へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

鬼…鬼…

2011-02-03 17:45:32 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

今日は節分だ。
で、体育館でも豆まきが始まってしまい、鬼は当然…金本監督になった。
高校の野球部の監督ということもあって、野球部の先輩たちはここぞとばかりに豆をぶつけるのかと思いきや、
「誰ができるかよ~」
と、半泣きになっていた。
それくらい、野球部の監督ってこわいんだ、野球部はいらなくてよかった、と思ったけど、これって、
「いじめ?」
と、しんいちが豆をぼりぼり食べながらつぶやいていた。豆をまく気はないらしい。
「何で食ってんの」
「食わなきゃもったいないでしょ」
こいつ、ほんとは藤川家の一族なんじゃね?と思ってしまった。
「だいたい、ぶつけて困るような鬼を選ぶなんて、体育の先生たちってひどいよなあ」
「ほんとだよな」
と、いきなり入口がうるさくなったと思ったら、
「お礼参りの豆まき~」
と、OBが突撃してきた。
「懐かしい、(仮)亀梨軍団さんだ、あの時の野球部の先輩もいる」
ぼくが懐かしがっている間もなく、OBの先輩たちはけんちゃん先生や藤川先生をスルーして金本先生に突進していき、
「20過ぎれば大人の仲間、こわくないこわくない」
と、意味不明な言葉を叫びながら金本先生に大量に豆をぶつけ始まった。
「てめ~ら、この俺を誰だと思ってんだ!!
と、鬼の姿の金本先生が金棒がわりの金属バットを振り回した。
「金鬼!!」
「バットを取り上げろ」
と、一斉に飛びかかられてしまい、頭を押さえつけ口の中に豆を流し込まれてしまった。
現役の野球部の先輩は呆然。
黒田先生と新井先生は爆笑。
久保田先生と浜中先生は恐怖で顔がひきつっていた。
「あ~あ」
藤川先生が先輩たちをひとりひとり引き離しては投げ飛ばし、
「てめ~ら、そのへんにしとけ」
と、金本先生だってびびるくらいのドスのきいた声を出した。
「おっかねえ」
「やっぱ、元ヤンだよな」
ぼくたちはすみっこで恐怖していると、意外にも金本先生は、口から豆を吐き出し、
「このやろう、今夜は覚悟しとけよ」
と、吐き出した豆を先輩たちに投げ付けた。
「年寄りには負けませんからね」
野球部のOBは在学時代の恨みを晴らしてうれしそうだった。
そんなもんかなあ。。。
やっぱり野球部の監督は、卒業したってこわいと、どこの学校でも言ってるみたいだけど。。。。



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