へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

残暑お見舞いでございます

2016-08-15 01:15:55 | へちま細太郎
お久しぶりへちま細太郎です。

SMAP解散が報じられた今日、僕たち家族は、お墓参りに田舎に出かけた。
またいとこの亮ちゃんと交流があると知って、おじいちゃんが、
「久しぶりにいってみっか」
と、家族総出でど田舎にきたわけだけど、ここで大喜びしたのが、剛兄ちゃんの奥さん。
「きれいな川え?泳げるの?」
と、俊作を連れて今にも飛び出して行かんばかりに大はしゃぎ。
ところが、生き神さまのようにまだ生きていたひいおばあちゃんが、
「バカタレ
と、怒鳴りつけた。お姉ちゃん、びっくり
「お盆に水に入るやつがいるかっ
と、説教を始めた。
キャリアなお姉ちゃんは、なんと、シュンとなって神妙にひいおばあちゃんの説教を聞いている。
「おやおや、嫁ご殿もしおらしいの」
突然背後から、近衛少将さんが現れて、ひいおばあちゃんの説教を楽しげに聞いて、オホホホと笑っているではないか。
てか、気持ち悪いんですけど…。
「こ〜りゃ、そこのひな人形、いくらご先祖さまとて、ばばの説教を笑うとは何事ぞ」
と、手にしていたまごの手を近衛少将さんに向けて投げつけた。
「毎度毎度、バカでおじゃるの」
まごの手は、少将さんの体をすり抜けて、亮ちゃんの頭にぶつかってしまった。
「ひでえなばあちゃん、ボケてんと違うのけっ
と、叫んだ。
亮ちゃん、見えないんだ…。
で、あとから聞いたら、僕たちが見えている近衛少将さんたちは見えないけど、違うご先祖さまはたまに見えるんだって。どんな人?って聞いてみたら、
「一寸」
「へ?」
「auの一寸みたいに、うざいやつ」
「げええ」
ぼくは驚いてひっくり返ったら、
「潰れるだろ、ボケっ
という声が聞こえてきた。
「え?どこ?」
辺りを見回すもわからない。
「誰も彼も見えるとは限らんっ
とひいおばあちゃんが、今度は入れ歯をぶん投げてきた。
「…」
ばあちゃんが怒鳴っている間中、剛兄ちゃんの奥さんは、ずっとうなだれてしょげ返っていた…ように見えたが、実は笑いをこらえるのに懸命だったんだと。
でも、都会の高級住宅街で育ったお姉ちゃんは、こういうおばあちゃんのお説教や田舎の風習は、新鮮でありがたいものに思えたらしい。
「早くやしゃごを見せてあげなよ」
と、すっかりひいおばあちゃんファンになったお姉ちゃんに言われた。
「ふん、俺とはるみの子供なんて、性格悪いにきまってるわ」
と、思わずいってしまい、
「おい、あの根性曲がりと結婚する気か?」
とお父さんに聞こえてしまい、否定するのに苦労した。
「おまえ、変わった趣味してんな」
亮ちゃんは、はるみの話題になると、いつも呆れた表情になるんだ。
あんたの彼女じゃないだろうがっ
「大丈夫、好みのタイプじゃないから」
あんたの好みなんて、ど〜でもいいっつ〜のっ
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