窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

2020年3月アクセスランキング

2020年04月01日 | 人気記事ランキング


  桜が見頃ではありますが、世界中で猛威を振るう新型コロナウィルス一色でそれどころではなかった3月でした。今日から新年度ですが、昨今の状況は1年後と雖も誰にも予想できないということを思い知らされます(1年前の今日は新元号の発表がありり、新時代のムードでした)。僕の子供も入学式が中止、授業も5月に延びるのではないかという雰囲気です。みなさんも公私にご苦労されていると思いますが、1日も早い正常化を目指して辛抱していきたいと思います。

  さて、その様な中で3月も沢山の方にブログをご覧いただきありがとうございました。3月にアクセスの多かった記事、トップ10をご紹介したいと思います。

  詳しいことは分からないのですが、3月上旬に新型コロナウイルスの影響で全国で休校が相次ぎ、給食用牛乳が窮地に立たされたことから、酪農家を応援しようというTwitterでの呼びかけから突如として、古代の珍味「蘇」(醍醐)に注目が集まったのだそうです。その影響からか、10年前に投稿した記事「蘇(そ)を食べてみました」が、8ヶ月ぶりにトップページを抑えてトップに立ちました。29ヶ月連続ランクインの常連、3位の「エコノミーとエコロジーの語源」にさえ大差をつけてのトップでした。ブームというのは凄いですね。しかし、他の常連記事2件は圏外となりました。

  4位「福岡県産パクチーを愉しむ会-福扇華(半蔵門)」は、講師の香月勝昭さんがシェアしてくださったこともあって、20日以降の投稿ではありましたが、4位に入りました。

  8位「第16回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました」は前月に続き2ヶ月連続、弊社の「2020年新年会を開催しました」も9位でしたが、3ヶ月連続でランクインしました。ありがとうございます。

1 蘇(そ)を食べてみました
2 トップページ
3 エコノミーとエコロジーの語源
4 福岡県産パクチーを愉しむ会-福扇華(半蔵門)
5 鈴華荘行ってきました!-創作中華(飯倉片町)
6 2020年2月アクセスランキング
7 野毛界隈おじさんぽー百萬石・鳥鳥・宮川橋もつ肉店
8 第16回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました
9 2020年新年会を開催しました
10 水芭蕉・谷川岳の試飲会に行ってきました

  ふと、リーマン・ショック(2008年9月)のあった後の新年度はどうだったのだろうと振り返ってみました。まだこの「アクセスランキング」はやっていませんでしたが、豚コレラが世間を騒がせていたようですね。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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ようやくFACSの認定とれました

2020年03月30日 | 表情分析


  新型コロナウィルス感染拡大防止策として、神奈川県知事から外出自粛要請の出た3月最後の週末。その上、29日(日)には桜が満開にもかかわらず、関東地方を寒波が多い、温暖な横浜、しかも暖冬の年にあって、初めてといってよい積雪が見られました。



  このように家にこもらざるを得ない時間をどう過ごそうかということで、3年半ほど前からやろうと思いながらやらずじまいで来ていた、Facial Action Coding SystemのFinal Testに挑戦することにしました。

  Facial Action Coding System(FACS)というのは、表情分析のパイオニアであるP.エクマン、W.V.フリーセンらが開発した分析ツールの事です。このFACSによる表情のコード化(2009年のアメリカのTVドラマ『ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る』をご覧になられた方は、分析の場面が多々登場しますので、イメージがつくかもしれません)の手法を学び、最終テストに合格すると、FACSコーダーとして認定されます。テストの合格要件ですが、全34問の表情を分析し、2名のFACS認定コーダーの分析と70%以上の相関があることが求められます。

ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 DVDコレクターズBOX
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


  表情分析については、当ブログのカテゴリ「表情分析」および記事内のリンク先をご覧いただきたいのですが、表情分析と出会ってから4年半、自分の至らなさを痛感させられっぱなしです。最終テストも悪戦苦闘の末に何とか合格することができましたが、ここまで苦戦すると、むしろ「これでようやくスタートラインに立てたかな?」という思いの方が強いです。

  今まで一緒に学んできた皆さん、先生に感謝申し上げます。遅くなりましたが、ようやく良い報告ができて安堵しました。引き続きよろしくお願いいたします。

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鈴華荘行ってきました!-創作中華(飯倉片町)

2020年03月22日 | 食べ歩きデータベース


  昨年8月にオープンした、日頃公私でお世話になっている状元楼さんの姉妹店「鈴華荘」。ちょうど9月から半年間、月1で神谷町へ行く用事ができ、昨日はその最終日の打ち上げということで、ようやくお邪魔することができました。

  飯倉片町の交差点、フェラーリの販売店の隣にお店はあります。中洋折衷の高級感のある店内は、1920年代の上海租界をイメージした状元楼本店の流れを汲んでいるようにも感じられますが、より現代的、都会のオーセンティック・バーに少しカジュアルな要素も感じさせる、重厚感がありながらも重すぎない雰囲気です。冒頭の写真は、好物の「鶏肉の唐揚げ 油林ソース(油淋子鶏)」ですが、6名で色々試してみたかったので、今回はアラカルトで行くことにしました。写真右側の徳利は甕だし紹興酒。実は状元楼さんには弊社の社名入りの徳利を作っていただいており、仕事関係でお邪魔する時はいつもその徳利を出していただいています。徳利の写真は、野毛にある姉妹店「八寸」のところでご紹介しておりますので、ご覧ください。



  では、順番にご紹介しましょう。スタートは「クラゲ、キクラゲ」。「この子、誰の子」みたいですが、「クラゲの冷菜」と「木くらげのわさび和え」です。特にキクラゲですが、油で炒めたキクラゲとわさびの相性がこんなにも良いとは、驚きました。



  「四川風蒸し鶏の冷菜」、こちらも大好物のよだれ鶏。「量が少ないですよ」と言われたのですが、しっかりと入っていました。確かに6人では、ということだったのでしょう。当ブログでもよだれ鶏は何度か登場していますが、見た目も美しく、しっかりと麻辣(唐辛子と山椒)も効いていて美味しかったです。



  今回の中でも一番のおすすめなのが、こちら「小籠包3種盛り合せ」。「上海小籠包(白)」、「ゆず胡椒小籠包(緑)」、「ロブスタービスク小籠包(橙)」の三種類が楽しめるお得なセット。しかもこちらの小籠包、横浜中華街が2008年から毎年行っている品評会「美食節」において、「ロブスタービスク小籠包」が2013年度天心品評会金賞、「ゆず胡椒小籠包」が2014年度銅賞を受賞しています。因みに僕も2010年の第三回美食節にお邪魔させていただきました。もの凄い量を食べた記憶があります。

  特に「ロブスタービスク小籠包」はさすが金賞、いわゆる海老小籠包とは比べ物にならないほど海老の旨味と香りを感じさせます。逆に「ゆず胡椒小籠包」はゆず胡椒を主張させ過ぎず、香りを添える上品な感じに仕上がっていました。そして「上海小籠包」もノーマルと侮るなかれ、蓮華に満ちた肉汁の濃厚さは、これまで食べてきた中でも屈指の美味しさでした。

南翔饅頭店(上海)
京鼎樓(台湾)



  「四川風 豚肉とキャベツの味噌炒め(回鍋肉片)」。食欲をそそるピリ辛の味噌炒め、大きめにカットされたしいたけが、旨味と食感を増す良いアクセントになっていました。



  こちらもおすすめ、名物「上海蟹の濃厚味噌グラタン」。名前から想像できる通り、まさにチーズと上海蟹の味噌の濃厚なグラタン。赤ワインとも良く合います。以前、エビチリのグラタンを食べたことがありますが、中華とグラタンは相性が良いですね。



  お腹を満たすには、「上海焼そば」と「中国伝統黒醤油のチャーハン」。両方は多いかなと思ったのですが、意外とあっさりしていて、すいすい行けました。醤油ベースの黒チャーハンは、見た目塩辛そうなのですが、結構さっぱりしていますね。そして中華の焼きそばといえば、やはり上海風。安定感があり、ほっとします。



  最後はごま団子で締めました。

鈴華荘



東京都港区六本木5-18-2 大昌第2ビル 1・2F



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福岡県産パクチーを愉しむ会-福扇華(半蔵門)

2020年03月20日 | 食べ歩きデータベース


  3月20日、風は強かったですが、暖かな春の陽気。今週開花した桜も一気に進むことでしょう。僕個人としても今年に入って初めての三連休、お誘いいただいた「福岡県産パクチーを愉しむ会」のため、半蔵門にある福岡県のアンテナレストラン「福扇華」(福岡)へ行ってきました。

  広々としたモダンな造りの店内は、福岡の特産品販売や工芸品が飾られ、もちろん福岡産の食材、食器を使ったメニューを愉しむことができます。半蔵門駅から皇居方面に向かって5分かからないくらいですので、アクセスも便利ですね。

  早速ですが、ぬる燗のパクチー酒(冒頭写真)から。そして初めに生産者の久留米、香月菜園代表、香月勝昭さんよりパクチー生産を始めてから生産量日本一になるまでのお話や、パクチーへの想いなどを伺いました。



  香月菜園さんでは、パクチー以外にも様々な葉物野菜を生産されています。僕はお土産にロメインレタスをいただきました。



  香月菜園さんは福岡県久留米市で1960年から60年続く農家。パクチー生産に着手したのは2006年、お父様の発案で始められたそうです。実を言うと、香月さんは数年前までパクチーが苦手だったのだとか。ゴーヤ(にがうり)もそうなのですが、子供のころから横浜中華街が身近にあり、また学生のころ(25年も前ですが)はタイ料理のトムヤム麺にどっぷり浸かっていた僕にとって、パクチーは昔から親しみがあったのですが、一般的には香月さんが生産を始められた2006年当時、パクチーはあまり知られていなかったのだそうです。

  試行錯誤を繰り返しながら地道に生産を続けていた2014年、パクチーブームが到来し、世間の認知度が高まるとともに、生産も拡大していきました。言われてみればパクチー、昔はスーパーに置いてある類の野菜ではなかったですよね。そして生産開始後10年で生産量は2倍に増え、現在では東京ドーム2個分の農地にずらりと並んだビニルハウスで日本一の生産量を誇っているそうです。

  パクチーの国内生産量は364トン(2016年)。生産県別では1位が福岡県(107トン)、2位静岡県(97トン)、3位茨城県(62トン)で、この上位3県で73%を占めます。では、1位である福岡県の107トンの内、香月菜園さんがどれ位を占めているかと言いますと、何と86トン。全国シェアで見ても24%を占めているというのですから、驚きです。因みに、86トンの内、42トンが東京に出荷されているそうですが、出荷先は北海道から沖縄県まで全国に広がっています。



  「パクチーを添え物ではなく、普通に手に取って食べてもらえる野菜にしたい」ということで、香月さんは生産だけでなく、料理研究家さんなどと共同でパクチーを使った料理の提案もされています。一例を挙げると、

・おひたし…パクチーは出汁と非常に相性が良いそうです。特に出汁玉子はパクチーが苦手というかたにもおすすめ。
・肉巻き…パクチーを豚肉で巻き、串に刺して焼いたもの。焼き鳥屋密度日本一の久留米では、串に刺して焼いてあれば鶏肉であれ豚肉であれ、「やきとり」なのだそうです。室蘭でも同じような話を聞いたことがあります。
・アヒージョ…パクチーはニンニク、油とも相性が良いそうです。
・焼きリンゴとパクチーのシーザーサラダ…意外な組み合わせですが、果物の甘みとパクチーの香り、そしてチーズの濃厚さの組み合わせがよく合うということです。

  上の写真は、久留米の料理研究家、渡辺貴子さんと開発した、パクチーペースト。バジルの代わりに、ジェノベーゼのソースに使えます。このペースとも「パクチーが苦手」という方にお勧めだそうです。

  さて、生産量日本一となった香月菜園さんですが、平成30年、令和元年と二年連続で西日本を襲った局地的な線状降水帯により、地域一帯が水没、さらに追い打ちをかけるように台風15号、19号によりビニルハウスが壊滅的な被害を受けたそうです。しかし、懸命の努力で2カ月後には復旧、その年の11月23日には収穫体験会を催せるまでに回復したそうです。「野菜にとってのゴールは『食べてもらう』こと」という香月さん、生産者は様々な人に支えられているのだという感謝と共に、「パクチーを当たり前にしたい」という情熱が伝わってくるお話でした。



  質疑応答は、日ごろからパクチー大好きとおっしゃっている福岡県庁の坂田さんから。

・スーパーで見かける香月菜園さんのパクチーが大きく見えるのは、通常1包30gなのが50gあるから。葉っぱも大きい。
・パクチーは暑いところの野菜というイメージがあるが、実は今ごろと秋が旬。パクチーの原産地はエジプト(ツタンカーメンの墓からパクチーの種子が見つかっているそうです)で、日本の夏は夜が暑すぎるとのこと。
・パクチーは、実は根っこが一番香りもあって美味しい(茎も水菜のようで美味しかったです)。
・東南アジアのパクチーに比べ、日本のパクチーはクセが強くない。軟水と土壌が原因ではないか。

  坂田さん、本当にパクチーがお好きなのだということが分かりました。



  さて、福岡県産の食材とパクチーを使ったお料理に移りましょう。先付は、先ほど触れた「パクチーときのこのおひたし」。まず、パクチーに和食とイメージ自体が無かったのですが、なるほど口の中で香るパクチーがとても爽やかで、冷たい出汁を引き立てます。「こういうことなのか」と納得しました。



  桜をあしらった瓶とピンク色のラベルが春らしい、豊盛にごり酒(豊村酒造)。酵母が活きた、ややシュワシュワ感のあるお酒にパクチーを浮かべて。辛口なので、料理ともよく合います。



  向付は、「福岡県産野菜とはかた地どりのスモークチキンサラダ」。鶏肉のスモーキーな香りと、パクチーの香り。カリフラワーとジュレの食感が組み合わさり、食べ応えもあるサラダでした。



  すみません、少し食べてしまいました。逸品、「糸島産本鰆のレアフライ・パクチーのパン粉で」。シェフ手づくりのパクチーソースと塩を混ぜていただきました。



  小鍋、「博多水たき小鍋 パクチーのせ」。香りづけのためでなく、水菜のようにパクチーそのものを楽しむことができます。パクチーが溶けだし、うっすら緑づいた白濁スープは、とろみがありとても美味しかったです。



  追いパクチーもあります。



  食事は、「パクチーの鶏レバ丼」。鶏レバーは福岡ではポピュラーですね。こちらも好みに合わせてパクチー増量。レバーにパクチーのシャキッと感とさわやかな香りを加えることにより、くどさが抑えられ、より美味しく食べられます。



  こちらは日本酒にパクチーを漬け込み、あまおう酢とレモン酢を加えたもの。程よい甘みと苦みのバランスが良い、爽やかなお酒です。



  最後の甘味は、「(自家製)パクチーアイスとあまおう」。アイスの中に、ちゃんとパクチーの葉っぱを感じます。相当量練りこんであるようです。



  本日のお料理を考案、つくっていただいたシェフ(手前)。実はパクチーが苦手なのだとか。それなのにこんなにもパクチーと相性の良い独創的なお料理を作れるなんて、一体どうやってできるのでしょう?因みに、中央にいらっしゃるのは、佐賀県ご出身、日本初のフードスタイリスト、マロンさんです。

  本当に学び多く、楽しい会にお誘いいただきありがとうございました。パクチーは和食と相性が良い、それだけでもパクチーに対する見方が変わりました。

福岡県アンテナレストラン福扇華



東京都都千代田区麹町1-12-1 住友不動産ふくおか半蔵門ビル1階



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野毛界隈おじさんぽー百萬石・鳥鳥・宮川橋もつ肉店

2020年03月10日 | 食べ歩きデータベース


  ご縁あって、おじさん4人で野毛界隈をはしごしました。桜木町駅の改札で少し観察したのですが、帰宅ラッシュの時間帯、桜木町駅南改札を通過した電車1本分の降客で、マスクをしていなかったのは28名ほどでした。それ位、皆さんマスクで感染症ないし花粉症対策をされているようです。

  最初にお邪魔したのは、鮪で有名な「百萬石」。ここへ来るのは7、8年振りですが、初めに軽くマグロづくし。まずお通しが本格的過ぎて、お通しとは思えません(冒頭写真)。正式な名前は分かりませんが、鮪の竜田揚げ煮のようなものです。



  続いて、スパイスの効いた鮪カマの唐揚げ。ケンタッキーフライドチキン並にしっかりと味付けがしてあります。



  そして名物、鮪の中でも一番おいし部位と言われる、脳天(ハチの身)の刺身。柔らかく旨味があり、これはぜひお勧めしたいです。



  さらに豪快なカマ焼き。特に白身以外の部分がとても味わい深くて美味しいです。鉄板に残る汁も何かつけて食べないともったいなく思われるほどです。



  二軒目は、焼鳥鳥鳥。「やきとりとりとり」ではなく、「とりちょう」です。



  古き良き昭和の居酒屋、焼鳥だけでなく一品料理も美味しいお店。



  とりわけ、こちらのゴマだれでいただくセンマイ刺と半熟のうずら卵が良かったですね。



  ビーフシチューとニラオムレツ。



  三軒目は通りを渡って、美空ひばり像があることで有名な宮川町へ。コンクリートむき出し、立ち飲みの宮川町らしいお店ですが、本店は車橋で、他にも各地に展開するチェーン店のようです。



  もつ肉店というくらいですから、もつ&肉で。まずは、バーナーで炙る皿焼きレバー。奥のポテトサラダも凄い!



  写真がぼやけてしまいましたが、コリコリとしたコブクロ(豚子宮)。


  
  こちらもバーナーで炙る、塩ユッケ風ロースト。



  最後は僕は苦手なので食べませんでしたが、茹で豚足で締めました。


(上図をクリックすると拡大します)

 今回の散歩コースはこちらです。

百萬石

神奈川県横浜市中区花咲町1-30



鳥鳥



神奈川県横浜市中区野毛町1-36



宮川橋もつ肉店



神奈川県横浜市中区宮川町1-3



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水芭蕉・谷川岳の試飲会に行ってきました

2020年03月09日 | ワイン・日本酒・ビール


  3月4日、群馬・永井酒造さんの「水芭蕉」と「谷川岳」の試飲会へ行ってきました。試飲会場は東神奈川の「ほっこり酒処 千」です。年に1、2回こうした試飲会が催されるのですが、行けたり行けなかったりで、「鶴齢」以来1年振りの参加となりました。



  永井酒造さんがあるのは、群馬県利根郡川場村。北には尾瀬ヶ原があり、利根川の源流域に位置する川場村。硬度50mg/ℓほどの良質な軟水が豊富です。上の写真はこれから試飲する「水芭蕉」の仕込み水。いつもYMSでお世話になっている、米・食味鑑定士の芦垣裕さんによれば、川場村は「雪ほたか」と呼ばれる、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で10年連続金賞受賞、2016年には「世界一高いお米」としてギネス認定されたという、高級ブランド米(コシヒカリ)の産地でもあるそうです。また、人口3,500人の村に何と年間120万人が訪れ、日本一の道の駅にも選ばれたという、「川場田園プラザ」もあります。車で3時間もあれば行けるので、その内行ってみたいですね。

  さて、日本酒にシャンパンと同じ瓶内二次発酵を取り入れ、スパークリング日本酒の魁となるなど、独自の試みをされている永井酒造さん。スタートは、そのスパークリング日本酒開発のベースになったという、「水芭蕉・純米吟醸辛口スパークリング」(冒頭写真)。瓶内発酵しているので、炭酸の圧が強く、注意して開栓しないとシャンパンのように吹き出してしまいます。開栓と同時に泡が勢いよく立ち上り、お酒がサッと白く濁ります。一見甘そうですが、日本酒度は+8、大辛口に分類されます。それでもお米の香り、ほのかな甘みがあり、厚みもあります。



  今回も日本酒に合うお弁当を用意していただきました。



  続いて「水芭蕉・純米大吟醸・翠」。水芭蕉に翠(カワセミ)、何か尾瀬っぽいですね。一転して日本酒度は+1。兵庫の山田錦精米歩合50%、やわらかくキレがあり、飲みやすいです。単体で楽しむというよりは、刺身や魚の照り焼きなどに合わせたいですね。



  参加者の中で人気の高かった、「水芭蕉・春酒・純米吟醸」。その名の通り、春をイメージした桜色の瓶が美しいです。お酒も春は新酒が出るフレッシュな季節、日本酒度-2のやや甘口で、フレッシュさとしっかりとした甘みのあるお酒は、これまた春らしい若々しさを感じさせます。今年の冬はあまり寒くありませんでしたが、一方で新型コロナウィルスの騒ぎなど、雰囲気としては暗かったので、一層春が待ち遠しいです。



  単体で飲むなら個人的に一番好みだったのが、「水芭蕉・純米吟醸」。日本酒度+3のやや辛口、実にしっかりとした米の旨味を感じることができます。もちろん料理に合わせても良いと思います。



  先に色々と独自の試みをされているとお話ししましたが、こちらは年1回の限定品、「谷川岳・純米吟醸・一意専心」。日本酒度-1、先ほどの「水芭蕉・純米吟醸」よりこちらの方が料理に合わせやすいと思います。やさしくてキレがあり、バランスの良い出木杉君。35歳の若い杜氏さんがラベルのデザインまで担当されているそうで、見ての通りハーレーダビッドソンのロゴをイメージしているそうです。一意専心、杜氏さんの意気込みが伝わってくるようです。



  そろそろ飲み疲れてきた頃に、再び非常にキレのある超辛口、「谷川岳・超辛純米」。日本酒度+8、スパッとした呑みやすさと喉ごしのよさ、これぞ米、というほど米らしさを主張してきます。先ほどの「水芭蕉・純米吟醸」がゆっくり呑みたいお酒だとするなら、こちらは夏の蒸し暑い盛りに良く冷やしてスイスイと呑みたいお酒。これも非常に好みのタイプです。



  最後は非売品、「蔵人の隠し酒」。そこで写真も瓶の緑色を反射させたミステリアスな雰囲気にしてみました。程よい酸味で、素晴らしい飲みやすさです。

  総じて、どれもバランスがよく、量を飲んでもあまり疲れないお酒が今回は多かったように思います。川場村、ぜひ訪ねてみたいですね。

ほっこり酒処 千

神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1-8-11



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2020年2月アクセスランキング

2020年03月01日 | 人気記事ランキング


  連日コロナウィルスに関連する報道が世間を賑わせ、世界的な混乱は収まる気配を見せませんが、一日も早い終息と、日常の正常化を願っております。

  さて、早くも3月となりましたが、2020年2月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

  まず1つ順位を下げ3位でしたが、先月に引き続き「2020年新年会を開催しました」に多くのアクセスがありました。常連の2位「エコノミーとエコロジーの語源」は35ヶ月連続、5位「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」は14ヶ月連続です。

  6年半も前に投降した記事、9位「葉巻とお酒のマリアージュを楽しむ会」が突然のランクイン、原因は不明です。4位「やっとたどり着いたパエージャ・ランチーCASA DE FUJIMORI(関内)」は、さすが地元の老舗という気がいたします、多くのアクセスがありました。

  2月はたまたま交渉系のセミナー・講演が重なりましたが、6位「第16回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました」は日本交渉協会のイベント、7位「社内の対立・紛争を前進に変えるー第117回YMS」はYMSのイベントです。

1 トップページ
2 エコノミーとエコロジーの語源
3 2020年新年会を開催しました
4 やっとたどり着いたパエージャ・ランチーCASA DE FUJIMORI(関内)
5 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
6 第16回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました
7 社内の対立・紛争を前進に変えるー第117回YMS
8 2020年1月アクセスランキング
9 葉巻とお酒のマリアージュを楽しむ会
10 実は初、げんこつハンバーグーさわやか 富士錦店

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第16回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました

2020年02月22日 | 交渉アナリスト関係


  2月22日、日本交渉協会主催の第16回ネゴシエーション研究フォーラムに参加してきました。



  今回は、日本交渉学会副会長であり、一橋大学法科大学院特任教授、そして国際弁護士の射手矢好雄様より「ライシャワー博士の思い出と交渉の極意」と題してお話しいただきました。ライシャワー博士とは、故エドウィン・O・ライシャワー元駐日大使(1910‐1990)のことです。ライシャワー博士は占領時代の色が濃く残る1961年に駐日大使として赴任。「イコール・パートナーシップ(対等な日米関係)」を掲げ、日米関係の改善と強化に尽力されました。1972年の沖縄返還も博士の努力が大きく影響したと言われています。

  日本交渉学会も日本交渉協会も共に日本における交渉学のパイオニアである藤田忠先生が設立された団体であり、ライシャワー博士を交渉のロールモデルとしている点では同じです。射手矢先生は、ライシャワー博士と親交のあった、今や数少ない日本人のお一人であり、貴重なお話を伺うことができました。


エドウィン・O・ライシャワー博士(『ライシャワー自伝』(文藝春秋)より)

  先生とライシャワー博士との出会いは1986年。奥様のお父様が博士と京都帝国大学時代に親交があり、ハーバード・ロースクールの推薦状をもらうために博士宅を訪問されたのが始まりだそうです。博士は4年後の1990年に逝去されていますので、晩年の頃の出会いだったと言えます。博士が亡くなられた後も、お子さんたちとは現在も親交が続いているそうです。また、翌1987年には、後にハル・ライシャワー(松方春)夫人が「生涯最高の時」と述懐されたという、皇太子ご夫妻(現在の上皇・上皇后様)のライシャワー博士宅のご訪問のお手伝いもされ、その時の写真やエピソードも交えてお話しいただきました。



  射手矢先生によるライシャワー博士の人柄は、一言で言うと「凛として優しい」。先生が博士から学んだ一番のことは、「人生の質、相互理解が大事、常に複数の次元で考えよ」の3点。これを博士は事あるごとに繰り返しおっしゃっていたそうです。

  前述のように、学会と協会がロールモデルとするライシャワー博士ですが、博士ご自身は歴史学者であり交渉の専門家ではありません(ハングル文字のローマ字表記は博士が考案したと『ライシャワー自伝』で読んだ記憶があります)。しかし、博士は「世界は本当に一つになってきています。こうした世界では、私達はお互いに交渉で課題を解決する豊かな技術を育てなければなりません」と述べておられ、交渉を重視されていたことが分かります。そのことは亡くなる前年に札幌で行われた第2回日本交渉学会における基調講演でも表れています。以下は、射手矢先生が挙げられた講演の重要なポイントです。

1. 交渉の重要性

先の言葉に加え博士は、「交渉はかつてのようにゼロサムゲームではない。我々は協力することで利益を得ることができるのである」と述べておられます。

2.イコール・パートナーシップ

「有効なパートナーシップは、お互いの建設的交渉を通じてのみ達成され得る」

イコール・パートナーシップは世界平和、環境問題、貿易摩擦、第三世界の問題等、あらゆる分野の交渉においても重要だとおっしゃっています。

3.交渉スキルを高めるための主要な分野

①コミュニケーション力、語学を磨くことである。
②しかし、それよりも重要なのは、互いを知り、理解することである。
③ゼロサムではない、新たな交渉姿勢。我々は互いに歩み寄り、ある程度折れることで、お互いの理解と心の通い合いに至ることが可能となる。交渉を成功させるために必要なあらゆる物事の中で最も重要なのは、(ゼロサムから脱却するという)根本的な姿勢の変化である。

  確かに、『ライシャワー自伝』を読んでも、日米間の表面的な諸問題に対処するためであっても、博士はその背後にある当事者の思想、文化、メンタルモデルにまで踏み込んで理解しようとしていたことが分かります。



  まとめると、ライシャワー流交渉術とは以下の3点であると射手矢先生はおっしゃっていました。

1.互いの利益を高める
2.相互理解が重要
3.協力して発展の方法を探り、イコール・パートナーシップを築く


  ここには、後に実践的な交渉研究の嚆矢となり、一世を風靡したロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー、ブルース・パットンによる『ハーバード流交渉術』の原型が見られます。前述のように、ライシャワー博士は駐日米大使として来日した1961年には既に「イコール・パートナーシップ」を標榜されていましたから、『ハーバード流~』に先立つこと少なくとも20年ということになります。



  さて、フィッシャー、ユーリーらによって提唱された、交渉プロセスを評価するフレームワークに「交渉の7要素」があります。これは交渉の準備段階で非常に有用なものです。


交渉の7要素(上図をクリックすると拡大します)
引用:R. フィッシャー、 D. シャピロ著 『新ハーバード流交渉術 論理と感情をどう生かすか』(講談社)


  これら7つの要素を「自分」と「相手」についてそれぞれ評価します。同じハーバード大学のJ.セベニウスは、特に「利益」、「オプション」、「BATNA」の3要素は必ず評価せよと述べています(注)

注:セベニウスはこの3要素に「交渉相手」を加えています(参考:『最新ハーバード流 3D交渉術』)。フィッシャーらの交渉の7要素においては「交渉相手」は所与と思われます。


交渉の7つの鍵(上図をクリックすると拡大します)
引用:第16回ネゴシエーション研究フォーラム配布資料


  上図は、射手矢先生がハーバード大学で学んだロバート・C・ボルドーネの”Circle of Values”をベースに先の交渉の7要素を編成しなおしたものです。先生は、この図をぜひ名刺大にコピーして持ち歩き、身に着くまで繰り返し確認すると効果的だとおっしゃっていました。先生の経験から、これは米国人や中国人相手の交渉でも役立つそうです。交渉は理論と実務の両輪を回すことが大事だとおっしゃっていました。なお、さらにお知りになりたい方は、この図の出典である『うまくいく人はいつも交渉上手』をご覧ください。



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なぜか戻ってきたくなる味ー元祖赤のれん和亭/久留米ラーメン玄竜

2020年02月22日 | 食べ歩きデータベース


  近頃は福岡に行ってもラーメンを食べることはめっきり少なくなりました。嫌いになったというのではなく、今や関東はおろか海外でも九州ラーメンが普通に食べられるようになった、つまり一般化したためかもしれません。しかし、それでもやはり戻ってきたくなる味があります。それが僕にとっては「赤のれん」。

  かなり前、まだ渡辺通5丁目にお店があったころにブログでもご紹介していますが、23年前、福岡で仕事をしていた頃、最初に住んでいた部屋の近くにあったのが、この「赤のれん」。因みに、引っ越した部屋の近くにあったのが、当時はまだ小さかった「一風堂」です。当時24歳だった僕は、この二つのお店には本当にお世話になりました。

  渡辺通から大名に移転したのは2013年。移転して7年が経とうとしていますが、移転後は一度も訪れたことがありませんでした。しかし、今回大名本店の方ではなく、敢えて博多駅前4丁目の和亭の方にしたのは、昔懐かしい女将さんがいるからです。女将さんがいないと赤のれんに来たという感じがしません。

  当時400円だったラーメンは、現在550円。しかし、23年経過してまだこの価格に抑えられているというのは驚くべきことかと思います。近頃は福岡のラーメンも結構な値段するようになりましたので。博多ラーメンの中でも今や珍しい方なのではないかと思いますが、棒ラーメンのような弾力のない細硬麺は健在。人の記憶というのは曖昧なもので、歳を重ねたにもかかわらず、スープはむしろあっさりしたように感じました。しかし、その分今の自分にも食べやすく感じられ、あっという間に替え玉。

  九州ラーメンが食べたいのではなく、赤のれんが食べたいのだな、と自分の中で再認識しました。


(上図をクリックすると拡大します)

  店を出た後、本来歩けばものの10分で到着するところにホテルをとっていたにもかかわらず、確認もせず適当に歩き、さらには途中で方向を間違えたために、出張の重い荷物を持ったまま1時間さまよう羽目となりました。食べた分チャラという訳にはいきませんが、思わぬ出張中の良い運動になりました。余談ですが、途中通過した住吉5丁目は僕の本籍地でもあります。



  最近行かないとは言いましたが、翌日は九州営業所の仲間と「久留米ラーメン玄竜」へ行きました。「一幸舎」や昨年ご紹介した「黒豚とんこつ 金田家」と同じ、今風のクリーミーな「泡系」豚骨ラーメンです。

元祖 赤のれん 和亭



福岡県福岡市博多区博多駅前4-24-10



久留米ラーメン玄竜 苅田店

福岡県京都郡苅田町京町2-2



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実は初、げんこつハンバーグーさわやか 富士錦店

2020年02月21日 | 食べ歩きデータベース


  今年も営業所行脚の時期になりました。2003年に開所した富士営業所へは幾度となく足を運んでいるにもかかわらず、実は静岡県のソウルフードともいうべき、ハンバーグの「さわやか」に行ったことが一度もありませんでした。

  横浜にも「ハングリー・タイガー」という、国内ファミレスの元祖すかいらーくよりも古いハンバーグチェーンがあるのですが、横浜で50年近く生きていながら、実は「ハングリー・タイガー」にも行ったことがありません。外でハンバーグを食べるという経験自体があまりないのかもしれません。このブログでも「カウベル」ぐらいかと思います。



  有名な「げんこつハンバーグ」ですが、つなぎを使わず、玉ねぎなども入っていない、純粋に肉のうまみが楽しめる炭火焼きハンバーグ。熱した鉄板の上にボールのようなハンバーグが乗っており、テーブルで店員さんが半分にカットしてくれます。この際、紙のシートをめくりあげ、跳ねる油を避けるのが当地のやり方のようです。ハンバーグはかなりレアですので、レアすぎるのが苦手という方は店員さんに言えばカットしたハンバーグのレアな面を長めに鉄板に押し付けれくれます。

  ソースはオニオンソースとデミグラスソースの二種類。色々試した中では、ソースを使わず、塩と胡椒だけというのが一番肉のうまみを引き出せたように思います。テーブルに置いてあるハバネロソースも辛いのが苦手でなければお勧めですね。個人的には、塩・胡椒>ハバネロ>オニオンソース>デミグラスソースの順になりました。

 さすがは人気店、ボリュームもあって満足でした。

炭焼きレストランさわやか 富士錦店

静岡県富士市錦町1-11-16



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社内の対立・紛争を前進に変えるー第117回YMS

2020年02月20日 | YMS情報


  2月12日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第117回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。



  今回の講師は、僕が日本交渉協会で普段お世話になっている、コンサルタントの向展弘さん。「社内の対立・紛争を前進に変える」と題し、交渉学とも非常に共通点の多いコンフリクト・マネジメントの入門についてお話しいただきました。

  経営学者のチェスター・バーナードは、組織の成立要件として、

1.共通目的
2.貢献意欲
3.コミュニケーション

を挙げました。しかし、たとえ共通目的や貢献意欲を持っていたとしても、人の認識にはそれぞれ差異があるので、組織を形成すれば多かれ少なかれ対立(コンフリクト)が生じ得ます。コンフリクト・マネジメントとは、そのような対立が生じた場合に、それを放置せず積極的に問題解決を図ろうとする取り組みのことを言います。



  さて、初めにアイスブレイクとして「国境を超えろ!」という、コンフリクト・マネジメントでは有名なワークを行いました。ワークは次のようなものです。

「あなたと友人Aさんの間に国境線があると想像してください。国境線の内側はそれぞれの領土です。課題は『2分以内に対面する相手を自分の領土に入れること』です。さあ、どうしますか?」
引用:『人と組織を強くする交渉力〔第3版〕 (あらゆる紛争をWin-Winで解決する協調的交渉術)』

  このワークがコンフリクト・マネジメントのイントロとしてよく取り上げられるのは、対立を解決するために人がとると考えられる5つの解決方法を理解するのに好適だからです。


(上の写真をクリックすると拡大します)


  この5つの解決方法は、1976年に心理学者のケネス・W・トーマスとラルフ・H・キルマンが分類したもので、「二重関心モデル」と呼ばれます(上図)。つまり、人は「自分への配慮」と「相手への配慮」という二軸の観点から、「協調」、「強制」、「妥協」、「服従」、「回避」の手法を使い分けているというのです。この5つの解決法を先ほどの「国境を超えろ!」に当てはめますと、

回避:お互い相手の説得を試みるも時間切れになる、あるいは交渉をしない(lose-lose)。
服従:一方が、相手に従って境界線を跨ぐ(win-lose)
妥協:双方譲り合い、片足だけ境界線を跨ぐ(lose-lose)
強制:お互いに相手を自分の領域に引き込もうとする(win-lose)
協調:話し合って、双方が同時に相手の領域に入る(win-win)

というようになります。つまり、5つの解決法のうち「協調」だけが互いに得をする、いわゆる「win-win」につながることが分かります。しかし、双方同時に相手の領域に入るには、まず「自分も境界を跨いで構わないのだ」と思考の枠を広げられる「発想の転換」(リフレーミング)、話し合って合意する「コミュニケーション」、約束を履行する「信頼」の3条件が必要であることが分かります。因みに、対立の解決法として、常に「協調」が正しく、その他が誤っているという訳ではありません。対立が起きているコンテクストによっては、「回避」や「強制」が望ましい場合もあるという点に注意が必要です。

  ところで、交渉学では「服従」、「妥協」、「強制」のように、「自分」と「相手」のいずれかの配慮に偏る交渉を「分配型交渉」、「協調」のように、「自分」と「相手」のどちらにも配慮し、双方が満足する価値を創造する交渉を「統合型交渉」と呼んでいます。この「分配型交渉」と「統合型交渉」を直観的に理解するために、交渉学で必ずと言っていいほど採り上げられる、「オレンジをめぐる姉妹の交渉」があります。

「ある姉妹が、1個のオレンジをめぐって争っていました。お母さんが仲裁に入りますが、互いに譲ろうとしません。あなたがお母さんの立場だったとしたら、どのように解決しますか?」

 これを先ほどの「二重関心モデル」に当てはめてみましょう。もちろん、解決策は他にも考えられると思います。

回避:双方譲らず。
服従:どちらかを一方的に我慢させる(「お姉ちゃんなんだから」、「妹なんだから」)
妥協:お姉ちゃんにカットさせ、妹に欲しい方をとらせる
強制:母親が仲裁案を強制する(「今回は妹に譲り、次はお姉ちゃんに譲りなさい」)

  これらのいずれの解決策も決まった大きさの価値を分配しているだけなので、当事者の満足度は下がります。分配型交渉にはこのような性質があります。最後の、双方が「win-win」となる「協調」について考えてみましょう。先ほど、「協調」の解決法には「リフレーミング」、「コミュニケーション」、「信頼」の3条件が必要であると述べました。そこでお母さんは、姉妹にオレンジを手に入れてどうしたのか質問しました。すると、姉はマーマレードを作るために皮が欲しいと思っており、妹はジュースを作るために実だけが欲しいと思っていることが分かりました(コミュニケーション)。そうであれば、オレンジ1個をどうするかではなく、姉には皮だけ、妹には実だけあげればよいということが分かります(リフレーミング)。この仲裁案に、お母さんのいうことなので、双方が納得しました(信頼)。そして、どちらも満足する解決となったのです。

  オレンジ1個であることに変わりありませんが、「1個のオレンジをどこで分配するか」という発想にとらわれていれば、得られるオレンジは最大で半分、つまり満足度は50%ということになります。決まった大きさの価値を分配しているので、これは「分配型交渉」です。これに対し、「皮と実を分ける」と発想を転換したことによって、満足度は100%になりました。つまり、倍の価値を創造したことになります。これが「統合型交渉」です。

  「二重関心モデル」が「自分」と「相手」の二軸で考えたように、統合型交渉も「自分のニーズ」と「相手のニーズ」というように複数の軸で考えることが必要です。軸が複数あるということは、そこに利害の対立があるということでもあります。つまり、コンフリクトそのものは、双方がより得をする「価値創造のための母胎であると言うことができ、必ずしも忌避すべきものではないのです。

  さて、コンフリクトを生み出す要因は、上記のような立場(例:「オレンジが欲しい」)やニーズ(例:「皮が欲しい」、「実が欲しい」)だけではありません。物事を捉える認知の違いや感情のズレもコンフリクトの要因となります。むしろ認知や感情の相違の方が対立の原因としては多いかもしれません。


出典:https://matome.naver.jp/odai/2142589139748345701

  認知については、ゲシュタルト心理学の有名なだまし絵に上のようなものがあります。これが若い女性に見えるという人もいれば、老婆に見えるという人、あるいは猫がいるようにしか見えないという人、全て見えるという人等々、見る人により様々な答えが返ってきます。つまり、人の認知はそれそれであるということです。にもかかわらず、人は自分の認知こそが正しいと思うので、対立が起こるという訳です。「事実と解釈は異なる」ということを我々は理解しておくことが大切です。

  まとめるとコンフリクト・マネジメントにおいても、交渉においても、「相違や対立は価値創造の母胎でありうること」、「対立(交渉)する相手は、敵ではなく問題解決のためのパートナーであること」、「人の認知はそれぞれ異なるということ」を理解しておくことが重要だということです。組織にコンフリクトは避けられませんが、このことを理解しておけば、それを利用して逆に組織を強くすることさえできます。コンフリクトが組織を崩壊させるか、強くするか。我々の認識と行動次第だという言えそうですね。

  次回、第118回YMS(3月11日)は開催会場が通常と異なりますので、FBでの告知にご注意ください。

過去のセミナーレポートはこちら

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やっとたどり着いたパエージャ・ランチーCASA DE FUJIMORI(関内)

2020年02月10日 | 食べ歩きデータベース


  今年で開店50年、横浜におけるスペイン料理の老舗ながら人気店ゆえになかなかお邪魔することのできなかった、カサ・デ・フジモリへついに行ってきました。平日のランチなら入れるのではないかと思い、お昼を少し外した13時に行ったところ、ちょうどお店が空いており、無事二人席を取ることができました。ところが、我々が入ってから続々とお客さんが入ってこられ、程なくしてお店は満席に。到着したタイミングが幸運だったようです。因みに、通りを挟んだ向かいには「バール・エスパニョール」という、その名の通りのスペイン・バルがありますが、こちらも系列店です。

  平日のお昼としてはちょっと多いかと思ったのですが、折角来たのでパエージャ・ランチを頼むことにしました。初めに、スペインの前菜3品盛合わせ。数ある前菜から3品選べるのですが、「スペイン風オムレツ」、「小海老のオリーブ油焼」、「マッシュルームのアヒージョ」を選択しました(冒頭写真)。中でも良かったのが、マッシュルームのアヒージョ。マッシュルームが好きということもあるのですが、玉ねぎ、ベーコン、ニンニクの入ったオリーブ油が最高!パンを浸してきれいに食べてしまいました。そうでないともったいないです。



  「生ハムと洋野菜のサラダ」は生ハムの塩味、オリーブ油と酢でサッパリと。



  そして、お待ちかね「魚介類のバエージャ(パエリア)」は2人前から。アサリとムール貝がたくさん載っていて、食欲をそそるとても良い香りが漂ってきます。さらにしっかりお焦げも香ばしく。先日の「スペイン食堂石井」のパエリアも美味しかったですが、甲乙つけ難いですね。2人前としてはそこそこボリュームがあったのですが、あっという間に美味しく頂けました。

  たまたま商談中でもあり、オプションのデザートは選択しなかったのでここまでですが、大満足なランチでした。他のランチメニューも気になるものばかりです。またタイミングよくお邪魔できればと思います。

カサ・デ・フジモリ



神奈川県横浜市中区相生町1-25



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2020年1月アクセスランキング

2020年02月05日 | 人気記事ランキング


 あっという間に2月ですね。今年はあまり寒くないので、あまり2月という実感がわきません。新型コロナウィルスが世間を賑わせております。インフルエンザも相変わらず流行っておりますので、みなさまくれぐれもご自愛ください。

 さて、2020年1月にアクセスの多かった記事、トップ10です。年が改まり、どのような動きとなったでしょうか…。

 個別記事のトップは、「2020年新年会を開催しました」でした。弊社フィリピン工場の「Nakano Tonyeh X'mas Party 2019」も6位に入り、変わらぬご厚意に心より感謝申し上げます。

 また、3位「10年目に向け、感謝をこめてー第115回YMS」、5位「歯と心身の不思議な関係―第116回YMS」と、YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)関連の記事もダブルで上位にランクインしました。こちらも厚く御礼申し上げます。

 先月まで6ヶ月連続でランクインしていた「創業85周年の集い-キックオフミーティング2019」がとうとう圏外に。一方、常連の4位「エコノミーとエコロジーの語源」は34ヶ月連続、9位「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」は13ヶ月連続です。

 定番の2記事を除けば、全て2020年に入ってからの記事というのが、1月の特徴でした。

1 トップページ
2 2020年新年会を開催しました
3 10年目に向け、感謝をこめてー第115回YMS
4 エコノミーとエコロジーの語源
5 歯と心身の不思議な関係―第116回YMS
6 Nakano Tonyeh X'mas Party 2019
7 御錦天-上海・中華料理
8 クラフトビール、魚、そしてショウガー暁タップス ビアロバタ 芝大門
9 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
10 2019年11月アクセスランキング

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うま味しみわたる濃厚パエリアースペイン食堂石井(旗の台)

2020年01月24日 | 食べ歩きデータベース


  久しぶりに『孤独のグルメ』(Season6第9話)に登場したお店、旗の台にある「スペイン食堂石井」さんに行ってきました。

【過去に掲載した、『孤独のグルメ』に登場した店】
中国家庭料理 楊 (Season1)
羊香味坊 (Season6)
カヤシマ (Season1)
青山シャンウェイ (Season4)

  スペイン系ですと、過去にはバスク料理の「ビオッツア」、シェリー酒の「しぇりークラブ 銀座店」を取り上げたことがありますが、スペイン料理は大勢で食べるというイメージがあり、あまり行くことがなかったように思います。

  しかし、こちらのお店では、パエリアが1人前から食べられます(珍しいことではないのかもしれませんが)。冒頭にあげた写真は、「魚介のパエリア」。正直、これまで僕が抱いていたパエリアのイメージは、「見た目の豪華さの割に、味が淡白」というものでした。しかし、このパエリアは小さなパエジェーラでじっくりと炊くためなのか、魚介の旨味がたっぷりしみ込み実に濃厚。その上、表面積に占めるおこげの割合が多くなるため香ばしさも際立ち、僕の中のパエリアのイメージが完全に覆ってしまいました。そして、お米の芯もちゃんと残っています。イカ墨のパエリアやオマール海老のパエリアなど、魅力的なパエリアが他にも。ただし、炊きあがるまでに時間がかかるので、最初に頼んでおいたほうが良いと思います。



  最初の一杯は、カバ(スペインのスパークリングワイン)と自家製サングリア。パンも自家製だそうですが、柔らかく熱々で、離れていても香ばしい香りが漂ってきます。実にお勧めです(追加注文可能)。これを料理のソースやオリーブオイルにつけて食べるだけでも十分に楽しめます。



  「長谷川さんこだわりのマッシュルームの鉄板焼き」。長谷川さんというのは生産農家さんのお名前らしいです。大きなマッシュルームの旨味、上にのったベーコンの塩味、そしてオリーブオイルに唐辛子と少し酢が加わっているのでしょうか?程よい酸味でさっぱりと食べられます。



  赤ワインは、ひとりカラフェで。あまり考えたことがなかったのですが、カラフェとデキャンタはその用途が違うのだそうです。ざっくり言えば、カラフェは若いワインを空気に触れさせることで香りを開くのが目的、デキャンタは年代物のワインの沈殿物を分離するのが目的なのだそうです。



  鱈、海老、アサリ、ムール貝などがたっぷり入った、サルセーラ(ブイヤベース)。これを先ほどのパンにしみしみさせて食べるのです。



  牛ほほの煮込み。ほろほろとした柔らか煮込み、赤ワインに合わせて。



  パンがあまりにも美味しかったので、まだ何かつけて食べたい…。そうだ、アヒージョ!まるまるとした、ぷりぷりの牡蠣がごろごろ入った、「牡蠣とベーコンのアヒージョ」。牡蠣とベーコンを一緒に食べると、一層美味しいです。追加のパンも熱々で出てきて、それに牡蠣のうまみが溶け込んだ、グラグラのニンニク・オリーブオイルをたっぷり浸けて食べます。



  デザートは、クレームブリュレ。甘味の抑えられた、あっさりとしたカスタードでした。

  今回、開店と同時に入ったのですが、平日にもかかわらずお店はあっという間に満席。まだいくつも気になるメニューがあるので、またお邪魔したいと思います。



スペイン食堂 石井



東京都品川区旗の台2-1-31 岩瀬荘



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2019年12月アクセスランキング

2020年01月13日 | 人気記事ランキング


  これまで原則月初に更新していたアクセスランキングですが、前月の解析結果が出るまでに数日を要するということが分かりました。そこで今月はランキングの更新を調整のため2度行い、来月以降は更新時期を少し遅らせることで、前月のランキングをお知らせすることにしようと思います。

  さて、2019年12月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

  まず、6位「創業85周年の集い-キックオフミーティング2019」がついに6ヶ月連続のランクイン。新たな常連記事となりつつあります。そしてかつての常連、8位「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」が3ヶ月ぶりに復活しました。2位「エコノミーとエコロジーの語源」は33ヶ月連続、9位「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」は12ヶ月連続です。

  12月は大きく分ければ、上の常連記事か、セミナー系の記事かに分かれました。セミナー系の記事というのは以下の4つです。

3位「価値交換型ビジネスの時代-第44回燮(やわらぎ)会」
5位「日本実務能力開発協会交流会(第17回)に参加しました」
7位「着物をもっと自由に楽しむー第114回YMS」
10位「【講演メモ】「戦国武将に学ぶ経営術」」

 12月の更新が無かったためでもありますが、3位「価値交換型ビジネスの時代-第44回燮(やわらぎ)会」、5位「日本実務能力開発協会交流会(第17回)に参加しました」、7位「着物をもっと自由に楽しむー第114回YMS」は、2カ月連続のランクインとなりました。

1 トップページ
2 エコノミーとエコロジーの語源
3 価値交換型ビジネスの時代-第44回燮(やわらぎ)会
4 2019年10月アクセスランキング
5 日本実務能力開発協会交流会(第17回)に参加しました
6 創業85周年の集い-キックオフミーティング2019
7 着物をもっと自由に楽しむー第114回YMS
8 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
9 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
10 【講演メモ】「戦国武将に学ぶ経営術」

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