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心理学出身者の企業での活動分野

2017-05-06 | 認知心理学
心理学出身者の企業での活動分野

●人事関係
 企業にとって人は宝です。採用から適材適所、さらに能力開発や心理面のケアまで、人事管理の仕事は多彩で重要です。こうしたところに、心理学が蓄積してきた知見はそのまま使えます。たとえば、テスト理論は採用人事に、教授・学習心理学は研修に、臨床心理学は心理ケアに、というように。
●企画関係
 商品やイベント企画にしても、人の心、感性を無視しては消費者に受け入れてもらえません。心理学を学んだことが、どれほど心、感性をつかむのに役立つかは未知のところがありますが、少なくとも、それをつかむ観点や手法についての蓄積があります。もっと、こうした分野で活躍してほしいと思います。
●物作り関係
 技術者と一緒に製品作りをするわけにはいきませんが、消費者ニーズを製品に反映させたり、製品が消費者に受け入れられるか、使いこなせるかをチェックする(ユーザビリティ検査)仕事は、心理学の実験室で使われている諸手法がそのまま使えます。ただ、心理学の卒業生に、こうした仕事の中に入っていくのを恐れるようなところがあります。もっと積極的に飛び込んでいってほしい分野です。



ブルームの知識のタキソノミー

2017-05-01 | 認知心理学

ブルームの知識のタキソノミー
 
記憶:定義が言える
  例 風邪の定義が言える
理解:他の事と関連づけられる
  例 風邪と伝染病の違いを言える
応用:具体例をあげられる
  例 うがいをしなかったために風邪になった事例を挙がられる
分析:現実の分析ができる
  例 風邪で学級閉鎖になった原因などを自分なりに分析できる
総合:新しい関係を作り出せる
  例 風邪対策を学校の健康管理の一環として位置づけられる
評価:価値を評価できる 
例 風邪対策の有効性を査定することができる

説明志向の認知心理学の危険性

2017-04-30 | 認知心理学
●説明志向の認知心理学の危険性
 認知科学は、一方では人工知能という技術をにらみながら、他方では人の認知現象の説明を試みる。
技術と説明がバランスよく研究されていれば、それほど問題は起こらないが、バランスが崩れると、科学としておかしなことになる。
とりわけ、技術を忘れて、説明にのみ重点を移してしまう形でのバランスの崩れは要注意である。認知心理学は、ときおり、そのバランスの崩れをおこしやすい。




思考をクリティカル(批判的に)吟味する

2017-04-24 | 認知心理学
思考をクリティカル(批判的に)吟味する
メタ認知を使って、
・思考結果の妥当性チェックを吟味する
  間違えていないか 
  見落としはないか
  別の解はないか など
・現実性のチェック
  現実の問題が解決できるか
  現実が制約条件を満たしているか など



コグニサイズ

2017-04-23 | 認知心理学
コグニサイズとは?(国立長寿医療研究センターHP)より

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発した運動と認知課題(計算、しりとりなど)を組み合わせた、認知症予防を目的とした取り組みの総称を表した造語です。

英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせてcognicise(コグニサイズ)と言います。
Cognitionは脳に認知的な負荷がかかるような各種の認知課題が該当し、
Exerciseは各種の運動課題が該当します。

運動の種類によってコグニステップ、コグニダンス、コグニウォーキング、コグニバイクなど、多様な類似語があります。コグニサイズは、これらを含んだ総称としています。

コグニサイズは、基本的にはどのような運動や認知課題でも構いません。ただし、以下の内容が考慮されていることを前提とします。

運動は全身を使った中強度程度の負荷(軽く息がはずむ程度)がかかるものであり、脈拍数が上昇する(身体負荷のかかる運動)
運動と同時に実施する認知課題によって、運動の方法や認知課題自体をたまに間違えてしまう程度の負荷がかかっている(難易度の高い認知課題)

コグニサイズの目的は、運動で体の健康を促すと同時に、脳の活動を活発にする機会を増やし、認知症の発症を遅延させることです。
コグニサイズの課題自体がうまくなることではありません。課題がうまくできるということは、脳への負担が少ないことを意味します。
課題に慣れ始めたら、どんどんと創意工夫によって内容を変えて下さい。「課題を考えること」も大事な課題です。

できれば運動を行う皆で一緒にコグニサイズをすることで、間違えて笑って、試行錯誤しながら楽しんで行っていただくことを期待しています。

随想「心理学」電子本。近日公開

2017-04-23 | 認知心理学
第1部 心理学方法論あれこれ
第1 心理学の応用研究 p2
第2 自由意志「人には嘘を言う自由がある」 p5
第3 因果的説明 p7 第4 認知心理学、3つのマジカル・コンセプト「スキーマ、活性化、アフォーダンス。それは、万能概念なのか無能概念なのか」 p10
第5 読心術 p13
第6 実証「それは真実性の唯一の証しか」 p15
第7 心理学は文系、それとも理系 p17
第8 心理テスト p19
第9 心理学の学会 p21
第10 心の世界を別の世界で説明する p23
第11 フロイトの精神分析ってどんなもの  p26
第12 心理学の学問としての有用性 p28
第13 心理主義――なんでも心のせいにしてしまう p30
第14 心理学者のノーベル賞 p32
第15 3つの心理学 p35



随想「心理学」電子本。近日公開

2017-04-20 | 認知心理学
随想「心理学」
第2部 心理学トピックス
「教育」
第1 子どもをひらめかせる学級作りの考えどころ
第2 できばえで評価する
第3 「ほンわかあ」一日10回運動
第4 勉強の習慣をつけさせないもの
第5 ほめ言葉

「自己啓発」
第6 真似る
第7 熟考する
第8 具体―抽象の階段を登りー降りする
第9 注意の自己コントロール
第10 チーム力
第11 物語化
第12 勘
第13 思わぬ発見

「心のコントロール」
第14 ポジティブ思考とは?
第15 時間の流れの中で生きる
第16 運の心理学

「表現」
第17 説明力
第18 新聞広告の心理学
第19 マニュアルとともに
第20 わかりにくさに耐える
第21 裁判員制度とわかりやすさ
第22 自己を表現する


日本語学習のための心理学からの提言」昔のもの。4月㏮3時まで。DLできます

2017-04-12 | 認知心理学


https://free.filesend.to/filedn_infoindex?rp=9501ff1dda085630c54dadc9b4b9d6eo

こんなものが出てきましたので、
例によって、宅ファイル便にアップしてみました。

今、日本語学習者が激増しているそうですので、
それになりに価値があるかと思い、アップしてみました。

ご笑覧ください。

なお、これも昔の編集本ですが、アフィリエイト投稿しておきます。

回顧情報のアップばかりですみません。

日本語教育のための心理学
クリエーター情報なし
新曜社

事が起こった後での推論は誤りやすい

2017-04-12 | 認知心理学
事が起こった後での推論は誤りやすい
●ミスの原因分析は、時間をさかのぼって、原因を推定するところから、逆問題と呼ばれる
●逆問題の解決は誤りやすい
・結果を引き起こす原因は複雑だが、単純化されがち
  例 時系列因果
     因果のネットワークなどが見逃されがち
・即座の解答がほしい気持ちが、後知恵バイアスを受け入れてしまう
  例 地震の予兆神話
●克服するには
①集団思考をする
②クリシンをする
③実験をしてみる



幼児はひらめきの天才?

2017-04-06 | 認知心理学
幼児はひらめきの天才?  

「子どものひらめき」について何か書いて欲しいとの依頼を受けてすぐに思い浮かんだのは、朝日新聞の朝刊に不定期掲載される「あのねー子どものつぶやき」(投稿)であった。  そこには、子どもが展開するおもしろい小話が掲載されている。そのほとんどは、たとえの妙である。たとえば、  
・白いタイツが足先に引っかかって伸びたのをみて「しほの足が  おもちになっちゃった」(堀井紫帆;4歳)  
・鉄塔を見て。「あっちにもこっちにも東京タワーがあるねエ」  (小垣内洋希、5歳)  
・座薬をみて「これ、おしりにつけるミサイルでしょう」(鈴木  隼人;7歳)  

びっくりするくらい見事なたとえばかりである。幼児はひらめきの天才かとも思ってしまう。  
たとえは、構造的な類似、あるいは一部の特徴の類似に注目して、未知のもの、あるいは、よくは知らないものに、自分の持っている知識を結びつけることによって成立する.
4.5歳頃には語彙(知識)が爆発的に増加しはじめる。その知識を存分に駆使しての外界認識がたとえのひらめきとなっている。

このあたりが、発達的には、ひらめき思考のはじまりではないかと思うが、内容的にはまだ浅いひらめきである。

時間の流れの中で生きる(対談)

2017-03-20 | 認知心理学
時間の流れの中で生きる(対談)


第1 「世の中の流れ/ペース」と、「自分なりのペース」のずれが出てきたのはいつ頃

ゼンマイ時計が発明された15世紀前半頃からだと思います。
 これによって、誰もがいつでもどこでも同じ時間をもてるようになりましたが、
 一方では、自分なりの時間やペースが無視されるようになってしまいました。
 
ところで、自分なりの時間やペースというのは、時計時間とは違った、次のような
時間に従って、私達は生きているという事実があるからです。
  1)生理的時間、あるいは、体内時間です
     新生児はもっぱらこれに従って生きています。
  2)心理的時間です
     心理的に感ずる時間です。たとえば、充実していると、時間が短く感じます。
 
今の世の中は、圧倒的に時計時間で動きます。
しかし、私達は、生理的時間や心理的時間にも従って生活しています。
「自分なりのペース」というときには、
究極は、うまれたばかりの赤ちゃんの様に、生理的時間、心理的時間だけに従って生きることだと思います。

水曜日のこの時間に、「子供に急いでを言わないで」が取り上げられていましたが、
この頃から、子供は、「自分なりのペース」を「世の中のペース」にあわせることをしつけられます。大人になると、もはや「自分なりのペース」なんてどこかにいってしまいます。

それでもときおり、自分なりのペースを取り戻したいと思うような時があります。
時計時間と生理的時間、心理時間とのそごが大きくなり過ぎてしまったような時です。
締めきり、納期のようなタイムリミットがあるような仕事をしている時ですね。

現実的には、「自分なりのペースとは」、時計時間と心理的時間、生理的時間とが「適度に折り合いがついている」ことだと思います。

<お便り>>

第2 「自分のペース作り」とは、時計時間と心理的時間、生理的時間とが「適度に折り合いをつける」こととは、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

生理的な方策と心理的な方策とがあると思います。
1)生理的な方策とは、自分なりの体内リズムをつかみ、それにあわせて仕事を調整する
 朝6時、夕方4時は、高速道路での車の事故が一番多い時間帯だそうです。体内リズムの
低下が関係しているようです。
 体内リズムには、個人差もありますから、自分なりにリズムを掴むことがまず大事です。
その上で、そのリズムにふさわしい仕事を割り付ければ、能率があがります。自分なりのペースで仕事をしている実感も持てます。

2)心理的な方策とは、仕事の内容にあわせたスケジュール作りと実行です
 好きな仕事、得意な仕事から入って一気に集中してしまう。きらいな仕事や不得手な
仕事は、小刻みスケジュールでこなすようなスケジュールに従って仕事をします。
 これらに加えて、もう一つ、おすすめがあります。
 それは、一日、1週間の中で一ケ所、「自分が主役で時間を動かすこと」を習慣化することです。
   たとえば、私は、ここ20年くらい毎朝3時に起きます。
   あるいは、土日の朝2時間は読書をする、農作業をするなど。
 これは、逆説的ですが、時計時間から解放されて、自分なりのペースを作るための
土台、あるいは、自分のペースが乱れてきたときの土台になります。


<<お便り>>
第3 長期的な自分のペースの作り方にはついてはいかがでしょうか

自分のペース作りも、今日、明日ばかりを射程においていると、結局は、時計時間にとらわれてしまいます。
1月、1年、さらには5年10年を射程においた、自分のペース作りも考えたほうが、短期的な自分ペース作りも、質のよいものになると思います。

よくよく考えると、「自分のペース作り」と言っても、それが目的ではなく手段です。
それによって、いい仕事をすることが本来の目的です。

ちょっと余談になりますが、私はこれまで編集本を何冊か作ってきました。編集本とは、
章立てを私がして、それぞれの章を適当な人に依頼して執筆してもらって作る本です。
困るのは、締めきりを過ぎても、原稿をおくってこない人です。タイムリミット感覚がない人ですね。
そんな人も2通りあります。催促に催促を重ねてやっと原稿をいただくのですが、
原稿の質があまりよくない人と、見事な原稿をくれる人とがいます。
タイムリミット感覚はないけれども、仕事の完成度、ワークリミット感覚の高い人ですね。
タイムリミットをあまり強く意識させると、こんな人の仕事の質が悪くなってしまうリスクがあります。
こんなことがありますから、なかなか難しいですね。

<<お便り>>
第4 高齢者の自分なりのペース作りについて、何かアドバイスのようなものをありますか

そうですね。私も還暦が過ぎました。もう間もなく高齢者に仲間入りをすることになりますので、ひとごとではありませんね。思い付くままに、いくつか。

1)基本としては、6ー6システムで毎日を過ごす
 朝6時から夕方6時までを活動時間、それ以外をリラックス・タイムにするのを
基本にするのでよいと思います。これが、一番、体内リズムにかなっているからです。

2)時計時間に基づいた自分なりのスケジュールで、社会との接点を作る
 時計時間の圧力から解放されたのに、また時計時間に従うのはどうも、という気持ちもあるかと思います。社会から隠遁してしまうわけではないのですから、今度は、自分が時間管理の主役になるつもりで、緩いスケジュールを作ってみたら、いかがでしょうか。
 それも、1日単位の習慣的なものと、私も書斎にありますが、10年カレンダーなどを活用した、1年先、5年先、10年先スケジュール作りもよろしいのではないでしょうか。


最後
○時間に負けない
○自分から時間に向かっていく
○時間を忘れる時間を作る