冬の木立は眠るかな
いいえそうではありません
とても静かでいるけれど
眠るわけではありません
雪を分けて側に行き
それがわかった日のことです
両手に雪の華をのせ
腕が折られてしまうとて
思い煩うこともなく
一途に描いていたのです
次に咲かせる花のこと
どんな風に咲こうかと
心いっぱいに描いて
身体のずっと奥のほうで
準備を進めていたのです
聴こえてくるはピチピチと
なにかがじっくり熟す音
色が生まれかけている
その木がいちばん好きな色
天から地から来るものを
大事に大事に醸してる
冬の木立は燃えている
心を熱く燃やしてる
燃える身体に降る雪は
心地よいのかもわからない
想うは次の春の夢
圧倒的なその願い
ちょっと火傷をしたように
胸のところに手を当てて
森を後にしたわたし
あれから心が熱いまま
するべきことを教えられ
いまも心が熱いまま