは、これまで述べてきた会話とは、内容が違います。たとえば、「夕べ読んだ本の感想」「今気になっていること」などなど。

②知的会話ができる雰囲気を作る
こうしたテーマを、お隣さんとちょっと休憩のときに会話できるよう人は幸せです。
やや「重い」会話になります。会話の暗黙のルールからすると、やや違反めいたところがあります。ですから、誰ととでもいつでも、というわけにはいきません。かなり努力をして普段から知的な会話ができる雰囲気を作っておく必要があります。


連想――活発な連想こそ、頭の元気の源」「心を元気するキーワード第2回

2019-04-23 | ポジティブ心理学


心を元気するキーワード第2回

連想――活発な連想こそ、頭の元気の源」

●連想の功罪
何かしようとすると、それを邪魔するかのように、あれこれと思いが浮かんできてしまう。できれば、一つのことに集中したい。これが連想です。
 くだらない連想は浮かんできてほしくないのですが、頭の元気という点では、頭がとにもかくにも活動しているわけですから、こうしたしょうもないようにみえる連想でも良しとしなければなりません。どういう良いことがあるかをあげておきます。
① 連想は、見方を豊かにしてくれる
 目の前になんの変哲もない花があったとします。花の名前からその種類、その名前の由来、さらには、食べられるかどうかまで、すらすらとさまざまな言葉が出てくるはずです。それこそ豊富な関連知識(語彙)から発する連想のたまものです。
 このように、豊富な知識を使って現実世界の認識を豊かなものにするのが連想の大事な役割の一つなのです。
② 連想は、発想を豊かにしてくれる
さらに、連想は、頭の中でのあれこれの思いの展開でも貴重な役割を果たしています。
 今ここで、連想についての話を書いています。こうして書き上げられた文章は、いかにも理路整然としていますが、ここに至るまでには、連想につぐ連想の連続です。連想が働かなければ、発想(内容)はひどく陳腐なものにとどまってしまいます。
③連想は、心を解放してくれる
 連想には制約がありません。この自由が、普段はあれこれ制約のある心を解き放ってくれます。普通ならとても連想できないことも大丈夫。連想のリラックス効果です。

●頭を元気にする連想のコツ
①頭の中の知識を増やすこと
知識なきところに連想はありません。仕込んだ知識は、連想の種になります。したがって、知識を仕込むことが、豊かな連想を生み出す源になります。
ただ、連想は、頭の中で起こる現象ですが、連想のきっかけは外にもあります。
仲間や先生とのちょっとした一言が連想を触発するかもしれません。あるいは、ちょっとした光景、本屋の店先のポップ広告、ありふれた街角の光景などなど、あなたの外にも、豊富かつ多彩な連想触発物があります。これを活用することも大事です。

②問題意識、情報のアンテナを張り巡らしておくこと
もっともそれらが連想を触発するためには、その素材となる知識がいつでも使えるような状態になっている(活性化した状態になっている)必要があります
 問題意識、情報のアンテナを頭の中に抱えていれば、それに関係する知識が絶えず活性化していて、ほんのちょっとしたきっかけで連想が起こることになります。そして、それが新しい発想にもつながります。

③連想を外に出すこと
 連想は頭の中で起こります。どんどん自律的に展開されます。
 頭の元気づけという点では、それはそれで成り行きに任せておくことも、あってよいのですが、思考の素材として使いたいときには、せっかくの連想内容がどんどん忘れられてしまいます。もったいないですね。そこで、連想したことを書き出しておくのです。
 メモでも結構です。できれば、ポストイット(付箋紙)を持ち歩いて、書き留めておくと後々整理が楽です。連想は時と場所を選びませんから。

幸福感---幸せだと思い込むことが幸せになること「心を元気にするキーワード」第1回

2019-04-22 | ポジティブ心理学

「心を元気にするキーワード」第1回(再掲)

幸福感---幸せだと思い込むことが幸せになること

● 幸福感をもたらすもの
いきなりですが、「今、あなたは幸福ですか。非常に不幸を1、非常に
幸福を5として、5段階で答えてください」と言われたら、あなたはどう答えますか。
 自分なら、「4くらい(まー幸せなほうだと思う)」と答えます。
 幸福感についてのこうした判断をもたらす背景にある感情は、
「楽しい、明るい、リラックス、前向き、楽観、元気」
といった言葉で表現できる、ポジティブな感情だと思います。
 こうしたポジティブな感情は、どこから生まれてくるのでしょうか。
 一つは、心の中からです。「幸福(感)は心の持ち方次第」です。
 もう一つは、外からです。「幸せをもたらす自分の周りの環境」ですね。
あえて2つにわけてみたのは、劣悪な環境におかれてもなお幸福と感じるようなケース、あるいは逆に、どれほど恵まれているかのように見えても幸福感が低いケースがいくらでもあるからです。(なお、最近、国力をGDP(経済指標)だけではなく、幸福度(人権や教育などの指標)も加えるべきとの議論や試みがあります。)
ここでは、どのような心の持ち方をすれば、幸福感を高めることができるかを考えてみたいと思います。
 
●幸福感を高める心の持ち方
①性格を変える
「明朗、外向的、活動的、楽観的、感情安定、受容的、寛容」
といったような言葉で表現できる、いわば、ポジティブな性格に変えていくのです。性格を変えると考えるときつくみえますが、性格を反映する日常的な人前での「振る舞い」を変えると考えれば、できないことではありません。
人と一緒にするスポーツが、こうした振舞いの習慣づくりに効果的です。

②考え方のくせ(思考習慣)を変える
思考は、自分の意志的なコントロールができますので、それほど難しいことではありません。
 たとえば、友達を飲みに誘った。でも断わられた。そのとき、あなたは、どのように考えますか。どのような気持ちになりますか。
「せっかく誘ってやったのにことわるなんて」と思えば、気持ちは攻撃的になり幸福感とはほど遠いものになります。
でも、「何か都合があったのだろう」と考えれば、気持ち穏やか、さらに「ではまた、都合のよさそうなときに誘ってみよう」と考えられるなら、ポジティブ感情を抱くことができます。
あるいは、こんな言い換えも効果的です。
「この仕事、面倒だなー」――>「この仕事、難しいそうだが、おもしろそうだ」
「もうこれしかない」――>「まだ、これだけ残っている」
「神経質」--→「あれこれ気遣いができる」
「頭は良くない」――>「でも、性格は良い」

③目標を持って生きる
目標を持って前向きに生きている人は、幸福感が高くなります。目標に少しずつ近づくことがわかれば、そして結果として目標に到達できれば、自分にご褒美をとなり、幸福感は最高レベルに達します。
「身の丈にあった」目標を、長期、中期、短期と整合性のあるように設定することです。そして、節目、節目で、目標設定とその内容をそれで良いのかどうかを点検しながら、それに近づく努力をしているか、していれば自分をほめながら、さらなる努力をすることになります。そこで、それなりの幸福感を味わえることになります。

 


元気づけのための心の習慣を作る

2019-04-21 | ポジティブ心理学
元気づけのための心の習慣を作る

①からだを活用する
 「心身一如」です。心を直接コントロールして元気を出すのは難しいところがありますが、からだを経由して心を元気にすることは簡単です。からだを動かしさえすればよいからです。それをすると心が元気になってくるからだの動きを、必ず、毎日、同じ状況で同じ時間にすることです。私の場合はウオーキングです。

②元気になれる「もの」「状況」を決めておく
 これなら元気になれる、というものを、そうですねー、3つくらい用意できれば良いですね。たとえば、TX喫茶店でブルマンコーヒーを飲みながら週刊誌を読む、というように。それが引き金になって心が元気になるからです。

③日記、メモをつける
言葉の力を借りる習慣も有効です。元気づけのための具体的な心の習慣を作るきっかけになるからです。そのための一つのおすすめは、ポジティブ日記(手帳)です。心が元気になった時のことを振り返って言葉として記録しておくのです。
さらに、心の琴線に触れた元気づけ言説にあったら、それを記録しておくのもいいですね。ときどき、それらを見ることができるように、手帳を活用することもありです。


●ポジティブ心理学

2019-04-19 | ポジティブ心理学

●ポジティブ心理学

ポジティブ心理学の主張は、「ポジティブに考えればあなたの人生、幸福感に満ち溢れ る」ということになる。スローガン的に言うなら

・楽観的に考えよう  
・明るく元気で前向きに  
・笑顔と感謝と挨拶で周りに元気を感染  

しかし、そうそう簡単にはいかないのが心の世界である。

ポジティブ心理のすすめの問題点は  
・現実認識を甘いものにする  
・厳しくもつらい現実に敢然と立ち向かうことを回避させる  
・みずからのこころの真実とは裏腹な偽善的な対応を導いてしまう  

こうしたことが、心を鍛えるためにネガティブに働くことになってしまう恐れがないか という懸念である。
 
要はバランスの問題。よく耳にする「7つほめて、3つ叱れ」「ネガティブに事態を深読みし、ポジティブに 元気に行動する」は意外にいいところをついている。

さらにもう一つ面倒なことがある。  
精神主義、つまり、人は自分で自分の心身をコントロールできるとする考えである。最初 にあげたようなポジティブ心理のすすめ。わかってはいてもできないというのが現実。  

ポジティブ心理学では、「やればできる」という精神主義を克服する手助けとして、ポ ジティブになれるためのさまざまな心理技法を開発しているのだが、それでも精神主義の色合いは随所に出てくる

感謝マインド

2019-04-03 | ポジティブ心理学
感謝マインドが少しでも芽生えたら、口に出せるように習慣にしてしまうのです。
そうすれば、感謝された人にも感謝マインドが伝染します。そして、自分のしたことが相手に感謝されたことがはっきりとわかることで、自信になります。

さらに、相手も、自分のした行為が人の役に立ったという有能感に浸ることができます。それがやりがいにつながります。そのきっかけを与えてくれたあなたへの感謝にもつながります。

ポジティブ・スパイラルがあなたの周りで巻き起こることになります。

使命感ってなにもの?(再掲)

2019-03-31 | ポジティブ心理学
使命感ってなにもの?

 使命感にかられた行動には社会性があります。それをすることが、世の中のためになっているという感覚ですね。
 類語辞典で、使命感の類語を拾ってみますと、
  「任務、職責、職務、責任、務め、献身、義務、課題」
となります。ここからも、社会性の意味がぼんやりとみえてきます。
 
さらに、使命感には個人的な嗜好も入り込んでいます。端的に言うなら、好み、あるいは自分にあっているというものです。
社会からの要請と個人的な嗜好とが共振したところに本当の意味での使命感が発生します。

 社会からの圧力が強すぎると、命令になってしまいます。
 個人的嗜好が強すぎると、偏った信念になってしまいます。

 社会と個人とが微妙なバランスがとれているところが使命感の大きな特徴です。というより、バランスがとれているときに、使命感は心に真正な元気をもたらします。

過去を粉飾して思いだす」今日の名言

2019-03-25 | ポジティブ心理学
過去を粉飾して神話伝説のたぐいを作り上げるのは、
詐欺師とか嘘つきとかいったたぐいのことではない。
自分の存在をゆるぎないものにしたい、
自己を肯定するにふさわしい過去の足跡であって欲しいとの切望、祈りーーーー

過去の事実を粉飾したら、その粉飾した部分を現在の生き方にきちんと生かし切って初めて、自己肯定が完了するーーーーー

(吉武輝子「わたしを生きるために知っておきたい一番大切なこと」より)

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頭の中ですることがすくなくなったからか、
過去の断片を思い出すことが多くなった。

思い出したくない断片のほうが、圧倒的に多い。
かなり感情成分はそぎ落とされてはいるが、それでも、
後悔の念
謝罪の念
一歩間違えたらという恐怖の念
などが強弱取り交ぜて想起される。
それをどう処理して暮らすかは、結構、年寄りには面倒で
ちょっぴりつらいところもある。

粉飾しちゃえばいいではないの、というのは、なるほどねーだな

ポジティブ感情を設計するコツ

2019-03-21 | ポジティブ心理学

● ポジティブ感情を設計するコツ

① メリハリをつける
人は、感情的に穏やかな状態に入り浸ったままというのは、あまり好きではないようです。そこから出たいという欲求があるようです。
ドラマをみて感動したくなります。
趣味活動に没頭して満ち足りた気持ちになりたくなります。
それでも、仕事の場となると、あえて「平静ゾーン」に感情を抑えて、たんたんと仕事をこなすことになります。平々凡々の毎日。それが長く続くと、そのメリ(減り)状態にハリ(張り)を、みずからがつけたくなるようです。
たんたんとした仕事でも、たとえば、午前中にどこまで、という目標を立てて、達成できたらうれしいですね。それがハリになります。
結果として、仕事に私情が入ってきます。私情がハリになって、「元気ゾーン」を味わえることになります。
余談になりますが、最近の皆さんの職場、あまりに私情が排除され過ぎているように思うのですが、いかがでしょうか。「公に私を持ち込むな」は正論ではありますが、何かと厳しい職場環境にさらされている今こそ、職場での公と私の関係を、せめて仕事をする心の領域に限定してでも再点検してほしいものです。 
 
②領域分けをする
一日の生活は、いくつかの領域に分かれています。家庭、仕事、遊び・趣味、勉強といった領域、それぞれが、さらに細かく分かれています。
領域分けとは、一日単位でも1週間単位でも、どこかの領域で、ポジティブ感情を実感できるところを用意しておくことです。
今日は仕事領域では、ネガティブ感情状態だったが、趣味活動でポジティブ感情を味わえた、というような生活設計をすることです。いわば、生活領域によってメリハリをつけることになります。これが、情感豊かな、したがってポジティブ感情に満ちた生活をもたらすことにつながります。


楽観主義者になるためには(再掲〉

2019-03-20 | ポジティブ心理学
楽観主義者になるためには

①できるだけ肯定語を使う
言葉の力は思った以上に強力です。ですから言葉の使い方を変えるのです。たとえば
・「もう時間がない」は「まだ時間がある」
・「神経質」は「細かいことに気がつく」
 「優柔不断」は「慎重」

②目標を意識する
普段の生活ではあまり目標を意識することはないと思いますが、実は、誰しもそれなりの目標をめざしてがんばっているのです。ためしに、大中小、長期・短期いずれでも結構ですから、目標を書き出してみてください。びっくりするくらいたくさんの目標リストが挙げられるはずです。
目標を意識すれば心が前向きになれます。時折、目標リストを書き出したりして意識化してみてください。

③人を助ける
 人間は社会的動物です。社会の中で活かされています。そう思えば、素直に身の回りの人を助ける気持ちになれます。それはあなたに返されて、世の中捨てたものではないと思えるようになります。

「がまんしてエネルギーを蓄える」今日のひとこと

2019-03-18 | ポジティブ心理学

「がまんしてエネルギーを蓄える」

根性もの、スパルタものの人気は時代の貧しさの繁栄

我慢は、成熟社会では死語

でも、欲求を安易に放出するばかりでは、ためのある人生にならない

欲求不満耐性は、いつの時代でも大事