三流読書人

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ドングリ小屋住人 

ビートたけしの食うことについて

2007年10月15日 16時52分03秒 | くらし
 「おいしいおはなし」(光文社刊)という本がある。文庫本、高峰秀子編、495円+税。
 高峰秀子とは女優の高峰秀子である。
 『おいしいおはなし』は、各界の著名人が、料理や食べ物のことについて気楽にあるいは気取って書いている。
 この中で北野武氏(ビートたけし)が「食べることは排泄と同じ」と題して書いている。一部紹介したい。
 
         ◇          ◇ 
  
 「… ロケの間は食べない時が多かった。一日一食とか。仕出し屋さんが来たり、お弁当を買ってきてくれたりするんだけれど、どうももたれそうでね。
 映画での食事のシーンというのも、おれは好きじゃなくてね。何年か前の『汚れた英雄』という日本映画で、草刈正雄が外人のモデルみたいな女に花をいっぱい贈って食事をする場面があるんだけど、こういうのを貧乏くさいというんだろうなと思った。そういう行為がすばらしいことだとおもっている、その貧相さがたまんないんだよね。
 おれ、排泄行為と、そのもとになる食べ物を口に入れる行為は、ほとんど同じだと思ってるんですよ。なんか下司(げす)なような気がしてね。…
中略…。 
 食べることもそうだけど、人間が生きなきゃいけないためにする行為というのが、どうも好きじゃないんですよ。せめてそうした部分だけでも、人間はほかの動物とは違うんだというところがないとね。食べたいものを食べないとか。セックスしたくてもしないとか、眠りたいのに眠らないとか、そういうふうに自分に課すことで、人間も動物的なところから少しは解放されるんじゃないかな。いろんな宗教に断食があるのも、要するに動物と同じにならないために、食事をやめるということなんだなと思うんですけどね。… 以下略 」

         ◇          ◇

 やはり並みの男ではないですね。
          

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