またまた北朝鮮関係でもめていますね。
私も含めて、まずは長年に渡って〔それも1年ほどではなく、10年以上〕北朝鮮が奇妙な言動を繰り返してきたことを知っておかねばならないようです。
今を理解するには、いま起こっていることを素直にそのまま受け取ることが大切で、過去を知っていると妙にこだわってしまい、歴史を知っているからこそ「よくない判断を下してしまう」ことが、しばしばあります。それは確かです。
しかし朝鮮半島や中国に関しては、事情が異なるようです。
あまりにも身勝手すぎて、世界中の国々を相手にして尊大に過ぎる現象が中国~朝鮮半島(韓国・北朝鮮)でよくみられることから、世界中の人たちはこの地域に関してはよ~く歴史を知っておかねばならないようです。
一言でいえば「相互の利益」ではなく、「人をだまして自分だけが利益を得る」ことに、生き甲斐と尊敬の念を認める伝統です。
北朝鮮に「関連した/あるいは関連していない」ここ20年くらいの流れは、次のようなものではなかったでしょうか。
- 1990年にイランが反イスラム教ということで、小説「悪魔の詩」の関係者に死刑を宣告。そもそも「死刑宣告の権利などあるのか」という疑惑と「殺害を誘発させる危険」があるのが、イラン・イスラム教の非寛容性か。
- 1991年に筑波大学助教授が「悪魔の詩」を翻訳し、大学内で殺害され、未解決事件のままになっている。
- 2001年アメリカで同時多発テロ事件が発生。イスラム過激派による犯罪らしく2011年になって首謀者とされるビン・ラーディンがパキスタンでアメリカ軍によって殺害された。
- 2005年にデンマークの新聞がイスラム教を揶揄する風刺漫画を掲載しヨーロッパ各国でも転載され、イスラム教徒が大きく反発。同じようなルーツをもっているとは言え、キリスト教徒とイスラム教徒ではものの考え方〔批判力や自己検閲力〕において大きく異なる。EUとしてまとまりつつある欧州各国が戦前の植民地だった国々から多くのイスラム教徒を移民として受け入れつつあり、各地で宗教摩擦が起こり始めていた時に発生したできごとだった。
- 6カ国協議が、北朝鮮の不可解な行動で頓挫し、しかも議長国だった中国があいまいな態度をとり続け、せっかく50年ぶりに良好な東アジア関係が構築できそうに思えたのが、すっかり消えてしまい、いまや国連からも制裁を受けている北朝鮮は、完全に孤立し孤高の道を歩み続けている。
- 2014年、アメリカのソニーピクチャー社が北朝鮮為政者諷刺の映画を制作し各地の映画館で上映されることになったが、これに対しこれまた不寛容で知られた孤低の北朝鮮が強硬に反発。その後、ソニーピクチャー社がサイバーテロ攻撃を受けた。
- これが北朝鮮のしわざだと断定したアメリカ大統領オバマがサイバー反撃を示唆、その後、北朝鮮の回線が不通になった。
- 2008年に自ら「あらゆる形態のテロやその支援に反対」する旨の反テロ声明を発表しアメリカによる「テロ支援国家指定」が解除された北朝鮮だったが、アメリカ国内では「再びテロ支援国家に指定すべきだ」という声があがる。
- その後、いくつかのアメリカ各地の映画館で予定通り上映されはじめ、また同映画のネット配信も開始したもよう。
だいたい、宗教関係のトラブルで思いついたものを並べてみました。抜けているのがあるかも知れません。
私が考えるのは、次のようなことです。
- いつの時代でもそうですが、その時代を牛耳る国や地域は傲慢なもの。かつてはイスラム教関連国や中国などがそうでしたが、今ではキリスト教国が支配的です。
- これらキリスト教国では、無意識のうちに世界中を「キリスト教」的にとらえて傲慢さを発揮し、各地でトラブルを発生させました。これを自覚させなければならないでしょう。
- かつてイスラム教の国家で生まれ人権など考えたことがなかった人たちが、戦前にヨーロッパ諸国の植民地だったこともあり、ヨーロッパがEUとしてまとまりつつあるときに優先的に移民として受け入れられた。そしてEUに住むようになってから初めて「宗教対立」と「人権」意識をもち始めた。
- そもそもEUが、「宗教対立の軽減努力」をする前に「人権」あるいは他の観点からイスラム教徒の移民を受け入れてきたのが、立派なように見えて問題複雑化の発端だったのではないか。人権意識が芽生えたからこそ、初めて宗教対立に火が付いた。
私が考える解決策は次のようなことです。
- イスラム教徒が、イスラム過激派をどう考えるか、非イスラム教徒をどう考えるかなど、イスラム教徒同士で十分に話し合うこと。
- イスラエルと中東諸国の対立は、もう限界をこえていますが、イスラエルが国土をぐっと縮小した形で存続することとし、イランなどとの対立を解消すること。
- キリスト教徒たちは、その尊大さに気づき、互いの権利を享有するよう務めること。
私が恐れるのは、次のようなことです。
- ソ連崩壊によって「冷戦が終了」し、共産主義の恐怖は、取るに足らないものになったと考える人がいますが、私は中国という共産主義国が現存する限り「冷戦は終了していない」と考えます。
- 第二次大戦が終わり、ようやくインドや中国が独立し始めたその混乱の夜陰に乗じてチベットを「だまし」て「武力侵略」したのが中国共産党だということを忘れないようにしたい。つまり独立間もない自国のことで精一杯だったインドが、チベットのことなど「どうでもよかった」からこそ、中国は、すきまを狙って、インドと国境を接するチベットを安心して占領できたのですね。なぜ50年以上もチベット〔今は占領されて中国の自治区になっている〕で暴動がなくならないか、なぜ中国全土で年間10万件以上の暴動が起こっているか、中国共産党の暴力志向を、もっともっと世界中の人が考えるべきでしょう。
- 宗教対立に目を奪われている現代のすきまを狙って中国共産党が台頭することに、世界中が留意すべきだと思います。宗教対立こそ重要な問題であり、利用すればいいだけの中国共産党の人権無視など、本心では「どうでもいいこと」と考えていませんか。それはあまりにも危険です。
- フィリピンでの反米感情ゆえに米軍がフィリピンから撤退して手薄になったすきまを狙って中国がスプラトリー諸島(南沙諸島)、パラセル諸島(西沙諸島)あたりで侵略を開始したのを、もう一度思い出したいものです。
隙間を狙って、個人の利益を得ようと工作するのは、これはもう中国人の4000年にわたる伝統であることをお忘れなく(大笑)。