窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第9回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました

2015年10月25日 | 交渉アナリスト関係


  10月24日、日本交渉協会主催の第9回ネゴシエーション研究フォーラムに参加してきました。

  今回の講師は、Gift Your Life株式会社・代表取締役の豊福公平さん。「すごい交渉術~交渉の神様が教えてくれた5つの法則~」と題してお話いただきました。



  ハイバーレスキュー隊員から外資系大手生命保険会社へ転職、ライフプランナーとして活躍された後、会社を設立された豊福さん。聞いたことのあるプロフィールだと思っていましたら、以前豊福さんの御著書『すごい交渉術』を読んだことがあったのを思い出しました。

  本題に入る前からまず感じられたのは、豊福さんの熱のこもったお話のされ方です。勇気なのか活力なのか誠実さなのか、人により様々な感じ方があったのではないかと思いますが、いずれにせよその会場を包み込んだ「熱」が今回の講義そのものを一層魅力的なものにしたことは間違いないと思われます。本当に人に響くものは、「何を話したか」よりも「どのように話したか」なのだなと改めて感じた次第です。

  さて、タイトルにもある通り、第一部は「交渉の5つのステップ」についてのお話だったのですが、お話の前提となるキーワードがまず2つありました。ひとつは、「交渉は勝ち負けではない」ということ、もう一つは交渉を通じて“Getting more”(少しずつ改善していく)という基本姿勢です。後者は特に交渉学の世界的権威である、ペンシルバニア大学ウォートン校のスチュアート・ダイアモンド氏の言葉だそうです。

ウォートン流 人生のすべてにおいてもっとトクをする新しい交渉術
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  その上での、「交渉の5つのステップ」を以下にまとめたいと思います。

1.目標の確認
・明確であるか。
・相手によりルールやスタンスが異なる。
・不等価交換が大切。
・ありのままの自分でいる。

2.準備
・目標の再確認。
・最悪の事態を想定しておくこと。
・可能な限りの情報収集。

3.交渉の現場
・互いのニーズを知る。
・100%の貢献に徹する(勝ち負けではない)。
・交渉が上手くいっているかをチェックする。

4.アプローチ
・新たなアイデアはないか。
・相手の障害となっているものはないか。
・第三者の影響力は。

5.行動
・交渉成立とフォローアップ。
・交渉を習慣化する。

  より詳しくは、前述の『すごい交渉術』をお読みいただければと思います。

すごい交渉術  “交渉の神様”が教えてくれた5つの法則
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SBクリエイティブ


  この5つのステップから見えてくることは、交渉とは「人間力」であるということです。即ち、相手との違いは利益の宝庫であり、信頼関係構築のための宝庫であるということ。最近、何かの本で読みましたが、「好き」と「嫌い」という正反対に見える感情は、脳から見ると実は余り違いがないのだそうです。それゆえ「好き」も「嫌い」も容易に逆転しえます。「好き」の本当の反対語とは、「無関心(無視)」なのだそうです。

  そして、ありのままの自分でいること。誰の得にもならないようなことは言わないこと、しないこと。つまり、交渉とは人生のあらゆる場面に存在し、人生に活力を与え、そして人生を輝かせるものであるというのが第一部の結論でした。

  第二部は、交渉が人生をより良くする("Getting more”)ものであるならば、交渉主体である「自分」にもっと焦点を当てて良いのではないかというお話でした。すなわち、まず自分が本当に大切にしている価値観(アイデンティティ)に気づくこと。そして人の持つ価値観は十人十色であるということを認識すること。そのために36枚の価値観カードの中から自分が本当に大切にしている価値観を6つ絞込み、さらにそれを絞り込んでいくというワークを行いました。

  多くの人が人生の大小様々なレベルで目標を立てながら、叶わずに終っていることの原因は、その目標が自分のアイデンティティと合致していないからだそうです。逆に合致していれば、それを具体的にイメージできますし、日常の行動に無理なく落とすことができます。そして、実践頻度が高ければ高いほど願いが叶う確度は高まるということです。豊福さんの会社では、それを個人ばかりでなく、組織のレベルで落とし込み、毎日実践しているのだそうです。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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関東学院大学でお話させていただきました

2015年10月22日 | リサイクル軍手の世界


  今日は8年前からお世話になっている岡本慶一先生のゼミでお話させていただく機会がありました。場所は関東学院大学。4年前に同じく地元の横浜私立大学でお話させていただいた時は大教室でしたが、今回は十数名の学生さんと小さな研修室でのお話でした。

  テーマは「繊維リサイクル拡大のための新規市場開拓」。我々故繊維業の話は、恐らく学生さんにとって初耳ばかりのことだと思いましたので、初めに弊社の事業について説明したDVDを見ていただきました。それを踏まえて本題ですが、2009年に発売を開始した「特殊紡績手袋 よみがえり」を題材に、マーケティングの観点から説明させていただきました。



  そして繊維リサイクル拡大のためのさらなる新商品開発の可能性について。この十数年、泡沫の如く出ては消え、出ては消えていった様々な事例を元に、障害となっているものは何か、またその障害を克服するために必要なことは何か、について問題提起させていただきました。

  本来は、その問題についてディスカッションをする予定だったのですが、残念ながら時間の制約もあり、今回はそこまで踏み込むことができませんでした。これから就職活動をされるという学生の皆さんにとって、我々故繊維業の話はとりわけ「脱日常」的だったのではないかと思います。限られた時間に比して少し情報量が多かったと思いますので、きちんとお伝えできていたのであれば良いのですが。

  しかし、質問はいくつも出てきて、逆に渦中の我々ではなかなか得られない客観的な意見や感想を伺うことができました。私の方こそ、勉強させていただいた気がします。



 岡本先生、学生の皆様、ありがとうございました!

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高橋正実先生の受賞祝賀会に参加させていただきました

2015年10月20日 | リサイクル(しごと)の話

 
  「特殊紡績 よみがえり」のパッケージデザインを初め、長年お世話になっているデザイナーの高橋正実先生が、この度、ドイツ・ノルトライン・ヴェストファーレンデザインセンター主催の国際的プロダクトデザイン賞である、レッド・ドット・デザイン賞(Red dot design award)2015を受賞され、ドイツでの授賞式に先立ち、地元墨田区の皆さんによる祝賀会が昨日行われました。



  墨田区の異業種交流会「フロンティアすみだ塾」の皆さんには、数年前に参加したセミナーで講師としてお世話になったことがあり、久しぶりの再会となりました。先生にも、以前弊社秦野工場に来ていただいたことがあります。

  受賞したのは、凸版印刷さんのグラフィックトライアル2015に出展された作品です。第10回を迎えた今回の企画のテーマは「織」(おる)。先生のお話によれば、色とはそもそも光が反射して初めて我々の目に様々な彩を織りなすものである。印刷とは、光を織る行為であるというコンセプトの下、今回の作品を造られたということです。



  見る角度によってさまざまに表情を変える、まさに光の織りなすグラデーションに先生が18歳の頃にデザインされ、成田空港の壁画にも使われている、おなじみの金魚があしらわれています。上の写真は、成田空港で見られる先生の作品です。



  最後に、安政元年創業、両国の老舗中田屋茶舗さんのお茶を頂きました。墨田を愛する高橋先生らしい、風情の感じられるお土産ありがとうございました。今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

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第63回YMSを開催しました

2015年10月15日 | YMS情報


  10月14日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第63回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。

  今回の講師は、横浜パーク法律事務所の弁護士・原田雅紀さん。「激増する弁護士 弁護士の探し方・選び方のコツ」と題してお話しいただきました。

  初めに原田さんご自身のお仕事の概要を伺ったのですが、まず弁護士一人が抱えている案件の多さに驚かされました。また案件の範囲も民事から刑事まで幅広く、僕自身が抱いていた弁護士のイメージが最初に覆りました。



  さて、本題です。2002年(平成14年)の司法制度改革を契機に、弁護士の数は約1.8倍に増加しました。ところが弁護士が扱う事件数の方はむしろ減少傾向にあり、この5年間で2割も減少しています(社会的には望ましいことなのでしょうが…)。

  簡単に言えば、弁護士が供給過多であるというのが今日の現実なようです。それを反映してか、我々も近年法律事務所の宣伝をあらゆる媒体から頻繁に目に(耳に)するようになりました。

  人生の中で弁護士を利用する機会というのはそう多くはないと思いますが、それでも必ず何らかの形でお世話になることはあると思います。いざ弁護士が必要となった時、我々はどのように探せばよいのでしょうか。お話を伺うと、実にさまざまな窓口があるようです。しかし、依然として知人や他の弁護士からの紹介が無難であろうということでした。

  次に弁護士を選ぶ際のポイントですが、要約すると「問題解決能力」・「信用性(リスクも説明してくれるか)」そして「相性」も大事なポイントになるようです。今回最も勉強になったのは、弁護士の報酬体系について。いや、知らないことばかりで驚きました。



  終了後の懇親会では、セミナーでは扱えなかったさらに深いお話を伺うことができました。

  なお今月で満5年を迎え、来月から6年目に入るYMSですが、のべ参加者総数がちょうど1,100名に達しました。

  次回は11月11日(水)開催の予定です。

過去のYMS活動レポートはこちら

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第24回燮会(やわらぎ会)に参加しました

2015年10月13日 | 交渉アナリスト関係


  10月10日、NPO法人日本交渉協会の第21回燮会に参加してきました。

  今回は交渉アナリスト1級会員の持塚彰良さんと末永正司さんより、「ロールプレイング・ゲームの研究」と題し、参加型の講義をいただきました。



  簡単にご説明すると、参加者が交渉のロールプレイングに取り組みながらロールプレイングそのものの構築について検討を加えていくという試みです。



  やり方も試行的な方式で、今回は2チームに分かれ、団体戦のように代表者が次々と入れ替わって1vs1の交渉を進めていくという「リレーロールプレイング」というものが一つ。そしてもう一つは、交渉以前の情報収集に重点を置いたシナリオが設定されました。



  そしてプレイを勧めながら、最終的にはどのようなシナリオを構築すればより有用なものになるかについて意見交換がなされました。シナリオの自由度が高かったために、制約された時間の中で難しい面もありましたが、その分を参加者の想像力で補わなければならなかったことが、むしろ現実的な側面の能力を刺激された気がします。

  最後は、燮会そのものについての意見交換。短い時間でしたが、1級会員の皆さんが実に多様なニーズを持っておられることが現れていました。

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久し振りの「姿勢塾」

2015年10月07日 | その他


  10月6日、第20回YMS(2012年4月11日)でも開催した株式会社ロコムーブ・中嶋輝彦さんによる『姿勢塾』が、某金融機関の若手経営者の会「滴水会」の研修で行われました。



  トップアスリートのパフォーマンス向上からお年寄りの健康維持まで幅広く活躍されている中嶋さんですが、今回は「経営者の会」ということですので、PCの前で長時間作業することの多いビジネスマンの腰痛や肩凝り改善に役立つシンプルな運動についてお話しいただきました。

  人は直立二足歩行をする宿命から常に重力による影響を受けており、身体が疲労したり加齢により筋肉が衰えたりすると、上の写真(左)のように姿勢が歪んできます。姿勢が歪むと筋肉に無理な負担がかかるため、肩凝りや腰痛など身体に様々な問題が生じるようになります。さらに、体の姿勢と精神状態は密接に関連していることが研究により明らかとなっています。様々なストレスの中で日々意思決定を行う経営者にとって、姿勢を正すことは極めて重要でありながら見過ごされていることの一つであると言えるでしょう。

   因みに、上の写真(右)が正しい姿勢です。こういう姿勢でいる人を見ることの方がまずないですね。僕も姿勢には気をつけているつもりでしたが、背骨の正しいS字湾曲のポイントが腰のあたりではなく、肋骨の後ろあたりにあるということは大変参考になりました。

  さて、前述のとおり肩凝り・腰痛などの諸症状は無理な姿勢が維持されること、あるいは外部からのストレス等によって筋肉が常に過緊張状態に置かれることが原因であるわけですが、とりわけ僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)とハムストリングス(裏腿の筋肉)が過緊張状態にあることが姿勢の歪みや疲労につながっているそうです。この二つの筋肉をリラックスさせる方法は、ひとつには拮抗筋(当該筋肉の反対側の筋肉)を上手く活用すること、もう一つは人体最大の筋肉でありながら直立したことによって動くことの少なくなってしまった広背筋を柔軟にすることだそうです。



  そのための簡単な運動はわずか3つ。上の写真にある「フェニックス」・「カンガルー」・「チーター」と呼ばれる動作です。具体的なやり方はロコムーブさんのHPで動画を参照できますので是非ご覧ください。



  この簡単な動作を数回繰り返した結果、驚くべき効果が。事前と事後に立位体前屈の計測を行った所、以下のような結果が出ました。

Aさん:+11.1㎝
Bさん:+7.2㎝
Cさん:+7.3㎝

  因みにAさん、年齢は40代半ばです。それがこのわずかの間に+11.1cmも曲がるようになりました(上の写真が動作を行う前のAさんです)。

  個人的にはこれまでも運動後のクールダウンにこの3つの動作を取り入れていたのですが、今回改めてチェックしてみて、だいぶフォームが崩れていたことが分かりました。正しい動作でやらなければ効果も薄れてしまいますね。

「動ける身体」を一瞬で手に入れる本
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青春出版社


  近日、中嶋さんの新刊本と今回ご紹介した3つの動作を詳しく解説したDVDが発売されるそうです(上は既刊)。

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2015年9月アクセスランキング

2015年10月01日 | 人気記事ランキング


  10月に入り、急に空気が乾燥し朝も冷えるようになって参りました横浜です。季節の変わり目で体調を崩されやすい時でもありますので、どうぞご自愛ください。

  さて、2015年9月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

  1位は前月に引き続き「味処なか野 囲炉裏や」。これで4か月連続のトップ10入りです。福岡市の外れにありますが、地域に密着し、様々な試みをされているようです。

  3位と7位は弊社の「特殊紡績手袋 よみがえり」シリーズが受賞した、「かながわ産業Navi大賞2015」の話題です。

  4位は参加できなかったのが残念でしたが、この度「Think Act」という、近く文部省が大きく方針転換する次世代教育を見据えた
塾を開設された、神崎さんが講師のYMSレポートです。

  常連の「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました」は10か月連続、「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」は12か月連続のランクインとなりました。

  5年前の記事ながら、珍しく多くのアクセスがあったのが、8位の「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」。

  「GALA-モンゴル料理専門店」は、2ヵ月連続の10位でした。

1 味処なか野 囲炉裏や
2 記事一覧
3 新聞記事掲載のお知らせ
4 第62回YMSを開催しました
5 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました
6 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
7 かながわ産業Navi大賞2015表彰式がありました
8 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
9 ch304285 食事制限なしで減量 (一枚ずつ)
10 GALA-モンゴル料理専門店
10 2015年8月アクセスランキング

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