へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

イモがうまい

2010-10-15 18:32:58 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

いつものように部活にいったら、のぶちゃん先生がいない。
「帰ったみたいだよ」
と、先輩がボールを磨きながら教えてくれた。
「女バスの顧問も出張だから、部活できないから」
「高校バスケの先生も見てらんないっていって、帰れっていってた」
これってけっこう珍しいことで、バスケの全国大会に毎年出ているうちの学校では、練習がないなんてありえないことだ。
だいたい、のぶちゃん先生は休まないし、出張に行ったってソッコー帰ってくる人だし。
「帰れっていったって、スクール出ちゃったよ」
「そうだよなあ、自主連するっていったって、テンション下がっちゃったし」
と、2年生の先輩たちでひそひそやっていたら、
「のぶちゃんいないなら、イモ掘りいこ~ぜ」
と、サッカー部の(仮)有岡軍団さんがやってきた。
「細太郎、おまえ最近畑にこないって、マッドサイエンテストドクター中島が怒ってたぞ」
「げ」
僕は、舌をペロッと出した。
「そうだな、畑いこうぜ、せっかくイモの苗植えたんだし」
イモの苗植えた…そうか、記憶にないけどそういうことになっていたんだ。(そりゃ、書いてなくて悪うござんした)
「じゃあ、イモ掘り行こうか」
と、部長の言葉に従って、大学の園芸学部までマラソンして、さっそく待っていた中島教授とイモ掘り。
中島教授は相変わらずの汚さだけど…、
「家帰ってんですか~教授~」
と、聞けば、
「家なんてあったかどうかも忘れてしまった」
とげたげた笑い返された。
「しょうがねえなあ」
ぼくたちは久しぶりにのんびりした気分で、今年初めての焼き芋を堪能したんだな。
「次は、もちつきな」
きょおじゅう~。
ま、いいか、もち好きだし。
でも、教授、汚い。


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