へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

いぬをかってもい~い? その2

2006-03-10 17:47:01 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です

お茶の木の下からでてきた犬は、ぼくにからだをこするつけるようにして、そしてぼくの目をそのうるうるした目でじっと見ました
見られても、ぼくこまっちゃう。
「おーい、何やってんだよ」
たかひろくんが、かけてきました。
「ボールないのか?」
そして、ぼくのそばに立ってはじめて犬にきづきました。
「あ、しば犬じゃないか。どうしたの」
「お茶の木の下から出てきた。ぼくからはなれない、どうしよう
たかひろくんを見上げて、ききました。なんか、ぼくもこのしば犬みたい。。。
「先生のところにつれていこう」
たかひろくんは、そういってしば犬のせなかをなでました。
「かわいいなあ」
ぼくがしば犬をかかえて、みんなのところにもどりました。
ぼくたちがボールじゃなくて犬をかかえてきたので、みんなびっくりしてしまいました。
さらだ先生が、
「飼い犬かなあ?首輪はついていないけど、逃げてきたのかもしれないな、首輪のあとがある」
と、しば犬のくびのあたりをしらべていいました。
「仔犬じゃなさそうだから、成犬かな。ずいぶん小さいけれど、まあ、去年あたり生まれたってところかな」
と、おだじま先生が遠いところからいいます。なんでだろ。さらだ先生はぼくからしば犬をうけとって、
「ずいぶん痩せてるなあ、飯食ってないんじゃないかな」
といいながらわきの下に手をとおして、しば犬をひょいともち上げて、
「メスかぁ。おまえ。ほれ」
と、おだじま先生に見せました。
「うげ」
おだじま先生はあとずさり。
「なになに、おまえ、犬だめなの?」
さらだ先生はわらって、犬をぶらぶらさせながらおだじま先生に近づきます。
「よるなよ、嫌いじゃないけど、だめなんだよ。高校1年の時の夏の大会で駐車場係をしていたときに、応援に来たどっかの高校の部員の親が犬連れてきやがって、注意したら文句つけるわ、犬も噛み付くわで、えらい目にあったんだ。それから、だめなんだよ」
両手をぱあにして顔の前でふり、顔を見るとひきつっています。
4年生のみんなは、なにもいいません。なんか、あきれちゃったって顔してます。

ぼくだって、イメージダウンだよ。。。

犬はおなかがすいていたみたいで、さらだ先生の手をなめつづけています。
さらだ先生は、
「しょうがねえや」
といって、しょくいんしつからいつものタッパーのおべんとうばこをもってきて、
「ほら、たべろ」
と犬の前におくと、犬はむちゅうで食べています。
「なんにちも食べていなかったのかなあ」
「ご飯、もらっていなかったのかな」
「かわいそうだね。かいぬし、いないのかな」
「捨てられちゃったのかなあ」
ぼくたちは、犬の食べているようすを見て口ぐちにかんそうをいいます。みんな、よかったなあ、ご飯が食べられて、といったようすです。
「問題は・・・」
と、おだじま先生が、ぼくたちのうしろからうでぐみしながら声をかけてきました。
「この犬、どうするんだ?これから」
あ、ぼくたちは顔を見合わせました。このまま、学校においてっちゃう?
「学校ではかえないの?」
4年生の子がききました。
「学校では無理だなあ。犬を嫌いな子もいるだろう」
「おだじま先生みたいに?」
みんなは、いっせいにわらいました。
「う、うるせえ。。。犬が嫌いなのは、先生のせいじゃない
「連れて帰りたいけど、俺んところ、アパートだから飼えないや」
「同じだなあ」
先生たちは、考えています。
みんなも、おかあさん、なんていうかなあ、とうつむいています。

そうか、みんなのうちには“おかあさん”がいるんだ・・・
そして、なんでも“おかあさん”がはんたいするんだ・・・

でも、ぼくのうちには、いないよ“おかあさん”なんて・・・
色の白い“へんたい”はいるけどね。

かんがえてみたら、ぼくのうちに、はんたいする人は、いないよなあ。。。

もうちょっと、かんがえるから、また、あしたまで、まってね