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 あなたは「有用性のない厳密さ」か「有用性のある曖昧さ」のいずれを求める?

2017-03-18 | 認知心理学
 あなたは「有用性のない厳密さ」をめざしますか?
 それとも「有用性のある曖昧さ」をめざしますか?
(中原淳)
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前者は、基礎、理論志向の研究、は
後者は、応用、技術志向の研究となる。

両者は、研究活動の車の両輪のようなものだと思うが、
一人の研究者がこの両輪を動かすのはなかなか難しい。
いずれかを選ぶことになる。

これが、時には、基礎グループ対応用グループの対立図式となることがある。




ステレオタイプを克服するには

2017-03-17 | 認知心理学
2つの方策がある。
 一つは、やや逆説めいた方策であるが、思考の真理追及の側面を使うことである。ステレオタイプが真理ではないかもしれないことを、たとえば、本などを手がかりに学問的/科学的に冷静なチェックしてみることである。

 2つは、反例の存在を見つけることである。「T大出でも頭が悪く、人づきあいは良い」人がいないかどうかに目を配ってみることである。体験から学んだものは体験で検証してみることである。



 
 






ひらめき思考の特徴

2017-03-10 | 認知心理学
ひらめき思考の特徴
 まず第一に、ひらめきは、一瞬におとずれる課題解決、あるいは認識であるということ。  
ただし、あれこれ考えに考えた上でのひらめきと、深い思考なしのひらめきとがある。いわゆる創造活動の過程での啓示(ひらめき)は前者、幼児のたとえは後者である。  

第2の特徴としては、ひらめきは既有の知識をベースに起こるということ。  
幼児のひらめきは、頭の中にある既有の知識をストレートに外界認識に使ったものであるが、多くのひらめきは、既有の知識要素間の新たな連合の成立から生まれる。その連合が、水平的にも垂直的にも、充分にかけ離れているときに、それは、ひらめきとなる。それが、幼児のたとえ思考のように、内容的に浅いときは突飛でおもしろいとなり、新たな知識の生成となるときは、世の中を動かす創造的発明・発見となる。

第3には、納得感を伴うこと。  
ひらめいた瞬間に「わかった」「これは絶対に正しい」といった感覚を伴う。ただし、あくまで本人の主観的な感覚であり、つねに正解ということではない。  

第4は、ひらめきは、周囲になにがしかの驚き、時には感動を与えること。それが前出のような新聞での長期の投稿連載を支えている。

「なぜ、日本人は日本人の研究を引用しないのか」 今日の論考

2017-03-06 | 認知心理学
「なぜ、日本人は日本人の研究を引用しないのか」
ノーベル賞の波及効果として、日本人の研究評価能力が今問われている。

まずは、日本人の研究をきちんと引用することからするべきであろう。

昔、ある先生がなぜ僕の研究のほうが先なのに外国人のほうを引用して僕のを無視するのだと抗議のメールを回す事件?があった。
事の真偽は不明だが日本人の研究を引用しない傾向はややはなはだしいところがあることは事実である。

心理学会だけではないらしい。なぜか。
・批判的な引用、論争を恐れる   
  アメリカでは、本当の論争のごと  
  き形であえて論争を挑んで話題作  
  りをするようなところがあるそうだ。
  それを解説するのが日本人という図式もある。
・どうせその研究も外国にもとがあるはずと思い込む。 
  事実、そのケースが多い。
・引用の仕方がおかしいと抗議されるのを恐れる
・外国物なら気楽に引用できるし、権威づけになる


注意の3x2特性>>

2017-03-03 | 認知心理学
注意の3x2特性>>

注意の3つの機能 と 2つのコントロール

●選択
          能動的特性 自己コントロール可能
●配分   x
          受動的特性 自己コントロール不能
●持続       

擬人的な説明はなぜ多用されるのか

2017-02-25 | 認知心理学
擬人的な説明はなぜ多用されるのか
 NHK月曜日夜8時からの「生き物地球紀行」は楽しみな番組の一つである。そのストリー展開を導くセリフは、ほとんどすべてが擬人的である。「雄は雌の気を引くために---」「気の毒なまでに空腹に耐えて---」「仲間からの孤立を恐れて----」と言ったセリフが続出する。したがって、全体はおよそ「科学的」とは言えないことになるのだが、視聴者からすれば、だからこそおもしろいし、楽しめる。なぜか。
 一つは、擬人化によって物語が作れるからである。「雄と雌が3mの距離に近づいた」「10時間食物取らず」「他の個体から離れたりくっついたり」といった事実の記述だけでは物語にならない。退屈するばかりである。擬人化するから、視聴者の物語理解が可能となり、さらには、動物の振舞いに共感できることになる。
 もう一つは、擬人化によって、誰もが納得できる「解釈」が自然に組み込まれているからである。動物の不思議な振舞いが紹介されたとき、それは一体なぜ、という疑問を解消するには、馴染みのある自分の(人の)気持ちを引き合いに出して解釈させてくれる解説は心地よい。





身体の復権

2017-02-14 | 認知心理学
20世紀後半、認知科学が隆盛を極めた頃の話、
頭を模した機械コンピュータに知能を持たせようと躍起になった研究があった。最終的な目的は、鉄腕アトムなのだが、なかなかうまくいかなかった。
そんな中で、注目されたのが、身体だった。
大げさには、身体の復権、なんていう人もいた
つまり、人間は、身体で考える、というか、身体抜きの知能はかすのようなもの、身体に埋め込まれた知能こそ、生きていくのに不可欠ということの再認識
そして、それこそ、コンユータの人間レベルの知能に持たせられない理由との認識につながっていく



記憶の時間的な特性

2017-02-09 | 認知心理学

記憶の時間的な特性
●記憶は時間に規定されながらも時間を超える
 例 思い出せることが多い過去(充実時程)は、
   長く感じる
●心理時間と物理時間とは、ゆるい関係にある
●最初と最後は覚えられやすい(系列位置効果)

連想は仕事の邪魔?

2017-02-05 | 認知心理学
連想は仕事の邪魔?  

我々が仕事をしているときの7割くらいは「正解」の世界であろう。  
そこでは、できるだけ速く正確に「正解」に達することが求められている。あちこち想いを連ねる連想のような「遊び」をしている余裕はない。  
それはそれで有効な方策ではあるが、いつもいつもそれでは頭が硬くなる一方である。
ときには、連想を積極的に活用してもっと頭を柔らかくしてやることも心がけてみる必要がある。


心理学への期待「公認心理師」資格

2017-02-04 | 認知心理学

20年前だったら、そんな期待はないものねだりだから無理、心理学にそんなパワーはないと言ってつっぱねても大学の心理学は成り立っていけたほど小規模だった。

しかし、心理学がここまで期待され至る所で制度化されてくると、そうも言っていられなくなってきた。ともかくやれるだけやってみるしかない、というのが正直なところである。

3年後、資格発足をめざしての改革が始まっている。


コンピュータと人間

2017-02-03 | 認知心理学
●入力装置は、感覚系のようなもの
記号入力   
から
直接操作入力へ  
●記憶装置は、記憶系のようなもの
①データとプログラムの独立方式  
から
データとプログラムを一緒に貯蔵する(プログラム内蔵方式 )へ
②小容量から容量フリーへ
●演算装置は、作動記憶のようなもの
高速でデータの処理をする
●制御装置は、メタ認知のようなもの
コンピュータ全体をコントロールする
●出力装置は、手足、からだのようなもの
処理結果をプリントしたり画面表示したりする






心理学の教育

2017-02-03 | 認知心理学
●ハーフナー「心を上手に透視する方法」を読みながら
授業で使えるものはないか探したことがある。しかし、自分では
とても、学生を感動させる透視スキルはみつからなかった。
その本にも、ところどころで心理学の研究が引用されていた。
●素朴心理学とポップ心理学とアカデミック心理学を適当にブレンド
した教材が多様化した学生の心理学授業用に必要だと思う。



連想で頭をマッサージする

2017-02-01 | 認知心理学
連想で頭をマッサージする
 普段は、正解志向で頭が凝り固まっている。そんなときほんの2、3分でよい。なにか心に引っかかりのある言葉を白紙の真ん中に書いて、連想マップを作って、自由奔放に想いをめぐらせてみる。
 あるいは、夜寝る前、自然のままに浮かんでくる連想を抑えないでそれをじっくりと味わってみるくらいの気持ちで連想のおもむくままにさせてみる。
 こうしたちょっとした実践が心を解きほぐしてくれる。そこに斬新な発想が生まれるし、ときには心の癒しにもなる。

 

なぜステレオタイプが便利なのか

2017-01-26 | 認知心理学
なぜステレオタイプが便利なのか
 真理をもとめる思考とは違って、社会的な場での思考は、唯一の正解がないし、考慮すべき条件(制約)が多いし、条件一つ一つが不分明な部分が多いだけに何かと面倒である。
 その面倒を避けるために展開される思考の一つがステレオタイプ(stereotype;固定観念)による思考である。
 ステレオタイプによる思考の便利さは3つある。
1)余計なことをあれこれ考えなくてすむ(認知資源の節約)
2)結論が社会的に納得されやすい(結論の説得性)
3)大きく誤ることがない(リスク回避)