心に残ったコラム
『毎日新聞』12月10付 「発信箱」 松井宏員(社会部)
戦争民営化
《「イラクの子どもを救う会」を主宰する大阪府吹田市在住のフリージャーナリスト、西谷文和さんが、イラクへの援助物資を届けて、4日帰国した。
米軍が湾岸戦争などで使用した劣化ウラン弾が原因とみられるがんなどに苦しむ子どもを救うため、西谷さんは一昨年11月以来、二回イラクへ入った。「自己責任」で行動し、イラクの実相を伝えている。
ところが今回は入国できなかった。ヨルダン・アンマンからバクダッド空港まで飛び、バスラ便に乗り換えようとしたら、「日本政府に、日本人は絶対入国させるなと言われている」とイラク外務省に止められた。押し問答している最中に、空港近くで爆発があった。飛行機の降下中にも爆発があり,この2回のテロで14人が死んだ。「バクダッド空港を警備しているのはどこの国の人間やと思う?」と西谷さん。アメリカと違うの?「ネパールとフィジー」。
イラクに兵隊派遣してた? 「民間の警備会社。米兵があまりにも死ぬんで、任せてる。他国の傭兵がなんぼ死んでも、アメリカの世論は反戦になれへんやん」
一番危ない場所に、米軍はいないらしい。西谷さんは続ける。「昔の戦争は軍隊が民間を守ってた。イラクでは、軍隊を民間が守ってる。なんやねん、この状況は」
今年5月、武装勢力に殺害された斉藤昭彦さんも、民間軍事会社勤務だった。明らかにイラクは戦場だ。「戦争民営化が進んでる。郵政民営化どころやないで」と西谷さん。そんなイラクに駐留延長する日本はなんやねん。》
この「発信箱」というコラム気に入ってます。毎日新聞の記者諸君なかなかのものです。
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