現在台風11号が九州・四国へ接近していますが、台風の季節にいつも思うのが、ニュースでの
上陸のおそれ
という表現。
誰が見ても
「上陸まちがいない」 「問題は上陸の日時」
と思われる時なのに、あいかわらずニュースでは
上陸のおそれ
とします。
これでは「上陸するかどうか、まだよくわからない」という印象を与えてしまい、
- 近年の住民への通知の仕方で、「非難勧告」「非難指示」を使い分け始めている風潮に沿っていない
- 住民への通知徹底をはかる意図で震度区分が細分化され、かつての震度5が「震度5弱」と「震度5強」に、震度6が「震度6弱」と「震度6強」に変更された風潮に沿っていない
- 天気予報で区画をより狭くし、あいまいな「晴、のち曇、一時雨」などの不確定さを「確率」導入で少しでもなくそうとしている風潮に沿っていない〔この傾向は必ずしもうまくいっているとは思えないけれども〕
ように思われます。
Web上の辞書をみると
おそれ 【恐れ/畏れ/虞】
1 こわがる気持ち。恐怖。不安。「将来への漠たる―」
2 敬い、かしこまる気持ち。畏怖(いふ)・畏敬(いけい)の念。「神の偉大さに―をいだく」
3 よくないことが起こるかもしれないという心配。懸念。「自殺の―がある」
デジタル大辞泉の解説
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
台風に関しては「3」の意味で使っているのでしょう。しかし「上陸するかも知れない」のでは、あいまいそのものですね。
私の改善案は次のようなものです。
上陸の確率が
80%以上の場合・・・・上陸の可能性が非常に高い
30~80%程度の場合・・・・上陸の可能性がある
30%未満の場合・・・・上陸の可能性が残っている
とするものです。
具体的な数値と分け方には異論があるでしょうが、細分化したため、上陸目前なのに一律で「上陸のおそれがある」とする現在よりはマシでしょうか(笑)。