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忌まわしい記念日やモニュメント

2017-08-17 | 認知心理学
忌まわしい記憶は、はやく忘れ去りたい。
とりわけ、当事者にとっては。

しかし、一方では、その忌まわしさを将来、再び起こさせてはならないという社会的な責務も感じる。
それが、記念日やモニュメントとして、あるいは歴史として残されることになる。

でも、その記念日、モニュメントも、年月ととも、風化する。
それでいいのだと思う。

風化したあとに残るものが、歴史である。



科学研究における再現性

2017-08-07 | 認知心理学




自然科学の信頼性を支えているのは、実験結果の再現性である。
再現性とは、
同じ方法でやれば同じ結果が誰でも再現できること。
だから論文には、「方法」を記述することが必須。
でも、新聞記事にあるように、なかなか再現できないことがある。
生命科学の最先端では、それがかなりの割合で発生するらしい。

だから科学は信用がおけないといわれないようにするには
再現研究の掲載を積極的に行うことも一つの方策であろう。




色の使い方」今日の論考

2017-07-20 | 認知心理学
●色の3つの機能

色には、その色で意味を伝える機能と、
他との違いを示す機能とがある。
前者は、色の識別性機能。
後者は、色の弁別性機能である。

たとえば、信号機の赤、黄色、青。
赤は止まれ、黄色はとまったほうがいいよ、青は進んでよし、の意味。
そして、その3つの違いがきわめてよくわかるようになっている。
色の識別性と弁別性とを実にうまく利用している。

色の識別性は、自然にできあがる場合もあるが、
多くは、共同体の約束事としてスタートし、定着することが多い。
その点で、信号色の貢献は大きい。

色には、さらにもう一つ別の機能がある。
感情喚起機能である。
赤が激情、青が平静、灰が不安などなど。
色の感情価が決められている。

●識別性は、自由に決められるが

天気予報を例にとれば、雨量を示すとき
赤は**ミリ以上
青は*ミリから***ミリ
というように、凡例を使って、その意味を示すことが多い。

これは勝手に決めることができるが、
それでも、色の識別性には配慮がなされる。
そのほうが、伝達性が増す。

●色彩デザイナー

色の3属性、色相、明度、彩度に配慮しながら、
色の効果的な仕様を考えるのが、色彩デザイナーである。
感性と知識とが必要とされる。
検定試験もある。

「参考」
色の検定試験であなたの色彩活用能力を証明します。
『色彩検定』※1とは色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。

色彩検定協会では1990年からこの『色彩検定』を実施し、
1994年にはその内容が生涯学習の一環として評価され、1995年度より文部科学省認定、
2006年度からは省後援の『技能検定』となりました。








実証データとは

2017-07-09 | 認知心理学
たった3か月で
91.55%の女性が
-7Kgのダイエットに成功したと、
第三者機関により実証されています。
(某ビューティクリニック、車内広告)

@@

科学的実証データという観点から、本コピーの内容の問題点を指摘せよ。」
という科学方法論の試験問題に恰好の素材。








感情を意識だけで抑え込むのは極めて難しい

2017-07-05 | 認知心理学
感情を意識だけで抑え込むのは極めて難しい。
それよりも、そういう感情が発生したときの対処を考えておく。
たとえば、
・一拍おく
・その場所から一時的に離れる
・心臓あたりを平手でなぜてみる
など
感情コントロール儀式を用意しておく。





書くことの効果

2017-06-04 | 認知心理学
書くことの効果
 一つには、思考との関係があります。
 言葉と思考との関係はよく知られていますが、書くこと、話すことの効果は、思考を活性化させ、さらに思考の整理、高度化に貢献します。とりわけ、書く行為は、思考の外化、つまり、考えていることが文字で表現されて目に見えますので、活性化、整理、高度化への貢献度が高くなります。
考える、それを書く(文字にする)、それをみてさらに考えるの繰り返しが思考には有効です。
この思考の見える化が、書くことの非常に大きな効果になります。
 
さらに、感情との関係も無視できません。
たとえば、日記を書く行為。
一日を振り返っていやだったこと、うれしかったことを日記に記すと、気持ちが穏やかになります。これが書くことによる感情の知性化、結果として、感情を平穏な状態に戻ることができます。

もう一つは、書くという行為に内在する前向き(ポジティブ)な力の活用です。本を読むよりもはるかに、書くほうが気持ちが前向きになります。書いているうちに、どんどん気持ちが上向いてきます。






思考結果をクリティカルに吟味する

2017-06-02 | 認知心理学
思考結果をクリティカルに吟味する
 
クリティカル思考(ゼックミスタら「クリティカル・シンキング」北大路書房)という研究領域がある。
自分の思考結果が、適切であるか(適切性)、
真実か(真実性)、
どれくらい確からしいか(蓋然性)
を考える(メタ認知する)ための方策を研究する領域である。  

彼らによると、クリティカル思考ができるようになるには、まずは、次の10の心がけ(態度)が必要とされている。   
知的好奇心、客観性、開かれた心、柔軟性、知的懐疑心   知的誠実さ、論理性、追及心、決断力、寛容性  

もちろん、心がけだけでは充分ではない。思考結果を吟味する3つの観点(適切性、真実性、蓋然性)とはどんなことかを知ることが最も大事になる。それを訓練するのが、クリティカル思考のねらいである。
 
たとえば、「線路に置いてあった工具をはね飛ばして列車が脱線したという事実があったとき、この列車の脱線の原因はと問われたらあなたはどう答えるか」。10の心がけを念頭において、考えてみてほしい。  

「うっかり、作業員が工具をしまい忘れたのだろう」と結論づけて満足してしまうようだと、クリティカル思考にはならない。

 


「認識の真実性」

2017-05-29 | 認知心理学
「認識の真実性」
歴史認識に限らず、一般的な状況認識でもその認識の真実性は、ごくごく限定的にしか存在しない。なぜなら、それはつきつめたところ、個人の脳活動によるものだからである。
それでも、世の中が動くのは、脳活動に人に共通する制約がかけられているからである。
入口では、感覚器官の情報の取り込みに制約がある。また、脳の最深部では、言語(論理)がある。そうした制約のなかで、認識の共有化の基盤が保証されている。
 しかし、それはあくまで基盤である。歴史認識、人物認識などなど個別的案件での認識の共有化は困難を極める。かくして、認識の衝突が発生してしまう。

 


ヒューリスティック思考をチェックする 

2017-05-28 | 認知心理学
ヒューリスティック思考をチェックする
 
たとえば、エラー、事故が想定される現場で、いかにクリティカル思考が大切だからといって、10分も1時間もかけてじっくりと思考をするというわけにはいかない。  

現場の時間進行と思考の時間進行とが同期しないと(時定数の一致)、せっかくの思考結果もまったく無駄になってしまう。  

となると、誤るリスクはあっても、その時その場で「とりあえずの解答」を出してみるという思考方略---ヒューリスティック思考と呼ぶ---が求められることになる。  
ヒューリスティック思考の特徴は次の3点にまとめられる。  
(1)思考に使う認知的コストが低い  
(2)論理的には誤っていても、その時その場では妥当なことが 多い  
(3)その時その場にある手がかりと、それに駆動され活性化された頭の中の知識が思考に使われる。

「しまい忘れ工具が脱線原因」としてしまう推論も、ヒューリスティックス思考の結果と言える。「工具--脱線させる原因になる--作業に使う--しまい忘れ」は、誰しもがすぐに思いつく、おおむねその時その場での妥当な結論の一つではある。  
しかし、「その工具が、脱線させる原因にはなりえないものだったら」とか、「その工具でするべき仕事がしてなかったら」というように、さらに思いをめぐらすのが、クリティカル思考である。  

クリティカル思考がなされないと、とりあえず出した(思いついた)一つの可能性が、最終的な結論として固着してしまう。そこに、ヒューリスティック思考のリスクがある。

思考の固着に要注意  

2017-05-24 | 認知心理学
思考の固着に要注意  

思考の固着とは、思考の方略も結論もいつもワンパターン、しかもそれが正しいものと信じ込んでしまうというものである。  

クリティカル思考とは正反対の思考の癖であるが、人のヒューリスティック思考に内在する構造的な癖とも言えるところがあるので、充分な注意が必要である。  

思考の固着をもたらす条件には、外部条件と内部条件とがある。
・外部条件その1
思考を駆動する手がかりが顕著(手がかり固着)  「工具」があまりに際立っているため、他の可能性に目がいかなくなってしまうようなケースである。

・外部条件その2
速く答えが求められる(解答固着)  事態が急速に進展してしまう状況では、今どうするが最重要課題になる。時間ストレスが強いとその時思いついた解答にしがみつくことで安心してしまいがちである。

・内部条件その1
同じ思考方略ばかり使っている(方略固着)  同じ状況での仕事は同じ考え方ばかりを使うことになる。状況が大きく変化したときも、前の状況でうまくいっていた思考方略を使ってしまう。

・内部条件その2
その時活性化している知識しか使わない(知識固着)  状況がきちんとつかめないとき、ちょっした手がかりに触発されて活性化している知識だけを使って状況を解釈する仮説---メンタルモデルと呼ぶ---を立てて、その枠組の中でしか状況を解釈しない。かくして、思い込みエラーが発生することになる。






ワークリミットとタイムリミットを組み合わせてみると

2017-05-19 | 認知心理学

     (ワークリミット厳しい)
       できばえが良い
    「創造型」  l 「能吏型」
    「職人型」  l 「多産型」
  締切りを守らないーl―締切りを守る
(タイムリミットなし)l    (タイムリミットあり)
 「マイペース型」  l  「拙速型」
           l  「幼児型」
       できばえが悪い
     (ワークリミット緩い)

図 ワークリミットとタイムリミットとを組合せてみると

思考の固着から脱却する

2017-05-19 | 認知心理学
思考の固着から脱却する

思考の固着が人の癖であることの認識をきちんと持つことがまずは大切になる。  

その上で、思考の固着から抜け出るための具体的な方策を取ることになる。

(1)クリティカル思考をする  時間ストレスがないときには、有効である。
(2)現場を一時的に離脱してみる  手がかり固着から逃れるには、一時的に現場から物理的に離れてみることも有効である。1mの距離では見えなかったものが、5m離れると見えることもある。
(3)一時的に判断停止(エポケ)、行為停止をしてみる  何が何やらわけがわからない状態のときには、思い付きのへたな状況対応をすると、ますます状況が悪くなることがある。そんなときは、ともかく何もしない、何も考えないという方策もあってよい。
(4)人の助けを借りる  思考は自分の頭の中で起こる。だから固着も起こる。そこで、周囲に仲間がいるなら、自分の思考結果を口に出して相談してみる。共同思考である。



動くと見えてくる

2017-05-18 | 認知心理学
動くと見えてくる
 何らかの意図があって動くと、その意図の実現を助けるものが見えてきて、自然に意図にかなった行為をするようなことがある。こうした行為を誘う仕掛けをアフォーダンス(affordance)と呼ぶ。フォーダンスのある人工的な環境を用意すれば、ミスも起こらない。
 たとえば、ドアのノブ。多くは、回して引く行為をアフォードする。むろん、そうでもないノブがいくらでもあって、そんな時には、あれこれとやってみて正解を見つけることになるが、これは、適切な行為を阿フォードしていないことになる。
 あるいは、道路上でみかける各種の白線。このおかげで、スピード感や曲がり具合が自然にわかり、アクセルやハンドル操作を適切なものにできる。
 アフォーダンスとまではいかないまでも、バリーアフリーの考えの中に、動きながらの安全を支援する情報環境の設計のヒントがある。
○マルチモーダルな手がかりを提供する
 たとえば、視覚が不自由な人には、触覚や聴覚の手がかりを提供する。
○急な変化がないようにする
 たとえば、段差や90度カーブがないようにする。 
○急な変化は目立たせる
 たとえば、階段の端には色をつける。



マクロとミクロ    大きく考えて細かくつめる

2017-05-15 | 認知心理学
マクロとミクロ    大きく考えて細かくつめる

ポイント
1)ミクロ最適化の罠に要注意 。
     
2)マクロを絶えず意識する。

3)「中長期の目標」「より上位から」「他 との関係」からも考えてみる 。




pepperとの会話

2017-05-09 | 認知心理学
ホテルのロビーにおいてあったので、
会話をしてみた。
こちらかの問いかけには、
ほとんど、「おっしゃっていることがわかりません」。
であまり感心するほどの性能を感じなかった。

介護現場などに癒しロボットの導入が話題になっているが、
ペットなみにならないと、すぐに飽きてしまうのではないかなー。
・成長する
・育てている
・喜んでいる
この要素がないとねー。