北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.12.24-2022.12.31)

2022-12-23 20:00:34 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週末は行事ではないですが舞鶴基地が海軍記念館の一般公開を行う程度です。

 上皇誕生日、平成時代には祭日という一日でしたが令和時代には平日となりましたこの年末には、さすがに今週末の自衛隊関連行事は行われません。しかし来年には第1空挺団降下訓練始めが、昨年には中止されましたが今年は実施されるという。この空挺団降下訓練始めには久々に第82空挺師団がアメリカより参加するとともにイギリス陸軍も初降下する。

 空挺初降下というのは年初めの初降下という意味合いでしたが、イギリス第16空中機動旅団より空挺兵が落下傘降下により参加し、オーストラリア軍も参加するという文字通りの初降下となります。来年の話をしますと鬼が笑うといいますが、鬼神の様な戦いを繰り広げた旧軍落下傘部隊の精神を受け継ぐ自衛隊空挺部隊、今から楽しみと思うところです。

 自衛隊行事、しかし、単に見ているだけでは、とも思うのですね。閲兵式という行事は本来、国家元首に対して国軍の即応体制を示す国家行事です。師団祭や旅団祭に駐屯地祭には国家元首といいますか、行政府の長は観閲しませんが、国民主権の現行憲法では国民に示す、という意味で重要な意味があると思うのです。見ると見られる、この関係は重い。

 ドイツ軍、自走榴弾砲がほとんど機能していないようです。連邦軍は牽引砲を全廃していますので、107両のPzH-2000自走榴弾砲がドイツ連邦共和国が保有するすべての火砲ということになるのですが、稼働数は半数であり、更にその半分程度が整備中であり即応火砲は少なく、その中で即応火砲をウクライナへ供与した為に、真剣に動く火砲が無いという。

 NATOリトアニア戦闘団、NATOが精鋭を出しあい即応大隊戦闘群を編成しているものの一つなのですが、ドイツ軍は18門のPzH-2000を派遣する担当なのですけれど、動く火砲が皆無ということで、派遣させる事が出来なかった。ちょっと日本では信じられない事ではありますが、五年ほど前に指摘されていた状況を考えますと、ありうることだなあ、と。

 自衛隊の場合は、定期的に行事が行われますので、全部ではないにしても一定の数の装備は稼働している事が観ていて分かる事です、もちろん世界中の自衛隊以外の各国軍も記念行事は開いているのですが、フィンランド軍で例えば演習完了とともに民有地付近での演習に協力してくれたことに感謝する市街パレードなどはあるのですが、これは例外的です。

 記念行事、これは一つの要素であり、師団訓練検閲など幾つもの過程はあるのでしょうが、行事が行われていて、数千数万の観衆が集まる、広い関心が有る、という事はみられる側にも、格好好いところを見せようという、日本的ではあるかもしれませんが意識に繋がるでしょうし、そういう点で行事は、広報というものは双方にとり意味がある事だと思う。

 共食い整備機の配置区画の展示、さてこの見られているという意味ですが、某基地や某航空基地の一般公開において、共食い整備中の機体が一般の方に見える位置に並べられていたという事例があったようです、比較的新しい機種を含めて。これは、整備予算も維持予算もたりていないという、悲鳴のような現場の声を一般公開に託したという印象もある。

 2020年と2021年、2022年の前半と自衛隊関連行事はCOVID-19の影響を大きく家真下、しかし2022年半ばから本格的に行事が再開し、2023年には期待がもたれるところです。税金を投じて広報行事を行っている、これは理解する事も大切ですが見る立場という、こうした視点も必要なのかもしれませんね。それでは来年の週末行事紹介をお待ちください。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし 

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-錦小路,上皇陛下のお誕生日は昭和平成世代にとり心の祝日

2022-12-23 18:22:04 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 令和時代、みなさんにとってこの本日12月23日というのはどういった一日なのでしょうか。

 上皇陛下誕生日を祝して、今夜は秘蔵のワインでも栓を抜こうか、こう思うところです。ホワイトクリスマスという気象条件が揃うところですが、ホワイトテンチョウセツというものはなかなか聞きません、しかし雪景色、ちょっと期待してみたいところではあります。

 サイドワインダーでちょっと一杯、と思いましたが覚え違いでこれはレッドアイというビアカクテル。軽い一杯というところの、夕方にちょっとだけ一杯やりまして雰囲気を愉しむ、風情を嗜むには丁度良い、紅玉が投下に透きとおる、なんといいますか色合いです。

 mumurik、このお店は新京極から直ぐ近くの、いや錦小路の狭い商店街を進みまして麩屋町通りを、100mくらいか90mか、上がりますとその右手、街中に洋風東屋のような入口のお店がありまして、カウンター中心で小さなテーブルのある、愉しげなイタリアンだ。

 マスカルポーネチーズのトマトソース、歯応え噛みごたえで個性が有ります平打ちパスタに滋味の富んだチーズと酸味の新鮮なトマトソースを絡めましたひと品でして、肴というよりも小腹を満たすという点で、アンティパストとか難しい事を考えずに注文しました。

 上皇陛下誕生日、昭和末期世代とか平成初期世代の方には12月23日は祝日、という、これは価値観といえるほどの認識があるのではないでしょうか、年末が近く師走の忙しさに祭日を挟むのは仕事では大変な事なのですが、ちょっと一休みできる重要な一日とおもう。

 日本人働き過ぎ、といいますとILOの各国労働時間の比較を示されるのでしょうが、通勤時間と始業前会合にサービス残業時間、労働拘束時間全体で見ても同じことが言えるのでしょうか、ふとそんな事も思うのですね。上皇陛下誕生日、祭日の頃、と思い返すのです。

 混雑している印象があるのですが、一杯だけでも気分でと早めに入りますとお客はテーブルに一組のみ、予約でいっぱいの時も一杯だけ短時間で、という条件だと座れたりもしますので、気分転換にバルな居心地を探す時など、早めならば柔軟に対応してくれましたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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パトリアAMVは82式指揮通信車の後継となり得るか?96式装輪装甲車よりも老朽化進む不可欠の装備

2022-12-23 07:00:41 | 先端軍事テクノロジー
■指揮通信車232両の後継
 フィンランド製のパトリアAMV装甲車はAMVが装甲多目的車両の略称である為に様々な用途が期待される車両です。

 陸上自衛隊の次期装甲車にパトリアAMV装甲車が選定されました。96式装輪装甲車の後継として、今後は即応機動連隊へ配備されてゆく事となります、なにしろ即応機動連隊へ既存の総合近代化師団や総合近代化旅団から96式装輪装甲車を掻き集めた為、全国の装甲車配備は大変な混乱となっており、来年度29両を取得する計画ですが、加速の必要がある。

 96式装輪装甲車の後継車両は決まった、そして今後自衛隊はもう一つの装甲車両について考えなければなりません、それは96式装輪装甲車よりも古い車両ですが後継車両の見通しがついていない、82式指揮通信車の後継車両です。実際、不意教導団などは82式指揮通信車の老朽化から2010年代後半より96式装輪装甲車を転用する程、深刻な問題なのです。

 82式指揮通信車、小松製作所が232両もの多数を配備しましたので、後継車両についても相応の数が必要となります。具体的には当初、特科中隊本部車両として開発されましたが、普通科部隊や高射特科部隊に偵察隊などにも幅広く配備されていますので、特科部隊が1980年代よりは縮小しているものの、その後継車両の需要は、まだ数多い状況なのです。

 パトリアAMVを充てられるのか、結論から示しますとパトリアAMVは車体が大きい事から12名の人員を収容できるため、指揮通信車として転用できます。ただ、2023年度防衛予算概算要求を見ますとパトリアAMVは29両が232億円、つまり1両あたり8億円が要求されています、これは89式装甲戦闘車を超える高い取得費用という点が、課題という。

 NBC偵察車、小松製作所の車体が転用される可能性はないのか。もともと小松製作所は防衛省に採用されなかった装輪装甲車(改)を1両当たり1億7000万円で量産する計画でしたので、パトリアAMVは4.7倍もの高価な装甲車両となります。もともとNBC偵察車の前型である化学防護車は82式指揮通信車の派生型でしたので、転用の余地は充分あります。

 防衛予算は2000年代に入りほぼ20年間、ミサイル防衛という巨大事業を既存の防衛予算の枠内で行う事が求められ、練習機や観測ヘリコプターに掃海艇と救難機、多用途ヘリコプター等など、様々な装備の代替装備調達が棚上げされてきました。この皺寄せが非常に厳しい段階にまで来ているのですが、そろそろ防衛力を再建しなければならない時代です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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