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HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

月の光・ルバート解禁

2017年01月29日 | クラシック曲
Tさん(大人):
ドビュッシーの「月の光」を練習しています。
前回くらいまでは、ご多分に漏れず 多発する「二拍三連」のリズムにずっと手こずっていました。
けれど、自分で練習のやり方やリズムの刻み方を工夫して自己練に励んだ甲斐あって、苦手な二拍三連も ずいぶん克服できてきました。
今日はリズムもすっきりと整って、キレイな流れができています。

さて、そうなると次なる課題は「曲の表現」ですね。
これまで「リズムをちゃんと把握するまでは」と、卍(まんじ)固めのように固く禁じ手をかけられていた「テンポの揺れ」、「矯(た)め」、「リタルダンド」、「ルバート」、なども、もう晴れて解禁です。
次回からは、より美しく流れるような「月の光」へとブラッシュアップできるよう、がんばってほしいです。
それには鍵盤を「押す」ことばかりじゃなく、「抜く」ことが大事。
そう、美しい流れは、なんたって「抜き」と「脱力」ですからね!
リラックスして、その感覚をつかんでおくれ!

本物の音楽っていうこと

2017年01月29日 | 音楽のツボ
「題名のない音楽会」、そして「ドラゴンクエスト」を聴いて思ったことの続きです。
最初の日記を読んでない方は、先に読んでね。

さて、ドラゴンクエスト最盛期に、夢中でその音楽を演奏してた少年たちですが、弾きながら、彼らの心の中では重厚なオーケストラサウンドが鳴り響いていて、自分もその中に溶け込んで演奏しているんだ、という気がしていたのは間違いありません。
なぜなら、彼らと共に「ドラクエ」を満喫したヒバリ先生も同じだったから。
今日、何十年(?)ぶりに 本物の演奏を聴いて「自分たちでやったのと同じだ!」と思えたんですから、たとえ演奏は拙くても、楽器はオーケストラじゃなくても、演奏に託した気持ちは本物だったと思います。
少年たちが弾いていたのはピアノやキーボードだったわけですが、弾きながら彼らの心の耳には、序曲のファンファーレでホルンが響き渡り、レクイエムではストリングスがささやき、フィナーレではシンバルが響き、ティンパニの壮大なトレモロで幕が閉じられる音が、確かに聞こえていたのです。
そしてそれこそが、本物の音楽であり、ただただ真面目に練習曲を弾くだけでは得ることができないものなのです。

日本を代表する指揮者であった故・岩城宏之さんが幼少の頃、オモチャの木琴で延々とトレモロだけ続けて「ドナウ川のさざ波」の序奏を弾いていると満足していた、というエピソードにも、それをはっきりと感じます。
氏の心の耳には、自分の木琴のバックに流れるオーケストラの音が ちゃんと聞こえていたそうです。

去年の発表会の時に SちゃんとMちゃんのためにアレンジし、二人が連弾した「エル・クンバンチェロ」が、しばらくしてTVで演奏されたので、見せました。TVのはプロの演奏だったし、いろんな楽器を使った軽快な演奏でしたが、それを見たSちゃんは「すごいね!でも私たちの方が迫力あった」と言ったのです。
確かにプロの演奏は軽妙だったけど、SちゃんMちゃんの演奏みたいに全身全霊で楽しみまくっていなかったかもしれない。
二人の演奏もまた、本物の音楽だったと思います。
「本物の音楽」は、プロの演奏家だけにできるものではありません。
子どもでも、初心者でも、自分が心から感動できる音楽を 心を込めて弾けば、それこそが「本物の音楽」なのです。
生徒のみんなには、「本物の音楽」を弾いてもらいたいです。
そして私も、純粋な気持ちを持ち続け、「本物の音楽」を目指したいです。

題名のない音楽会、ドラゴンクエスト

2017年01月29日 | TV・映画・ステージなど
テレビ朝日の「題名のない音楽会」。
本日のテーマは「ドラゴンクエストをウィンドオーケストラで」でした。

日本のゲーム音楽の、草分けにして最高峰にして金字塔である「ドラゴンクエスト」!
作曲は すぎやまこういちさん。

このゲーム曲が世に出たとき、何万人の少年たちが憧れ、クラシック音楽への憧憬を抱いたでしょうか
当時、ヒバリ教室でも 小学生のわんぱく小僧たちが かっこいいドラクエ弾きたさに、こぞってピアノに入門し、生徒の8割が男の子、という珍現象が起きていました。
夕暮れ時、泥だらけになって遊んでいたわんぱくどもが「あ、オレ今日、ピアノのレッスンだから帰るわ」と言って、泥を払い、いそいそとレッスンに来たもんです。

今、目の前のTV画面の中で演奏されている、なつかしい曲の数々。
彼らと一緒に弾いた「ドラゴンクエストマーチ」、「戦闘」、「アルフガルドにて」、「勇者の挑戦」、「ジプシーダンス」など・・・どれもクラシックの格調高く、オリジナルアレンジが忠実に再現されていて、「みんなで弾いたのとおんなじだ!」と 当時のワクワクした気持ちを思い出しました。
小学生一人で弾ける音には限りがあるので、数人を集め、オーケストラバージョンのオリジナル演奏を耳コピしてパートを分担、打楽器なども入れて、今思ってもナッカナカの大合奏をやったもんでした。
普通ならクラシック音楽などに興味を持つはずもない わんぱく小僧たちが目を輝かせて、難しいピアノテクニックを克服し いくつものクラシックスタイルの曲を弾いたのです。
「王城」ではバロック、「序曲」ではロマン派スペクタクル、「ジプシーダンス」ではスペイン音楽、「アルフガルド」ではバロックより古いグレゴリオ聖歌,「海図を広げて」ではフランス近代音楽...などなど、意識しないうちに格調高いクラシック音楽のテイストを、日本中の子供たちに知らしめたドラゴンクエスト、そして作曲者すぎやまこういちさんの功績はかりしれません。
すぎやまこういちさんこそ、ゲーム音楽界の手塚治虫と言っていいのではないでしょうか?!