三流読書人

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ドングリ小屋住人 

この国は危うい

2005年08月16日 08時14分14秒 | 教育 
《政党人・小泉純一郎は「靖国」を”おもちゃ”にしている。衆院選を郵政民営化一本で戦うために終戦記念日の参拝をとりやめた。「平和と戦争の諸問題」は最も重いテーマなのに、彼はこれを人気とりに使い、選挙になると決まって争点外にする。イラク派兵、憲法も・・・そして、彼の「私的激情」が日本を米国の軍事的属国に仕立て上げていく。郵政は踏み絵。ぶっ壊す!のかけ声が、自民党を「誰も文句の言えない私党」にする。戦後60年。翼賛政治が亡霊のように頭をもたげた。》
 8月16日付『毎日新聞』「記者の目」欄 本日の筆者は牧太郎氏「戦後60年『小泉翼賛政治』の亡霊」の冒頭である。
すべてを引用することはできないが、はじめとおわりだけ紹介する。
締めくくりは
《日中戦争開始(37年7月7日)から終戦までの8年間で約310万人の日本人が死んだ。小泉首相は、その重みを知りながら「靖国」を”おもちゃ”にしている。「不戦の誓いのために参拝する」と言い張った。靖国は「不戦を誓う場所」にふさわしいのか。東京招魂社の昔から靖国神社は「天皇が行う戦争は聖戦」と信ずる原理主義の社だ。祭られているのは、お国のために死んだ人であって、戦争の犠牲になった一般市民ではない。中国や韓国はA級戦犯合祀を問題にするが、参拝の是非は日本人の意思で決めることだ。僕が批判し続けるのは、民間人を祭らない原理主義である。戦争は感情に「道理」が負けた時に起こる。
稀代のアジテーター・小泉純一郎の「私的感情」が「道理」を打ち負かし、政党は混乱し、マスコミはむしろ「激情」をあおっている。
この国は危うい。》

ほんとに、この国は危うい。救えるのは有権者だけなのだが。