へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

台風一過

2009-10-08 23:03:09 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

朝起きたら、太陽が出ていた。 何だ、雨じゃないよ、と窓を開けたらすっごい風が吹き込んできた。
「うわっ、何だこの風はっ
慌てて窓を閉めて外を見ると、あつこちで木が揺れている。物が飛びまくっている。
強い風なのはわかるけど、台風はどこいっちゃったんだ。
部屋から出ると、居間スペースに藤川先生とリカが一緒に寝ていた。
この二人は…。
ぼくがトイレから出て下に降りると、めがさめた二人が起き上がって
「おはよう」
「わん」
と声をかけてきた。
藤川先生は爆発させた頭をかきながら、ぼくに続いてリカと下に降りてきた。
何か、けんちゃん先生に似てきたなあ。
そして、外が突風で大変なことになっているのを知ると、
「台風はどうしたんだ
と、叫んだ。
「台風は長野の方を通っているよ」
と、ごろ寝していたおばあちゃんが、顔だけを向けて答えた。
「あちこち被害が出ているよ」
「晴れてるね、雨はどうしたんだろう」
「降っているところは降ってるみたいだね」
外に出ようとしたリカだけど、あまりの風の強さにあきらめたけど、やっぱりトイレだけはがまんできなかったみたいだ。
リカ用のトイレに突進したけど、構えた瞬間にごろん。起き上がってもごろん。
「あらら」
藤川先生が飛び出していって壁を作ってあげて、ようやく用をたしおえた。
「全く犬までとぶんじゃとんだ台風だ」
と、藤川先生はぼやいていた。
こんなんじゃ、明日はゴミ拾いなんじゃないかな、と思いやられてしまった。