窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

透き通るようなキレの良いワインで-第98回YMS

2018年08月09日 | YMS情報


  「ワインを飲んでいる時間を無駄な時間だと思うな。その時間にあなたの心は休養しているのだから」、これはユダヤの諺だそうです。台風13号の接近により、開催も危ぶまれた恒例のワインセミナー、第98回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)でしたが、おかげさまで無事開催することができました。今年も沢山の方々にお集まりいただき、誠にありがとうございました。記録的な猛暑が続くこの夏、お疲れの身体に先の諺のように、心の休養となりましたら嬉しいです。

【過去のワインセミナーのレポートはこちら】

2017年:酷暑の中でさっぱり飲めるワイン特集
2016年:世界が認める勝沼甲州ワインを軸にした日本ワインとフレンチのマリアージュ
2015年:夏に合うワインと料理のマリアージュを楽しむ
2014年:注目のジャパニーズ・ワインを楽しむ
2013年:手ごろなワインと料理のマリアージュを楽しむ



  6回目となるワインセミナー、今年も馬車道十番館様、株式会社横濱屋様のご厚意の下、今年も一人あたり二本近くの飲めるのではないかと思われるほどの圧倒的にパフォーマンスの良いセミナーを開催することができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。



  馬車道十番館シニア・ソムリエ、片桐さんによる今回のワインのご説明。



  続いて、今回のワインに合うお料理のご説明がありました。



  個人的に好みだったのは、ポルトガルのアヴェレーダ・ロウレイロ。瓶内二次発酵させた微発泡の白ワイン。もう一つは、ニュージーランドのリージョナル・ソーヴィニヨン・ブラン・マルボロ。元々ソービニヨン・ブランが好きということもありますが、夏向けの切れの良い爽やかなワインがこの季節、この気候にはよく合いました。

  赤ワインでは「ダークホース ピノ・ノワール」。ピノ・ノワールはボディが軽いイメージがありますが、これは意外としっかりしており、お料理のローストビーフにぴったりでした。



  また、今回は10月10日に予定されている「第100回YMS記念パーティ」のご案内もさせていただきました。YMSのFacebookページでもご案内させていただいておりますので、この8年でご縁のあった皆様、これからYMSの雰囲気を感じてみたい皆様、ぜひお誘いあわせの上、お気軽にお越しください。

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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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知的複眼思考のすすめ-第97回YMS

2018年07月12日 | YMS情報


  7月11日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第97回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。

  今回の講師は、関東ディベート交流協会事務局長、僕自身も日ごろ日本交渉協会でお世話になっている高瀬誠先生。「知的複眼思考のすすめ-理性と感性を統合するEQディベート」と題してご講義いただきました。昨年11月に開催された、日本交渉協会の「第12回ネゴシエーション研究フォーラム」も同じテーマでしたので、重なる部分も多くありますが、ご了承ください。

  ディベートというと、「論理的な言動で相手を論破する」攻撃的なもの、何か理屈っぽく人間的な温かみのないネガティブなイメージがかつての僕にはありました。テレビで見かけるいわゆる討論番組というものが、そのようなイメージに拍車をかけているのかもしれません。しかし高瀬さんによれば、ディベートの第一義は、聴き手を説得させるのではなく納得させることにあるそうで、しかもその相手は討論の相手ではなく第三者だということです。

  したがって、ディベートには言語的・非言語的に関わらず、コミュニケーションの総合力が求められます。ひょっとすると、ディベートにネガティブなイメージを持っている人の多くは、”debate”(討論)と”dispute”(論争)を混同してしまっているのかもしれません。

  コミュニケーションを「言葉などを通じて自分の気持ちや意見を相手に伝えること」と定義し、その対象によって分類すると、ディベートは以下のように位置付けられます。

①対象が自分:決断(意思決定)
②対象が相手:指示・命令
③対象が自分と相手:交渉
④対象が第三者:ディベート

  次に、コミュニケーション能力には以下のようなコンピテンシー(その方面に優れた能力を発揮する人々に共通する能力)があると言います。

①論理的思考能力(主張を論理的に構築する)
②傾聴力(聞く<聴く<訊く:問題意識を持って訊く)
③表現力(何を言うか<誰が言うか:パトス(感性)の利いたプレゼンスキル)
④平常心(相手が自分を認めない限り、Win-winの関係を作ることはできない)

前述のようにディベートとは第三者を納得させる技術であり、また主張者を遮ることも許されません。つまり、ディベートにおいても上記のコンピテンシーが求められるということになります。



  ディベートは分類すると、以下の4つのタイプに分かれるそうです。

1.アカデミック・ディベート(米国式・日本の主流)

  日本ディベート協会のHPによれば、アカデミック・ディベートとは、「議論の教育を目的とし、ひとつの論題の下、2チームの話し手が肯定する立場と否定する立場とに分かれ、自分たちの議論の相手に対する優位性を第三者であるジャッジに理解してもらうことを意図したうえで、客観的な証拠資料に基づいて論理的に議論をするコミュニケーション活動」とあります。一言で言えば、学生が行うディベートであり、事前のリサーチ力・論証力を重視します。
 
  興味深かったのは、2015年に行われた囚人とハーバード大学の学生とのディベート大会で、囚人が学生を負かしたというお話です。囚人が勝ったということ自体が大事なのではなく、こちらの記事にあるように、ディベートが彼らに与えた好影響は、ディベートを学ぶことの意義を良く表していると思います。

2.パーラメンタリー・ディベート(英国式)

  こちらも日本ディベート協会のHPによれば、「ディベートの試合直前の数十分間前に論題を示し、即興的に行うディベート」とあります。即興性重視型ディベートも呼ばれ、スピーチ力、即興力、日ごろの実力が重視されます。

3.サブスタンティブ・ディベート

  一言で言えば社会人のディベート。構成や論理展開のみならず、説得力のある裏付けなど結果が重視されるディベートと言えます。

  これらの一般的なディベートが比較的論理性重視だとすれば、高瀬さんが行っているEQディベートとは論理と感性の相互作用を重視するディベートであるということができます。EQディベートでは専門家である審査員のみならず、一般の聴衆にも投票権があります。つまり、一般聴衆をも納得させるには論理だけでは不十分だということです。

  ディベートの起源は、古代ギリシアにおける「弁論術」や「弁証術」に遡ると言われています。『弁論術』を著したアリストテレスは、人を説得するためには(即ち、ディベートのためには)、ロゴス(論理)、パトス(共感)、エトス(信頼)の三要素が重要であると述べています。この三者は不可分の関係にあり、強いて言うならロゴス(論理)がエトス(信頼)を醸成し、さらにパトス(共感)がそれを強化する関係にあると言えそうです。高瀬さんの提唱しておられる「EQディベート」には、この三つの要素がバランスよく求められるということになります。EQディベートは、人間の右脳、左脳そして大脳辺縁系(いわゆる感情脳)をバランスよく鍛え、結果として前述の4つのコンピテンシーを磨くことにつながります。

  今回のテーマにある「知的複眼的思考」とは、ディベートによって磨かれる視野・思考力のことを言います。ディベートは物事の肯定と否定が常に両方できなければなりません。自ずとディベートを行うことにより、物事を両面から見る訓練になります。「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことを言う」という、アルバート・アインシュタインの有名な言葉がありますが、ディベートは固定概念を疑い、物事を広い視野で見る格好の訓練であると言えるでしょう。

「第一級の知性を計る基準は、二つの相対立する思想を同時に抱きながら、しかもそれらを機能させる能力を維持できるかどうかということである」―スコット・フィッツジェラルド―



  今回はロゴス(論理)、パトス(共感)、エトス(信頼)の内、感性(パトス)に働きかけるポイントとして、視覚の力、音声の力、言葉の力についてのお話がありました。

  まず「視覚」ですが、アイコネクトという、複数の聴き手に対してワンセンテンスごとに一人の目を見て話すというワークを行いました。簡単そうですが、3人程度の相手ですと全員を簡単に見渡すことができてしまうため、「ワンセンテンス・ワンパーソン」というのが意外に難しいことに気付きました。しかし、たとえそうであってもアイコネクトは間違いなく、その場の活性化に大きな役割を果たしていました。また、視線のほかボディ・ランゲージや姿勢の重要性についても触れられていました。

  その他の手法としては、アメリカの教育学者ピーター・クラインによって開発された”Good and New”も参考になりました。つまり、24時間以内にあった「よかったこと」や「新しい発見」を1分程度で発表するというものです。

  次に「音声(声)」。声は最も簡単に印象を変えられる強力なツール。大小、高低、スピード、店舗、そして間を工夫することで、いかに印象を変えることができるか?僕も最近テレビのインタビューを受けましたが、工夫の余地が大いにあったなと思います。最後の「間」には了解を得る間、期待させる間、展開を図る間の三つがあり、これらを学ぶには落語が最適だそうです。

三つ目は「言葉」。強い言葉を作るための5つの方法として、

①五感法…五感に訴える言葉をバランスよく盛り込む
②天地法…ギャップによりインパクトを与える
③驚嘆法…サプライズワードを盛り込む
④繰り返し法…リピートによる記憶の定着
⑤極み法…結言のキーワードから始める

が紹介されました。

  最後に、高瀬さんのお話から一つ、特に印象に残った言葉をご紹介したいと思います。

「人が動くのは心が動くから。感動という言葉はあっても、理動はない」


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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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中小企業だからこそのパーソナルブランディング-第96回YMS

2018年06月14日 | YMS情報


  6月13日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第96回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。



  今回の講師は、意外なことに第30回YMS以来、講師としては5年ぶりとなる山本秀行先生。昨年、弊社の全社員研修でも講師をしていただいた先生です。コピーライターとして活躍され、2002年に個人をブランディングするパーソナルブランディング・コンサルタントとして独立。以来、パーソナルブランディングを軸に、キャリアデザイン、リーダーシップ、プレゼンテーション、コミュニケーション、最近では定年後のセカンドキャリアに必要な、「パーソナル・リブランディング」など幅広くご活躍されています。

  5年前のテーマは、ブランディングした自分をいかに伝えていくか、先生の言葉をお借りすれば「人前力」をどう身に着けていくかというお話でした。今回のテーマは「中小企業のためのパーソナルブランディング」、企業として強力なブランドも発信する資金力も持たない中小企業にこそパーソナルブランディングの発想が必要であるというお話です。

  そもそもブランドとは、お話によれば「自分が提供する付加価値に対する、他者の心・マインドの中にあるイメージや期待に応え続ける『約束』」のこと。したがって、ブランドを構築するためには独善的な付加価値ではダメで、他者が期待する独自の付加価値は何なのかを徹底して考えることがブランド構築の基本になります。これをマーケティング用語でUSP(Unique Selling Proposition)と言うそうですが、要約すると「『ならでは』の『売り』を伝える強い約束」を「ブランド」ということができそうです。

  そのブランドですが、大企業では大企業であること自体を入口に、そこから商品を訴求していくのが一般的な手順になります。しかし、巨大組織であるというある種の「信用」を前提として持たない中小企業の場合、大企業と同じ手順を踏襲しても上手くいきません。しかも、企業を入口とするには莫大な広告宣伝費がかかり、資金力に劣る中小企業ではそもそも太刀打ちできません。こうした制約が、なおさら中小企業のブランド構築を困難にしています。
 
  したがって、中小企業の場合、大企業とは全く逆のアプローチを採る必要があります。すなわち、企業ではなく個人を入口として商品を訴求するということです。商品(付加価値)を訴求するために、個人からブランディングしていく。これこそ「中小企業にこそパーソナルブランディングが必要」であることの所以です。

  中小企業のパーソナルブランディングは、経営者のパーソナルブランディングとスタッフのパーソナルブランディングの二つに分類できます。中小企業経営における経営者の影響力を考えると、前者の方が圧倒的に重要ということになります(極論すれば、経営者の役割そのものと言っても良いかもしれません)。では、経営者は自らをブランディングするために何をしなければならないか?それは、日常の一挙手一投足の中で先ほどのUSPを常に考え、徹底すること。お話の中で感じたのは、何も特別なことではなく、日常の目配りや気配りであったり、物事の良いところを見出そうとする視点であったり、ただそれを自分の持つビジョンや価値観に基づいて発想するということなのではないかと思いました。その継続によって、最初はぎこちなくとも、やがてそれが経営者の立ち居振る舞いのレベルにまで血肉化していく。結果、その経営者のパーソナルブランドが確立されるということなのではないでしょうか。なお後者については、このブランド発想型の思考・行動によって人財育成を行っていくことが大事だということです。

  最後に、中小企業経営者は自らのブランドの「語り部」にならなければならないということ。今治タオルの名で知る人ぞ知る、池内タオルの池内社長は、「タオル1枚で90分、話ができなきゃダメ」とおっしゃっているそうです。中小企業のパーソナルブランディングは、資金を要さず、行うこと自体は特別なものではないかもしれませんが、それをいかに地道に徹底できるかが、その企業のブランドを築き上げていくのではないかと思いました。個人的に感じたことですが、これと共通した思想が煎茶のお茶席にも流れています。因みに、池内社長とは10年前、パネラーとしてご一緒させていただいたことがあります。その時もいたく感銘を受けた思い出があります。

九条館 煎茶会①
九条館 煎茶会②
九条館 煎茶会③
九条館 煎茶会④



  セミナーの後は、恒例の懇親会です。山本先生はお話が非常に面白いので、セミナーと懇親会を合わせると学びの効果が倍増するという特徴があります。それは我々が期待する、先生のパーソナルブランドなのかもしれません。

あなたをもっと高く売る パーソナルブランディング
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日経BP社


人前で話すことが楽になる 人前力 33のルール
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日本経済新聞出版社


  次回、第97回YMSは7月11日開催の予定です。

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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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ストレス軽減のためのカラーコミュニケーション-第95回YMS

2018年05月10日 | YMS情報


  5月9日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第95回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  今回の講師は、有限会社カラーワークス代表、色彩心理コンサルタントの清水雅子様。カラーライトセラピーという、色や光が人の心身にもたらす効果を活用したセラピー活動や色彩にかかわるコンサルティング等でご活躍されています。今回は「ストレスを劇的に軽減させるカラーコミュニケーションスキル」と題してお話しいただきました。



  これまで、パーソナリティ類型については第71回YMSのエマジェネティクス、カラーについては第59回YMSのパーソナルカラーがテーマとしてありましたが、今回は生年月日を元にその人のもつ二種類の「色」からパーソナリティの傾向を診断し、円滑なコミュニケーションに役立てようというものです。タイトルに「ストレスを軽減させる」とあるのは、その人に合った色が癒しにつながるという考えと、相手のパーソナリティ傾向を理解することによってコミュニケーションギャップによって生じるストレスを軽減できるという考えがベースにあるようです。生年月日を元にしているということは、占星術のように占いの一つと考えて良いのでしょう。



  具体的には、12種類ある色の中から生年月日に基づいてファースト・カラーとセカンド・カラーの二種類が選ばれます。ファースト・カラーはその人の先天的性格を表し、セカンド・カラーは後天的性格を表すとされます。性格全体としては前者が30%、後者が70%を傾向として占めると考えます。また両者は行動時の傾向と思考時の傾向、話す時の傾向と聞く時の傾向などの違いがあるそうです。この両者の役割の違いを意識することで、自分をコントロールしやすくなる、すなわち心が安定する効果が期待できます。

  エマジェネティクス同様、これも人を類型化することが目的ではありません。あくまで性格の傾向や相性を円滑なコミュニケーションや安定した精神を作り上げるための手掛かりとして役立てることに意義があります。僕もこれまで色彩心理やカラーセラピーについて多少学んだことがありますし、パーソナリティ類型についても幾つか試したことがありますが、今回自分に当てはまった色は予想外のものでした。しかし、予想外だっただけに、今までとは違った角度で自分を見詰め直す良い機会になったとも思います。

  有史以前から人間は色と共に生きてきました。最後にプリズマライトグラスというドイツのカラーセラピーで使われている色の眼鏡を試してみましたが、人によって落ち着く色にやはり個性があるようです。色が心理に影響を与えていることは恐らく間違いのないことで、普段何気なくやり過ごしている「色」について考える機会にもなりました。

  次回、第96回YMSは6月13日の開催です。

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人狼ゲームで観察力・伝達力を磨く-第94回YMS

2018年04月12日 | YMS情報


  4月11日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第94回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。講師は第58回YMSで好評だった、おなじみの刑事塾・森透匡先生です。



  テーマは「元刑事が教えるウソ〔人間心理〕の見抜き方〜実践編 人狼ゲームで見抜く〜」。数年前に流行したカードゲーム「人狼」(いわゆるドイツゲーム)を使い、遊びながら人間観察力、伝達力、交渉力、説得力、(演技力?)などを磨こうという内容です。

  初めに、森先生より長年の刑事としての経験から養った「嘘のサイン」について簡単な説明があり、その後は「習うより慣れよ」ということで、早速練習ラウンドが始まりました。



  まず人狼というゲームについて簡単にご説明します。ある村で、村人を装った人狼が紛れ込んでは、夜な夜な村人を襲撃していました。村人たちは人狼を排除しようとしますが、誰が人狼か分かりません。困り果てた村人たちは日中に集会を行い、人狼と疑わしいものを多数決で決め、毎日一人ずつ処刑していくことにしました。しかし、夜になると生き残っている人狼が村人を襲撃します。こうして、村では人がひとり、またひとりと減っていきます。最終的に、全ての人狼を処刑できれば村人の勝ち、生き残った人狼と同じ数だけ村人を減らすことができれば人狼の勝ちとなります。その際、処刑されたものも含め、村人・人狼のいずれかが勝者となります。

  プレイ人数は最低8名。10名から18名ぐらいが最適で、プレイヤー10名の内人狼3名ぐらいが良いようです。もちろん、人狼の割合を増減させても構いません(緊張感が増します)。

  人狼ゲームには様々なバリエーションがあるようですが、今回行ったオーソドックスなものについて言えば、村人の中には以下の特殊能力を持つ者がいます。

①預言者…毎回夜のターンに指名した者(1名)が村人か人狼かを知ることができます。
②ボディガード…毎回夜のターンに指名した者(1名)を人狼の襲撃から救うことができます。

  さて、ゲームの進行です。まず、ゲームの進行を司るゲームマスター(以下、GM)を決め、それ以外の人はプレイヤーとして車座になって座ります。隣の人の気配を感じにくくするため、若干間隔をあけて座った方が良いかもしれません。

  GMは村人または人狼のカードを伏せて配ります。プレイヤーは他のプレイヤーに分からないよう、自分が人狼か村人かを確認します。

1.夜のターン

  GMは、プレイヤーに目を閉じて頭を下げるよう指示します。次に、人狼役のみに目を開けさせ、黙ったまま誰を襲撃するかを決定させます(つまり、人狼チームは誰が人狼かを知っているということになります)。決めたら人狼に再び目を閉じ、頭を下げさせます。

  GMは預言者に目を開けさせ、黙ったまま誰の正体を占うのかを決めさせます。指名された者の正体について、GMはあらかじめ決められた方法(手振りなど)で預言者に伝えます。伝えたら、預言者に再び目を閉じ、頭を下げさせます。

  GMはボディガードに目を開けさせ、黙ったまま誰を守るのかを決めさせます。決まったら、ボディガードに目を閉じ、頭を下げさせます。

2.昼のターン

  GMは全員に頭を上げ、目を開くよう指示します。そして、人狼に襲撃されたプレイヤーを宣言します。宣言されたプレイヤーは死亡となり、ゲームから外されます。もし、ボディガードによって守られた場合は、犠牲者なしを宣言します。

  その後、数分間の集会が行われ生き残った村人(当然、人狼も紛れています)で、自由な討論が行われます。プレイヤーは自分の身分を明かしても構いませんが、嘘をつくことも許されるので、それが本当かどうかは分かりません。ただし、GMや死亡したプレイヤーと会話することはできません。死亡したプレイヤーは誰が人狼かを示唆するような一切の行為を行ってはなりません。また、プレイヤーはカードを公開してはいけません。

  一定時間が経過した後、GMは村人に誰を処刑するのか多数決で決めさせます。同数の場合は決選投票を行います。指名されたプレイヤーは死亡となり、ゲームから外れます。

  上記の夜と昼のターンをゲームが終了するまで繰り返します。



  今回参加した20名の内、人狼ゲーム経験者は2名だったこともあり、練習ラウンドではなかなか会話が出てこないというようなことがありました。

  しかし、本番ラウンドを繰り返し、ゲームに習熟するにつれ、議論や演技も白熱し、また様々な作戦も巧妙になっていきました。一見シンプルなゲームですが、嘘が許されるということによってゲームは複雑化し、プレイヤーは言語・非言語のあらゆる情報を駆使しなければなりません。また、どれだけ自分が人知を尽くそうとも、他のプレイヤーに処刑されては終わりですから、各プレイヤーは自分が処刑対象とならないよう他のプレイヤーを誘導または説得できなくてはなりません。少なくとも疑いの目を向けさせないようにすることが必要です。シンプルであるがゆえに、コミュニケーションのあらゆる要素が試される、実に奥の深いゲーム、なるほど流行ったわけだと思いました。



  残念ながら1時間半という短い時間では、まだまだこのゲームを味わい尽くすには至りませんでした。しかし、これは個人のコミュニケーション能力を磨くばかりでなく、チームビルディングにも有効なゲームだと感じました。

  そんなモヤモヤ感の残るときに役立つのが、セミナー終了後の懇親会です。「あの時ああすればよかった」、「こんな方法もあったのではないか?」と議論を重ねることにより、セミナーでの収穫がさらに大きなものとなります。

人狼 ~嘘つきは誰だ?~カードバトル
クリエーター情報なし
バンダイ(BANDAI)


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日本酒を学び、日本酒から学ぶー第93回YMS

2018年03月15日 | YMS情報


  伝統とは何だろう。文化とは何だろう。我々が「これが文化だ」、「これが伝統だ」と信じているものの中には、まことしやかな通説・俗説があり、それを無批判に信じながら漠然と捉えているものが意外と多いのではないか?

  例年にも増して厳しかった冬もようやく終わりが見え、そうかと思うと早くも桜の開花の声が聞かれる季節となりました。そんな中、居酒屋花まるにて第93回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。YMSとしては毎年8月に行っているワインセミナーに加え、ちょうど1年前の焼酎セミナー(第81回YMS)以来となる、日本酒セミナー。講師ポッツ・ジャスティン様、「正解のない時代に、日本酒が教えてくれること」と題してお話いただきました。



  発酵からお酒へと関心が発展し、冬場は外房の木戸泉酒蔵にて蔵人も務めるジャスティンさん。日本酒を通じた様々な地域おこしやイタリアなど海外への日本酒紹介等、幅広く活躍しておられます。今回テイスティング(?)を行ったお酒は9種類。早速、ご紹介していきましょう(尚、味や香りについては僕個人の感想です)。



  最初は、奈良県・梅乃宿酒造の「月うさぎナチュラル」。まずはブラインドでテイスティングしました。青いボトルの首で何となく予想はしていたのですが、注ぐなりシュワシュワと発泡する白濁したお酒。甘い乳酸飲料そのものといった色と香りと味わい。日本酒なのにお米感やアルコールを感じません(度数6%)。日本酒離れに歯止めがかからない中、こうした甘口の発泡日本酒は最近のトレンドのようです。食前酒として良さそうですね。



  続いて、こちらも奈良・大倉本家の「金鼓濁酒生酒29BY」。その名の通り、濁り酒ですが、注ぐ口が詰まってしまうほどの大量のお米が注ぎ出る様は、お酒というよりお粥。飲むというよりは「食べる」といった方が良いかもしれません。というのも、もろみを濾さずそのまま瓶詰しているからなのだそうです。度数は12度とやや低め、甘酒のようですが意外とすっきりとした飲み口です。因みにBYとは日本酒が製造された年のことで、29BYとは平成29年という意味です。

  またこのお酒は水酛仕込みという、失われていた600年前の仕込み方法を復刻させた、いわば日本酒の原型のようなお酒です。水酛とは、生米と蒸米を水につけて乳酸菌を増殖させ、その水を仕込み水として利用した酒母の造り方を言うそうです。今回の参加者の中では、次の花巴と人気を二分したお酒でした。



  三番目は、奈良県・美吉野酒蔵の「花巴・水もと×水もと」。ただでさえ希少な水酛のお酒で、さらに水酛のお酒を仕込むという、こだわりの製法を見せています。酸味と甘みのほどよいバランス、フルーティ。かつての日本酒は今の日本酒よりも酸味が強かったようで、やはりこちらも古き日本酒の形と言えるかもしれません。この酸味が料理と合わせやすく、今回の中では梅水晶(サメの軟骨と梅肉を和えたもの)との相性が良かったです。



  四番目は、奈良県・増田酒蔵の「神韻・樫樽純米酒」。神韻、古の都、奈良らしい素敵な名前ですね。こちらも最近増えてきている、ワインのように樽熟成させた日本酒です。口に含むなり広がるカカオ、淡いバニラ香はフレンチオークの樽によるもの。アルコールと余韻の短いキレはシェリー酒のフィノを思わせます。



  ここからはジャスティンさんの携わっておられる、木戸泉酒蔵のお酒。個人的にはこのお酒が今回の中では一番好みでした。「純米生・AFS(アフス)」。飲むとその強い酸味、軽い渋みに驚かされます。まるで白ワインそのものを思わせる果実味(お米なのに)です。時間をおき空気を含ませると酸味が落ち着き、フルーティでエレガントな香りが浮かび上がってきます。

  しかも、近年の流行りでワイン風の日本酒を作ったのではなく、こちらでは60年も前から高温山廃酛という手法でこのようなお酒を造り続けているのだそうです。



  セミナーの最後を飾るのは、同じく木戸泉酒蔵の「秘蔵古酒10年」。新種が尊ばれる日本酒にあっての古酒ですが、過去の文献にはむしろ古酒を讃える記述が見られるそうです。同じ米から作られる紹興酒も甕熟成させるわけですから、確かに日本酒のバリエーションという点で古酒がもっとあってもよさそうな気がします。かすかな苦みと紹興酒のような古ぼけたニュアンスを感じます、好みは分かれるかも知れません。

  何故現在はフレッシュな日本酒ばかりが出回っているのか?それは日本酒が熟成に向かないからでも、和食という繊細な料理と合うように、料理を邪魔しない日本酒というものが生まれたのでもなく、単純に酒税の影響によるものだそうです。もちろん、新酒には新酒の良さがあるのであり、決っして良くないと言っているのではありません。

  しかし、今回のセミナーに登場した日本酒を一般に日本酒の好きな方にお勧めしたとしたらどうでしょう?邪道だと思われる方も少なからずいるのではないでしょうか?ところが、既に述べたようにこれらのお酒は邪道どころか、むしろ伝統的日本酒に近いものも多いのです。そもそもシェアが7%にも満たないお酒を文化と呼べるのかという議論はさておき、文化とは時代に適合し変化していくのが前提だとした場合、我々はその中の何を受け継いでいかなければならないと思っているのでしょうか?現在、一般に日本文化と考えられているもの、相撲にせよ柔道にせよ、その辺が意外と曖昧なのではないかと思いました。

  そのような中、日本酒を再び盛り上げようと努力されている方々が全国各地にいらっしゃること、精米歩合の競い合いだけではない奥深さと多様性が日本酒にはあること。その一端に触れることができたのは大いに勉強になりましたし、日本酒に対する見方が変わりました。伝統文化を受け継いでいくには、まずそれを知るということから始めなければならないのかもしれません。



  セミナーの後は、その新酒が三本。「木戸泉新酒しぼりたて無濾過原酒」。それぞれ原料のお米が違い、左から自然栽培五百万石、総の舞、自然栽培華吹雪となっています。

  最後に。今回のセミナーのために、居酒屋花まる様には会場のご提供と、日本酒と相性の良い献立をご提供いただき、大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

  なお、献立は以下のフォトチャンネルにまとめました。

・サメ軟骨の梅肉和え
・ホタルイカの肝醤油干し
・お造り(真鰺・鯖・鱸・かんぱち)
・あさり酒蒸し
・揚げ出汁豆腐
・菜の花とホタルイカの天婦羅
・ブリカマと地鶏の網焼き



居酒屋花まる

神奈川県横浜市中区太田町2-32



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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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プレスリリースに改めてYMSを考える-第92回YMS

2018年02月15日 | YMS情報


  バレンタインデーの2月14日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第92回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。バレンタインデーといえば、「想いを伝える」日。今回のYMSのテーマも一言で言えば「想いを伝える」、これに集約されるのではないかと思います。



  講師は合同会社ユアブランディング代表の大川龍也様。「誰でも送れる!売上につなげやすい『プレスリリース』の書くコツ(知識編)」と題し、プレスリリースに期待される効果と活用のポイントについてのイントロをお話しいただきました。

  プレスリリースとは、報道機関に向けた情報の提供・告知・発表のことを指します。つまり、取材を受けるのではなくこちらから取り上げてほしい情報を報道機関に向けて発信します。報道機関に取り上げられることにより、その情報に対する認知が向上すると共に、報道機関という第三者発表であることで信頼感も増すという、いわゆる「ウィンザー効果」が期待できます。反面、その情報を取り上げるかどうかはあくまで報道機関ですので、情報を提供する側としては、「いかに彼らが取り上げたいと思うような形で伝えるか」がカギとなります。この部分が今回のセミナーの肝でもありました。

  このように書くと、大企業のようなブランド力を持たない中小企業や小さな団体などにとって、プレスリリースは非常に狭き門のように思われがちですが、必ずしもそうとばかりは言えません。まず、一口に報道機関と言っても、全国区のものからローカルのものまで、また媒体も新聞・テレビなどの既存メディアからネット媒体まで、実に多岐にわたります。ある程度ターゲットを絞りたいのであれば、むしろどの媒体を選択するかも大事になってきます。

  次に、報道機関の側も取り上げる情報を探している側面があるということです。彼らが求める情報のキーワードは、新規性(独自性)、社会的意義、信憑性。つまり、過去に取り上げられたものではなく、社会的意義があり、データなどのエビデンスがしっかりとした情報であるということです。したがって、取り上げてもらうにはこれらの条件を満たす必要があります。それにもかかわらず、寄せられる情報の多くがチラシまがいのものであるという現実もあるようです。

  第三に、「その情報によって何を伝えたいのか」が簡潔かつ明瞭であること。大企業のように広報部や専門の担当者を持たない中小企業や団体にあっては、むしろ提供者の想いを伝えるという点では良いのかもしれません。ただし、膨大な情報の山の中から選ばれる情報であるためには、内容もさることながら、タイトルに至るまでの工夫が必要になります。これがなかなか難しいというのは直感的に分かりますが、さらに実体験するために「あなたがやりたいことを記者に説明するとしたらどうするか?」というワークを行いました。



  今回が第92回であることからも分かる通り、YMSは今年の10月に第100回の節目を迎えます。ということもあり、僕を含め何人かの参加者は「YMSを記者に説明するとしたら?」ということを考えていたようでした。

①毎月1回、3,000円(セミナーのみの場合)で気軽に参加できる
②会員制ではないので、興味のあるテーマの時だけの参加でも良い
③年齢、業種などの参加条件はない
④過去92回、一度も絶やさずに開催してきた
⑤常時20名前後の出席者がいる(紹介自由)
⑥同業者交流ではないので、懇親会では日頃の課題や悩みを相談しやすい
⑦仕事にも生かせる懇親会場が選択されている
⑧過去72名の講師(重複除く)とのつながりがある
⑨参加のべ総数1,685人の実績がある
⑩誰でも講師、誰でも受講者


  ざっと思いつくだけでもYMSには様々な魅力があります。ただ、問題はこれをどうまとめるかという話ですよね?フォーマットが自由といわれるプレスリリースですが、やはり一筋縄ではいかないようです。プレスリリースの作業は、まさに自分をどう表現するかを考える作業でもあり、第30回YMSの「パーソナル・ブランディング」に通じると思いました。



  ワークを通じて、改めてYMSについて思いを巡らしていたためでしょう。懇親会では「第100回をどのような形で表現するか?」という真剣な議論が交わされました。これもYMSの良さの一つかもしれません。

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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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薬を理解すれば薬は減らせる?-第91回YMS

2018年01月11日 | YMS情報


  1月10日、mass×mass関内フューチャーセンターにおいて、2018年最初となる第91回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  例年インフルエンザが猛威を振るう季節に突入しています。今回の参加者の中にも残念ながら体調を崩されている方が何名かいらっしゃいました。そんな中、今回のテーマは「あなたは『薬』に頼りますか?それとも-薬に頼らないで健康になる秘訣」と題し、薬剤師で公認スポーツファーマシスト、認定ウェルネスファーマシストの沖原雄様にご講義いただきました。

  実は僕が沖原さんと初めてお会いしたのは昨年6月。第91回YMSの打ち合わせのためにお話しさせていただいたのですが、趣味の自転車競技から専門知識をスポーツに活かすためスポーツファーマシストになられたお話、西洋薬学と東洋薬学の知見から「本当に健康のためになる薬の使い方」のお話、これも趣味でされている出勤前の早朝農作業から土と触れ合うことの心身への影響のお話など、まさに目から鱗のお話ばかりで、今回の開催を非常に楽しみにしていました。



  さて、日本における保険医療支出は、実に家計の4.9%を占めているそうです。これは決して馬鹿にならない数字です。しかし、今回のお話は「だから薬を飲むのはやめよう」というのではなく、そもそも「薬」とは何なのかの基本を知ることにより、薬とより上手なつい付き合い方ができるのではないか、結果として多少なりとも保健医療支出も軽減できるのではないかということです。

  その「薬とは何なのか」ということですが、薬とは体内の受容体に作用し、症状を改善または予防するものであって、病気の原因そのもの(例えばウィルス)を根絶するものではないということです。薬を飲むことによって病気が治るのは、薬によって症状を抑えている間に、人間に本来備わっている自然治癒力が病気を治しているのだそうです。つまり、病気を治しているのは薬ではなく自分自身だということになります。まずこの薬に対する理解が非常に大切です。

  したがって、病の治癒に関しては、昔からプラシーボ(偽薬)効果というものが良く知られています。プラシーボ効果とは、薬の成分が入っていない偽薬を良く効く薬だと信じて服用すると、症状が改善するという効果のことです。イスラエル工科大学のベン・シャナン博士らが2016年に雑誌『Nature Medicine』に掲載したマウス実験の論文によると、脳の報酬中枢が活性化することで免疫系が活性化することが判明したそうです。「この薬は良く効く」という「期待」は、この報酬中枢と関わる快感情であり、結果として免疫系が活性化し、症状が改善する可能性があるということです。言い換えると、快感情が内因性オピオイド(いわゆる脳内麻薬)を放出し、それが受容体と結合することにより鎮痛効果などを発揮すると考えられているようです。いずれにせよ、昔から言われている「病は気から」というのはその通りなのであり、これも病を治しているのは薬ではなく「自分」だからということになります。東洋医学では、昔から健康とは「気・血・水」のバランスであると考え、中でも「気」が重視されたそうです。



  この基本を踏まえた上で、薬は重要だけれども全てではない、薬と同じ働きをする食物や行為を生活に上手に取り入れることにより、体質を改善し、病気を予防する。結果として薬を減らす「減薬」につながる三つのポイントとして、①見方を変える、②薬を理解する、③薬の作用を考える、が挙げられました。

  一番目の「見方を変える」ですが、これは薬には症状を抑える働きがあるが、そればかりに頼ると自然治癒力も抑制してしまう結果、かえって病気の原因が長く体内にとどまってしまう可能性もあるということです。例えば、高熱が続くような場合はもちろん薬で熱を下げることの方が望ましいのですが、発熱は一方でウィルスと身体が戦っている作用でもあります。だとすれば、例えば身体を芯から温める作用のある漢方(麻黄湯)を服用するとか、熱めのお風呂で体を温めるとか、生姜やトウガラシなど体を温める働きのある食物を採るといったことを通じて、ある程度薬の作用を代替することができそうです。「発熱」→「解熱」とすぐに考えるのではなく、「発熱の作用とは何であろうか」という視点の転換も必要ではないだろうか、ということです。

  二番目の「薬を理解する」ですが、漢方を含むすべての薬は病気の箇所だけに作用するのではなく、常に全身に作用するため、病気外の箇所に悪影響を及ぼす「副作用」の可能性があることを理解しておくということです。例えば薬を服用し過ぎて肝機能が弱まると、薬の血中濃度が高いまま保たれ、身体に害を及ぼす恐れがあります。

  三番目の「薬の作用を考える」では、高コレステロールと高血圧の例が挙げられました。まず前者についてですが、コレステロール自体は悪いものではないということ。しばしばLDLコレステロールを「悪玉コレステロール」と呼んだりしますが、LDLコレステロールも身体に必要なコレステロールであることに変わりはないのです。高コレステロールは確かに動脈硬化等のリスクがありますが、必ずしも薬に頼らず、運動によってLPL(リポ蛋白リパーゼ。中性脂肪の分解を促進する)を活性化することができます。もちろん即効性という点では薬なのでしょうが、これは僕自身、運動によって中性脂肪やLDLコレステロールを劇的に減らした経験があります。同じように、血圧が高めの方についても、手足などの抹消や褐色細胞の多く集まる箇所を温める運動をする、発汗によって過剰な水分を減らす、食物繊維を多く採るなどの補完的・予防的方法があります。因みに「抹消や褐色細胞の多く集まる箇所を温める運動」ですが、第20回YMS関連記事)で教えていただいた、中島輝彦さんの簡単な三つの動作「フェニックス」、「カンガルー」、「チーター」がまさに該当します。

  お話を伺い、僕自身日頃から様々な誤った思い込みの中で生活しているのだと気づかされました。下手をすると身体に良かれと思ってやっていたことが逆効果などと言うこともあるかもしれません。今回のお話で、何か特別なことをするのではなく、体質を改善し病気を予防する工夫を生活の中に上手く取り入れつつ、薬と上手に付き合うことが大切なのだと学ぶことができました。

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元祖横濱市民酒場で8回目の忘年会-第90回YMS

2017年12月20日 | YMS情報


  12月13日、8回目の忘年会となる第90回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。毎月第二水曜日に幅広い分野の講師をお招きし、勉強会を開催しているYMSですが、12月だけは忘年会となります。

  今年は9月に横浜の大衆文化とは切っても切れない関係にある「横濱市民酒場」の歴史について勉強しました。その縁もあり、今回はその横濱市民酒場の元祖である「忠勇」さんで忘年会を開催することとなりました。

  実は僕の実家から歩いて数分のところにある地元の老舗。にもかかわらず出張と重なってしまい、参加できなかったことは返す返すも残念です。そこで今回は、参加された方からのご感想を以てレポートに代えたいと思います。

  「女将さんが早めに着いたメンバーにアルバムをみせてくださり、先代が叙勲をお受けになられた時のエピソードなどお聞きしました。

  そのお祝いに500人の方々を招待することになり、そんなに入れるホテルは横浜にないのでどうしたものかと考えたところ、磯子のプリンスホテルのガーデンを使いなさいと言っていただいたことや、その際に使うテーブルや椅子をキリンビール社がトラックで運び込みセッティングしてくださったこと、(そのくらい周りの方々と仲良くされて居たということです)、当日のお祝いの垂れ幕を現在の女将さん(先代の息子さんの嫁さん)が外注すると高いからとご自分でお書きになったこと、そしてトレードマークのあの可愛いふぐのイラストもその女将さんが描いたことなどお話しくださいました。

 なんとも昭和の香りの佳いお店でした。



 広い座敷でみんなでワイワイガヤガヤお酒を注ぎながらふぐの煮こごり、ふぐの唐揚げ、焼き鳥、ふぐちりを頂きまして、締めの雑炊は絶品でした。星羊社の星山夫妻(注:第87回YMS講師)も参加されて近々発売のめご太郎(青森の酒場がテーマ)紹介してくださいました。」


  
めご太郎
クリエーター情報なし
星羊社


  「前々回に「横浜市民酒場」でお話頂いた星羊社星山様のお話から今回の忘年会は横浜でフグ料理を広めた開店から95年の歴史を持つ忠勇さんにて開催しました。

  驚くことに地下鉄吉野町駅の改札前の地図にしっかり「忠勇」の位置が記載されているのにはびっくりでした。

  忠勇さんの初代は永島四郎さんという千葉の久留里という場所の出身で横浜にお酒を売りに来ていた商人さんだったそうです。この四郎さんが「どうせ売るなら酒屋作っちゃえ」と忠勇を作り、また釣り船を持っていた関係からフグを調理、体系的に毒を抜く補法を横浜のほかの店に伝授し「神奈川ふぐ協会」の設立に尽力した伝説的な方です。野毛などにフグを扱う料理の店が多いのもこの四郎さんのおかげであると言えます。



  さて吉野町駅から歩いて10分程度、もろ酒場という感じの忠勇さんの入り口を開けると1Fがテーブル、2Fは座敷になっており、私たちは2F座敷にて宴会をさせていただくことととなっておりました。

  まずはフグの煮凝りからスタート、この時点でビールは2ケース空いております(笑)

  次につくねの焼き鳥などでお待ちかねのフグ鍋とふぐ刺しであります。



  市民酒場の講演をしていただいた星羊社星山様と成田様にも再度市民酒場の意義などをお話していただきながら談笑は進み、最後はいつものYMS忘年会にふさわしいタダの飲み会へと・・・

  こうやって横浜の歴史ととともにあるYMSも横浜に歴史を刻めるように来年迎える第100回を目指して理事一同目指していくつもりです。」



  「第90回YMS (2017年12月13日)横浜市民酒場「忠勇」にて。
  
  忠勇は『横濱市民酒場グルリとーはま太郎の横濱下町散策バイブルー』(星羊社2015年)の最初に紹介されている元祖市民酒場だ。先代、永島四郎氏の思い出の品々が、さりげなく飾られた2階の宴席だった。「まっとうな料理をまっとうな価格で」という老舗ポリシーのおかげで、ふぐ料理を堪能し、会話とお酒も弾んだ。参加者全員が自己紹介、今年の出来事、来年の抱負などを語り、YMSの歴史や活動状況を共有した。来年はYMS第100回の記念すべき年となる。参加者それぞれが宴席の幸福感とともに、異業種であり立場や年齢の異なる仲間をお互いに刺激する、YMSならではの忘年会であった。」


横濱市民酒場グルリと―はま太郎の横濱下町散策バイブル
クリエーター情報なし
星羊社


さて、今回は節目の第90回ですので、これまで開催してきたYMSのメニューをご紹介したいと思います。

第1回 就業規則を経営に活かす!(あなたの会社を守る就業規則!)
第2回 良い人材を採用するポイントとは?
第3回 忘年会
第4回 ハイパフォーマンスな組織・チームに変革するリーダーシップ~自身のバリューを明らかにする
第5回 銀行業界の現状と融資や決算書に関するお話
第6回 横浜みなとみらい経営者スクールとの交流会
第7回 地域企業・店舗のソーシャルメディア活用セミナー
第8回 政府の緊急中小企業対策(人・カネ)のアウトラインを学ぼう
第9回 facebook活用法
第10回 町興しとビジネスについてのフリートーク
第11回 納涼会
第12回 現状のブライダル産業におけるBtoCアプローチの変遷と今後
第13回 労務リスクと次代の企業成長を担うワーク・ライフバランス
第14回 成果創出のための仮説検証型マネジメント~ものごとをいかに推進・管理していくか~
第15回 忘年会
第16回 多摩・幕張・横浜コミュニティ・ビジネス情報交換会  
第17回 ベトナムの現状と今後  
第18回 女性の起業の理想と現実-人生を無駄にしない起業のはなし  
第19回 広がる公共サービス市場ー『民活』から公民連携へ 
第20回 ビジネス・パーソンのための「姿勢塾」 
第21回 横浜の農業事情と食  
第22回 ようこそ!コミュニケーションセミナー~明日から使える気付きを~  
第23回 10年後になくなってしまう70%の会社にならないために  
第24回 納涼会  
第25回 銀行対応の実務~経営者として最低限必要な銀行対応の実務~  
第26回 東京スカイツリーエレベーターデザイン-地域の歴史を未来へ繋ぐデザイン-ものづくりを創造する 
第27回 登山に学ぶ意思決定論 -何故、遭難事項は起きたのか-  
第28回 忘年会
第29回 事業機会発見ワークショップ
第30回 パーソナルブランディングと人前力
第31回 富裕層マーケティング発想法
第32回 mass×mass関内フューチャーセンターとの交流会
第33回 ドラマチックコミュニケーション~今、求められるコミュニケーションスキルとは?~
第34回 手ごろなワインと料理のマリアージュを楽しむ
第35回 CSM 社会的意味の創造
第36回 旅にでたい!~観光地の選好と記憶の心理学~
第37回 納涼会
第38回 ~理想の食事~その理由と実践
第39回 意外と知らない…借入金の真実(ホント)のこと
第40回 教えないのに育つチームのつくり方
第41回 忘年会
第42回 父親育児×ビジネス~イクメンは少子化ニッポンを救うヒーロー
第43回 ビッグデータブームの本質と動向~ビッグデータで世の中が変わるか?
第44回 「ドラマチックコミュニケーション」で非言語スキルアップ!!
第45回 これからの10年企業が勝ち残る条件
第46回 「中小企業のウェブサイトの見直し方・作り方」~ウェブサイトで顧客との関係性を高めるためには~
第47回 注目のジャパニーズ・ワインを楽しむ
第48回 一緒に考えてみませんか、日本の食と未来について
第49回 たった1枚で信頼を上げるキメ☆フォト
第50回 筆跡で分かるあなたの心理~筆跡心理学のアウトライン~
第51回 夢を叶える文章スクール~願望達成マシンのスイッチを押す方法
第52回 横濱の歴史を知ろう!
第53回 忘年会(勝烈庵)
第54回 変えられる明日に賭ける
第55回 コミュニケーションを楽しもう!!エンジョイカード「ワイワイ」で話し上手・聞き上手
第56回 経営者のための社会保険料適正化セミナー
第57回 筆跡でわかるあなたの心理~採用にも使える筆跡心理学入門
第58回 刑事塾:ビジネスで役立つウソや人間心理の見抜き方
第59回 一生使える!ビジネスファッションのコツ
第60回 営業のタイムマネジメント、目的と目標、カウンセリング・スキルについて
第61回 夏に合うワインと料理のマリアージュを楽しむ
第62回 これからの教育のゆくえ~2020年大学入試改革後の<学び>とは~
第63回 激増する弁護士 弁護士の探し方・選び方のコツ
第64回 コミュニケーションギャップを解決しよう!
第65回 忘年会(菜香新館)
第66回 インプロ(即興)で会話力を磨け!! 体感「ドラマチック・コミュニケーション
第67回 沖縄和僑会との交流会
第68回 人材育成の現状とあるべき姿
第69回 東大卒マジシャンに学ぶ、あなたの魅力を引き出すタネ-欧州チャンピオンが語る、マジシャンの本当の秘密
第70回 ビジネスのための「空気を読む」を見える化する技術-微表情から察する相手の本音
第71回 自分の思考特性を知る
第72回 Mt.Gox事件の陰で...... 只今、Shade3D社は事業再生中
第73回 「ダメマシンクリニック」でダメ出しされてしまったマシンから、作り手として抑えておきたいデザイン思考を学ぶ
第74回 世界が認める勝沼甲州ワインを軸にした日本ワインとフレンチのマリアージュ
第75回 美しくなれるネイルアートやネイルケアの基本
第76回 スマホカメラで学ぶ印象に残る写真とは?
第77回 「インプロ」で楽しい時間を過ごしませんか?感度を磨いて創造しましょう!
第78回 忘年会(たん右衛門)
第79回 初笑い!ビブリオバトル講習会~ビジネス交流編~
第80回 一瞬で社員の心を掴む表現力
第81回 焼酎を愉しむための焼酎講座
第82回 ビジネスマンのための「空気を読む」を見える化する技術―微動作からも察する相手のホンネ
第83回 「組織の関係性の質を上げて成果をだす」にアプローチするシステムコーチング®
第84回 家族信託等を活用した自社株対策ほか
第85回 日常の中に於ける、精神科疾患による影響
第86回 酷暑の中でさっぱり飲めるワイン特集
第87回 『横濱市民酒場』とはなにか?
第88回 素晴らしきかな大岡川
第89回 トラック業界の現状
第90回 忘年会(忠勇)

  これまでお越しいただいた、のべ1,657名の皆様、快く講師を引き受けていただいた、のべ80名の講師の先生方。皆様のおかげで90回を迎えることができました。

  心より御礼申し上げます。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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日本経済が抱える課題の縮図-第89回YMS

2017年11月09日 | YMS情報


  11月8日、mass×mass関内フューチャーセンターにおいて、第89回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  今回の講師は株式会社バンテックセントラルの宮川哲幸様。昨今話題の「トラック業界の現状」についてお話しいただきました。

  初めに、トラック業界の規模について。国内物流におけるトラック輸送の割合は、トンベースで91%、1トンの物を何キロ運んだかを示すトンキロベースでは59%を占めるそうです。事業者数6万2千件、車両数138万両、売上15兆円、従業員数185万人(内、運転手は83万人)です。車両数が138万両であるのに対し、運転手が83万人というのは、特殊車両やシャーシーなど約44万両が車両に含まれているためだそうです。

  次に労働環境について。トラック運転手の長時間労働というのは、報道によるイメージとしてありましたが、僕が抱いていた認識と異なっていたのは、賃金水準も決して高くない(むしろ拘束時間に対して低い)という点です。「トラック運転手はキツいけれども儲かる」というのも今は昔のようです。実際に数字で見てみますと、以下のようになっています。

平均年収:大型(422万円)、中型(375万円)、全産業平均(480万円)
年間労働時間:大型(2,592時間)、中型(2,580時間)、全産業平均(2,124時間)

  こうした現状に対し、国からも改善基準告知がなされ、業界としても2019年に向けて改善努力を行っているようです。しかし、現実としてはトラックの積載効率は昭和63年時には57.9%だったものが、平成27年には40.5%に低下しており、パイの奪い合いとなっています(注:積載効率については平成21年に算出方法が見直され、軽車両が除外されています)。

  背景としてはパレット輸送の増加、そして近年では報道でも目立ってきているように、EC市場の急成長による宅配便の増加があります。宅配便の取り扱い件数はこの5年で12%増加したと言われ、今後も増えるものと見込まれています。また、不在再配達も全体の2割を占めているそうです。こうした変化が、過酷な労働環境、配送料引き下げ、運賃低下に拍車をかけています。



  長時間労働、低い賃金水準により、業界は深刻な人手に悩まされています。ボストンコンサルティングの試算によると、2027年には運転手は25%の需要不足になると見込まれているそうで、96万人の需要に対し(現状でも83万人)、24万人不足するであろうということです。そうしたことから、業界としても女性運転手の雇用に力を入れていますが、まだ18.4%に過ぎません。加えて運転手の年齢構成を見ると、40代~50%が実に46.4%を占め、40歳未満は28%という高年齢化の問題も起きています。

  運転手の高年齢化の背景には、相次ぐ運転免許制度の改訂があります。2007年6月1日以前の免許であれば、普通免許で4トン車まで運転できたのが、2007年の改訂で4トン未満となり、さらに2017年3月12日の改訂で2トン未満となりました。ただでさえ弱年齢層の車離れが言われている上、所得水準の低い層がお金をかけて準中型や中型・大型の免許を取得するインセンティブがあるとも思えません。
 
  こうした問題は、トラック業界に限らず企業数で99.7%、従業員数で75.8%を占める中小企業(小規模企業含む:2014年)の多くが直面していることのように思えます。

  長時間労働、人材不足という構造的課題に対し、業界としてはダブル運転トラック(連結車両)、トラック隊列走行(先頭車両を無人の後続車両がセンサーで追尾する)、異業種間で共同運送を行う中継輸送などの試みがなされています。こうした技術の発達は物流の効率化、省力化、交通事故減少などに貢献しますが、一方でモバイル機器やデジタルタコグラフが運転手にもたらすストレスも課題になっているようです。

  さて次回は節目の第90回YMS。YMSとして8回目の忘年会になりますが、前々回第87回YMSの流れを受け、「横浜市民酒場」の元祖「忠勇」さんで開催の予定です。

過去のセミナーレポートはこちら。

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