へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

さんま…

2021-09-09 15:11:06 | へちま細太郎

オス、藤川だ。。。

さんまが食いたいと思ったが、おふくろさんにさんま~というわけにはいかない。
最近は、さんまの漁獲高もバカにはならない。料亭なみに高い。うちの実家は高級料亭は経営していないが、定食屋は経営している。高級料亭は政治家がロクでもない話をする場所と相場が決まっている。
だから、俺のオヤジや実孝も呼ばれていく。絶対に金は出さないらしい。わざわざ呼びつけるんだから、そっちが金を出すのが当たり前だという。嫌みも添えてくるらしいが、要求もきいてやらんらしい。相手もそのうち諦めるだろうと思うのだが、藤川家というより田吾作のネームバリューは捨てがたいらしい。
田吾作の製作会社はそこんところをよくわかっているらしく、以前は築地、現在は豊洲市場の中にある寿司屋だの、神保町のカレー屋だの、
「いかがですか?」
と言ってお誘いしてくる。もちろん、手土産には会津やのタコ焼きを持参する。会津やのタコ焼きは世界一うまい。大阪のタコ焼きを口にすると、申し訳ないがどこぞのたこ焼きはしばらく食べられなくなる。
が、1か月もすると、やっぱり食べたくなる。
そんなことはおいといて、定食屋だの学食だの安くてうまいものに、さんまはつきものである。そしてさんまが食いたいということは、
「秋になった」
ということなのだ。晴れた日の夕方にどことなく漂ってくるさんまの食欲をそそるにおいはたまらんぞ~。
「あ、今日はさんまのかんづめ」
細太郎のところに寄ったら、昔の猫缶みたいに缶詰が並んでいた。
「さんま、いわし、さばなんでもあるよ~」
きけば魚をやくとにおいがこもるので嫌なんだそうだ。なんでえ、つまんねえやつ。。。



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