ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

かなしみの向こう

2018年07月30日 | Weblog
いつも見る夢があった。

とてもかなしい夢。

胸が痛くなるような夢。

それは、わたしの人生に本当に起きた出来事。



あの、心が壊れるようなかなしみを、わたしは、本当には乗り越えていないのではないか・・

ただ時が流れたというだけで・・。


あの痛みをなぞるように、あの深いかなしみを呼び覚ますように、幾度も幾度も夢にあらわれる。

もう遠い昔のことなのに。



夢は、かなしみの場面を繰り返すばかりで終わる。

その先はない。


あともう少し・・、あともう少しで、違った展開になるかもしれない・・

そうなることなく、必ず終わる。



過ぎたこと、夢でしかなくても、

目覚めた朝から、立ち直りの努力をしなくてはならない。

その夢ごとに、その朝ごとに。


でも、通いなれた道だから、その痛みも道のりも、懐かしい友だちだった。




今朝のこと。

いつもの夢は、違う道を行った。

かなしみで終わるはずの夢が、その先へ行った。



違う道の先にあったのは、大きな安堵のような幸福。



うれしくて、うれしくて、わたしは泣いていた。

遠く懐かしい人を、しっかりと抱きしめて、

声をあげて泣いた。




自分の声で目が覚め、時空がわからなくなった。


わたしは、自分の声で、夢を胸に刻み、同時に、その夢を破ってしまった。

もう、かなしいあの夢を見ることは、ないかもしれない。


わたしは、古びた痛みの向こう側に、行ってしまったのか。




夢の終わりには、静かな夏の朝が残された。


まだ白い空は、まっしぐらに、青へと走り出していた。
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