生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

術後28-30日目

2009-01-18 22:06:46 | 生体肝移植(初回入院)

調子が落ち着いて、CTでも大きな問題ないため、30日目で一時退院の方向になりました。まだ日常生活はなかなか難しい状態でしたが、自費での入院を一度退院で終了し、肝移植術後として保険を効かせるための方法でもあります。

自宅では、寒さや食事の問題などいろいろ注意点が多く、ほとんどベッドで寝ていました。チューブも2本入ったままなので、自分で排液し量を記録して消毒しました。

この次の入院は、2本のチューブを抜くのが目的です。しかし、一回目の入院が良いほうに向かってがんばれるのに対して、2回目の入院は、一歩進んで一歩下がるような治療が続いたため、精神的にきつい入院となりました。

でも、一ヶ月で退院できるとは思っていなかったので、うれしかったことは覚えています。そのうらはら、三日後には早く病院へ戻りたいとも思っていました。不思議なものです・・・

写真は退院前の傷口とチューブの様子です。ケロイド体質ではないので、傷はきれいになっています。


術後26-27日目

2009-01-18 08:42:18 | 生体肝移植(初回入院)

予約していた、理髪店で朝一番で散髪してもらった。座位でいれるかなと思ったら結構大丈夫だった。

プロに洗髪してもらって、顔ぞりしてしてもらってさっぱり。

食事も2/3以上をクリアー。全部食べると張ってしまうので最大でも80%程度に抑えていました。

術後26日目には造影CTが午前中に予定されていました。このCTで異常なければ一時退院の方向になります。

写真がそのCTです。黄色の矢印が、胆汁漏に入っているチューブ(白いもの)で、胆汁は見えますが、増えていませんでした。赤印が、拡張した胆管で、現在もこの胆管は拡張して機能していません。水色の矢印は、腸腰筋という筋肉で入院時のCTと比較して、半分以下の細さになってしまっています。体重は14kg減りましたが、脂肪は結構残っていたので、ほとんどが筋の萎縮による体重減少なのだなーと思いました。

 

結果としては、予想通りなので週末に退院の方針となりました。


術後25日

2009-01-17 21:05:56 | 生体肝移植(初回入院)

写真は、胆汁漏の時に撮影した胆管減圧チューブから造影剤を入れて取った、胆管造影の正面像です。一見、吻合部狭窄以外は正常に写っているように見えますが、2本足りません。その部分から、胆汁がもれていたようです。

この日は、普通食に変更したときに生物禁止食になっていなかったので、納豆が出てきました。

一応納豆は、食べれないことになっているので手をつけませんでした。

小児科などで、化学療法などで生物禁止となっているとき、どうしても納豆を食べたい子がいるようで、納豆を食事直前に電子レンジで加熱殺菌して食べるそうです。

おかげで、小児科病棟は毎朝納豆の強烈な香りが病棟中に漂うようです。

今でも納豆は食べていませんが、納豆って本当に感染源になるのでしょうか?

 

今日は、病院内の理容店へ行って散髪してもらおうとしましたが、予約でいっぱいでだめでした。明日の予約のみとって、売店へ行き、雑誌などを買って帰りました。


術後22-24日

2009-01-16 21:08:03 | 生体肝移植(初回入院)

食事も落ち着いた量を食べれるようになり、点滴も終了に。これで体についているチューブは胆道減圧チューブと胆汁漏チューブの2本に。

一階の売店などにも歩いて挑戦できるぐらいに回復してきました。

雑誌を買ったり、ちょっとしたお菓子を買ったりなど今まででは考えられないこともできるようになりました。

お見舞いも増えてきて、気になったことは、声が出ないことでした。蚊の鳴くような声しか出すことができずに、何でなのかわかりませんでしたが、横隔膜がしっかり働いていないためでした。しばらくこの症状は継続しました。

ベッド上で行っていたリハビリも、最終目標が歩行であったので終了となりました。写真は、リハビリを行っていた頃の写真です。

主治医の先生からも、この調子なら保険を自費から、変更するために一週間後程度に一度退院しましょうといった話まで出てきた。

非常に順調でした・・・


術後20-21日目

2009-01-15 21:58:20 | 生体肝移植(初回入院)

食事は順調に、半分以上取れるようになってきました。

トイレも、何とかリハビリを兼ねて身障者トイレまであるって行くようになりました。

生活が戻ってくると、突然コーヒーが飲みたくなってきて、主治医に聞いてみると、OK!

病院内にあるスターバックスコーヒーでコーヒーフラペチーノを買ってきてもらって飲んでみました。

”うまい!濃い!生きてるー!”という感じ・・・

写真はそのときのものです。

点滴量も1日1000ccに減ってきたので、トイレ回数も減少。

お見舞いの方ともお話できる余裕が出てきた。

夜も、眠剤飲まなくてもぐっすり眠れるようになってきた(となりで騒いだ人は、ICUに戻っていなくなってしまった)。

次の日からは点滴の輸液ポンプ(ピーピーうるさいもの)が解除になり、急に身軽に。移動も楽になりました。

ご飯も、全粥から普通食に変更。

この調子でがんばるぞ・・・


術後19日目

2009-01-14 15:38:22 | 生体肝移植(初回入院)

昨日、胆汁漏にチューブを入れてもらい排液400cc出た後は、いきなり朝食半分食べれました。

座位でいられる時間も5分から1時間以上にのびて、術後の状態がこの日を境に急激に改善しました

歩行なども楽にできるようになり、トイレはポータブルから、身障者トイレに変更となり、排便もすっきり出るようになって来ました。恐るべし、胆汁漏という気分。

排液は、順調に400-500cc出てきますので、かなり圧迫されていたのが実感できます。出てくる液は、黄土色から緑色の粘液で、胆汁そのものです。

その代わり腸管内にはほとんど排泄されないので、便の色は白色のまま。

昼食も半分摂取。

寝るも下がり、採血結果もみるみる改善!!やったー!!

シャワーも浴びてすっきり!!

おやつまで食べることができた。

しかし、調子に乗ると必ずしっぺ返しが来るのを忘れてはしゃいでいたのをすっかり忘れていました。

夕食は、お腹が張って、1/4程度。調子に乗りすぎたーと思って、トイレに行くと、胆汁漏のチューブから、勢い良く300CC出てきました。それですっきりに。

今日はいろいろあったので、眠剤なしで就寝したら、となりの部屋の方が夜に、大騒ぎとなり、寝れませんでした・・・

いいことの後には、悪いことが波のようによせてきます・・・・

でも、ほんとにこの日を境に体調は改善してきました。

写真は、赤矢印が胆管内に入っている胆管減圧チューブで青矢印が胆汁漏に入っているチューブです。これに、それぞれバッグがついているので、ずっと持ち運びます。


術後18日目

2009-01-12 11:41:13 | 生体肝移植(初回入院)

この日は、土曜日だったので妻は子供の歯医者のため午前中に弟と交代していました。

採血結果などが、上昇しているのが止まらないので、緊急的にエコー下に胆汁漏に対する穿刺術を行うこととなりました。

一階の透視室に運ばれ、物々しい準備が・・・・熱も出てきて寒い・・・・

みぞおちの近くが消毒され、滅菌シートが何枚もかぶせられました。

まず、試験穿刺といい細い注射針で麻酔をしながら液を採取します。色が黄色であれば何もしないのであるが、緑色であればチューブを挿入する方針に・・

皮膚表面麻酔は、チクッとしただけで大丈夫。だんだん深く麻酔して試験穿刺は問題なく終了。3cc程度抜いた液は、・・・・緑・・・・でした。はーっ!

それから、本穿刺に移行しました。

トップの先生が、大丈夫痛くなくしますね・・・安心してください・・・

最初に試験穿刺程度の針で、液が抜けたら、その細さにあったガイドワイヤーという黒い針金のようなものを入れます。これで皮膚から液がたまっている空間までガイド役が入ったようになります。

しかし、液を抜くチューブの太さはガイドワイヤーの数倍(縄跳びの糸ぐらい)なので、その道をその広さに広げなければなりません。

それがダイレーター(拡張器)といい、鉛筆のように細い部分が10cmの間に、チューブの太さまで広がるような棒状の構造になっています。

中心には、ガイドワイヤーが通る穴が開いているので、ワイヤーに沿って押し込んでやると穴が広がります。

これを押し込むときが、千枚通しでお腹を刺されたのと同じ状態になり、痛くて重くてたまりません!

入ってしまえば、落ち着くのですが、このときの痛みはいやでした。

その後、そのチューブから、400ccの緑色の液体がスルスルと出てきました。

写真は、赤印の胆汁漏の液体が、穿刺後に減少しているのを示したCTです。左が穿刺前、右が穿刺後です。

そのまま病棟に上がって、痛みをこらえていると、おやつの時間になり体を起こしたときに、”あれっ・・・痛みが・・・なくなっている”つまり、液が排出され圧迫が取れたので、座位で5分しかいれなかったのが、20分程度まで問題なくなりました。

食事も、5口程度で終わっていたものが、アイス丸々1っこから始まり、ほとんど全量摂取できるときもありました。

やったー うれしー と思っていたのですが、この胆汁漏という合併症は、なかなか面倒で長期にお付き合いすることになっていくのです・・・


術後17日目

2009-01-11 19:57:00 | 生体肝移植(初回入院)

朝の採血で、肝酵素・炎症反応・ビリルビンなどが上昇している。

エコーでは、血流などに問題なし。

午前中に、造影CTを撮影することに。

その結果を見る前に、肝生検の結果が出て、拒絶反応はステロイドパルス療法にて改善傾向にありますという内容。

午後一にエコー行い、そのときに肝の断端面・胃の内側に液体貯留ありそこが炎症を起こしているのでしょう。もし胆汁が混ざっていれば、針を刺してチューブを入れるか、手術で開けてみますと。

まだ、エコーでさせるほどの空間が確保できなかったので、抗生剤+ガンマグロブリンで経過を見ることに。

写真はそのときのCTです。茶色が移植した肝臓で、水色が胃です。赤い部分が溜まっている液体になります。最終的には、胆汁漏で抜いたときに緑色の液体が400cc出てきました。このために胃が圧迫され、腹膜刺激症状で腹直筋が突っ張るような痛み(腹膜刺激症状)が出ていたようです。

後日この中に、皮膚からチューブを入れることになるのですが・・・これが・・・


術後16日目

2009-01-10 20:37:53 | 生体肝移植(初回入院)

やはり腹痛強く、体調も低下。

採血結果にて、肝酵素・炎症反応などが急増しているので、拒絶反応疑いで午後から肝生検行うことに。

またか・・・

昼ごろから、熱も出てきた。

午後に内科の先生が肝生検行ってくれた。痛みはそれほどではなかったが。やはりいやなものは、いやだ。

拒絶反応が出ていたら、またパルス療法なのかな~と思っていた。

肝生検のの結果は、明日の午後には出るようなので、それはでは無理しないで、おとなしくしていることにした。

便は少し固まるようになってきたが、依然として真っ白な便。これと、腹痛とが同じ原因でした。

この日は、お見舞いの方が多数いらしてもらったのだが、体調低下気味で、お話が弾まず、短い時間で交代してもらった。

なんとも、落ち着かない体にがっかり・・・

 


術後15日目

2009-01-10 10:34:45 | 生体肝移植(初回入院)

腹痛は、断続的に続いていました・・・

採血結果でも、白血球やビリルビン値が徐々に増えてきた。

微熱出てきて、体調も下向きに。

その中、半抜糸しましょうということになった。写真は、金属のホッチキスの真ん中をまげて、両はじを持ち上げるはさみのような機械で抜糸しているところの写真です。痛みは、お腹が痛かったので、あまり感じませんでした。

半分だけ抜糸しました。

経口摂取はほとんどできないので、補液量の増量。トイレ回数の増加。また不眠傾向に・・・

明日の採決結果見て、また肝生検行うかもしれないと説明。またか・・・・