カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

平均とは

2014年11月13日 12時41分35秒 | 生き方

日常で、しばしば耳にする「平均」。

だます側にだます意図があるかどうかは問わず、十分に注意していないと、ころりとだまされます。

さて今回も、「平均」について語る賢者に聞いてみましょうか。



韓国の平均的家族では、お父さんは儒教を信仰、奥さんは仏教、娘はキリスト教、もう一人の娘は天道教。ところが祖先崇拝のときには家族全員一緒。:P.213 宗教の比較文明学 梅棹忠夫編 春秋社

韓国のいつの時代のことかは不明ですが、そういう一面もあったのでしょう。今もそうかどうかはわからず、これが韓国の平均とも思いませんが、そういう例が決してまれではない、という程度なら、じゅうぶんに理解できます。これが平均の怖さですね。


女の年は、彼女が自分で言う年に、その親友が言う年を足して2で割ったものだ。(レオ・シャンピン):P.70 ジェローム・デュアメル(吉田城訳)「世界毒舌大辞典」大修館書店

自分の年齢は低めに、他人の年齢は高めに、表現しがちな「女性特有」の傾向です。ここには「平均」という言葉が見られませんが、みごとに「平均」を指摘していますね。

もしある女性が、自分の年齢を25歳と言い、女性友達が45歳だといえば、実際の正確な年齢は35歳くらいであろう、という上の推論は、平均値を元にしたものです。

だいたい女性は自分の年齢から5歳~10歳ほど引きたがり(バーゲンセール)、その女性友達は5歳~10歳ほど足したがる(ぼったくりバー)ようで、油断できませんね(笑)。

少し前のことですが、

ある人Aさんが誰かに「坂本冬美は20歳くらい?」と聞かれたと言っていました。Aさんはお門違い(おかどちがい)の私に坂本冬美の年齢を聞いたのですが、私は

「10年くらい前に演歌5人娘〔坂本冬美・伍代夏子・香西かおり・藤あや子・長山洋子〕の一人としてあっちこっちに出ていたように記憶するのでそのころ30歳代として、いま40歳代では? それにしても20歳はあり得ないと思う」

とあやふやに答えたことがありました。そのあと調べるとこちらで1967年3月30日生まれ(現在47歳)とのことですから、当たらずといえども遠からず、というところでしょうか。

本人が若作りなのか、化粧が上手なのか、真実は謎のままです(笑)。

 

具体的な数値で「平均」を考えてみましょうか。

これらの平均はすべて「5.5」ですが、数値のばらつきは、かなり違っていますね。

これが富だとすると、同じ平均なのに、右にいくほど一部の人が富を独占している不平等な国家〔現代では中国〕ですね。

「共産主義国家」はもう「平等」とは何の縁もない体制で、労働貴族と称する一握りの世襲の人間が国家の運営をするなんて、あぶなくてしようがありません。ソ連が崩壊したのと同じように、中国共産党が崩壊するのは必然と言えます。

APEC首脳会議2014年11月11日-12日が終わったので、いよいよ中国共産党は香港道路占拠を強制排除しはじめるでしょう。これはほぼ間違いありません(笑)。

この表で日本が比較的左側に位置しているとすると、中国は右側に偏りすぎていると言えます。中国の経済力は、平均では世界のレベルからずっと下方に位置していますが、それでも13億という人口のほとんどの人をまるで別の国の犠牲者のように扱い、一握りの人が富を独占して超富裕層となっています。

これを見分ける一つの方法が、データの分散(平均からのばらつき度合い)でした。

全員がまったく同じ5.5なら分散は最低の「0」で「ばらつきがない」ということ。

右へ行くほどバラツキが大きくなるようにしました。

同じ平均5.5だとしても、仮にデータ4で中国の90%を占める庶民の年収が10万円だとすれば、10%という一部の人が年収460万円であることを意味しています。

私たちが「平均」という言葉にだまされてはいけない、ということがこれでわかります。平均だけではなく、バラツキも知る必要があるのです。

 

平均といえば、こんな例があります。 

ある人が 

    • 高級宝石店へ行き「一番よく売れている」宝石を買う
    • 高級酒場で「平均的な高級飲み物」を注文する
    • 高級外国車の販売店で「売れ筋の車種」を購入する 

らしい。客観的に見るとこの人は「限りなく平均から遠ざかっている」のですが、本人は自分のことを「平均そのもの」と信じています。

また次のような平均の推移を、どう思いますか。

データを元に、横軸が西暦、縦軸が身長(cm)で私がグラフをかいたものです。古墳時代から、日本の男性の平均身長は、明治期まで下がり続けていましたが、現代ではむしろ古墳時代よりも上がっていますね。

  • かなりの母集団を調査し、掘り起こされた骨格から、その年代と身長を推定したものだと思われますが、誰もこれの確認作業ができない、というのがひっかかります。
  • それにしても明治期まで身長が下がり続けたのは、一体なぜだったのか。
  • 現代では古墳時代以上になった、というのは摂取する食品の栄養に関係するのかどうか。
  • 発掘した骨、発掘が可能だった骨を元にした推定が、その推定した時代の平均といえるのかどうか。

などが考えられますが、今までこんなデータを見たことがなかったので価値のある研究かも知れず、次にはより精度の高い調査が生まれることでしょう。


気象分野では、また別の「平均」に基づく「統計」があります。

 

統計期間については、1935年の国際気象機関(世界気象機関の前身)の会議において、30年間を平年値の統計期間とし、10年ごとに更新するよう勧告された。日本では、気象庁が1921年~1950年の期間以降、西暦の末尾が1となる年に10年ごとに更新されている。例えば2011年から2020年までの10年間(2010年代)においては、2010年統計(1981年から2010年までの30年間の平均値)が用いられる。気象観測での平年値は、気候変動などの短期的な気象変化を知る基準となる。:Wikipedia

 

つまり

    1. 2001~2010年の10年間は、1971~2000年の30年間の平均を使う。
    2. 2011~2020年の10年間は、1981~2010年の30年間の平均を使う。

10年ごとに基準となる30年間を見直し、10年新しくずらすわけですね。その代り10年間はずっと据え置きの30年間の平均を「平年値」として使うのです。

  • 直前の去年の平均を今年の統計に使うのは、毎年の気候変動を考えると適切ではないということです。
  • しかし「30年」に妥当な根拠があるのか、というと、100年単位で上下する周期があるならば、その上限値付近での30年間で「平均」を決める、のには無理があるでしょうね。

あくまでも、目安としての「平均「平年値」でした。

 

くれぐれも「平均」という言葉にだまされないで下さいませ。

え? 何ですって、

わいわい盛り上がって、だまされるほうが幸せですって? そういうのが、だます側の手口・口調ですから、もうすっかりだまされている、と言えます(大笑)。

え? 何ですって、

自分はだまされてもいい、と言うのですか。でも、それは、あなたに「たとえだまされたとしても、自分には別の誰かをだます能力があるので、損害を受けない」自信がある、という意味では?(笑)。

それぢゃ50年前に、自分の親や上司などを平気で中国共産党へ密告して1000万人以上を処刑した文化大革命〔1966-1967〕の中国そっくり。しかも今、中国ではこの文化大革命や天安門事件に触れることさえ厳しく禁じられているというではありませんか。もう落語の世界ですよ。

それがいくら現代中国社会を象徴するとはいえども、チェーンメール・不幸の手紙・幸福の手紙・ネズミ講などは、日本では許されず、やめましょうね。

 

 

 


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