愛媛県立学校歴史教科書 採択・公開 行方は/愛媛新聞

2009-08-03 18:09:39 | 教育
県立学校歴史教科書
採択・公開 行方は
法改正 愛国心明記どう影響
審議 不透明性改善の動き

 2010年度から県内公立中学校で使う教科書が、11の採択地
区ごとに今月末までに決まる。県立学校の教科書を採択する県教育
委員会は01、02、05年度、侵略戦争美化などと指摘される
「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版を採択し、全国的
に注目を集めた。本年度採択の要点を整理する。

 教科書は原則4年ごとの採択だが、新学習指導要領への移行に伴
い次回採択は11年度。今回選ばれる教科書は2年間のみの使用だ。
採択対象の中学教科書各教科合計73冊のうち、72冊は前回から
改訂なし。残り1冊は前回採択後に出版された自由社の歴史教科書。
高嶋伸欣琉球大名誉教授(社会科教育)は「暫定的な延長措置のよ
うな採択で、愛媛に限らず全国的に関心が低い」と解説する。

 県選定資料審議会によると、扶桑社版と自由社版の内容は8割以
上が同じ記述で、図表も大半が重なる。「つくる会」が事実上分裂
したためで、同会と扶桑社が著作権をめぐり争う事態になっている。
同会県支部も解散した。

 採択の基準になる教育基本法と学校教育法も変わった。両法は0
7年、安倍晋三内閣時に改正され、「愛国心」や「公共精神」育成
を教育の目標に明記。大内裕和松山大教授(教育社会学)は「つく
る会」指導の教科書を「選びやすくなったと言わざるを得ない」と
みる。

 激しい批判を受けてきた採択過程の不透明性は改善されつつある。
県教委は「静謐(せいひつ)な環境が保たれない」ことを理由に非
公開審議を貫いてきたが、今回は採択の参考資料の審議を初めて公
開。本採択も公開の可能性が高い。

 扶桑社版を採用している県立松山西中等教育学校の社会科教諭は
「扶桑社版は生徒が歴史の理解を深めるのにふさわしい。(県内で
最も多く使われている)東京書籍版と内容に大差はない」と話して
いる。

 一方、「えひめ教科書裁判を支える会」などは「歴史を歪曲(わ
いきょく)している」などとして扶桑社、自由社版を採択しないよ
う県教委への要請活動を展開している。

------------------------------
 「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書を推す大津寄章三
教諭(松前町岡田中)と、反対する高嶋伸欣琉球大名誉教授に教科
書への評価、教育効果などを聞いた。(聞き手・政治経済部 秀野
太俊)

 岡田中(松前町)教諭 大津寄章三氏
 大人が価値観提示を

 従来の教科書は、戦後の価値観だけでものを見ている。もっと大
きな、少なくとも2000年という歴史の流れの中で人間とはどう
あるべきか考えなければならない。

 大人がしっかり価値観を示さなければいけない。もちろん子ども
が自分たちの裁量で話し合って解決することもあるが、一定以上は
理屈ではなく良いものは良い、駄目なものは駄目と自信をもって言
うべきだ。

 各国の教科書を見てほしい。英国はインドを植民地化し、米国は
先住民を殺りくするという非常につらい歴史があったが、祖先と自
分たちの誇りを壊さない書き方をしている。これこそグローバルス
タンダードだ。なぜ、日本だけ違うのか。史実を捏造(ねつぞう)
せよというのではなく、自分たちの国の物語の語り口の問題だ。

 韓国や中国が「つくる会」主導の教科書に抗議するが、日本が彼
らの教科書に何か言ったことがあるだろうか。内政干渉しないでほ
しい。教育委員は教科書をしっかり読んで先入観にとらわれず、公
正な判断で子どもに良いものを選んでほしい。


 琉球大名誉教授 高嶋伸欣氏
 反発への認識乏しい

 藤岡信勝つくる会会長らのグループが、中学生に日本はこんなふ
うに中国を侵略したと授業したら「日本人として恥ずかしい」とマ
イナスの感想ばかり出たという。だからこういう授業は悪いと言う
が、一時的な反応だけで良い悪いを判断するのはお粗末な議論だ。

 日本の歴史には反省すべき点がある。事実を知った上で、立場を
変えればいろいろな評価があると学べる今の教育を誇りに思う。こ
ういう感想が小学校高学年でも出てくる。

 「つくる会」の教科書は「日本は侵略を意図したわけではなく、
独立維持のため外国へ勢力を拡大した」「太平洋戦争のおかげでア
ジア各国は独立できたのだから、感謝してもらっていいはずだ」な
ど相変わらずの考え。同会の歴史観や価値観をアジアの人が侮辱だ
と反発していることが分かっていない。教師も含め日本の社会がそ
の認識に乏しいことが、恥ずかしい。

 教育委員会は検定に合格したに過ぎない扶桑社、自由社版を、他
の教科書と同等に採択対象にせよという文部科学省の指示をうのみ
にしていいのかと問題提起したい。


2009年8月2日 愛媛新聞 3面 総合版


********************************************

8月3日には、日韓市民共同シンポジウムの決議文を県教委に提出し
下記のように

5日~7日(12:00~18:00)
県教委のある県庁前で

愛媛県教委井関委員長の
「扶桑社か自由社か、どちらかになる」と発言の撤回と
「つくる会」系教科書を採択を止めるための
「座り込み」を行います!

ぜひ、各地から発言の撤回と
「つくる会」系教科書の採択に「NO!]の声をお願いします。

座り込み場所に、展示する
檄布などみなさんからのメッセージもお願いします。

送り先など
今後の座り込み期間の行動予定を
決まり次第お知らせします。



------------------------------------

県教委、「つくる会」系教科書を採択することを既に決定!
・ 井関委員長、「扶桑社か自由社か、どちらかになる」と発言 ・

井関発言の撤回、
「つくる会」系教科書の採択を止めるための
「県庁前座り込み」に参加を!

8月5日(水)~7日(金) 県庁前座り込み(毎日12:00~18:00)

 〈政治的・権力的決定〉の撤回と公正かつ適正な採択手続きの保障を求めて!
  チラシまき、教科書パネル展示、団体賛同署名要請行動等

問い合わせ先 えひめ教科書裁判を支える会
090-2781-7055(山中)・090-1008-1525(中島)

遠方の方、宿泊場所もあります。連絡ください!

*---------------------- *** ----------------------*

〈権力的・政治的決定〉の井関委員長発言の撤回と
〈公正で適正な採択手続きに則った採択〉を

県教委に求めるみなさんの声を、届けてください!


要求書等の送り先
〒 790-8570   愛媛県松山市一番町4-4-2
愛媛県教育委員会
電話 089-912-2941(義務教育課)
FAX 089-934-8684
メール gimukyouiku@pref.ehime.jp


*---------------------- *** ----------------------* 
例文

愛媛県教育委員会様

井関県教委委員長は、まだ採択のための教育委員会が開かれてもいないのに、
「扶桑社か、自由社かどちらかの」、「つくる会」系教科書を採択することとなると
発言しました。

これは、決められた採択過程を無視して、全く別のところで権力的・政治的に子ども
たちの使う教科書を決めているということです。
このような、権力を使っての不正かつ横暴な手段で、子どもたちの教育内容を決める
などということがあってはなりません。
よって私たちは、以下のことを強く要求します。

一、権力を使っての、このような不正な手段での教科書の決定を直ちに取り消して
ください。
一、公正で適正な採択手続きに則って教科書を採択してください。
一、歴史を偽造し歪曲し、侵略戦争を肯定・賛美している「つくる会」系教科書は、
平和憲法の理念に反し、子どもたちにふさわしい教科書ではありませんので、採択の
対象から除外してください。
以上
------------------------------

「つくる会」系教科書の採択を止めるために
座り込みを行います。

8月5日(水)~7日(金)
県庁前座り込み(毎日12:00~18:00)

この間、毎日
夕方(17:15~18:00)の間、
座り込み現地で集会を行います。

この集会に、各地から下記の携帯に電話によって、
参加をお願いできないでしょうか?

みなさんの電話の声をマイクで集会で流します。

また、
座り込み場所に、
檄布などなど
みなさんからのメッセージも送って頂けないでしょうか?

それらとともに私たちは
座り込みを行いたいと思います。

この間の送り先

〒 790-8570   
愛媛県松山市一番町4-4-2
愛媛県職員労働組合気付き 
えひめ教科書裁判を支える会

FAX 089-947-5686(愛媛県職員労働組合)

090-2781-7055(山中)
090-1008-1525(中島)

ぜひ、ぜひ、お願いします。

--------------------------


県庁前座り込みの報告

本日(8月5日)
愛媛県庁前で

まだ採択のための教育委員会が開かれてもいないのに、
「扶桑社か、自由社かどちらかの」、
「つくる会」系教科書を採択することとなると発言の撤回等を求めて
座り込みを行いました。

その様子を下記に掲載しました。

http://www.dokidoki.ne.jp/home2/zxvt29/sub4/2/2.html


座り込みは、
定年退職組が中心で
最近東京から香川県に引っ越してきた
Mさんも駆けつけてくれました。

17:15から、現場で集会を持ち
韓国ピョンテクからも激励の電話
全国から届きました激励
県教委への抗議文を読み上げ

横浜市教委の採択結果を受け、
県内の市町教委へ
再度、要請行動を行うことなどを相談し
18:00で終了しました。

6日、7日と座り込みを行います。
Okumura Etuo
zxvt29@dokidoki.ne.jp

教科書裁判
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/zxvt29/su2-saibannsiryou.htm
********************************************


よろしければ、下のマークをクリックして!
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。