ロシアがウクライナ領クリミア半島を武力併合した違法なやり口は、中国が南沙諸島などで見せる違法な埋立てのやり口と、同じでした。
とにかく、自分に利があり相手に隙(すき)がある地域を見つけたら、その地の主権がどこにあろうとも、自分が所有したいという欲望にかまけてしまい、また侵略が可能だと判断する独善性が芽生えるなど、いかにも共産主義国家らしいですね。
ロシアのプロトンMロケット、打ち上げ失敗 東シベリア南部に墜落か
ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は5月16日、同日打ち上げられた「プロトンM/ブリーズM」ロケットに「異常事態が発生した」と発表した。ロシアのメディア各紙は打ち上げに失敗し、衛星などを積んだまま東シベリア南部に墜落したと報じている。
プロトンM/ブリーズMはメキシコの通信衛星「メクスサット」(「センテナリオ」とも呼ばれる)を搭載し、バイコヌール現地時間2015年5月16日11時47分(2015年5月16日14時47分)に、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の200/39発射台から離昇した。予定では9時間13分後に衛星を分離することになっていた。
しかし、インターファクス通信やタス通信などの報道によると、ロケットの第3段に何らかの問題が起き、軌道速度が出せず、東シベリア南部に落下したとされる。
詳しい状況、原因などについては、現時点ではまだ不明だ。
プロトン・ロケットの打ち上げは、今年に入ってこれが3機目だった。また打ち上げ失敗は昨年10月以来のこととなる。プロトンは2000年代後半からはほぼ年に1機から2機のペースで失敗しており、例えば2014年は8機中2機が失敗、また2013年は10機中1機が、2012年は11機中2機が、墜落や、目的の軌道への衛星の投入失敗などの事故を起こしている。:May 16 - 2015 - プロトン
ロシアのロケット打ち上げ失敗が続くのは
ウクライナ領クリミア半島の武力占領のあとに受けた経済制裁のせいで、予算が削減されたためかと思っていたら、そうではないらしいですね。
むしろ逆であり、科学技術の隆盛で共産主義国家の威光を「無理だと分っていても」示さねばならない段階が終わり、経済政策でかつての栄光を取り戻そうとし、事実ロシアは資源外交で成功してEUに強硬に対抗できるようになったようです。
そして2012年秋にEUがノーベル平和賞を受賞したからには「EUが武力反撃できないだろう」と読み、この1年半後に他国であるウクライナ領のクリミア半島を電撃的に武力侵略して支配〔2014年3月〕するに至ったと思われます。
これを詳しく「ノーベル平和賞と軍事行動:2014年06月06日」で述べました。
そして経済制裁を受け、通貨ルーブルの暴落、原油・天然ガス価格の暴落などで財政的に苦しくなり、ロケット打ち上げの予算も切り詰められたのでしょう。
そうです、ロシア・中国・北朝鮮には、
ノーベル平和賞が敵対する相手〔この順ではEU・オバマ・金大中〕に授与されるや、「関連する地域を攻撃しても反撃できないだろう」という読みで、国際紛争を起こしてきた
という共通点があります。ノーベル平和賞を逆手にとって攻撃するのが、共産国の共通点です。
領土を拡張しなければならないという国家の行動は、腐敗を自助努力でなくせない共産主義国家に特有で、したがって国外に資源を求めざるを得ないのでした。
たとえばあの中国
もともとの国境を意味していた「万里の長城」から遥かに遠くまで侵略して広大な領土としてきました。〔リンクをたどった方は、上から10段目くらいの地図を拡大して御覧ください。〕
旧満州などの東北地域や西方や南方などは「万里の長城」の外と言えます。
しかし共産政権になってよりひどい腐敗や汚職にまみれて富がどこかに消えてしまって〔不法な蓄財〕、財政破綻し(そりゃそうですね、ギリシャの放漫経営と似ている)、それゆえ領土を国外へ拡張しなければならなくなりました。
国の財政状態を健全にするにはどうしたらいいか
を考えるのではなく、領土を拡張して富を拡張するしかないと短絡思考せざるを得ない共産主義が危険だ、とするゆえんです。
そこでは美しい言葉で「平等」とか「正義」を謳いますが、「平等」とか「正義」を声高に謳う国に「平等」とか「正義」がまったくないのは、決して偶然ではなく日常茶飯事であり、よって、落語のようにおもしろいのでした(笑)。
身近な、ちょっとしたことから少しずつ「平等」とか「正義」を実現させるしかない、これが普通の考え方です・・・・・・。
アメリカが高額なスペースシャトルを廃止し、
ロシアがロケット打上げ失敗を続けるなら、国際宇宙ステーション(ISS)のピンチですね。
こういう折に
日本の衛星ロケット打上げ実績を見ておくことには、意義があるでしょう。