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「三つの帝国」の時代 - アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか

2009-04-10 00:09:18 | 書籍

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1977年生まれながら100ヶ国以上を訪問し、国際関係論を専門とするパラグ・カンナ氏の著書です。原題は『The Second World』。

今後、世界を動かす3つの帝国という趣旨の元、アラブを除くアフリカ、オセアニア、そして日本以外の地域の成り立ち、問題点と展望を綴った書です。

膨大な情報収集と経験の蓄積による分析がなされており、世界情勢がよくわかります。

筆者の考えは、アメリカはこれまでの悪業が祟り各国が離れていき、EUは拡大を続ける必要があるが故の宗教・民族問題を孕んでいる。よって、これからは中国がアジアのリーダーであり、極東ロシア、アフリカ、南米を味方につけて台頭していくと予言しています。

はっきり言えば、著者は親中派なのだと思うが、中国が財力、人民力、政治力を駆使して、今後の世界をひっそりと、しかし確実に手中に入れていくことは確かだと言うことは、周知の事実。唯一と言って良い内政問題も、中華民族特有の超現実主義で乗り越えるのでしょう。本書にある、中国による大東亜協産圏も絵空事ではなく、中国は本気でアメリカに取って代わり、人民元を世界の基軸通貨にするつもりなのでしょう。

そして、このままでは日本と韓国は完全に中国に呑み込まれてしまうことでしょう。静かに確実にそういう時代は近づいているのだと思います。

そんな中で生き残っていくためには、日本人は日本人らしく、こつこつひとつずつ前に進んでいくことしかないと思います。