北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.12.17-2022.12.18)

2022-12-16 20:21:59 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 冬の寒さは厳寒という状況となっていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 2022年12月もいよいよ後半にはいりました、先週の那覇基地航空祭と宮古島分屯基地ブルーインパルス祝賀飛行が実施され、今年の自衛隊関連行事もいよいよ終幕か、こう考えていたのですが探してみますと、中部方面隊管内で二つほど行事といいますか、駐屯地祭ではないが自衛隊イベントが行われるとのこと。場所は神戸市と岡山市、政令指定都市だ。

 C-1輸送機、年内ではないのですがなんと云いますかそろそろC-1輸送機は全廃の時期が迫ってきています、自衛隊行事の無い時期に平日の御休みが取れるという方には、もちろん関心がある方には、ですが。自衛隊行事の行われない空白期にF-4戦闘機や護衛艦はつゆき型など全廃されています、文字通り変ってゆく最中、関心がある方はみておきたい。

 Defense Motor Festival,神戸市東灘区のシャインワーフ神戸において12月18日に1000時から1500時の予定にて実施されます。兵庫地方協力本部HPにこの行事実施が紹介されていたのですが、自衛隊車両の展示とともに軍事愛好家の所有する軍用車両などの一般公開が予定されているとのことでして、民間ですが、カレー店の出店なども予定されている。

 神戸市、兵庫県には中部方面総監部や千僧駐屯地、姫路駐屯地に青野原駐屯地など自衛隊駐屯地が数多くあるのですが、このDefense Motor Festival,では16式機動戦闘車がデモンストレーションを実施します、さすがに空包射撃は行わないのでしょうが駐屯地以外では兵庫県内初といい、第15即応機動連隊のものか第3戦車大隊のものか、関心事ですよね。

 自衛隊ふれあいフェスタ、12月18日に岡山駅地下広場において予定されているとのこと。装備品展示が行われる予定で整理券などは必要ではないとされている、岡山駅地下広場、車両などを乗り入れられる広場なのか、岡山駅の地下は、居酒屋さんで瀬戸内の海の幸お寿司おしかったなあ、というくらいしかわかりませんが、地下にて実施されるとのこと。

 音楽関連行事、自衛隊行事としては音楽祭などがこの季節に行われるのですが、基本的に音楽関連行事は事前応募による抽選となっていますので、週末行事予定には紹介していませんが、自衛隊音楽隊はどの部隊の音楽隊も非常に高い水準の技量を有しています、これは市民楽団など、日本の音大卒業生についての音楽の専門職需要の少なさの裏返しですが。

 音楽関連行事、関心がある方は海上自衛隊の地方隊と陸上自衛隊では方面隊音楽隊や師団音楽隊、旅団音楽隊、陸上自衛隊に音楽隊が多いのは司令部警備支援など人員不足の裏返しともいわれるのですけれども、このほか航空自衛隊航空方面隊音楽隊などの定期演奏会は毎年行われますので、その日程をこまめに調べ、応募の準備を行うのがよいでしょう。

 自衛隊関連行事はこうしたかたちとなっていますが、艦艇基地一般公開について、かつて舞鶴基地などはCOVID-19感染拡大前には北吸岸壁の一般公開を毎週実施していたものの、いまは再開したとはいえ一ヶ月に一回となっています、その一般公開は先々週の今津駐屯地祭と同日に行われていますので、一般公開はなく、海軍記念館のみ公開されるとのこと。

 舞鶴基地は、しかし前島埠頭から護衛艦などを眺めることができますし、基地は開放されませんが横須賀ですと軍港巡り遊覧船が毎日運行されています。海上自衛隊の艦艇基地は、このように基地に立ち入らずともみることができる場所や海軍史跡というものが多く残っていますので、こうした自衛隊行事のない季節にこそ、散策してみるのもよいでしょう。

 自衛隊関連行事、年度内となりますと未だ来年の年度末にかけて幾つか実施されます。ただ、この2020年と2021年のほぼ全面中止となった時期の長さ、更に2022年も中止された行事が少なからずありますので、行事の継承とともに部隊広報と地元の理解、自衛隊は結局人と人の組織ですので、空白期間がどのように影響するのか、心配であるところです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・12月18日:Defense Motor Festival,神戸
・12月18日:自衛隊ふれあいフェスタokayama 


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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防衛費GDP2%-限定戦争と全面戦争の境界線をどう考える?長距離ミサイル配備と戦車火砲ヘリコプター激減

2022-12-16 07:00:22 | 防衛・安全保障
■中国・ロシアへの反撃能力
 防衛力といいますと当方などは中国やロシアの軍事パレードなどの示威的な映像を見ますと逆に自衛隊の戦車や火砲と護衛艦や戦闘機を思い浮かべるのですが、政府は違うようだ。

 防衛力に関する認識が政府と国民、そして専門家と為政者、防衛省と財務省の間でも大きな認識の差があるのではないか。今回の防衛費GDP2%問題、この為の増税問題とともになにか“同床異夢”のようなものがあるのではないかと感じるのです。先ず自衛隊と云われて何を思い浮かべるか、報道では観艦式や航空祭と富士総合火力演習位しか浮かびません。

 限定戦争と全面戦争、ウォーかアームドコンフリクト、国際紛争が武力紛争に展開した場合には地域を限定し局地的に戦われる限定戦争と、相手国の崩壊を含め地域に限定させない戦闘を展開する全面戦争と、線引きは非常に曖昧なのですが、存在します。ただ、自衛隊の反撃能力は、勿論相手の着手があってですが、全面戦争に近い状況を想定している。

 防衛力についてはGDP2%でも低下する、戦闘ヘリコプターと観測ヘリコプターの廃止、そして戦車の縮小も火砲の縮小も維持されるものですから、“日本に上陸した敵軍に対して身を挺して国民を守る”という印象があるとすれば、実のところ大きく後退します。1990年代に自衛隊は戦車1200両と火砲1100門、今は戦車300両と火砲300門へ削減中という。

 ミサイルは相当強化される、これは北朝鮮が日本本土へミサイル攻撃を行った場合に反撃する能力が整備されるといいます、ただ、北朝鮮は核弾頭の搭載を念頭にミサイル開発を行っていますが、日本のミサイルは通常弾頭、クラスター弾頭さえ検討されていません。いや日本にミサイルを撃ちこむのは北朝鮮以外無いのか、こうした疑問は残ります。

 専守防衛という基本政策がありましたが、いきなり戦車を揃えて日本に上陸する戦車に立ち向かう戦力を捨てて、日本に上陸したならば相手国の軍港や飛行場に軍需工場や補給施設などを日本がミサイルで叩く、こうした施策への転換です。勿論、有事の際に一方的に叩かれるだけでは防衛は成立ちません、しかし、専守防衛の転換が急すぎるのではないか。

 戦車や火砲といった所謂伝統的な防衛力を削減して、北朝鮮に届くミサイルを、という防衛力整備ですが、北朝鮮に届くという事は九州沖縄に配備した際には中国の上海や南京は勿論内陸部まで届きますし、北海道や東北地方へ配備した場合にはロシア沿海州のウラジオストクまで届きます、すると相手は届くという認識で対日装備と戦略を考えるという。

 反撃能力は必要なのですが、通常兵器ではなく日本の周辺国は核兵器国を含め核保有国が多い、従来型の防衛力が充実しているならば着上陸した敵に対して堪えがたい打撃を加え侵略を断念させるという選択肢があり、その上で反撃能力が整備されているならば、相手が一線を越える事を抑止する選択肢が生まれる、しかし反撃手段がミサイルだけとなると。

 限定戦争と全面戦争、ウォーかアームドコンフリクト、自衛隊が従来型の防衛力を充分有しているならば限定侵攻、沖縄島嶼部や北海道北部などへの限定侵攻という状況に際して限定対処が可能となります。他方、従来型防衛力が不足していた場合、限定侵攻に対してもほかに手段が無ければ敵本土へ反撃能力しか無くなります。この点の議論と認識共有が、不充分と感じます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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