こんばんは、細太郎の担任の佐良田です。
さて、さて、細太郎が、
「赤ちゃん、欲しい」
なんて、言うもんだから、俺もすっかりその気になってしまった。
「おとうさんにはムリだし、おばあちゃんが、ぼくに、年下の叔父さんか叔母さんを作ってくれるとかいうんだよ。おばあちゃんて、赤ちゃんは作れないんでしょ?」
現役なら、別だ…って、現役ってなんだ?
「だから、ぼくに赤ちゃんをプレゼントしてくれるのは、広之おにいちゃんと、慶子おねえちゃんしかいないと思うんだ」
細太郎…簡単に言うなよなあ。俺一人だったら、いくらでも作りたいけど、ほら、慶子は体育の教師で、担任持ってるし、何より、バレー部の顧問で今度の新人戦は、県大会出場もかかっているほどの期待が持てるチームなんだって…。
こんな状態で、
「子ども作ろう」
なんて言ったら殴られるに決まっている。
とかなんとか言いつつ、夜になって慶子が帰ってきて、
「広之、ごはんの前にお風呂入るからねえ」
と、食卓に給食の残りをアレンジしたおかずを並べていると、いつもの台詞。
たまには、一緒に入りたい。
お風呂で、あんなこともこんなこともしたい
「慶子~、俺も入る~」
と、すっとんでいったら、なんと、
「イイワヨ」
と、お誘いの言葉が…。
感激
最後に一緒に入ったのは、いったいいつのことだったんだ?
「慶子~」
と、勇んで中に入れば、湯船の中で爆睡している。
ありゃりゃ
いや、ここでめげていては、子作りのための前哨戦がパアになってしまう。
「慶子、大丈夫か?こんなところで寝るなよ」
と、無理やり湯船の中でからだを密着させる。
う、久しぶりの感触
さすが、慶子、すべすべお肌に、ほどよくむっちりした×××。
「ベッドまで運んでいってやるぞ」
「う~ん」
俺の首にからみついてきて、
「慶子、疲れた」
と、甘える甘える。
やった
今晩、子作りだっ細太郎、待ってろよ。
俺は、慶子の体をバスタオルにくるみ、お姫様だっこをしてベッドまで運んだ。
「慶子~」
俺は、慶子のからだからバスタオルをはずし、いざ、勝負~
と、慶子の足の間にからだを入れようとした瞬間、慶子のひざが俺の股間に激突した。
「ぎ、ぎええええ」
既に、元気もりもり状態だったもんだから、痛いの痛くないのって…悶絶。
「あ、ごめん。膝のしたのシーツがよれてたから直そうと動かしたから…。あ、あらあ、相当、痛そうね~」
「ば、バカやろう」
俺は、結構みっともない姿で、悶絶・悶絶・悶絶。
「当分、おあづけ…かな?」
慶子は、バスタオルを体に巻きつけ、
「さあて、ごはん、ごはん…」
と、寝室を出ていってしまった。
「ちきしょうわざとじゃねえだろうなあ」
俺は、今までの人生の中で、一番みっともないだろうという姿勢で、ベッドに這いつくばり、慶子が無邪気に鼻歌を歌うのを聞いていた。
細太郎…、赤ん坊は、あきらめてくれ…。