へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

藤川先生のもうひとりのお姉さん

2007-06-13 21:53:21 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

藤川先生のお姉さんは2人います。妹も1人います。弟もいます。独身なのは、一番上のおねえさんの法華(のりか)さんと藤川先生だけでしたが、この法華さんができちゃった結婚をするので、藤川先生だけが取り残されちゃいました。
かわいそうに…。
でも、藤川先生に言わせると、
「独身の方がいいに決まっている。なぜなら、他の女の子と知り合えなくなるからな」
ということらしいです。
まあ、藤川先生らしいっちゃらしいんですけど…
で、藤川家では、この法華姉さんのできちゃった結婚を、
「よく、こんな娘を嫁にもらってくれる気になった、偉い
と、のぶちゃん先生を大歓迎していて、
「この屋敷は広いから、一緒に住んでもかまわない」
とまでいわれているそうですが、のぶちゃんのご両親はつりあわない結婚に、引いてしまって大反対なんだそうです。
なんか、複雑だね、おとなって…。
そんな騒ぎの中に、藤川先生のもう1人のお姉さんがお祝いに帰ってきてそのままいついてしまっているそうです。
この2番目のお姉さんは、さる偉い方の勧めで仕方なく結婚をしたんだそうで、だから結婚して5年近くなるのに子どももいないし、家庭内別居はするしで楽しくない結婚生活をしていたんだって。
ほんと、おとなって複雑でわからないねえ…。
いやなら結婚しない方がよかったんじゃないの?と思うんだけど、
「そうできないのが、おとなってもんよ」
と、おとうさんがえらそうに教えてくれました。
「確かに、そうできないのがおとななんだろうねえ」
おばあちゃんがあきれて、おとうさんを横目で見ました。
「なるほど」
けんちゃん先生がうなづきました。
「あんたね、いつまでいる気なの」
と、おとうさんがいつもの嫌味な口調で言えば、
「下宿したい」
と返事が返ってきて、おとうさんとけんかになっちゃいました。
いったい、ぼくのうちはこれからどうなってしまうんだろうか…
そんな風に悩んでいるそばから、
「かえったぞ~」
と、藤川先生が自分のうちみたいな顔をしてやってきました。
…、もう何もいうまい