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成長した啓翁桜
この何年間か、年が明けるころ、知人から山形県から届くという啓翁桜の切枝を分けて頂き、我が家に早い春が訪れています。
この啓翁桜が奈良平群の里山に咲くというので、地元ボランティアさんの案内で見てきました。
啓翁桜は、昭和5年、久留米市山本の良永啓太郎という人が中国系のミザクラを台木にし、ヒガンザクラの枝変わりとして誕生させたもので、名付け親は同じく久留米市の弥永太郎さんで、啓太郎の 一字をとって啓翁桜と名付けたそうです。 いきおいよく成長する啓翁桜は、枝の伸びがよく、枝を切り込んでも弱らないので切枝用に適しています。花の形や咲く時期などは早咲きのヒガンザクラに似ています。
植木屋さんは、通常、蕾の時、真っ直ぐ伸びる枝を株元で切って、温室に入れ蕾の成長を速成させたりして、早咲きの桜として出荷します。
ここ平群の広大な植木団地では、業者の老齢化、人手不足などで放置されるところが多く、本来株元で繰り返し切られて“台場くぬぎ”ならぬ“台場桜”状になるはずが、あちこちで、枝が真っ直ぐ伸びたままの啓翁桜が増えて、それが反って花見によろしくなっているという皮肉な状態になっています。
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4月1日、平群では、例年より1週間ほど遅れているという啓翁桜は満開で、ほかにもハクモクレン、サンシュユ、アオモジなど花々が咲き乱れて、早春の里山を演出していました。
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