HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

イ短調の音階とチム・チム・チェリー

2012年01月01日 | 音符・楽譜・テクニック

Y子ちゃん(小5):
「バーナム」で、イ短調の音階が出てきました。
「ラ」の音から始まって、ソの音だけに♯のついた音階、そして最後に、ラドミの和音が転回しながら降りてくるようになっています。
先生:「これが『イ短調』の音階だよ。ハ、ニ、ホ、ヘ、ト・・・っていう音の名前、学校で習ってるよね?」
Y子:「うん、習ってる」
先生:「この音階は、ラから始まってるでしょ。ラは、数えていくと『イ』の音だね。そして、『短調』は、前にバーナムで出てきた『くもり』のこと。悲しい感じの和音のことだよ。だからこの練習は、『イ短調』。反対に、明るい曲は『長調』っていうの。『ハ長調』とか『ト長調』とかって、あったでしょ」
Y子「あー、そうなんだ」
先生:「そして、基本の和音は、最初の音をベースにしたラドミ・・・Amだよ。マイナーって、悲しい音だったよね?」
Y子:「ああ、そうだったのか」

今までに いろんな練習曲やアレンジなどで メジャーコードやマイナーコードを体験してきたY子ちゃんは、短調の調整のことが理解できたようです。
そのあと、ルーレットで選ぶ課題になったとき、♯の3つつく練習に当たったので、先生はきいてみました。
「これは何調だ?!」
Y子ちゃんは、右手を見たり左手を見たり、和音を転回してみたり、よーく考えて ついに答えました。
「イ長調!」
\(^O^)/ピンポ~ン
音階とコード、ちょっとわかったね!

アレンジの曲は、「チム・チム・チェリー」でした。
ちょうど今習った「短調」の曲です。 また、この曲には独特の「お約束」みたいなものがあります。
それは、メロディーに対して「ラ~、ソ♯~、ソ~、ファ♯~、ファ~、ミ~、レ♯~、ミ~」という 半音階の下降音階でできている 独特なカウンターメロディー(もうひとつのメロディーライン)です。
これを、ベースラインとして使ったり、内声でカウンターメロディーとして使ったり、またはソプラノでオブリガートとして使ったり、何かの形で使わないといけません。
これがあっての「チム・チム・チェリー」なので、これを知らないと笑われます。
Y子ちゃんには、「ベースで使ってみよう。どこまでも、半音階で下がっていける音を見つけて」と指導しました。

ジャズやポピュラー界には、こうした「どこにも書いてないけど、ミュージシャンなら誰でも知ってる暗黙の了解」というものが あっちにもこっちにも、いっぱい存在しています。
ヒバリ教室の生徒のみんなには、楽譜をきっちり守るクラシックだけでなく、こうした「自由の中にも暗黙のお約束がある」ジャズやポピュラーの音楽も できるようになってもらいたいと思っています。

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モーツァルト・6つのウィーンソナチネ

2012年01月01日 | おすすめ楽譜・アイテム



Hさん:
モーツァルトの「6つのウィーンソナチネ」から、1番・ハ長調を練習しています。
この「6つのソナチネ」は、1783年ウィーンで作曲されたものですが、もともとは バセットホルン(クラリネット)2本、ファゴット2本で演奏するための「ディィベルティメント」として書かれたものです。
1783年といえば モーツァルトは27才で、新婚さんだった年です。(関係ないけど)

Hさんはピアノに対してとても真摯な姿勢で向かっている生徒さんなので、「編曲もの」や「ダイジェスト楽譜」は大嫌い。
よく、「やさしく弾ける有名曲」「クラシックをハ長調で」などという曲集がありますが、そういったものは一切おことわりです。
有名曲が弾きたければ、オリジナル楽譜が弾けるレベルになるまでがんばってから、本物を弾く!という姿勢を貫いています。

じゃあ、この「ウィーンソナチネ」は、編曲ものだから失格でしょうか?
そんなことはありません。
Hさんのこだわりをわかっていて、私は敢えて この「ウィーンソナチネ」を勧めてみました。
ピアノ学習者がみんな習う「ソナチネアルバム」には、クーラウやクレメンティのソナチネがたくさん収録されています。
それらはすべて、ピアノのためのオリジナル曲です。初歩の学習者のために作られた。
けれど、モーツァルトの「ウィーンソナチネ」は、ソナチネアルバムには収録されていません。
また、学習者用の練習曲ではありません。
れっきとした「室内楽」です。
そのため、ピアノでは弾きにくい音型があったり、難しい部分があったりします。
けれども、これはまさしくモーツァルトのスタイルであり、彼の管弦楽曲の形やオーケストレーションを縮小したような形。
モーツァルトのオーケストラ曲を学ぶのに 大変よい教材だといえます。
「ソナチネ」っていうのは、「ソナタより難易度が低く、レベルが低いもの」という意味じゃなく、「規模が小さい」という意味ですからね。
そういった意味で、この「ウィーンソナチネ」は、天才モーツァルトの音楽に 小さな規模で触れることのできる、とても嬉しい楽譜集なんですよ。

みなさんも、機会があったら弾いてみてくださいね。

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