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2022年は客観的な予想を心がけます。

関屋記念(GⅢ)展望・1

2005-07-27 21:53:44 | 見解
真夏のマイル王決定戦関屋記念(GⅢ)。
GI馬ダイワメジャーをはじめ、ウインラディウス、サイドワインダーなど豪華メンバーが揃った。
舞台は新潟。直線は658.7mと日本最長を誇る。
だが、それを意識するためかスローの直線勝負が多い。
また、平坦コースのため簡単に前も止まらない。追い込み一手には厳しいコースだ。
しっかりと馬の能力を見極め、展開を正確に読みたい。


【ダイワメジャー】
昨年の皐月賞馬。
前走の安田記念8着はローエングリンの淀みない流れを好位のインを追走。
絶好の手応えで直線を向くも、伸びず下がらず。
早めに仕掛けると長くいい脚を使うタイプではないのでバテてしまう。
それを考慮してギリギリまで追い出しを我慢したのは良かったが、瞬発力勝負では分が悪かった。外から一気に来られた時に反応できなかった。
マイル向きのスピード性能を搭載しているが、決して瞬発力に優れているわけではない。
前々走のダービー卿CT1着は相手に恵まれたものの、抜群の手応えで2番手を追走。
早めに前を捕らえる強気の競馬で快勝。
中山のように早めに抜け出して押し切れる舞台が合っている。
今回の舞台は直線の長い新潟。平坦コースだけに早めに抜け出す競馬に期待。


【マイネサマンサ】
前走のマーメイドS2着はスタート直後に意識的に下げた。
しかし、スローの展開を見越してか、1角で外を慎重に通って2番手へ。
この展開でも何とか折り合っていた。
抜群の手応えで、直線半ばに勝ち馬に並ぶも、突き放されてしまう。
やはり、この距離では折り合いに気を使う分、不利。積極的な競馬ができない。
前々走の愛知杯15着はウイングレッドの作る淀みない流れを掛かって3番手追走。
3角手前で一気にペースアップする厳しい流れも手伝い、4角で早々と後退。
あれだけ掛かっては致し方なかった。
3走前の洛陽Sはスローの流れを掛かり気味に3番手追走。
直線でうまく最内を突いて上がり33秒8の脚で抜け出した。
1400mでも掛かるほど、スピード能力に長けている。
前走から2ハロンの距離短縮は間違いなくプラス。
うまく折り合って好位で流れに乗れれば一発の期待が持てる。


【ニシノシタン】
注目の存在。
前走の京王杯SC5着はスタート直後に躓き、落鉄。
うまく平均ペースに落として逃げたものの、最後は脚が上がってしまった。
ただ、スタート直後のアクシデントを考えれば5着に踏ん張ったことを評価したい。
3走前のアクアマリンS1着では好スタートを切り、平均ペースの逃げに持ち込む。
道中、うまく息を入れて直線を向くと、二の脚を使って他馬を完封した。
その時、負かしたオレハマッテルゼが京王杯SCで2着しているから価値が高い。
出脚が速いし、終いもしっかりしている。3勝を挙げているマイルはベスト。
今回のメンバーを見渡すと単騎に逃げが望める構成だ。
間隔は開いたが、6月中旬から時計を出し始め、速い時計も足りている。
直線の長い新潟だが、他馬がそれを意識してマークが甘くなれば面白い。


【コスモサンビーム】
使い詰めだった昨年のダービー12着で重度の骨折を負ってしまう。
皐月賞→NHKマイル→ダービーと、ただでさえ疲労の蓄積しやすいGIを連戦。
それに加えてレコードの出る超高速馬場。これでは馬が壊れて当然だ。
そのケガから見事に復帰した馬と、懸命な努力をされた関係者には頭が下がる。
朝日杯FSを制しているようにマイルのスピード勝負は臨むところ。
速い時計は不足気味だが、放牧先で乗り込んでいるだろう。
最終追い切りの動きに注目したい。


【ハレルヤサンデー】
前走のNSTオープン9着はゲート内で暴れて出遅れ。
終始、ちぐはぐな追走にくわえ、4角で大外に膨れてしまった。
開幕週で外を通っては勝負にならない。最後はジリジリと伸びていた。
一度使われた今回は前進が見込める。
偶数枠を引いてスタートさえ決まれば。
若干、相手が揃った感がある。


【ウインラディウス】
前走のNSTオープン1着で見事な復活。
ロイヤルキャンサーの引っ張る速い流れを中団から追走。
4角で最内を突くと、うまく前が開いて鋭く伸びて快勝。
確かにコース利があったことは確かだが、58キロを背負い、折り合えば切れる脚を使えることを証明できた。
前々走の京王杯SC15着は前走同様、中団から追走するも、折り合いを欠いて惨敗。
このように爆発的な脚を潜めている反面、気難しさも同居する。
今回は1ハロンの距離延長と外回りコースになることで、テンの流れが緩くなる。
いかに折り合うかが鍵となる。内枠を引いて馬群で競馬したいところ。
ベストは1400m。


【マヤノシャドー】
前走のNSTオープン4着はロイヤキャンサーの作る速い流れを後方から追走。
4角で一旦は内を突くも、開かず外へ。
最後はいい脚を使って見せ場を作った。
もう少し距離と、直線が長ければという内容だった。
その意味では、1ハロンの距離延長と外回りコースとなる今回はベスト条件といえる。
ただ、前走が休み明けながらマイナス12キロ。これはいい材料ではない。
再度、輸送を挟んだ中1週でどこまで馬体が回復するか。


【サイドワインダー】
前走の北九州記念3着はマイナス12キロ。叩き3戦目と夏場で絞れた。
道中はヴィーザローザを意識しながら、後方のインを追走。
勝負どころでも動かず置かれ気味になり、直線で差を詰めるも、そこまで。
追い込み一手の馬だけに本質的に広くて直線の長いコースが得意。
開幕週の前の止まらない馬場と展開に加え、小回りではいかにも厳しかった。
前々走の米子Sはトップハンデの58キロを背負い、やや重発表ながら実質は不良馬場。
切れ味で勝負する同馬にとって厳しすぎる条件であった。致し方ない敗戦。
3走前の安田記念は1年2ヶ月ぶりの実践ながら、直線で最内を突いて見せ場を作った。
追い込み一手のため、どうしても他力本願の面があるが、終いの脚は強烈。
直線の長い新潟は魅力的だ。あとは展開が向くことを待つだけ。


【エリモピクシー】
前走の京都牝馬S3着は未勝利戦並のスローペース。
その流れを好位から追走し、33秒4の脚を使いながら勝ち馬に差された。
33秒台前半の脚を使って負けたのだから悲観することはない。
前々走のファイナルS1着は平均ペースの縦長の展開を好位から追走。
直線で力強く抜け出して快勝した。
瞬発力勝負より前々走のような持久力勝負向きの馬。
マイル適性は高いし、ニシノシタンが引っ張る流れを好位から追走できれば。
縦長の展開になってほしい。


【オースミコスモ】
前走の愛知杯17着は前日の降雨で荒れ馬場状態。
ウイングレットの作る淀みない流れを2,3番手に付ける積極的な競馬。
だが、勝負どころで早めに来られると、早々と失速した。
やはり、溜めてこその馬。折り合いに不安があるタイプだけに距離短縮はプラス。
2年前の覇者でこの季節は得意。揉まれずに中団あたりを追走できれば。
やや能力に陰りが出てきたか。


【グラスポディション】
前走の七夕賞3着は惜しかった。
実質、トーセンダンディの作る緩い流れを道中、後方でジッと我慢。
3角で外を通って前へ進出し、ラストは大外を通って伸びてきた。
勝ち馬は極力ロスを避けた絶妙の騎乗だったのに対し、同馬は終始、外を通らされた。
鞍上の勝浦騎手にはもう少しロスのない競馬をしてほしかった。
それでも、GⅢでもやれることを示した。
今回は実績のある1600mになる。前走の内容から広いコースも歓迎。
新潟は実績がないが、東京で3勝挙げており、得に苦手ということはない。
別定で相手強化されて楽ではないが、ロスなく競馬できれば楽しみ。


【ケイアイガード】
前走の米子S6着は中間に熱発するアクシデントに加えて実質、不良馬場と運がなかった。
前々走の都大路S1着は未勝利戦並みのスローペース。
それを好位から追走し、上がり33秒3の脚で抜け出した。久々でも力がある。
昨秋に、あのキングカメハメハと小差の競馬をした実力場。
好位に取り付くスピード性能に加え、終いの脚も切れる。
まだ、マイルで底を見せていない点も好感が持てる。良馬場なら変わる。
あとは一週前に破格の時計をマーク。最終追い切りに注目したい。

函館記念(GⅢ)回顧

2005-07-27 21:52:33 | 回顧
天候:晴  芝:良 
【馬場状態】Bコース使用。依然として良好な馬場を保っており、函館にしては時計速い。
12.8 - 11.2 - 11.8 - 12.4 - 12.5 - 12.2 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 12.0
(35.8-35.7)(48.2-47.8)(60.7-60.0)
【展開】行く馬がおらず、内枠を利してブルートルネードのスローの逃げ。有力馬のエアセレソンが後方で動けなかったこともあり、小回り函館で前残りの展開となった。

勝ったエリモハリアーはとにかく体調が抜群だった。マイナス10キロも問題なかった。
スローの流れを、3番手のインを追走。終始、ロスなく流れに乗った。
4角で前を射程圏に入れると、鋭い脚で差し切った。
ロスなく乗った鞍上の好騎乗も光った。良馬場でも結果を出せた。
あとは速い時計勝負になった場合に対応できるかどうか。

2着のブルートルネードは内枠を利してスローの逃げに持ち込んだ。
終始、スムーズな逃げで直線半ばまで抵抗するも、最後は勝ち馬の決めてに屈した。
展開に恵まれたことを考えれば少々、不満も残る。
鞍上によれば「折り合いに不安がなく、長いところ向き」とのこと。
今後、長距離路線での逃げ戦法に期待したい。

3着のウイングランツは地力の高さを証明した。
道中はスローの流れをエアセレソンと併馬して後方を追走。
3角まで脚を溜めるも、我慢し切れずに外をマクって進出。
直線で前を急追するも、ゴール前で脚色が鈍ってしまった。
ただ、上位馬とは展開とコース差があった。
不向きな小回り2000mの条件も加味すれば、価値の高い3着といえる。
右回りでも内にモタれなかった。これは大きな収穫だ。
長距離戦での飛躍を期待したい。

4着のマチカネメニモミヨは消化不良のレース。
スローの流れを後方の外を追走。残り3ハロン時点でペースが上がり、外を通って前へ進出。
直線で大外に持ち出すも届かなかった。スローの流れを考えれば、もっと内を突いてほしかった。
この流れで、あれだけ外を通っては勝負にならない。
時計の掛かる函館は向いているが、もっと上がりが掛かってほしかった。

5着は1番人気のエアセレソン。
見事にスローの術中に嵌ってしまった。
ウイングランツと後方を併走状態で追走すると、スローの流れで動くに動けず。
直線で大外に持ち出すも、万事休す。
前走のように好位からの競馬を期待しただけに残念。

グランリーオはスローの流れを2番手追走。
折り合いもスムーズで4角で前に並びかけるも、直線で失速。
実績のない2000mに加え、函館の力の要る馬場。
スピードが身上のタイプで、もう少し短い距離がいい。

本命視したナスストロークは道中、中団を追走。
4角でも手応えが残っており、上位争いを期待したのだが・・・。
クラスの壁なのか、距離なのか。
自己条件でもう一度狙ってみたい。