HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

舘野泉さんplaysラヴェル

2011年02月27日 | クラシック曲
TV「題名のない音楽会」で、ピアニスト舘野泉さんの演奏を観ました。
舘野泉さんは、シベリウスなど、現近代フィンランドのピアノ曲を中心に演奏されるピアニストです。
お名前から、若い女性かな~、と思ってる人もいるかもしれませんが、70代のおじ(い)さまです。
10年ほど前、コンサート中に倒れ、右半身不随になってしまいました。もちろん右手もです!
ピアニストとしては致命傷ですから、誰もが再起不能と思いましたが、なんと彼は、左手だけでピアノに復帰、「左手だけのピアニスト」として 現在も演奏を続けているのです。
今年は 演奏活動50周年を迎えられたということで、大変めでたいことです。

さて、本日は ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」を聴きました。
私はラヴェルが好きで、舘野さんも好きなので、舘野さんの弾くラヴェルはたいへんよかったです
舘野さんのピアノは、たいへん透明な響きがします。
すごく丁寧で、繊細で、北欧の森や湖の色を感じます。
両手で演奏できた昔から、繊細な北欧のピアノ曲をすてきに演奏していて、奇をてらったりテクニックを見せつけたり、といった演奏とは全く違っていました。
子どもや初心者でも弾けるような易しい譜面の曲を 演奏会で弾いたりするのですが、その音色は誰にも真似できないようなすばらしいものでした。

今日のラヴェルの演奏を聴きながら、私は 奇妙な感覚に囚(とら)われていました。
ピアノって・・・ほんとは片手でよかったんじゃないか? 片手でピアノの演奏ができない人たちが しかたなく両手を使って弾いてるんじゃないか・・・?
だって、片手で持てないような大きな物や重い物は、しかたなく両手で持つんだし、片手でできないような難しい作業は、両手とも使ってやるしかなかったり・・・
そうだ、ピアノだって、彼のように 神の領域に近づいた演奏者は、左手1本で充分なのだ・・・
そして思いました。ピアノの音はこんなに美しいのだから、両手10本の指を同時に鳴らしてばっかりではなく、もっとみんなも、片手や単音での演奏を見直し、堂々とフォーマルな場で演奏した方がいいと。

「ピアノは両手で弾くもの」
「メロディーも伴奏も全部弾くもの」
「難しいテクニックを盛り込んだ曲>シンプルな曲」
などというのは アタマの固い思いこみなのではないでしょうか。
だって、声楽や管楽器は、どんな名人でもプロでも、単音しか出さないんだし、その他の弦楽器などにしても、みんなメロディーライン中心の音だけでやってるんですから。
ピアノにだって、そういう演奏があってもいいと思います!
ぜひ、ピアノの新境地を切り開きたいものです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。