生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

ドナー(兄)の術後経過について

2009-01-16 22:27:16 | ドナー(兄)・家族のコーナー

現在ドナー(兄)職場復帰しています。

突然の動きにはまだ対応できないようですが、順調に生活しています。

兄が、mixiで術後の様子を投稿していましたので、その掲載許可いただきましたのでアップさせてください。

 

 

9月16日

手術について書きます。

もう、明日で術後3週間になります。

●傷跡について

肋骨の下からへその上まで一直線に、90度曲がって脇腹まで一直線に傷が残りました。

一言で言うと、「L字」に残ってます。

あと、ドレーンが一本入ったので直角の内側に穴が開いております。

●経過について

術後、ICUに一泊しました。

記憶は全く残っておりません。

うっすらと、部屋の中が見えたのを覚えています。

二泊目は個室でした。

ここでいろいろと悪さをいたしてしまいました。
まず、首の動脈にカテーテルが入っていたのを無理矢理引っこ抜いてしまいました。

大騒ぎになったそうです。

覚えてないんだけどね。

次に、一人で歩いてトイレに行こうとしたけど、カテなどでいけなくて押さえられたそうです。

なにせ、拘束する方向で家内が書類にサインしたそうですから、何をしていたか推測できますけどね。

ハハハハハハ。

記憶が戻ったのは、三泊目ですね。

「痛い」の一言でした。

麻酔は決まった時間にしか入れられないし、困ったちゃんだったそうです。

だって、本当に痛かったんだもん。

●記憶がある経過について

横になれない苦痛と腹からドレーンが出ている苦痛、そして、眠れないシンドロームでした。

「術後、三日目から体を動かしましょうね」という看護婦さんの鬼のような一言を苦痛とせず、毎晩眠れなくて、自ら進んで病棟を幽霊のように歩き、歩行訓練に取り組んでいました。

●外泊が退院について

事前の説明では、「三週間」と言われていましたが、「二週間」が過ぎた頃、「外泊できますか」の質問に、「では、退院しましょう」のお医者さんの返事でした。

うれしかったので、「はい」と言って退院しちゃいました。

一番早かったのは、10日で退院したそうです。
ぼくはほとんど同じですね。

●肝臓を取って

肝臓を55%取りました。

当然、45%しか残っていないんだけどね。

まあ、「疲れる」の一言です。

食べる、トイレで出す、歩くなどが、すごく疲れます。

本当に疲れます。

三週間経っても、歩くだけで疲れます。

後一ヶ月はこういう調子なんっでしょうね。

まいった。

●退院後の経過

じゅんちょうです。

肝機能も回復してきています。

体液がしみ出てきていた傷口は、きれいにふさがりました。

9月19日

手術から20日が経ちました。

傷口は落ち着いてきました。

相変わらず、何をやってもすごく疲れます。

2度寝、3度寝は当たり前です。

肝臓が元に戻るまで、一ヶ月半だそうですから、まだまだですね。

車も運転しています。

ところで、手術から退院までちょうど10日でした。

それって、実は病院のタイ記録でした。

ぼくって、丈夫?タフ?


10月5日

 肝臓も大きくなってきました。

おなかの中で切り取った空間に内臓が移動する感覚もなくなりました。

ちょっとした体の動きもできるようになり、はたから見れば、普通の人のようになってきました。


お医者さん曰く、「社会復帰しても良いかな?」だそうです。

ちょっとうれしかった。

肝機能も戻りました。

レシピエントの弟も順調に回復してきました。

まだ、ドレーンがお腹から2本出ています。

肝臓も大きくなっているそうです。

元々の肝臓の持ち主が偉い丈夫だったもんで、いっぱい「胆汁漏」が出ているのが唯一の問題かな。

これからは、運動をしていこうと思っています。
散歩は続けています。5キロぐらい歩いています。

ストレッチやウエイトも取り入れたいと考えていますが、どこまでやったらいいのかがよくわかりません。

リハビリの専門家も身の回りにいないので、無理のないようにしていきます。

傷口はきれいになってきました。

中から、縫合した糸が所々1ミリぐらい顔を出しているぐらいです。

この糸も三ヶ月ぐらいで溶けてなくなるそうです。

お酒が飲みたいのですが、どうなんでしょうか。
困った。

10月21日

傷の違和感がなくなってきました。

横に走っている傷口が少し痛みます。

特に、運動したり、曲げ伸ばししたりするとききます。

後は、暇だな、と実感するようになりました。

それだけ、回復してきているんだと思います。

ただ、少し、鬱になっている部分があります。

脳梗塞になった時に自分を第3者として認識して分析することができるようになっているので、ちょっとやばいかも、という状態です。

やたらと、昔の失敗を思い出し、その理由を考え、ひたすら落ち込んでいます。
 
仕事がしたい、忙しさの中で無我夢中で働きたい、という気持ちも一方にあります。

あと、2週間で仕事に復帰します。それまで、どう変わっていくのか楽しみ?です。

11月2日

休暇が終わり、週明けから「勤務」いたします。
8月の手術から2ヶ月あまり、早いような、遅いような複雑な気分です。

まだ、傷口は痛いけど、運動すると脇腹が特に痛いです。

大声を出すと腹筋が引きつるけど、30分立っているとふらつくけど、がんばります。

戦場に戻ります。

それと、お酒を飲みました。

缶ビール1本、おいしかったです。

さあ、飲むぞ。

飲むぞ。

し○ちゃん(飲み屋の名前)行くぞ。
 
励ましのかきこ、ありがとうございました。

生体肝臓移植に関わる一連の記録をここで終わりにしたいと思います。

仕事、できるのかしら・・・・・。

もっと休みたいかも。

 

以上です。でも現在減った体重以上に増加しているそうです・・・合併症がなくてよかった・・・


術後22-24日

2009-01-16 21:08:03 | 生体肝移植(初回入院)

食事も落ち着いた量を食べれるようになり、点滴も終了に。これで体についているチューブは胆道減圧チューブと胆汁漏チューブの2本に。

一階の売店などにも歩いて挑戦できるぐらいに回復してきました。

雑誌を買ったり、ちょっとしたお菓子を買ったりなど今まででは考えられないこともできるようになりました。

お見舞いも増えてきて、気になったことは、声が出ないことでした。蚊の鳴くような声しか出すことができずに、何でなのかわかりませんでしたが、横隔膜がしっかり働いていないためでした。しばらくこの症状は継続しました。

ベッド上で行っていたリハビリも、最終目標が歩行であったので終了となりました。写真は、リハビリを行っていた頃の写真です。

主治医の先生からも、この調子なら保険を自費から、変更するために一週間後程度に一度退院しましょうといった話まで出てきた。

非常に順調でした・・・