ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

『冬の木立』

2015年01月12日 | Weblog

冬の木立は眠るかな


いいえそうではありません

とても静かでいるけれど

眠るわけではありません



雪を分けて側に行き

それがわかった日のことです









両手に雪の華をのせ

腕が折られてしまうとて

思い煩うこともなく

一途に描いていたのです


次に咲かせる花のこと






どんな風に咲こうかと

心いっぱいに描いて

身体のずっと奥のほうで

準備を進めていたのです




聴こえてくるはピチピチと

なにかがじっくり熟す音



色が生まれかけている

その木がいちばん好きな色



天から地から来るものを

大事に大事に醸してる





冬の木立は燃えている

心を熱く燃やしてる

燃える身体に降る雪は

心地よいのかもわからない






想うは次の春の夢

圧倒的なその願い




ちょっと火傷をしたように

胸のところに手を当てて

森を後にしたわたし




あれから心が熱いまま

するべきことを教えられ

いまも心が熱いまま