へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

金魚のふん

2009-10-06 23:32:03 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細い太郎です。

教室で飼っている金魚が、いつまでも長くふんをくっつけて泳いでる姿を見た野茂が、
「ふんぎりが悪いって、こんなことをいうわけね」
と言って大爆笑をくらった。
「おまえらは仲良くていいなあ~」
と、突然暗い声がしたと思ったら、赤松だった。相変わらず、生首がつきまとっている。
「何しにきたんだよ~」
と、パンをくわたたかひろが声をかけるなり、
「そんなに俺が嫌いかあ~」
と、頭を抱えだした。全員、シラ~。
「俺はもともと明るい性格だったんだあ~」
のぶちゃん先生のミニチュア版が明るいとは思えないけど、充分に変人なのは確かだ。
「あのさ~、明るくなりたいんだったら、いいお坊さん紹介してあげるよ」
と、遊びに来ていたたかのりがまじめ~な顔で話しかけた。
「なに?」
赤松は顔を上げた。
「元ヤンキーか、変わり者の尼さんか選んでよ」
「何でそんな坊さんの世話にならなきゃいけないんだ」
それを受けて、
「だって先生さ、ずっと生首が金魚のふんみたいにくっついてんだもん」
と、鈴木が赤松の背後を指差した。
「なまくびっ?」
赤松は恐る恐る右肩を見ると、突然生首が姿を現し、
「世話になりもうす、拙者…ありゃ?」
と自己紹介した途端に、赤松は失神してしまった。
何て気が弱いんだ…。