へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

ごみあつめのごほうび

2009-10-09 19:49:09 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

台風が過ぎたあとの、ピーカンな空を眺めながら学校に行くと、やっぱり…校庭はごみだらけだった。
「今日はきれいになるまで掃除~
と、中島教授のだみ声が一斉放送で聞こえてきた。
「一番早く終わったクラスに焼き芋~っ
の声に、みんな素早くジャージに着替え、教室を飛び出していった。
「負けちゃだめよっ
野茂の掛け声に、ぼくらのクラスは雄叫びをあげ、割り当てられたところのゴミをダッシュで集め始めた。
「相変わらず赤松のクラス、すげえ」
高校生のクラスは、呆れた顔でちんたらとゴミ集めをしていた。
「そこは、岡田の学年だなっ
どこで見てるんだ、中島教授は…。 高等部の岡田先生は 3年の学年主任だ。
「バカタレ~、杉の枝は別にせんかあ
ぼくらが杉の枝を桜の枝と一緒に集めていたら、怒鳴り声がした。
「どこで怒鳴ってんだよ」
松井が文句を言うと、
「あ、あそこ」
と薮が指差した。
「くそ、時計台かあ」
学園の一番高い建物は、敷地のど真ん中に建っている時計台だ。 しかもこの時計台は、その昔美都城にあったのを移築してきた、とんでもない代物だ。 24時間じゃないんだから…。
「よおし、だいたいきれいになったな、あとから全クラスに芋を届けるから待っておれ」
なんだよ~、結局、ダマされたあ、とブ~イングだったけど、やっぱり焼き芋は嬉しいよな。 ぼくらがごみあつめをしている時から、園芸学部が焼き芋をしていたみたいだ。
お昼の前までに焼き芋が届けられて、何だか得した気分になった日程だった。