カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

ウナギ(うなぎ・鰻)の季節

2014年08月18日 07時20分26秒 | その他

 

販売会社・流通業者たちの陰謀のおかげで

ブームに火がつき売れ行きがよくなったのは結構だとしても、ウナギの蒲焼きが売れすぎて、輸入品に頼っているようでは、かなり危ない状態。ヨーロッパ→中国→日本という道筋も、ヨーロッパが輸出制限せざるを得なくなり、いよいよ日本への輸入も来年あたりから途絶えそうだとのこと。

チョコレート用のカカオ豆輸入も高レベルで推移しているようですが、いつどんなきっかけで輸入がとまるかも知れません。

だいたい2013年度の食糧自給率〔カロリー計算で39%、主要国待つ重量計算で59%、生産額計算で69%〕が低すぎ、最大の懸念となっています。中国など、いつどんな気まぐれでレアアースのような輸出禁止をするか、わかりません。

こんな時にTPPでさらに農産物に深刻な打撃を与えそうな状況です。

ただしこれは、農業票との交換で長期にわたり関税や各種規制で保護しすぎ、これが農業弱体化につながったのであり、農業政策が失敗した結果だとも言えます。

むしろ徹底的に農業を自由化したほうが日本のためになる、とも考えられ、もしも利用者である国民の多くが深刻に考え、農業従事者が票に縛られることなく自分の創意工夫で自立する方向に向うならば、私はそのほうがいいと考えています。

しかし、農業票をほしがる周辺関係者や保守党への依存体質から抜けきれない農業従事者の中には、過保護の甘い蜜を吸い続けて楽をし、後継者が育たなくても何とも思わない、人たちも見られますが・・・・。

予想しうる食糧難は、想定外のことで発生するのです。


今回は、夏まっさかりの今、やはり鰻(ウナギ・うなぎ)の話題となりました。

念のために、まえもって言っておくと、私は5年に1度ウナギの蒲焼きを食べる程度ですが、蒸さずに焼いて香りが残っているほうが好きです。蒸したものを焼くと、食べるときにすっかり香りが抜けてしまっているように思うのです。

ただし、蒸さないとしても、多くの客の要望に応えるために「焼いてから冷凍保存」したウナギを解凍・焼き直しするならば、ほとんど香りが残りませんね。

 

落語のうなぎ

うなぎの落語と言えば「鰻の幇間(うなぎのほうかん・うなぎのたいこ)」で、この落語のテキストとしては、次のようなのがあります。

上方落語 江戸落語 Wikipedia

たいこもちが、道で出会った「はっきりと記憶にはない」旦那を、知り合いだとだましてウナギを御馳走になろうと目論み実際にウナギ屋に入ったのですが、敵の方が上手(うわて)だったという楽しいお話。

上方落語にも江戸落語にも残っていて、今でもよく演じられます。

江戸落語家、三遊亭圓生の「鰻の幇間」冒頭にも風情がありました。

「あしたはあしたの風が吹くからいいや~」なんてなことを言っておりまして、まことにど~も淡泊なものでございますが・・・・

 

うなぎの料理方法 

うなぎの話になると、すぐに江戸の背開き上方の腹開き、についてまくし立てる人がいるのですが、さばき方によって味が変わるものではありません。

背開きと腹開きでは、焼く時の串の刺し方に若干の違いがあるのかも知れません。江戸のうなぎ屋は両端に肉の厚みがあるほうが串を打ちやすい、と言いますが、上方のうなぎ屋は腹開きの方が背骨を取りやすいとも。まぁ熟練の問題であり、どちらとも言えませんか(笑)。

やはり味を大きく変えるのは、焼く前に「蒸すか蒸さないか」であり、基本的には、江戸では「蒸してから焼く」のに対し、上方では「蒸さないで焼く」ようです。味がどう違うかと言えば、

    • 江戸の蒲焼き 蒸してあぶらを取り除いてから焼くので、柔らかくて食べやすいのですが、香りが抜けてしまい、あまり味がない、という欠点をもっています。蒸し時間を短くするなど工夫をしているようですが。
    • 上方の蒲焼き 蒸さずに焼くので香りがたっぷり残っていておいしいのですが、味がしつこく、やや固くて食べにくいという欠点をもっています。少しだけ蒸すなど工夫をするところもあるようですが。

健康ブームが長く続いていて、余分なあぶらを取らないように配慮するようになり、上方でも蒸してから焼くところが出ているとのことで、これは納得できることです。恐らく、その蒸し方に各店での秘訣があるのでしょう。

      1. 香りゆたか
      2. 柔らかい
      3. あぶら少なめ

の3要素を実現するには、相当の熟練が必要かも。

あまり食べないウナギ素人の私ですから、

ウナギ屋の前を通りかかったときに流れてくるおいしそうな匂いだけで、この店のウナギは蒸しているか蒸していないか

など全然わかりません(笑)。


参考サイト

一般的な魚の「腹開きと背開き」についてこちら

アナゴの背開き

アナゴの腹開き

アナゴの開き 東西比較


地震前の異常行動 

よくいわれるのが大地震の前にみられる、動物類の異常行動と、異常気象です。

内陸近くの大地震に関する記録が多いのは、やはり関東大震災〔1923年〕で、91年前のこと。

海岸で投網を投げると30cmくらいのウナギがバケツ3杯もとれた。:関東大地震の前日 

これは、おそらく太平洋岸での記録だと思われます。深海に住んでいたウナギが、人間には感知できない地震の兆候をつかみ、危険を感じて浅瀬へ逃げてきたのでしょうか。上記サイトには、亀井義次著「地震の起こるとき」から、地震前のいくつもの異常事態の例が引用されています。信じるのも信じないのも自由ですが、知っておいて損はないことの一つでしょう。 

魚類が釣れすぎたとか網にかかりすぎた時には、何らかの要因があるはずで、それが地震につながっていることが明らかになれば対応する必要があります。

室戸沖各地で深海魚

深海魚ダイオウイカ

特に深海魚が大量に見つかった場合には、注意しなければなりません。巨大な災害が世界や日本全体に何らかの影響を及ぼすとはいえ、多くの地震の場合、一部の地域に深刻な打撃を与えるだけからか、日本全体で信頼性があり誰でも使える地震予兆のデータベースはまだ完成していません。

 

女の言葉とウナギのしっぽ 

女の言葉をとらえるのは、ウナギのしっぽをとらえるようなものだ。(セルヴアンテス) :ジェローム・デュアメル(吉田城訳)「世界毒舌大辞典」 大修館書店 2008/09/01第11刷発行

ぬらりくらりと要領を得ず、あ~言えばこ~、こ~言えばあ~の、という「女性を男性から見た評論」ですが、「女性から女性を見た」なら何も難しいことではないのです。

つまり、その場の状況よりも、継続性や意味性を重視する男性が陥る「欠点」なのかも知れませんね。しかしながら、この欠点がなくなった男性は、すっかり女性化してしまい、今度は周辺の男性からは「不可解な人物だ」と揶揄される運命に(大笑)。 

マグロやイワシと同じように、取りすぎが原因で、ウナギも幻の魚になりそうです。完全養殖のマグロの刺身がまだかなり高額だそうで、もっと手に入りやすくなるのはいつの日か、と憂えています。

そしてウナギにも、同じ運命を感じてしまうのです。

「みんなが好むものを、自動的に自分も好む」という妙な性癖が少しでも減れば、業者が便乗して取りすぎて資源が枯渇するということが、少しは減るかも知れません。

多くの人があまり好まないものに価値を見出す人が増えることだけが、この変な風潮をなくす秘訣なのでしょう(笑)。