北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

二〇二二年末-来年二〇二三年の自衛隊行事を展望する,転換期迎える防衛政策と自衛隊の装備体系

2022-12-30 20:09:46 | 防衛・安全保障
■防衛政策の転換と共に
 日本安全保障政策は大きな転換点を迎えていますが同時に自衛隊も大きな転換点を迎えている一方、行事中断期間が長く実感がわきません。

 自衛隊もずいぶん変わった、2019年の航空祭はファントムが飛び回りまして、特に用途廃止がちかかっただけに全国の航空祭を乱舞していましたので、ファントムの印象が強かったのでしょうが、ご承知の通りすでにファントムは昨年2021年に退役しています、戦闘機の世代交代はF-1戦闘機退役以来ほぼ20年ぶり、妙な意味で新鮮な出来事だといえますね。

 2022年の自衛隊関連行事、いろいろ自由に動くことはもう少し時間がかかるのだろうと思いつつ、一番思い入れのある行事はととわれますと、やはり久居駐屯地祭でしょうか。2023年の自衛隊関連行事を考えてみましょう、今年は慎重に自衛隊行事を見送ったというような方もそろそろ2023年は、と考える方に、ちょっと来年の見通しを気が早いが考えてみる。

 C-1輸送機、そろそろ退役の時期が見えています、いやこの時期に2022年の入間基地航空祭は抽選制となっていましたので、C-1を眺める機会が大きく減っているということは非常に残念なのですけれども、このあたり、2023年は最新型のC-2輸送機も見上げたいものですが、50年以上跳び続け日本の防衛に貢献してきました機体、最後の日までみまもりたい。

 はつゆき型護衛艦は実に12隻も量産され、日本の海上防衛を40年にわたり担ってきましたが、コロナの影響残り艦艇広報が行えない中で練習艦転籍艦を含めすべて退役してしまいました、ただ、はつゆき型の拡大改良型扱いとして区分されることもある護衛艦あさぎり型については8隻が現役です、この退役が、もがみ型護衛艦量産とともに始まるのです。

 あさぎり型護衛艦8隻、あぶくま型護衛艦6隻、これらは年間2隻の勢いで量産がすすむ護衛艦もがみ型、つい先日6番艦あがの進水式を迎えていますが、わりと短期間で退役が進むこととなります。あさぎり型は護衛艦で唯一二本マストの護衛艦ですし、あぶくま型護衛艦はDE護衛駆逐艦区分が消えますし、数年後には木造掃海艇も全廃という見通し。

 74式戦車、こちらも割と後数年です、いやこの戦車も10式戦車が予定通り量産されていたならばもうすでに平成末期に退役しているはずの装備ですので、生き残っているのは懐古趣味であり、防衛出動の際に運用するには、相手は日本に来る以上選抜された最新戦車を派遣するため、特に厳しいのです。ウクライナにロシアはT-62を派遣したのはさておき。

 パトリアAMV装甲車が正式採用されまして、すると96式装輪装甲車と、そしてさらに古い82式指揮通信車などは急に削減されるかも知れない、いやジープ型の小型トラックが激減してしまい、いまでは装甲車よりも注目される装備なのですが、このようなかたちで旧型の73式大型トラックなども残りわずかという状況、これも転換期というものなのですね。

 古い装備、しかしそれでもしっかり運用されているのが日本らしさ、といえるのかもしれませんが、空白期がながかった自衛隊行事だけに浦島太郎気分というのは言い過ぎかも知れませんが、2023年、ちょっといろいろ出歩いてみるのもいいかも知れません。なにしろ自衛隊駐屯地や基地は感染対策がしっかりしていますので、そういう意味で安心といえる。

 自衛隊行事の感染対策、以外に思われるかも知れませんがしっかりしています、なにしろマスク着用を呼びかけていますので屋外で風が吹いていて換気が抜群でも、可能な限りマスク着用を呼びかけていますし、再開された飲食についても、かなり間隔を考えて椅子やテーブルが並びます、2023年、行事再開になかなか心躍るのは私だけではないでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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反撃能力-ミサイル部隊を発見せよ!自衛隊潜水艦に小型無人機を多数搭載し沿岸から偵察運用する試案

2022-12-30 07:00:24 | 先端軍事テクノロジー
■日本の反撃能力を考える
 敵基地に攻撃を限定するといってもロシアの様な無差別攻撃を行い目標を正確に攻撃したと大本営発表を行うようでは駄目です、敵情を正確に把握しなければ。

 日本を攻撃するミサイル部隊への反撃能力、昔は策源地攻撃といわれた防衛力の構築ですが、潜水艦を支援に用いることはできないでしょうか。いや、潜水艦からトマホークを射撃するというようなありきたりの方法を示しているのではなく、潜水艦は気づかれることなく沿岸部まで接近する能力があるのです、機雷原にさえ注意すれば公海上境界目一杯に接近できる。

 トマホークミサイル500発導入、威勢の良い政府の反撃能力整備ですが、問題は北朝鮮のミサイルを破壊する難しさです、固定式の発射装置ではなく移動式発射装置により発射位置を、なにしろ北朝鮮からすると自衛隊のミサイルよりもアメリカ軍のミサイルや戦闘攻撃機の津波のような破壊力を警戒しているのだから、頻繁に移動します。捕捉は難しい。

 政府は軍事目標だけをねらうという。しかし移動式発射装置が基地を出発した後で倉庫を破壊しても意味はありません、すると情報収集が必要となる。そこで、潜水艦の活用を考えるべきではないか、と。潜水艦から無人機、それも攻撃能力のない小型の無人機を発進させ情報収集に充てるのです。沿岸から発進するならばある程度は近距離用無人機で良い。

 クワッドドローン、市販の機種でも良いのですが、スキャンイーグルほど大きなものでなく、無害なものでよい、必要なのは情報なのですから加害能力のないもののほうが重要です、空振りに終わった場合にも、北朝鮮が時々日本に漂着させた観測用気球のような言い訳、気象観測用のものが南風にあおられ流れたというような言い分は成り立つのですから。

 特殊部隊を上陸させて直接偵察するという、北朝鮮が時折1990年代に韓国へ浸透させた方式でもよいのです、湾岸戦争では特殊部隊がイラク軍のスカッドミサイル制圧に威力を発揮していました。しかし、人員を派遣することにはリスクがあります。潜水艦から使い捨ての無人機ならばリスクは薄い、現地でなく回収できなければ使用後海上投棄すればよい。

 潜水艦はあるのです、そしてこうした能力を構築しますと、相手に対潜能力を構築させ、国防リソースを日本など周辺国の攻撃用の装備ではなく、自国の防衛、無害ではある無人機も害意の暴露に用いられるならば、暴露される側としては懸念事項となる、認識で受け止めるでしょう。実際に侵犯飛行は有事まで行わずとも良い、しかし能力は必要なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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