1970年 米国作品。
日本海軍による真珠湾攻撃とそれに至るまでの日米両国の政治と軍の動きを描いた大作。日本側は開戦に向けて斬新かつ緻密な計画を立てるとともに、厳しい訓練で航空隊の練度も世界一になっていた。一方の米国はヨーロッパの戦いが始まっていたにもかかわらず、軍には緊張感が無く危機管理もなっていなかった。そして1941年12月8日(米国時間12月7日)がやってくる。
開戦までを日本と米国の両側から描き、特に米国の甘さを指摘しているところ、そして宣戦布告が遅れたのは日本の大使館の不手際であって国や軍の責任とは言えなかったことを描いています。映画の作られた1970年はベトナム戦争の後半。すなわち全世界でベトナム戦争に対する批判が高まり、米国でも厭戦気運が高まっていた頃。本作はこの影響も受けたのではないかと思います。
本作で当初は日本撮影分を黒澤明が監督することになっていました。しかし、2週間で監督交代。黒澤明の映画作りの姿勢と米国プロダクションが相容れなかったということになっています。黒澤明の影響があって、配役の変更も難儀したようです。山村聰や三橋達也が乗りの良くなく煮え切らないです。東野英治郎はマイペース。一方で、ひときわ際だっているのが飛行隊長淵田美津雄中佐役の田村高廣。目の輝きが凄い。「我奇襲に成功せり。トラトラトラや!」の名台詞が嬉しいです。
本作観るのは5回目くらい。観るごとに、航空機、戦艦の実写撮影に感心。惜しむべきは九九式艦上爆撃機の急降下爆撃のシーンが無かったところくらいです。戦争映画の名作として残ります。
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