北大路機関

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北大路機関『自衛隊最新装備2022』新小銃と新型多機能護衛艦,新型地対空ミサイルに無人偵察機と新型練習艦

2022-12-29 20:10:31 | 北大路機関特別企画
■自衛隊最新装備2022
 全国でCOVID-19中止からの三年ぶりの行事再開が続く中で様々な最新装備を撮影出来ました、本日は一般公開された最新装備の様子などを紹介しましょう。

 20式小銃、89式小銃を置き換えるフローティングバレル構造の新型国産小銃、富士教導団や水陸機動団に配備されているもので、富士学校祭にて初公開されました。伊丹駐屯地にて行われました中部方面隊創設記念行事でも、中部方面隊への配備はまだ先ですが先行公開、20年前の2002年伊丹祭にて9mm機関拳銃が同様に公開されたのを思い出します。

 もがみ型護衛艦もがみ。FFMという海上自衛隊の護衛艦は長らく艦隊駆逐艦をしめすDDか護衛駆逐艦を示すDEで種別し、ヘリコプター搭載護衛艦をDDH,ミサイル護衛艦をDDGとして配備してきましたが、新たに多機能護衛艦FFMの導入を開始、その一番艦が護衛艦もがみ、掃海隊群を護衛艦部隊へ改編し大量装備すべく、現在6番艦まで進水式を終えた。

 くまの。もがみ型護衛艦二番艦です。基準排水量3900tと小型護衛艦ながら護衛艦あさぎり型やミサイル護衛艦たちかぜ型よりも大型となっています、武装は現段階では限られていますが水上戦闘艦に機雷掃討を担当させるオーガニック方式であり、艦内の多機能区画には機雷敷設装置や舟艇格納が可能、将来的にはA-SAMなど射程の長いミサイルも積む。

 ペトリオットミサイルMSE,岐阜基地航空祭において初めて一般公開されました。ペトリオットミサイルPAC-3の射程を延伸したもので、北朝鮮ミサイル脅威の拡大を受け、都市部防空を確実なものとするために緊急導入された装備です。岐阜に群本部を置く第4高射群の装備なのですが、今年はいったばかりといい、まさに最新装備の写真です。

 19式装輪自走榴弾砲量産型、ロシア軍ウクライナ侵攻に際してフランスが供与した若干数のカエサル装輪自走榴弾砲が大活躍していますが、この系譜にある簡易自走榴弾砲です。試作車はMAN社のマークがありましたが、量産車は日本製鋼所のマークとなっています。なお、カエサル装輪自走榴弾砲も供与されたものはウニモグ製の車体に積んでいる。

 KC-46A空中給油輸送機、美保基地の第403飛行隊に配備されている最新鋭の空中給油輸送機ですが、巨大台風の山陰中国地方接近を受け、小牧基地へ退避しているところを撮影することができました、小牧基地には日本とイタリアが採用したKC-767空中給油輸送機が配備されていますが、この改良型でありアメリカのほかイスラエルが採用しました。

 はたかぜ型練習艦、江田島基地にて。言わずと知れたターターシステム搭載艦であるミサイル護衛艦はたかぜ型が、護衛艦隊のミサイル護衛艦枠をイージス艦により充足することができたため練習艦に転用し第二の人生といいますか艦生を歩み始めたもの、二番艦しまかぜ、とともに練習艦隊におけるシステム艦として重責を担うこととなるでしょう。

 M-6C-640T/60mm迫撃砲、2019年の富士総合火力演習へ参加した水陸機動団隊員が装備していましたが、余りに距離が遠く細部が良く見えませんでした、富士学校祭において偵察戦闘部隊の装備として紹介された、オーストリアのヒルテンベルガー社製60mm迫撃砲で、有効射程1600mと強装薬では射程1921m、毎分15発の射撃が可能という装備です。

 U-680A飛行点検機、YS-11飛行点検機の後継機として令和元年から装備が開始されました令和時代の航空機です、その任務は飛行場や基地の航空無線保安施設機能の点検が任務であり、文字通り自衛隊最新鋭、航続距離は5000kmと余裕があり南鳥島飛行場まで展開可能です。小牧基地で撮影していましたらば偶然着陸する様子が見え、撮影する事が出来た。

 スキャンイーグル無人偵察機、富士学校祭での展示です。スキャンイーグルは過去富士学校祭に参加し2022年に第14旅団へも配備開始となり伊丹駐屯地祭に観閲行進で参加しましたが、装備品展示にて間近に撮影出来たのは貴重な機会でした。簡易カタパルトから発進し高度4500mを24時間に渡り飛行し続ける事が可能で、全国の情報隊へ配備が進んでいる。

 16式機動戦闘車、この装備は何度も紹介していますが写真のものは第3戦車大隊の装備です。御承知の通り第3戦車大隊は第3師団の即応近代化師団から地域配備師団への改編により間もなく廃止改編される予定となっており第3偵察隊と統合し、第3偵察戦闘大隊となります。この為現在装備する74式戦車からの置き換えが始まる、過渡期の展示でした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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韓国政府-北朝鮮無人機浸透事案受け4億4000万ドルの緊急対策,日本の無人機対策はどうか?海渡る無人機脅威

2022-12-29 07:01:20 | 先端軍事テクノロジー
■臨時情報-朝鮮半島情勢
 この脅威は来年度以降と云わず緊急補正予算を必要とする水準なのでしょう、日本も例外ではありません。

 韓国政府は北朝鮮からの無人航空機浸透事案を受け、大統領府が急遽4億4000万ドル規模の無人機対策予算を緊急計上しました。これは26日に発生した北朝鮮のものと思われる複数の無人機を確認、韓国軍は100発程度の対空戦闘を実施しましたが撃墜には至らなかったというもので、無人機は鳥類の誤認という可能性もあるようですが確認できていない。

 無人機に対する有効な対策手段が無い、韓国国防省は異例の謝罪会見を行いました。韓国陸軍にはK-31飛虎自走高射機関砲などが装備されていますが、基本的に対航空機用であり、危険性は認識されていたものの予算措置が取られなかった事が要因であるとし、これをうけ韓国政府は迅速に緊急の予算措置を執った事となります。さて、これは対岸の火事か。

 日本海を渡る無人機の能力はある、こう懸念する一方、我が国でも10年以内に無人機への対抗手段を構築する政府は先日発表の防衛力整備計画に明示しました、しかし、10年も余裕はあるのか、10カ月以内に有効な対策を講じなければならないのではないか、という実情です、こういうのも、数万ドル程度の無人機で2000km以上飛行する機種があるため。

 シャヘド136無人機、イランがイエメンに供与し、イエメン武装勢力フーシ派がサウジアラビアの油田施設攻撃に用いたものです。重量は200kg程度、乗用車のセダン程度の費用で生産でき、航続距離は1500kmから2500km、北朝鮮にイランと同程度の技術が有れば、つまりこの機種程度のものを開発するならば朝鮮半島から日本海沿岸、いや東京まで届く。

 L-90/35mm機関砲とAHEAD弾薬があれば、その迎撃は難しくはありません、その根拠は高射機関砲の標的機がこの大きさなのです。しかし問題は最盛期210門が装備されていたL-90高射機関砲を自衛隊は2009年までに全廃、後継として150両の87式自走高射機関砲が配備される計画でしたが、配備予算を削られた為48両は北海道の一部に配備されたのみ。

 無人機対抗手段として電子妨害装置や電子妨害砲等が開発されていますが、今のところ同様の無人機攻撃を受けているウクライナで活躍しているのはスイス製やドイツ製高射機関砲です。もちろん早期警戒機等を飛行させ低空進入を警戒する必要はあるのですが、例えばこの種の無人機が日本海側の原発や石油貯蔵施設近くに進出する前に、対策は必要です。

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