窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第20回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました

2023年07月31日 | 交渉アナリスト関係


 2023年7月29日、品川区の文化コミュニティ施設「きゅりあん」で、オンラインとのハイブリッドで行われた、第20回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました。

 今回は、メンタルプラス株式会社代表取締役、和田隆様より、「パワハラを解決する心理学的手法~対人関係トラブルの理解と対応方法~」と題してお話しいただきました。和田様は元々サラリーマンでしたが、働けば働くほど自身の元気がなくなっていく、周りもうつ病になっていく人たちなどを目の当たりにして脱サラを決意。職場のハラスメント防止とメンタルヘルス対策をテーマにこれまで3,000回以上の講演、5万人以上の支援をされ、メディアにも多数ご出演されています。

 今回のお話は、

1.パワハラの本質と構造を理解する
2.関係のマネジメント

の二点です。

1.パワハラの本質と構造を理解する

 今回は数あるハラスメントの中でも「パワハラ」がテーマですが、ハラスメントの中でも突出して多く、10年連続で1位なのがパワハラなのだそうです。特に、パワハラとして認められる事実が存在するかという以上に、「パワハラを受けたと感じている」人が増えているという点に注意が必要です。というのも、ストレスに対するダメージの受け方、耐性が世代によって異なっており、そのギャップに対する認識のないことがパワハラを受けたと感じる人を増やしている可能性があるためです。

 何がパワハラなのか?については厚生労働省による「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」という定義があります。ポイントは、

①背景:優位性
②手段:違法・不当行為
③結果:ダメージ(身体・精神)

の3点であり、これらが揃うと、パワハラになる可能性があります。

 一つ目の「優位性」については、ほとんどの組織で上下関係は厳として存在し、無くすのは難しいと思います。また、上下関係を無くすということは権限と責任を平準化するということでもありますから、多くの組織でそれが望ましいとも言えないでしょう。逆に、三つ目の「精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為(ダメージ)」、これはある程度まで取り締まることができるように思われます。「ある程度まで」というのは、二つ目の「業務の適正な範囲を超えている(不当である)」、これが難しいためです。

 何故難しいのかといえば、そこに世代間の認識、受け止める側の耐性にギャップがあるためです。したがって、現実にも「どうしたら良いのか分からない」と、少なくない上司や部下が悩んでいるのではないかと思います。これを解消するには、「パワハラの本質」を理解しなければなりません。その本質とは、パワハラは「人間」の問題ではなく「関係」の問題だということです。ほとんどのパワハラで、どちらかに一方的に原因があるというケースはまず存在しません。そして、一人だけでパワハラが成立するということもあり得ません。したがって、原因を個人に帰しても問題は解決しないのです。パワハラとは、個人の感情が絡んだ「関係」の問題だからです。

 つまり多くのパワハラは、職場におけるコミュニケーション問題、対人マネジメントの問題なのです。よく職場で「パワハラ研修をしましょう」などと言われると、「自分はパワハラなどしていないから関係ない」と思われる管理職の方もおられるでしょう。しかし、コミュニケーションの問題、対人マネジメントの問題に全く非の打ち所がないという方はほとんどおられないのではないでしょうか?そこで、後半は「関係のマネジメント」についてのお話しに移りました。



2.関係のマネジメント

 「対人関係療法」という、対人関係に焦点を当て、そこでの感情、行動、対人関係のパターンを見詰めながら問題の解決や対処法を身に着けさせる心理学のアプローチがあるそうです。対人関係療法の主要な4つのテーマの一つに、「役割期待」というものがあります。対人関係療法では、この役割期待にズレがあると対人関係にストレスを感じると考えます。「関係」における摩擦も、この役割期待のズレに起因するものと考えて良いでしょう。

 ところが、それを相手に対する性格、人格の問題と捉えてしまうから「怒り」が生じるのです。怒りは他者に向かう感情であり、生物学的には「「縄張り(生存に必要なテリトリ)の確保」のために存在すると考えられています。テリトリを侵されると、侵入者を排除するため戦闘態勢のスイッチが入ります。一方で、怒りは目的が誰かによって不当に妨害されたと感じ、かつそれを正すために状況を変えられるという見込みと、自分が行動すればそれが可能であるという自信によって生み出されます。しかし、実際は相手を変えることはできません。変えられないものを変えられると思っているので、ますます怒りが増幅してしまうというわけです。その行きついた先が「パワハラ」です。

 ですから、まず「他人は変えられない」と認識すること。そして、問題は「人」ではなく人と人との相互作用である「関係」にあると知ること。そしてとくに組織の上下関係における問題は「役割期待のズレ」に起因すると理解することが重要なのです。

 そして役割期待のズレを解消するには、コミュニケーションをとるしかありません。具体的には、相手の感情を受け止める力、相手の話を聞く力、こちらの認識や感情を相手に伝えるだけではなく、「伝わる」力などを身に着ける必要があります。これらの力は、私たちの多くは残念ながら系統立てて学んできていません。

 このことは交渉についてもそのまま当てはまります。交渉学の基本的な原則に「立場にとらわれるな、常に『関心』に焦点を合わせよ」というものがあります。人は何らかの問題があり、それを解決するために交渉するわけですが、その問題に対して交渉をする人がとる要求や提案を「立場」と言います。一方、交渉を通じて達成したい目的や満たしたいニーズ、利害のことを「関心」と言います。人はとかく表面的に見える「立場」に囚われがちなので、しばしばその根底にある「関心」に目が向けられないままに終わります。これが交渉合意を妨げる、あるいは満足度の低い合意に終わる要因であり、先の「役割期待のズレ」と同じです。

 交渉学では、そうした「ズレ」を解消するための様々なアプローチを学ぶことができますが、その多くも今回の対人関係療法におけるお話しと一致するものです。つまり、交渉学は「パワハラが生じている環境」の改善にも役立つものであるかもしれません。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3位転落、それ以上に…-日本プロ野球2023 横浜vs広島14回戦

2023年07月20日 | スポーツ観戦記


 7月16日、横浜スタジアムへ横浜vs広島14回戦に行ってきました。前回観戦の7月1日から横浜は5勝6敗。あの試合がターニングポイントとはならなかったようです。得点力のなさは相変わらずで、この11試合で平均2.45点。前日の広島三連戦の初戦は、今永投手と大瀬良投手の投げ合いで8回まで0vs1とリードしながら、抑えの山崎投手が坂倉選手に本塁打を浴び同点。その後エスコバー投手で逆転を許し敗戦。気が付けば首位を追うどころか、広島に抜かれ、ゲーム差なしの3位に転落してしまいました。



 横浜の先発は既に8勝を挙げている東投手。今年の観戦は東投手の登板日が多く、降雨ノーゲームとなった5月18日のゲームも含め、これで3試合目です。その東投手、立ち上がりは13球で広島打線を三者凡退に退け、上々でした。



 一方、広島の先発はベテランの野村投手。結果から言いますと、この試合勝ち越されたのは8回だったのですが、僕はこの初回の横浜の攻撃が全てだったと感じています。



 まず、この試合で1番に抜擢された梶原選手が右中間を破る二塁打で出塁します。表の東投手の好投に応え、幸先の良い一撃。無死二塁。



 ところが、です。続く桑原選手のボテボテのピッチャーゴロに対し、二塁走者の梶原選手が飛び出し、二三塁間に挟まれてしまいます。この間のベイスターズではないので、梶原選手はタッチアウト。カウント1-1、どう考えても慌てて飛び出す場面ではなかったはずです。さらに、なぜ桑原選手は送りバントではなかったのか?確かに序盤の送りバントはデータに反するのかもしれませんし、また桑原選手自身あまりバントが得意でないのかもしれません。しかし、この場合は無死二塁です。送りバントで一死三塁とし佐野選手を迎えられれば攻撃のオプションが広がり、相手投手に与える影響も違ったはずです。まして、このところロクに点が取れていない、相手の先発は投げても6回あたりまでの野村投手、対するこちらが東投手であることを考えれば、何よりも先制点が大事だったはず。

 結果的には佐野選手ファーストゴロ、牧選手ボテボテのショート内野安打(これでは仮に三塁走者がいても還れません)、ソト選手ショートゴロで無得点に終わりました。相手の出鼻をくじく先頭打者の会心の二塁打も台無し(自身でその芽を摘んでしまったわけですが)。こうした小さな綻びが、試合全体の流れに影響を与えてしまう。素人とはいえ45年野球を観てきてそう思います。前回7月1日の試合も同様です。



 そうした流れの中で2回表の広島の攻撃です。この回先頭の菊池選手がど真ん中のツーシームをセンターに運び二塁打。今度は広島が四番打者から無死二塁の状況を作ります。つづく坂倉選手はセカンドゴロでしたが、右方向への進塁打ということで、最低限の役割は果たしました。



 そこで、です。ここまで打率わずか1割9分5厘のデビッドソン選手にライトスタンド上段への本塁打を浴びてしまいます。山本捕手は内側に構えていたので恐らく失投でしょう。ストレートがど真ん中に入ってしまいました。一発か三振かという87年のリック・ランセロッティ(通称、ランス)のようなデビッドソン選手、これを逃すはずがありません。

 嫌な予感がしたのは、デビッドソン選手のここまで8本塁打の内2本が横浜だったこともあるかもしれません(最多は巨人の4)。これで9本中3本が横浜となりました。

 無死二塁という同じシチュエーション。片や自らのミスで無得点、片や確実に一死三塁の状況を作って本塁打二点。しかも相手は三連勝中と勢いに乗る広島。「流れ」、曖昧な言葉ですが古より「善く戦う者は、之を勢に求めて、人に求めず」(『孫子』勢篇)と言うように、いかに流れを引き寄せるために状況を操作するかが勝負の要だと思います。



 流れをこちらに引き寄せるとすれば、信頼できる東投手が広島打線を抑えている間に、野村投手にできる限り球数を投げさせ、できれば5回あたりで捕えたいところです。

1回:26球(13球)
2回:15球(11球)
3回:9球(21球)
4回:8球(10球)
5回:11球(11球)

 ただ、1イニングの平均球数が15~16球と言われていることから考えると、2回以降むしろ野村投手は立ち直り、すいすいと投げていた印象です(カッコ内は東投手の球数)。結果的に野村投手は5回5安打、無四球、無失点という十分な内容でした。一方、東投手も7回5安打、無四球、2失点でしたから、2回以降は試合を崩すことなく粘り強く投げてくれたと言えるでしょう。



 横浜の反撃は6回裏。広島は二番手に栗林投手が登板。すると先頭の佐野選手が外角低めのストレートを上手くセンター前に弾き返し、出塁。



 牧選手は倒れますが、ソト選手がこの試合初めての四球で出塁。一死二塁・一塁。



 続く京田選手は良い当たりでしたが、一塁手のデビッドソン選手の好プレイに阻まれ、一塁走者がアウト。二死三塁・一塁。



 ここで代打楠本選手が、初球ど真ん中のストレートを左中間へ。打球はフェンス際、レフト末包選手のグラブを弾き二塁打。佐野選手が生還、しかし一塁走者の京田選手は本塁タッチアウト。しかし、とにかく1点を返しました。



 前述の通り、東投手は7回表まで好投。7回裏、広島は三番手ターリー投手が登板します。



 横浜は山本捕手に代わる関根選手。このところ調子下降気味でスタメンを外れた関根選手でしたが、詰まりながらもセカンドへの内野安打。どんな形であれ、先頭打者として出塁します。



 さらに東投手に代わる大和選手は確実に送り、一死二塁。



 当然ですが横浜はここを勝負と見て、さらに梶原選手に代わり代打宮﨑選手を送ります。しかし、期待の宮崎選手はセカンドゴロ。二死三塁。

 それでも続く桑原選手がフルカウントから四球で出塁します。確かに高めでしたが、154㎞のストレートをよく我慢して見送りました。



 すると、次の佐野選手はファウルで粘り、5球目の真ん中に甘く入ったスライダーを見逃さず、ライト線を抜ける二塁打。関根選手が還り、ついに同点。なお二死三塁・二塁。



 ここで牧選手を迎え浮足立ったのか、ターリー投手は全ての球が高めに浮き、一つもストライクが入らず四球。二死満塁。この二死とはいえ、相手の動揺で得た流れを掴めていれば…。タラレバになってしまいますが、ソト選手はど真ん中のスライダーを引っ掻け、サードゴロ。「幸運の女神は前髪しかない」ことをこの後知ることとなります。



 同点のまま8回表、横浜は二番手伊勢投手が登板します。伊勢投手は代打大盛選手、さらに代打田村選手を連続三振に打ち取り、掴み損ねた流れを再び引き寄せます。幸運の女神はまだ通り過ぎてはいなかったのです。というより、横浜はようやく振り向いた女神の前髪に手をかけていました。



 それにもかかわらず、その前髪を手放してしまったのです。何と続く上本選手の何でもないライトフライを、この回からライトの守備に就いた関根選手がまさかの落球。関根選手は手を挙げており、照明が目に入ったようにも見えませんでした。僕も何が起こったのか理解できませんでした。本来、ここでこの回は終わっていたはずなのです。それが一転して二死二塁のピンチに。



 そして野間選手にファウルで粘られたカウント1-2からの7球目。フォークボールが真ん中に甘く入り、センターに抜けるヒット。上本選手が生還し逆転。これが決勝点となりました。



 そうなれば広島は8回防御率1.91の島内投手、9回防御率1.98の矢崎投手と勝ちパターン継投。



 それでも横浜はその矢崎投手から9回裏先頭の大和選手が初球をレフト前に運び出塁。



 代打蝦名選手も初球を確実にバントし、一死二塁。



 さらには桑原選手がレフト前にポトリと落ちるヒットで一死三塁・一塁。土壇場でこれ以上ないお膳立てをしましたが、頼みの佐野選手、牧選手が倒れ、反撃もここまで。3vs2、しかし、惜敗という試合でも、明日へつながる粘りを見せた試合でもありませんでした。自滅、負けるべくして負けた試合。「神は細部に宿る」、小さな綻びこそ、幸運の女神が最も嫌うものなのかもしれません。

 今週末からオールスターゲーム後の後半戦が始まります。セ・リーグはここまで上位3チームが3ゲーム差内という混戦であり、9月が勝負の月となるでしょう。昨年は8月にヤクルトを猛追し、1997年と同じ2.5ゲーム差まで追い詰めましたが、そこで力尽きました。今年は9月そしてCSにピークを持ってくるため、8月は何とか食らいつきつつチーム状態を立て直して欲しいです。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4年ぶりに開催できましたーキックオフミーティング2023

2023年07月18日 | リサイクル(しごと)の話


 2023年7月15日、今年いっぱいをもって55年の歴史に幕を閉じるメルパルク横浜にて、「ナカノ株式会社キックオフミーティング2023」を開催しました。コロナのため2020年から中断を余儀なくされ、実に4年振りの開催となりました。

【過去のキックオフミーティング】
2010年9月25日(社長交代に伴い初開催)
2011年9月17日(定例化)
2012年7月21日(開催を創業月に合わせる)
2013年7月20日
2014年7月21日(創業80周年記念式典)
2015年7月25日
2016年7月16日
2017年7月22日
2018年7月21日
2019年7月13日

 今年のテーマは、「コロナ後のリユニオン」。上記のように、2010年以降、毎年全社員で集うイベントが開催されてきましたが、この3年の中断の間に、キックオフミーティングを経験していない社員も増えてきました。したがって、今一度お互いを開示し、ナカノとしての一体感、結束間を再確認しようというのが趣旨です。

<オープニング>


 開会に先立ち、僕からまずその開催の趣旨について少しお話しさせていただきました。上の動画は入場の時の様子です。



 テーマに照らし、今年は全国すべての営業所、工場に自分たちや地元を紹介するプレゼンテーションを行ってもらいました。先の入場シーンもそうですが、社員の皆さんが何を話すのか僕も蓋を開けるまで分かりません。すべてそれぞれの自主性と創意工夫に委ねられました。



 当初は時間が余るのではないかと思っていたのですが、いざ始まってみるとむしろ時間が足りないくらいでした。改めて、それぞれの営業所、工場に独自色があり、多様な個性と文化を持った会社なのだと感じました。みんな、忙しい合間を縫って準備してくれてありがとう!



 社長、会長やシニアのメンバーは第2部の懇親会からの参加です。冒頭、社長の中野博恭より開会の挨拶がありましたが、第1部からいたのではないかと思うくらい、話の流れが整合していて驚きました。



 毎年このミーティングで行ってきた、昇格者の辞令交付式。今年は中断の間できなかったので3年分まとめて行いました。特に同人(課長職)に昇格した3名からは、それぞれの決意表明がありました。その他、進行予定にはなかった若手社員からの自主的なスピーチや慶事報告などもあり、さまざまなところで主体性の発揮が見られたのは、頼もしい限りです。



 締めは、これも恒例、当社独自の「ヨイヨイヨイショ!」です。ヨイヨイヨイショ!については、下の動画で詳しくお話ししていますが、今回は別の社内行事で撮影した、実際のヨイヨイヨイショ!の模様もご紹介します。

<日々の仕事を見つめ直す ナカノ流「締めの音頭」>


<ヨイヨイヨイショ!>(2023年6月10日撮影)




 最後は会長中野聰恭より閉会の挨拶で幕を閉じました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SUGIZO TOUR 2023に行ってきました

2023年07月14日 | その他


 7月10日、LUNA SEAやX JAPANのギタリスト、ヴァイオリニストであるSUGIZOさんのツアーにお誘いいただき、お台場のZepp DiverCityに行ってきました。SUGIZOさんは当社も縁の深い秦野のご出身なのですね。



 お台場は展示会のため東京ビッグサイトに行くぐらいで、ほとんど行くことがありません。展示会以外では、今はなきヴィーナスフォートに1回、ホテル・グランパシフィック・メリディアン(現グランドニッコー東京)に1回、それと船の科学館に1回行ったことがあるくらいです。



 このツアーには、ウクライナの人気ポップバンド「カズカ」も参加していました。カズカとは、ウクライナ語で物語という意味だそうで、ウクライナの民俗音楽も取り入れた独特の曲調でした。



 正直、僕は音楽自体に疎く、もちろんライブに行くのも初めてのことです。また、ほとんど興奮することのない性格上、会場と一体となって盛り上がるというより集中して音楽に聴き入ってしまいました。



 素人なのでギターでこんなに幅広い表現ができるというのも新鮮でしたし、激しい曲からヴァイオリンのしっとりと聴かせる曲まで実にヴァラエティーに富んでいて、飽きることがなかったです。3時間以上も立っていたのは50歳の身体には堪えましたが、感覚としてはあっという間でした。それでも、このビートの波動が身体に良かったのか、翌日はとても身体が軽かったです。

 SUGIZOさんのギターとヴァイオリンもさることながら、バックのドラム、パーカッション、シンセサイザー、トランペット、ヴォーカル、どれをとっても一流であることが僕でも分かりました。変な話ですが、トランペットの方は人間の頬がこんなに膨らむんだというくらい膨らんでいて、プロの奏者は違うのだなと本当に驚きました。



 最後は、SUGIZOさんとカズカによるコラボ曲“ONLY LOVE,PEACE & LOVE”で締めました。



 その後はSUGIZOさんと直接お会いできる機会もあったようなのですが、僕は帰りの電車の関係もあったので、残念ながら失礼しました。お誘いいただきありがとうございました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地域自立・自走の人づくり、仕組みづくり-第152回YMS

2023年07月13日 | YMS情報


 7月12日、「夢・あいホール」にて第152回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。今回の講師は、株式会社ジェイアール東日本企画の林聖子様。「地域の自立・自走を目指す伴走型支援」と題して、地域創生の取り組みについてお話しいただきました。「地域創生」をテーマとしたものとしては、第143回YMS「主力サービスのピボットと社名変更に至る道のり~地方創生の現状と私たちが目指す地域活性化~」も併せてご覧ください。

 さて、林さんと地域との関りは、最初の会社を退職後、事務局長を務めたNPO法人で様々な地域活性の取り組みをしたときに端を発するそうです。その後、農水省の関連会社を経て、現在は冒頭のジェイアール東日本企画のソーシャルビジネス・地域創生本部というところにいらっしゃいます。今回はそこでの福島県における地域創生の取り組みに事例についてお話しいただきました。

 ジェイアール東日本企画はJR東日本グループの一員の主に広告代理店です。鉄道のイメージが強いJR東日本ですが、そこから派生し、67ものグループ会社がありとあらゆる分野で事業を手掛けています。地域創生本部は、そうしたJR東日本の持つ強みを活かし、地域創生事業に取り組んでいます。例えば、駅を利用した産直市、社内販売の衰退によりスペースの空いた新幹線車内の車販準備室を有効利用した新幹線物流などです。この新幹線物流は、僕も何かの報道で聞いたことがありますが、高速かつ時間に正確である、揺れが少なく例えば活魚などにストレスを与えにくいといった新幹線ならではの強みが活かされています。

 地域創生事業は今回のタイトルに「伴走型支援」とある通り、単なる企画ではなく、地域の自立・自走を目指し、以下の4つの原則を大切にしています。

1.人づくり
2.主体性
3.事業化
4.地域性

 今回事例として取り上げられたのは、経産省から受託した「令和4年度『地域経済産業活性化対策委託費(6次産業化等へ向けた事業者間マッチング等支援事業)』」の一環で、東日本大震災とそれに続く原発事故で避難を余儀なくされ、今なおその爪痕が残る福島県の浜通りと呼ばれる地域の活性化支援事業です。そこには、これからお話しするように先の4つの原則がしっかりと貫かれています。

 さて、支援の背景をご説明しますと、震災での避難により同地区で多くの企業の事業がストップし、その間に取引先が失われてしまいました。その仕入先や販売先の寸断が、避難指示解除後も事業再開の障壁となっていました。地域の特徴としては、食品加工業が多く約6割を占め、その他は伝統工芸などが多い構成です。なお、避難された方の中には域外で事業を再開された方も多く、そうした方々も支援の対象となりました。

 もちろん、様々な方面の専門家や協力会社とも連携して支援事業は進みます。地域の自立・自走への道は、以下の三段階を経て行われます。

1.経営への動機付け(勉強会・交流会の開催。小さな成功事例の積み上げ。営業力・商品力をつける)
2.事業者の力がついてきたら、ネットワーク化
3.地域ブランドの創出、ネットワークを機能させるハブの育成、自立自走へ。

 さて、寸断された取引先を再構築するため、様々なマッチングに取り組んだものの、当初は上手くいきませんでした。その過程で次のような課題が浮かび上がりました。

1.卸価格が高く、売れる商品がない
2.製造者の想い先行で、差別化が弱い(購入側に訴求できない)
3.継続しない(お付き合いで買ってもらえても、売れないので続かない)

 そこで、変革の基本として3つの軸を設けました。事例をいくつか見ていきましょう。

1.売り物を変える
2.売り先を変える
3.売り方を変える

 地元産の荏胡麻油がありました。元々、「かどやの純正ごま油」のような容器に入っていましたが、ゴマ油やサラダ油と違い、荏胡麻油はそんな大量には使いません。健康や美容に良いとして人気はある者の、使用量が少ないので、時間が経つと酸化してしまいます。そこで、容器を小型化して売り出すことにしました(売り方を変える)。これは類例がなく、山形県の有名なシェフにも評価されたことから口コミで広がり、ヒット商品となりました。

 高級食材として人気のある川俣シャモを使った「鶏ジャーキー」は、最近一般人にも人気が高まっているアスリート食として訴求し(売り方を変える)、そこから派生して、それまで食品をおいていなかったアウトドア用品店に販路が広がりました(売り先を変える)。
 
 コロナで観光がなくなり大打撃を受けたご当地グルメのなみえ焼きそば。こだわり系の高級スーパーへ(売り先を変える)中身が見えるようにパッケージを変え(売り方を変える)ヒット。首都圏のみならず、関西圏、福岡にも広がる。

 続いて、ネットワーク化として域内のマッチングを増やしていった例です。従来域外で加工していたものを域内で加工だけでなく、そこから新たな商品を生み出し差別化していきました。

 原発事故で大きな被害を受けた牛乳・乳製品の製造販売会社。主力商品は「アイスまんじゅう」といって、地元で60年以上親しまれてきました。しかし、アイスクリームは冷凍のため販路エリアが限られるという欠点もありました。そこで牛乳を使った常温商品はできないかということで、県内の常温で120日もつという技術を持つプリン製造業者とマッチング。地元で知名度のある同社の社名を冠したカスタードプリン(売り方を変える)を発売しました(売り物を変える)。常温で120日もつということは、小さな商品のために特別な設備を必要とせず補完できるということです。これが強みとなり、大手コンビニエンスストアにも販路が広がりました(売り先を変える)。

 さらに、地元で150年続く醤油味噌店とコラボレーション。県内限定(売り方を変える)で醤油プリン、山塩プリン、ピーナッツプリンなど地元の食材を掛け合わせた変わり種プリンを次々とシリーズ化させました(売り物を変える)。



 さて、ここまでは地域の自立・自走のための第二段階までを主にお話ししてきました。後半は作り上げたネットワークを持続可能なものとする第三段階のお話しです。地域活性化支援のありかたを「公助」、「共助」、「自助」に分類するとするなら、伴走型支援は「共助」にあたります。老子のいう「人に授けるに魚を以ってするは、漁を以ってするに如かず」ですね。ネットワークを俯瞰してコーディネートできるハブ(地域商社)をプロジェクトの中で同時に育成していきます。さらにはそうしてできた浜通り、中通り、会津の地域商社を連合させ、全福島で機能する仕組みに育てていきます。

 そうした、地域間連携の例をいくつかご紹介しましょう。

●ドッグカフェ×水産加工業者=未利用魚を使ったペットフードの開発
●コーヒーショップ×和菓子メーカー=コーヒーにあう羊羹の開発
●水揚げ地×水産加工業者でそれぞれの強み弱みを補完=震災でタコが採れなくなったいわきの水産加工業者で相馬のタコを加工
●水産加工業者×2=給食需要がない時の余力を観光向け魚肉ナゲットの製造に

 このようにネットワークを俯瞰的に見て、どこが困っているかを把握し、つなげるのが地域商社の役割です。伴走型支援は、このように走りながら同時に人材の育成にも取り組みます。

 さらには、JR東日本自身がもつ様々なリソースを活用できるのも強みです。例えば、2020年3月、被災した常磐線が全線開通(復旧)しました。そのイベントに載せて、福島の様々な食材でオリジナル駅弁を作りました。その駅弁は「駅弁グランプリ」に出展され、その他の商品も「JR東日本お土産グランプリ」に出展されました。こうしたところでの受賞歴は、地元商品のブランド力向上に貢献します。

 また別の例では、たまたま震災を生き残った唐辛子の苗をみんなが元気に語れるような話題として活用しようと、地元の女性の発案で唐辛子をみんなで育てる「唐辛子プロジェクト」が始まりました。これが拡大するにつれ唐辛子の収穫量が増えたので、地元のお土産商品とするだけでなく、駅構内のお蕎麦屋さんで「ごま辣油つけそば」としてメニュー化してもらいました。さらに蕎麦と言えばお酒、大堀相馬焼の徳利と猪口、福島の地酒もお店で扱ってもらうことができました。逆にJR東日本は販路を持っていますが、こうした新しい商品を自ら見つけることができないのです。そこをこちらが補うことができます。

 最後に。伴走型支援を成功させるには、何といっても自立・自走を目指すわけですから、地元の中に推進役、そして外部からの協力者を引き入れられる人がいることが重要だそうです。YMSに参加されていた何人かの方もおっしゃっていましたが、さまざまな地域でさまざまな人たちそれぞれ努力して何とか地域を活性化しようと奮闘しておられます。しかしながら、そうした努力も閉じられた世界の中で行われているために発展しない、あるいは持続しない例が多くあるそうです。そうした点では、今回のお話しは大変参考になるのではないかと思いました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

過去のセミナーレポートはこちら
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美味しい羊を手軽にたっぷりとージンギスカンえいじん(野毛)

2023年07月07日 | 食べ歩きデータベース


 7月4日、すすき野に本店がある「ジンギスカンえいじん」の野毛店に行ってきました。「串羊 羊サンライズ」のようにお洒落なのももちろん良いですが、今回はラム肉をがっつり食べられるお店を選びました。



 頼んだのは、北海道から冷凍せずに運んでくるというオーストラリア産ラム肉の肩ロース、ショルダー食べ比べコース。ショルダーは赤身と脂身のバランスが良い、仔羊の前足付け根(肩)部分。肩ロースは肩のさらに奥(背中側)の部位で、1頭からわずか25㎏しかとれないそう。肉は霜降りになっています。特に肩ロースは分厚くカットし、中に包丁を入れてあります。

 ジンギスカンと言えば凸面の鍋(鉄板)で焼くのが一般的ですが、このお店は凹面の薄い鉄鍋を使っています。これは肉を焼いた時に落ちた脂を鍋底に集め、それで中央部の野菜を炒めるためです。野菜はジャガイモのスライスの上にもやしが乗っており、ジャガイモを蒸し焼きにできるようになっています。



 調味料は自家製の生姜とたれ。肉に岩塩が降ってあるので、個人的には焼いてそのまま、もしくは生姜と唐辛子粉で食べるのが良かったです。ラム肉は胃もたれしないのですいすい入ります。



 別オーダーのラムチョップは、軽く火を通した後、敢えて鍋底の羊脂で表面をカリッと仕上げました。



 さらに羊舌。意外にもあっさりとした味でした。

 大好きな羊肉が気軽にたくさん食べられ、しかも野毛にあるというのは嬉しいです。近いうちにまたお邪魔します。

ジンギスカンえいじん 野毛

神奈川県横浜市中区野毛町2-79 林ビル1階



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バウアー、ブチギレ!ターニングポイントにできるか?―日本プロ野球2023 横浜vs中日10回戦

2023年07月06日 | スポーツ観戦記


 7月1日、横浜スタジアムへ横浜vs中日10回戦に行ってきました。交流戦明けの対阪神首位攻防戦に三連勝し、再び首位に立った横浜。ところが、次の広島戦で三連敗。さらには前日の対中日三連戦の初戦も落とし、何と四連敗。特に前日はエース今永投手が好投しながら勝ちパターンが崩れ終盤逆転負け。何しろこの四連敗中は平均得点がわずか2点、この悪い流れを食い止めるため何としても勝ちたい一戦でした。

 前回観戦の6月15日は雨でずぶ濡れになりながら、結局ノーゲーム。この日も雨の予報でしたが、幸運にも曇り。時には晴れ間も見え、少々日焼けするくらいでした。そしてこの三連戦は、「ポケモン・ボールパーク・ヨコハマ」と題する、8月に横浜で開催される「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」を記念したイベントが行われました。選手は、ピカチュウを模した、やや工事現場に見えなくもないヘルメットを着用し、試合に臨みます。



 さて、横浜の先発は今年話題の選手、1年契約で来日した2020年サイヤング賞のトレバー・バウアー投手。YouTubeも毎週楽しみにしています。初登板初勝利の後連敗しましたが、その後徐々に日本野球に適応し6月は4戦4勝でした。



 しかし、この日の立ち上がりは悪い時のバウアー投手。初球、高めに浮いたカットボールを大島選手に打たれ二塁打。大島選手、明らかに狙い打ちでした。



 二番岡林選手は打ち取りますが、高橋選手にやや甘い内角真ん中のストレートをレフトに弾き返され失点。高橋選手は二塁走塁死で、二死走者なし。



 ところが、続く細川選手に四連続ボールの四球を与えてしまいます。比較的四球の少ないバウアー投手ですが、5月27日の中日戦で二本塁打を浴びた細川選手に神経質になったのかもしれません。



 さらに石川選手。これも落ちない真ん中高めのカットボールをセンターに弾き返されます。二死三塁・一塁。続く村松選手をショートゴロに打ち取り、追加点は許しませんでしたが、明らかに調子は良くなさそうでした。



 一方、中日の先発はWBCパナマ代表でもあったメヒア投手。初登板の6月24日ヤクルト戦では、4回を投げ1安打5四球1失点という内容でした。しかし、この日は193㎝の長身から繰り出される150㎞のストレートが非常に強力でした。



 2回表。中日は一死から龍空選手が8球粘ってショートゴロ。ところが名手大和選手がまさかの悪送球。これはバウアー投手としてはイラつく内容だったのではないかと思います。



 メヒア投手は倒れますが、打順1番に返って第一打席二塁打の大島選手。これまた2球目の外角ほぼ真ん中に入ったスライダーをレフト前へ。好打者の大島選手とはいえ、いとも簡単に打たれている気がします。



 そしてさらに岡林選手には、これも外角ほぼ真ん中のストレートをセンターに運ばれ二塁打。大島選手が生還し、2vs0。投球動作も序盤は観客席から見ていてストレートと変化球の違いが素人の僕にも見て取れました。打たれるべくして打たれたのではないでしょうか。



 さらには高橋選手に四連続ボールの四球を与え、二死満塁。しかし、続く細川選手を三振に打ち取ります。これにはバウアー投手も、刀を鞘に納めるしぐさの「ソード・セレブレーション」。観客席も大盛り上がりでした。しかし、この時点でバウアー投手は早くも45球。



 一方、横浜打線はメヒア投手の前に攻め手を欠き、7回わずか81球2安打に抑え込まれます。メヒア投手は与四球もわずか1とほぼ完璧な内容でした。



 そして6回表。横浜に信じられないようなプレーが起こります。まず、先頭の石橋選手がセカンドへの内野安打で出塁。牧選手も良く止めましたが、これは仕方がありません。



 すると続く龍空選手が三塁線へのセイフティ・バント。これが見事に決まり、無死二塁・一塁。これだけでもバウアー投手をイラつかせるには十分だったと思いますが、それでも送りバントを仕掛けるメヒア投手には冷静に内角高め集中でスリーバント失敗に打ち取ります。さらに大島選手には外の変化球を上下に四球散らした後、ど真ん中のストレートでセンターフライ。これで二死二塁・一塁。



 そしてそれは起こりました。続く岡林選手が粘ってフルカウントからの7球目をセカンドゴロ。二死なので走者は共にスタートを切っており、二塁走者石橋選手は三塁へ、龍空選手は二塁を回ります。この時、二塁後ろで捕球した牧選手が龍空選手を追いかけます。そのまま三塁手京田選手にボールを渡して挟んでしまえば終わりではないかと思ったのですが(塁上に走者が残っていた場合、それができないルールがあるのでしょうか?詳しい方、教えてください)、牧選手はそれをせずあくまで走者を追います。龍空選手の方が足は速いので、龍空選手は三塁に到達。塁上に二人の走者がいることはできないため、その直前に三塁走者石橋選手が本塁へスタートを切ります。この時、牧選手は三本間の伊藤捕手に送球して、石橋選手を挟みます。これも単純に三塁手京田選手と挟んでしまえば終わりだったのに、伊藤捕手があくまで追っている間に石橋選手は三塁へ帰塁してしまいます。先ほどの二三塁間の時といい、三本間の時といい、京田選手は三塁で捕球姿勢も取らず、一体何をやっていたのでしょうか?仕方がないので、伊藤捕手は二塁へ戻る龍空選手を打ち取るため、二塁へ送球しようとします。ところが今度は二塁がガラ空き。結局、石橋選手、龍空選手、岡林選手が全員帰塁し、オールセーフ。二死満塁。

 全く信じられないプレーです。僕も観戦していて起きたことが理解できませんでした。二死ですから単純なフォースプレーだったはずなのです。草野球ですら、考えられません。あまりの醜態に、バウアー投手は怒声を張り上げブチギレ。続く高橋選手には気の毒でしたが、159㎞、158㎞、159㎞の全てストレートで、ピッチャーゴロ。これをバウアー投手は一塁手を手で制し、自らベースを踏みます。

 確かに、このプレーは得点には絡みませんでした。しかしながら、この回にベイスターズが長年抱えてきた、ディテールのお粗末さ、ノリは良いが大人しいといった問題点が凝縮して表れていたように思えてなりません。実際、このような失態を犯してなお、6回裏はわずか8球の三者凡退でした。試合後のインタビューで、バウアー投手が「優勝するチームの野球があのイニングはできていなかった」と述べていましたが、まさにその通りで優勝するために克服しなければならない課題だと思います。これから浮上するためのターニングポイントにできたのであれば、この試合は授業料だったと後に思えるでしょう。



 さて、横浜は7回表から二番手上茶谷投手が登板。先頭の細川選手に二塁打を浴びるものの、後続を抑え無失点。



 さらに8回は今シーズン初登板の田中投手。こちらも8番からの下位打線とはいえ、三人でピシャリと抑えました。



 前述のように7回までメヒア投手に封じられていた横浜は、8回裏にようやく反撃。まず、ソト選手が二塁打で出塁します。



 続く大和選手が四球を選び、無死二塁・一塁。



 中日はここで二番手、清水投手が登板。代打宮﨑選手を三振に打ち取ります。一死二塁・一塁。



 すると横浜は伊藤捕手に代えて代打楠本選手。5球目、真ん中低めの決して悪くないフォークボールを見事に掬い、右中間に落とすタイムリーヒット。2vs1、なお一死二塁・一塁。



 さらに田中投手に代わる代打戸柱選手が四球を選び、一死満塁。



 関根選手は最悪のセカンドゴロでしたが、併殺崩れの間にもう1点追加。ついに横浜が同点に追いつきます。二死三塁・一塁、さらに関根選手が盗塁を決め、二死三塁・二塁。しかし、桑原選手が倒れ、勝ち越しならず。中継ぎに好投手を揃える中日相手としては、ここで勝ち越せなかったのは痛かったです。



 9回表。横浜は抑えの山崎投手が登板。前回同点の場面で登板した6月19日の日本ハム戦では、万波選手に痛恨の本塁打を浴び敗戦投手。しかしこの日は二番からの中軸を見事三者凡退。特に最後の細川選手へのストレートは生で見ていても目の覚めるような球で見事でした。



 9回裏、横浜は一死満塁のチャンスを作りますが、柴田選手が当たりは良かったのですが不運なサードライナーでダブルプレー。



 11回裏には先頭の桑原選手が出塁しますが、盗塁を試みた際に肉離れを起こし、一二塁間でタッチアウト。桑原選手は自力で歩くことができず、背負われて退場。



 12回裏、中日は昨年のセーブ王にして、今シーズンもここまで25試合に登板し、未だ防御率0.00のマルティネス投手が登板。そのマルティネス投手相手に、横浜は簡単に二死まで追い込まれてから、柴田選手、楠本選手がヒットで出塁し、二死三塁・一塁。



 一打サヨナラのチャンスに、戸柱選手はショートゴロ。必死のヘッドスライディングを試みますが、無念のアウト。足の速い選手であればというプレーでしたが仕方ありません、むしろピカチュウのヘルメットを叩きつけて悔しがる戸柱選手に、明日以降の希望を見たと信じたいです。

 結果は2vs2の引き分けでしたが、限りなく負けに等しい引き分けでした。25年振りの「優勝するチームの野球」へ、一つステージを上がることができるか?数ヶ月後、今日の敗戦が必要な敗戦だったと言えるように。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横浜サーキュラーエコノミーシンポジウムでお話しさせていただきました

2023年07月03日 | リサイクル(しごと)の話


 6月27日、ハーチ株式会社様にお声がけいただき、横浜市とUNDP(国連開発計画)フィリピン主催の、「横浜サーキュラーエコノミーシンポジウム」でお話しさせていただきました。



 会場には東京都やメトロマニラの各自治体の環境部門の方や日本・フィリピン両国から弊社を含む民間企業数社が集い、サーキュラーエコノミーに関わる様々な取り組み事例の紹介や意見交換がなされました。



 弊社は1990年にマニラ郊外にウエス製造工場を開設して以来、創業事業である衣類のリサイクルの中核を担うスービック工場も今年で25周年と、フィリピンとは非常に深い縁があります。僕としても思い入れのある国であるだけに、今回の交流を楽しみにしていました。

 スピーカーの一人として、僕からは創業以来90年続く弊社の衣類リサイクルの取り組みとフィリピンとの関りについてお話しさせていただきました。



 質疑応答の様子。



 日本、フィリピン両国のスピーカーの皆さん。



 さらに、シンポジウムの後はバスで弊社エコムナ横浜工場まで移動し、工場のご説明をさせていただきました。ここは日本とフィリピンを衣類が「サークル」するまさに出発点であり、終着点でもあります。

 この建物がなぜ三色なのかや、子供用エコカラー手袋の名前の由来などについてもお話しさせていただきました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年6月アクセスランキング

2023年07月03日 | 人気記事ランキング


 今年は梅雨が長い気がいたしますが、それでも次第に蒸し暑くなってまいりました。まだまだこれからが夏本番ですが、意外と夏風邪も召しやすい季節ですので皆さまくれぐれもお体に気を付けてお過ごしください。

 さて、2023年6月にアクセスの多かった記事、トップ10です。6月はまたあまり更新できませんでした。そんな中でも、個別記事でトップの2位:「【WBN】Making of the GRITS(アイスホッケーチーム横浜GRITSの歩み)」は終盤までトップページを凌ぐアクセス数でした。リーグの開幕は9月です。

 続いて3位:「教養としての「魚」文化―第151回YMS」も非常に多くのアクセスがありました。身近なのに以外と知らない魚の話、勉強になりました。6位:「この界隈で人気の焼き鳥屋さんのようです-吾一 堂山店」は、昨年3月に投稿して以来のトップ10入り。

 最後に、定番記事の動向は以下の通りです。

4位:「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」(21ヶ月連続)
5位:「初めてのスカイバーカウンター-日本プロ野球2019 横浜vs中日10回戦」(4ヶ月連続)
7位:「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」(37ヶ月連続)
8位:「エコノミーとエコロジーの語源」(102ヶ月連続)
10位:「「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました」(8ヶ月連続)

1 トップページ
2 【WBN】Making of the GRITS(アイスホッケーチーム横浜GRITSの歩み)
3 教養としての「魚」文化―第151回YMS
4 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
5 初めてのスカイバーカウンター-日本プロ野球2019 横浜vs中日10回戦
6 この界隈で人気の焼き鳥屋さんのようです-吾一 堂山店
7 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
8 エコノミーとエコロジーの語源
9 2023年5月アクセスランキング
10 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする