へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

どうぞ戦ってください、と申し上げました

2010-01-20 19:29:26 | へちま細太郎
「何なのよ、アンタ」
と、はるみがバスの中で金切り声をあげた。
「何でアド変したのを教えてないのに、アンタからメールがくるのよっ」
はるみの近くの席に座っていたキチローが、顔を真っ赤にしていた。
「やれやれ~」
と、たかのりが囃し立ててはるみに睨まれた。
「細太郎く~ん」
泣きそうな声で助けを求められても、ぼくは知らない。生意気に携帯なんか持ってるからだ。 ぼくが無視したので怒りの矛先を再びキチローに向けて、
「この変態、ストーカー、でぶ」
と喚く喚く。 キチローは何も言えず、俯いている。
かわいそうな気もするけど、そんなことしたら嫌われるにきまっている。
「ったくよ、やめろよ」
とたかひろが不機嫌そうに言った途端、
「何よ、アンタ、でぶの味方?」
と、怒鳴り返された。
「はいはいはい、思う存分戦ってください」
と、みきおが言ったもんだから、バスの中は大爆笑になった。
その通り、総理大臣もオッケーさ。
へちま細太郎でした。


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