「ファインディング・ジョー」というドキュメンタリー映画の上映会に行ってきました。この映画は、比較神話学の第一人者、ジョセフ・キャンベルが「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」として概念化した、世界中の神話に共通する自己変容のプロセスをテーマに、「自分らしい人生を生きる」ことや、「本当の自分が生きたい人生を生きることの喜びや素晴らしさ」について気づきを与えてくれる内容となっています。
現在DVDは英語版しか出ていませんが、各地で日本語字幕つきの自主上映会が開催されているようですので、詳しくは
公式ホームページをご覧ください。
さて、ヒーローズ・ジャーニーは大きく以下の3つのプロセスから成ります。
1.旅立ち(別離)
守られた日常(社会の常識やルールに守られ、本来の自分が覆い隠された状態)から抜け出し、冒険へと旅立つ段階です。
2.試練(通過儀礼)
数々の困難や試練を乗り越え、最後に最大の難敵であるドラゴンと戦い、勝利します。
3.帰還
英雄の旅はドラゴンを倒しただけでは終わりません。元いた場所へと帰り、人々に冒険談を伝えます。これによって英雄は成長を遂げ、変容します。
振り返れば、僕にとってのヒーローズ・ジャーニーだったかもしれないと思えることが十代から二十代にかけてありました。家と学校の往復以外の思い出がない、無気力だった十代から二十代になり(別離)、20歳から26歳までの7年間、自己否定の悪循環にもがいていました(通過儀礼)。そして、認めたくなかった自分、克服しようとしていた嫌な部分(ドラゴン)を受け入れられるようになった時、ドラゴンは消滅し、その投影であったところの外部環境は全く別の方向へと変貌したのです。その経験を持ち帰り、日常生活に活かした結果が今日の僕を形作っているのかもしれません(帰還)。
大ヒットした映画や名スピーチと呼ばれるものは、つぶさに分析してみると大抵上の3つのプロセスを踏襲しているそうです。それは、自己の内的な変化と成長こそ、人間が意識的・、無意識的を問わず希求するものであり、故にそのプロセスに沿ったストーリーに惹かれるからではないでしょうか。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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