へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

あやしい人2

2006-12-20 22:56:24 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

「ね、おとうさん」
「なんだ?」
ぼくは、へんな女の人のことをおとうさんにはなしました。すると、おばちゃんまでもが、
「そうそう、細太郎が出ていってまもなくだから朝7時半ぐらいかなあ、女の人が門の前をうろうろしてた」
おとうさんは、
「警察に電話しろよ」
と、取り合いません。
「おとうさんとクリスマスイブに約束があるって言ってた」
「何言ってんの、おれは細太郎とテニスをするんだから、他に予定なんかない」
「おとうさん、ぼくテニスやらない」
おとうさんは他人事みたいに、ゴロゴロしておせんべいをかじりながらテレビを見ています。
「あんた、ほんとに見に覚えないの?」
「あ~ね~よ」
おとうさん、ちゃんと話をしようよ。と、そこに玄関のドアが開く音がして、
「藤川だけど~」
と、怒鳴ってます。ふつうなら中に入ってくるんだけど、どうしたんだろ。
「ちょっと~」
ぼくとおばあちゃんは玄関に向かうと、藤川がなんか頭から全身にかけてついている白いものを落としています。
「どうしたの?」
「門の前にへんな女が立っていたから、誰だと声をかけたら豆腐をぶつけられた」
信じられないものをみた、という表情をしています。
「で、食いものを粗末にするんじゃね~と怒鳴りつけたら、けたけた笑いながら逃げて言った。なんだあれ」
聞きたいのは、こっちなんだけど


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