「8・28都教委包囲アクション」へ(17)/「都教委包囲首都圏ネットワーク」

2009-08-03 18:08:15 | 教育
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」 
・「千葉高教組」・「新芽ML」。
の渡部です。 

<人事委員会審理(卒業式⑱グループ)>
の最後の意見陳述です。

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<Nnさん(北豊島工業高校(全日)>

・・・都立高校の教員になる前の8年間、
私は養護学校で肢体不自由者の教育に携わっていました。

・・・あるベテランの先生は私に、つぎのようにアドバイスしてくださいました。
「あなたは『障害』ということに拘りすぎているんじゃないですか?
たとえば言語障害の生徒に、『君の言っていることはわからない』と
言ってみることを避けていませんか?怖がっていませんか?
障害の有無が問題ではないのです。本当に相手を一人の人間として尊重するなら、
わからないときはわからないと言うことこそ相手を認める第一歩なのです」

・・・この先生はこうもおっしゃいました。
「信頼関係のないところに教育は生まれません。
このことは教員どうしでも言えることです。
あなたのように新米教員もいればベテランもいる。
障害児教育の専門家もいればそうでない人もいますね。
これらの人々がそれぞれ自分の持ち味を出しながら生徒と直接接していく、
それが本来の教育活動なのです。
だから、教員どうしも互いに相手を尊重し、相手から学び、
協力し合わないと教育は成り立たないのです」

このようなことを通して、私は教育における信頼関係の重要性を痛感しました。
・・・・今回の命令、そしてその背景にあるいわゆる「10.23通達」は、
教育という営みを否定するものです。
したがって、私はその職務命令に従うことはできませんでした。

つぎに「日の丸・君が代」に対する私の思いを述べます。

(小・中・高校時代に疑問に思うようになった事について述べた後に)

・・・大学では、小学生のときの思った「なぜ戦争を止めることができなかったの
か」
という問題意識が徐々に大きくなりました。
このようなときに,家永三郎氏の「15年戦争史論」をテーマにした講義を聴きまし
た。
講義では、当時の新聞記事など具体的な資料を駆使した緻密な分析が行われました。
予断を許さない明解な論理展開に接して、歴史の学び方を学んだような気がしまし
た。

そのころ私は、父が戦地に赴く直前に自分の母に宛てた一通の手紙を、
それは事実上「遺書」に当たるものでしたが、その手紙を読む機会がありました。
戦後になって父はそれを焼き捨てるように言ったそうですが、
祖母はそれができなかったようです。・・・

・・・父は昭和19年暮れに九州から戦地に赴きましたが、
手紙はその年の11月7日付のものでした。
そこには学業半ばで戦地に徴用される無念さや自らを鼓舞して
母親を安心させようとする想いが綴られていました。
当時のマスコミは学生に対して、
「時局の重大性」を考えずに「安穏」と生きていると批判する論調を展開していまし
たが,
父は手紙の中で、これらの批判者を「軽薄なジャーナリスト達」と呼び、
その攻撃に対しては、
「眞実な學問にひたむきに精進した者が艱難の道に際會して
いかに勇敢に歩みを進めて行くか私はそれをはつきりと天に契はうと思ふのです
……(中略)……私に与へられた唯一の道は唯毅然として戦場に参ずることなのです」
と応え、
息子を気遣う母親には、
「私の姿が段々遠ざかつて一点の様になるまで
いつまでも信頼と愛とをもって見守ってゐてください」と書き送っています。

筆で綴られたこの手紙を読んで,
私はこれまで教科書などでしか知り得なかった
この狂気に満ちた時代が自分のものとしてとらえることができたような気がしまし
た。
そして、このような時代を二度と繰り返してはいけないという思いを強くしました。

また、もしかしたら、父は誰にも話したくない自らの過去を
この手紙とともに葬り去りたかったのかもしれないと思ったとき、
私の父に対する批判的な気持ちは少し薄らぎました。
自らの体験を語ることのできない人間の存在もまた、
戦争の悲惨さの一面であると思ったからです。

・・・・「日の丸・君が代」は戦前の皇国思想や
軍国主義思想の精神的支柱でしたが、
国民を戦争に駆り立てていった精神的支柱の土台は教育でした。
それだからこそ、戦後は新しい憲法を定め、臣民教育ではなく、
一人一人の個性を大切にした教育を行うことを国民全体で確認したのです。
教育における信頼関係は、このような点からも重要なことです。

以上が、私が述べたかったことです。
私はただ静かに座っていただけであり、
式典を妨害するようなことは何一つしていません。

私にかかわる処分は不当なものであり、その取り消しを請求します。

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以上で、7月22日(8人)、24日(9人)の
東京都人事委員会での意見陳述(計17人)の紹介を終わります。

私は、これらの意見陳述は、
現在日本の教育や教職員が直面している
大きな問題を提起しているので、
日本の教育学者や教職員の一人でも多くの方に聞いてもらいたい、
と強く思いました。

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2009年 『8・28都教委包囲アクション』
 
<メインスローガン>
○改悪教育基本法の実働化と闘おう!
○10・23通達を撤回せよ!通達に基づく処分を撤回せよ!
○石原都知事は即刻退陣せよ!
(スローガン)
・教職員の差別・分断を図る主任教諭制撤回!
・職員会議での挙手・採決禁止の通知を撤回!
・業績評価制度(人事考課制度)廃止!
・「君が代」不起立分限処分を許さない!
・教員免許更新制度撤廃!

<日時> 2009年8月28日(金)
       15時~18時30分
<場所>都庁第二庁舎二階玄関前歩道
<予定>13時30分~14時30分 都庁前ビラまき行動
         (「石原都知事は即刻退陣しろ!」というビラ)
      15時~     包囲行動・発言
      16時~     要請行動(参加団体・個人)
      17時30分~ 要請の報告・発言
<主催> 都教委包囲首都圏ネットワーク

参加する団体・個人は<抗議文><要請書><質問書>など
をご用意してください。プラカード、ゼッケン、横断幕なども。
私たちも「新趣向」を考えています。
よいアイデアがありましたらお寄せください。
みんなで人権無視、憲法違反の石原と都教委に押しかけましょう。
 
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 都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
  http://kenken.cscblog.jp/

「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
 http://homepage3.nifty.com/hinokimi


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