へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

キチローは今どこに?

2016-07-03 22:48:44 | へちま細太郎

暑さでグダグダな、へちま細太郎です。

この前、白崎たちが褒めまくった阿部さんの料理が、なぜか阿部さん本人に伝わっていて、たかのりのラインに入ってきた。
「まじ?」
3人は、金曜日なのをよいことに、お泊りセットを用意してアパートに乗り込んできた。
ところが、
「どうせなら、うちに来い」
と、藤川先生が悠樹先輩を呼び出して、俺達を藤川家の農場に連れ出した。
あっけにとられた3人は、
「ここがあの田吾作のうち?」
と感心しまくった。
すっかり農家のオヤジになりつつある悠樹先輩は、
「ほんとなら子豚野郎を押し付けてやろうかと思ったが、今は北海道にいる」
とため息をついた。
「ちょ、ちょちょっと、あいつ岐阜じゃないんですか?」
と慌ててきいてみれば、
「いばってばかりいて何の役にも立たない」
とバーベキューの準備をしながら、ぶつぶつ文句を言い始めた。
あいつが見栄っ張りでいばりくさっているのは昔からだが、役立たずまで加わって世間さまに迷惑をかけているとは…。
「まあ厄介払いされていったって、本人まるでわかってないからなあ」
「で、それがなんで北海道?」
「牧場の草刈りの番人」
は?
「近頃流行りのヤギさんの番人」
「あ〜そういうこと」
白崎たちは、なんだ?とたかのりにきいていて、大爆笑している。
キチロー、はるみに執着するからこんな目にあうんだよ。あいつ、マジでヤバい女だから昔から…。
と、最近とみに大人になったはるみのことを思い出した。
まさか、あの性悪はるみと付き合っているなんて、小学生の時は思いもしなかったけどね。
「あ〜、にんじん、そんな分厚く切らないでくださあい」
荒波〜、人参は魔よけだ。