生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

最初の症状 part3

2008-11-30 16:11:17 | 移植まで

入院生活もある程度落ち着くと、点滴以外の時間は思いっきり暇になります。

前回もアップしましたが、入院した病院は田舎の病院でしたので、入院患者さんの平均年齢は60-70歳程度。

朝4時には、皆さん行動開始し・夜8時には就寝で真っ暗という状態。

さすがにこの生活リズムには、なかなかなじめませんでしたが、不思議と2週間もすると、このリズムが当たり前で、社会の生活の時間帯など気にならないように変化しました。

暇な時間は、ロビーでおじいちゃん・おばあちゃん達と あの先生は・・・・ あの看護師は・・・・ 外来は・・・・など病院の品評会が始まります。

自分が医学生であることは、伏せていたので隠し事なくお話できました。

このときの経験が、後に大いに役立つこととなるとは、思っていませんでした。


最初の症状 part2

2008-11-29 08:33:33 | 移植まで

内科外来で採血したところ、AST1000/ALT1500と高く、ビリルビン18とスペシャルな値でした。

即入院です。

でも大学には、ベット無いので、君の地元の関連病院に紹介するよ。と…

 隣町に済生会病院があり、関連病院であったので、電話で連絡確認後、入院となりました

しかし、この病院お世辞にもきれいな病院とは言えず(築30年以上)、テレビの電波もうまく拾わない始末

肝炎の治療は、基本的に安静と点滴。

知っておられる方もいると思いますが、強ミノという薬とビタミンを点滴し、ただ寝ているだけ。

一週間間に一回程度採血し肝炎の酵素が正常値になっていくのを見守ります。

つづく


最初の症状 part1

2008-11-28 16:11:31 | 移植まで

最初に、急性肝炎として発症したのは、大学四年の時でした。

 柔道部・学生会長など、いろんな事に手を出して、忙しい日々でした。

 部活動が終わり、みんなで中華屋さんにいって、チャーハンを食べ家に帰ると、胃が苦しくて、どうしようも無くなってしまったのです。

 食中毒か~っ!と、自己判断し、トイレでを使って吐き出しました。

 出るは出るは、食べたものが全部出ると、凄くスッキリしたので、食べ過ぎだということで、寝てしまいました

 

次の日から、なにを食べてもマズく、朝全身に鉛を背負った感じで起きれない。

授業を受けても、居眠りの後二度寝しても廊下で昼休み中寝ていた始末

 丁度、ベットサイドで患者さんを診せていただきながらの臨床実習が始まりました。

 患者さんは、進行膵癌のため総胆管が圧迫され黄疸の症状を示しておられました。

 担当の先生が、説明しながら、これが黄疸という症状です、診せていただきなさいと。

 次の瞬間、私の顔を見るなり、君も黄疸じゃないか!!直ぐに外来に来なさい!! 診せていただいた患者さんも、びっくりされていました

つづく


今日で3ヶ月です

2008-11-27 18:35:38 | 胆管炎に対する治療(3回目の入院)
手術が8月27日なので、今日で3ヶ月になります。

熱は抗生剤使用にもかかわらず、また出ました。

少しうつになっていましたが、夕回診の時、先生が胆汁漏に2ヶ月以上入っている、チューブを入れ替えしましょうと。

パチンと糸を切って、すっと抜いて、6Frの吸引チューブをすっと入れました。

あっと言う間で、痛くも痒くもないまま終わりました。

これで熱下がるのかな?

期待しないで、経過みます。

でも、2ヶ月以上お付き合いした、チューブで、一時は700cc以上排出していましたので、数秒だけでも体から無くなったのは、うれしい出来事でした。

えっえぇー

2008-11-26 18:48:52 | 胆管炎に対する治療(3回目の入院)
今日は、抗生剤が利いたのか熱もなく体調もいい日でした。

気分良く過ごせた1日の最後の行事である夕食の時、おっ!刺身なんて豪華じゃないか。

って、免疫抑制剤飲んでいるから、生モノ駄目じゃーん。

売店(ここには、ローソンが24時間)でおかずを買って、もう終わろうとしたとき、夕回診。

先生に、いや~生モノ駄目なので、買って食べています!と言ったら、あ~食べて良いですよ。と

生カキみたいに普通の人も当たりそうなもの以外は、大丈夫みたいです。

誰も正解は分からないようで、骨髄移植並みに厳しい所から経験的に崩しているようです。

いろいろなブログでも、施設によって差が大きいようですが、患者さんにとっては、毎日の事なので基準があれば良いかな?

また熱です

2008-11-25 18:16:05 | 胆管炎に対する治療(3回目の入院)
昨日は、熱が出なかったので、安心していたら…

かたかたと少し寒いなぁと思っている内に、悪寒がきてしまいました。

湯たんぽをもらって、1時間程度で落ち着いてきましたが、38.6度まで上がってました。

採血して、胆管系酵素と炎症反応の上昇を認め、胆管炎かなぁと言うことに…

抗生剤で熱が下がらない時には、ERCPで胆管ステントを入れるようになるかもと…

できれば避けたいのですが、熱が下がらない事には、帰れないし!

明日で、術後3ヶ月になるので、少し落ち着いた生活がおくりたいなぁ~

今までの経過について

2008-11-24 14:17:24 | 移植まで

【全体の経過】
 
母子感染によるB型肝炎ウィルスキャリアー⇒慢性肝炎⇒肝硬変⇒肝癌

【細かい経過】
 
高校2年  献血でのHBs抗原陽性の通知
      内科受診でキャリアーである診断
肝機能問題ないため経過観察
 
大学2年  慢性左肩関節脱臼に対する手術
      HBe抗原陽性であるキャリアーである事を指摘される
      肝機能問題ないため経過観察
 
大学4年  黄疸・全身倦怠感にて急性増悪(AST/ALT 1500台 総ビリルビン17台)
      2ヶ月入院加療で改善
      肝生検で慢性肝炎の急性増悪の診断(軽度肝硬変)
      インターフェロンによる治療を外来施行(治療費400万以上)
      HBe抗原の陰性化(セロコンバージョン)せず

医師1年目 急性増悪のため2ヶ月入院
      点滴のみで肝機能改善し退院
 
医師2年目 研修先病院にて、急性増悪
      肝生検施行し慢性肝炎+肝硬変の診断
      2ヶ月入院で、点滴のみで肝機能改善し退院
 
以後、急性増悪を認めず、29歳のときに結婚し2人の子供授かる
 
2007年11月までの定期採血では、AFP・肝機能などは正常範囲
画像系の検査は施行せず

今年5月 出張先の病院で、テスト患者としてCT施行
     自分でS5の腫瘤を発見
     消化器内科受診し、CTと採血
 
(そのときのCT結果)
造影CTにてS5~6にかけて約35mmの肝癌と思われる病変あり
その背側にも約17mmの娘結節あり
左葉外側区背側辺縁にも約20mmの同様の病変を認める

AFP 33.9(0-8.5)
PIVKAⅡ 1021(0-40)

多発HCCの診断 T3N0M0 病期Ⅲ期 
child -Pugh分類 A

この時点での治療方針
①動脈塞栓術+抗がん剤の動注 または 外科切除
②動脈塞栓術+抗がん剤の動注後に、ミラノ基準を満たしたら生体肝移植

ウィルス血症に対してバラクルード内服開始

5月上旬 血管造影による精査および治療目的に消化器内科入院
     血管造影検査+塞栓・動注療法施行
     S6の病変に対しA6より動脈塞栓術+抗がん剤の動注
    (lAコール5.0ml+ジェルパート0.3ml)
     S2の病変に対しA2より動脈塞栓術+抗がん剤の動注
    (lAコール0.1ml+ジェルパート0.1ml)
 
7月下旬 術前1ヶ月でのCTで縮小認め、ミラノ基準満たす
AFP・PIVKAⅡ陰性化
ドナーは兄が適応で承諾を得る
 
8月25日 外科入院

8月27日 生体肝移植施行(保険適応なしのため自費)


また、熱が…

2008-11-23 14:48:26 | 胆管炎に対する治療(3回目の入院)
ガンマグロブリンと抗生物質を止めた途端に、また熱が出てきた…

退院は延期かなぁ~

子ども達が、元気付けようと、お見舞いに来てくれたが、熱でボロボロ・ヒゲがボサボサで、ひいていました。

明日は、下がってくれると良いのだが…

焦らず待つしか無さそうです。

熱が出てきたので、誤字・脱字ゴメンナサイ

熱下がりました

2008-11-22 15:07:41 | 胆管炎に対する治療(3回目の入院)
11月19日朝に突然出てしまった熱は、ガンマグロブリンと抗生物質の投与で、1日で下がってしまいました。

採血結果も肝機能良く、炎症反応も0.9と低いので、風邪でしょうと。

プレドニンを10mgから5mgにプログラフを5mgから4mgに減量となりました。

胆汁漏のところに入っていたチューブもカットし、パックをお腹に貼って、うざったいバックから解放され、見た目普通の人に

今回の熱は、きつかったけど、薬の減量やチューブカットなど外来だったら、もっと時間がかかった事を数日で終わったと考えれば、ヨシとしよう!

採血結果みて来週退院予定です

さっ寒い…入院?

2008-11-20 09:34:14 | 胆管炎に対する治療(3回目の入院)
11月14日に、退院し通院治療になって喜んでいたのも、つかの間、昨日の朝5時に悪寒がきて熱が出てしまいました。

震えながら体温をはかったら、38.8度!

かみさんに、「熱でちゃった」と伝え、病院の肝グループの先生に電話したところ、「入院の準備して外来に来なさい!」と言われ、入院となってしまいました。

免疫抑制剤の量がまだ多めだったので、感染症には要注意だったのですが、退院して4日しかたっていなかったので、ちょっとショックでした。

かみさんも、なにせ突然の事でしたので、子供の学校の準備やら入院の準備やらで大変な朝で迷惑かけました。

病院に着くと、熱のせいで寒くて寒くて39度になっていました。

採血と補液をして、エコーをやったのですが、エコーで使うゼリーが冷たくて、寒気がまた強くなってきました。

エコー・採血結果もそれ程心配な結果ではなく、ガンマグロブリン製剤と抗生物質で夜には、解熱してきました。

風邪かな‥と先生は言っていましたが、また、なるかもしれないから、がっかりしないでね!と言われ、複雑な気持ち。
良かったのは、胆汁漏に対して腹部に入っていた、チューブの廃液がほとんどなくなってきたので、今日CTをとって、溜まりが無ければ、抜くことになったことです。

生活する上で、ひじょうに邪魔なモノだったので、これがなくなれば、生活ペースが変わります。

病棟の看護婦さんにも、あれっ!外泊でしたっけ?と言われ、はいっもどってきました!と。

今日は、熱も治まり食事もとれるようになったので、早めに帰れそうです。

手術までの経過や、その後については、また後日アップさせていただきます。