へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

遠足

2006-11-02 23:56:37 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎す。

今日は、つくばった山にとざんの遠足でした。
最初は登山口までバスで行きました。そして、そんなにたいへんじゃない山の道をのぼったりおりたりして、ちょう上までのぼりました。
クラスごとに歩きましたが、女子がかたまって歩き、大きな声で歌をうたいはじめました。ぼくとしては、しぜんの中で鳥の声をきいたり、風がふくたび木の枝や葉っぱのざわざわする音がききたくて、誰とも口をきかないで1人で歩いていたので、なんだかうるさくてたまりませんでした。
さらだ先生にきょかをもらって、インスタントカメラで植物の写真をたくさんとりました。ぼくの楽しみは、今は植物の写真をとることです。あとで、植物ずかんやネットで調べたりします。
オタク…と女子がいいましたが、ぼくは気にしません。
なぜかというと、オタクという意味がほんとのところわからないし、他人の楽しみに対してそんなことでバカにしたり笑ったりするのは、おかしいと思います。
女子だって、大声で歌っているでしょ。ぼくがそのことで女子を笑ったりした?うるさいけど、そんちょうしてあげているでしょ。
ぼくは、植物の写真をたくさんとって、いつかほんとの植物を、中島教授のように好きな人のために咲かせたいと、少しだけ思うようになりました。
つくばった山のちょう上について、景色をながめました。
すばらしいながめです。
ぼくは写真をとろうとカメラをかまえましたが、やめました。
なぜなら、藤川先生が、夏休みに京都で言ったことを思い出したからです。
「心でおぼえておかなきゃ」
ぼくは、景色をゆっくりとまんぞくするまでながめました。
「細太郎くん、きれいな景色だね」
いつのまにか、隣には1組のりょうこちゃんがたっていました。
「うん」
「写真なんかにとったら、もったいないね」
ぼくと同じことを考えている
「うん、ぼくもそう思って、とるのをやめたんだ」
「わたしも」
ぼくたちは、おたがいに顔を見てにっこりと笑いあいました。
りょうこちゃんの笑顔がかわいくて、ちょっとだけどきどきしました
世の中には、ぼくのクラスの女子みたいなへんな女の子ばかりじゃなくて、ほんとうによかった、と思いました。


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