窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

夏酒特集-アカツキノクラ(横浜駅西口)

2018年07月13日 | ワイン・日本酒・ビール


  全国津々浦々のお酒を自分で棚から選んでテイスティングのように楽しめる、立ち飲み居酒屋(椅子もあります)「アカツキノクラ」をご紹介いただき、夏のお酒を求めて行ってきました。



  姉妹店で居酒屋スタイルの「酒とったり」と繋がっており、ちょっとしたつまみを除く料理の方はそちらから運ばれてくるようです。立ち飲み居酒屋とはいっても、ビルの二階にあり冷房が効き、店内はお洒落な造りで女性も気兼ねなく楽しめるのではないかと思います。



  店に入ると、壁の一面が棚になっており、全国から集まった数々のお酒がずらりと並んでいます。それぞれのお酒の上下には、様々な色の升が置いてあり、この升をカウンターに持って行くと、お酒を注いでもらうことができます。升の色によって値段が異なるようです。支払いはテーブル番号に応じて加算されるので、最後にまとめて清算する形式です。



  最初の一杯は、鳥取県福羅酒造の「山陰東郷 炭酸割専用原酒」。「最初の一杯にお勧め」というPOPを素直に受け取って選びました。見れば、猪口の中に氷が入っています。アルコール度数19度とやや高めの甘口で、「炭酸割専用」とあるだけで発泡しているわけではありません。氷のためか薄まってしまいましたが、軽く乳酸飲料のような爽やかな酸味が感じられ、抵抗なく一気に飲めてしまうので、確かに最初の乾杯には良いかも言しれません。



  続いて、ラベルのセミが一際目を引く、福岡県株式会社みいの寿の「三井の寿 夏純吟 Cicala」。祖母の故郷、甘木の蔵元さんです。” Cicala”は文字通り、イタリア語でセミのこと。アルコール度数15%、こちらも爽やかな酸味があり、キリっとしてまさに夏向け。



  切り絵花火のデザインラベルが、まさに夏のお酒であることを暗示する、愛媛県成龍酒造の「伊予賀儀屋 清涼純米 花火」。こちらは程よい甘みとコクが感じられ、たまたまですが、飲む順番としては良かったと思います。今回の中では一番、コメを感じられるお酒でした。



  名前は「雪の松島」でも夏に合う、さっぱりとした辛口のお酒、宮城県大和蔵酒造の「雪の松島 特別純米酒」。少し緩んだ口の中を再び引き締め、夏に戻してくれます。因みに、ラベルの裏にはイルカが描かれており、薄い青の瓶を裏に回すと、水族館のイルカが泳いでいるように見えます。



  最後は、この日一番の辛口、石川県車多酒造の「天狗舞 超辛純米」。夏限定品らしいです。最後にマッチョな、これぞ辛口というお酒になりました。自分の中では非常に好きなタイプのお酒です。

アカツキノクラ



神奈川県横浜市西区南幸1-10-16 2階



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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知的複眼思考のすすめ-第97回YMS

2018年07月12日 | YMS情報


  7月11日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第97回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。

  今回の講師は、関東ディベート交流協会事務局長、僕自身も日ごろ日本交渉協会でお世話になっている高瀬誠先生。「知的複眼思考のすすめ-理性と感性を統合するEQディベート」と題してご講義いただきました。昨年11月に開催された、日本交渉協会の「第12回ネゴシエーション研究フォーラム」も同じテーマでしたので、重なる部分も多くありますが、ご了承ください。

  ディベートというと、「論理的な言動で相手を論破する」攻撃的なもの、何か理屈っぽく人間的な温かみのないネガティブなイメージがかつての僕にはありました。テレビで見かけるいわゆる討論番組というものが、そのようなイメージに拍車をかけているのかもしれません。しかし高瀬さんによれば、ディベートの第一義は、聴き手を説得させるのではなく納得させることにあるそうで、しかもその相手は討論の相手ではなく第三者だということです。

  したがって、ディベートには言語的・非言語的に関わらず、コミュニケーションの総合力が求められます。ひょっとすると、ディベートにネガティブなイメージを持っている人の多くは、”debate”(討論)と”dispute”(論争)を混同してしまっているのかもしれません。

  コミュニケーションを「言葉などを通じて自分の気持ちや意見を相手に伝えること」と定義し、その対象によって分類すると、ディベートは以下のように位置付けられます。

①対象が自分:決断(意思決定)
②対象が相手:指示・命令
③対象が自分と相手:交渉
④対象が第三者:ディベート

  次に、コミュニケーション能力には以下のようなコンピテンシー(その方面に優れた能力を発揮する人々に共通する能力)があると言います。

①論理的思考能力(主張を論理的に構築する)
②傾聴力(聞く<聴く<訊く:問題意識を持って訊く)
③表現力(何を言うか<誰が言うか:パトス(感性)の利いたプレゼンスキル)
④平常心(相手が自分を認めない限り、Win-winの関係を作ることはできない)

前述のようにディベートとは第三者を納得させる技術であり、また主張者を遮ることも許されません。つまり、ディベートにおいても上記のコンピテンシーが求められるということになります。



  ディベートは分類すると、以下の4つのタイプに分かれるそうです。

1.アカデミック・ディベート(米国式・日本の主流)

  日本ディベート協会のHPによれば、アカデミック・ディベートとは、「議論の教育を目的とし、ひとつの論題の下、2チームの話し手が肯定する立場と否定する立場とに分かれ、自分たちの議論の相手に対する優位性を第三者であるジャッジに理解してもらうことを意図したうえで、客観的な証拠資料に基づいて論理的に議論をするコミュニケーション活動」とあります。一言で言えば、学生が行うディベートであり、事前のリサーチ力・論証力を重視します。
 
  興味深かったのは、2015年に行われた囚人とハーバード大学の学生とのディベート大会で、囚人が学生を負かしたというお話です。囚人が勝ったということ自体が大事なのではなく、こちらの記事にあるように、ディベートが彼らに与えた好影響は、ディベートを学ぶことの意義を良く表していると思います。

2.パーラメンタリー・ディベート(英国式)

  こちらも日本ディベート協会のHPによれば、「ディベートの試合直前の数十分間前に論題を示し、即興的に行うディベート」とあります。即興性重視型ディベートも呼ばれ、スピーチ力、即興力、日ごろの実力が重視されます。

3.サブスタンティブ・ディベート

  一言で言えば社会人のディベート。構成や論理展開のみならず、説得力のある裏付けなど結果が重視されるディベートと言えます。

  これらの一般的なディベートが比較的論理性重視だとすれば、高瀬さんが行っているEQディベートとは論理と感性の相互作用を重視するディベートであるということができます。EQディベートでは専門家である審査員のみならず、一般の聴衆にも投票権があります。つまり、一般聴衆をも納得させるには論理だけでは不十分だということです。

  ディベートの起源は、古代ギリシアにおける「弁論術」や「弁証術」に遡ると言われています。『弁論術』を著したアリストテレスは、人を説得するためには(即ち、ディベートのためには)、ロゴス(論理)、パトス(共感)、エトス(信頼)の三要素が重要であると述べています。この三者は不可分の関係にあり、強いて言うならロゴス(論理)がエトス(信頼)を醸成し、さらにパトス(共感)がそれを強化する関係にあると言えそうです。高瀬さんの提唱しておられる「EQディベート」には、この三つの要素がバランスよく求められるということになります。EQディベートは、人間の右脳、左脳そして大脳辺縁系(いわゆる感情脳)をバランスよく鍛え、結果として前述の4つのコンピテンシーを磨くことにつながります。

  今回のテーマにある「知的複眼的思考」とは、ディベートによって磨かれる視野・思考力のことを言います。ディベートは物事の肯定と否定が常に両方できなければなりません。自ずとディベートを行うことにより、物事を両面から見る訓練になります。「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことを言う」という、アルバート・アインシュタインの有名な言葉がありますが、ディベートは固定概念を疑い、物事を広い視野で見る格好の訓練であると言えるでしょう。

「第一級の知性を計る基準は、二つの相対立する思想を同時に抱きながら、しかもそれらを機能させる能力を維持できるかどうかということである」―スコット・フィッツジェラルド―



  今回はロゴス(論理)、パトス(共感)、エトス(信頼)の内、感性(パトス)に働きかけるポイントとして、視覚の力、音声の力、言葉の力についてのお話がありました。

  まず「視覚」ですが、アイコネクトという、複数の聴き手に対してワンセンテンスごとに一人の目を見て話すというワークを行いました。簡単そうですが、3人程度の相手ですと全員を簡単に見渡すことができてしまうため、「ワンセンテンス・ワンパーソン」というのが意外に難しいことに気付きました。しかし、たとえそうであってもアイコネクトは間違いなく、その場の活性化に大きな役割を果たしていました。また、視線のほかボディ・ランゲージや姿勢の重要性についても触れられていました。

  その他の手法としては、アメリカの教育学者ピーター・クラインによって開発された”Good and New”も参考になりました。つまり、24時間以内にあった「よかったこと」や「新しい発見」を1分程度で発表するというものです。

  次に「音声(声)」。声は最も簡単に印象を変えられる強力なツール。大小、高低、スピード、店舗、そして間を工夫することで、いかに印象を変えることができるか?僕も最近テレビのインタビューを受けましたが、工夫の余地が大いにあったなと思います。最後の「間」には了解を得る間、期待させる間、展開を図る間の三つがあり、これらを学ぶには落語が最適だそうです。

三つ目は「言葉」。強い言葉を作るための5つの方法として、

①五感法…五感に訴える言葉をバランスよく盛り込む
②天地法…ギャップによりインパクトを与える
③驚嘆法…サプライズワードを盛り込む
④繰り返し法…リピートによる記憶の定着
⑤極み法…結言のキーワードから始める

が紹介されました。

  最後に、高瀬さんのお話から一つ、特に印象に残った言葉をご紹介したいと思います。

「人が動くのは心が動くから。感動という言葉はあっても、理動はない」

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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起死回生の一発!…-日本プロ野球2018 横浜vs中日12回戦

2018年07月11日 | スポーツ観戦記


  はじめに。この度の西日本を中心とする豪雨で被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

  7月9日。オールスターゲーム前の最後の三連戦の初戦、横浜スタジアムに横浜vs中日の12回戦の観戦に行ってきました。

  セントラルリーグはここまで首位広島が2位以下に7ゲーム差をつけ独走。2位以下は全チーム勝率5割未満で、しかも最下位まで2ゲーム差の中にひしめくという1強5弱状態。連日順位が入れ替わる中、この試合の前まで横浜は阪神と同率の2位。ロペス選手、梶谷選手といった主力の故障や、昨年活躍した主力投手陣の相次ぐ不調など6月は特に苦しいチーム状態でしたが、何とか脱落せず持ちこたえている印象です。また、この日は高城選手と白崎選手の突然のトレードが発表され、驚かれたファンも多かったのではないかと思います。何しろ高城選手は1日の広島戦で先発出場していましたから。



  横浜の先発は前回観戦の時と同じ、バリオス投手。ここまで2勝4敗ながら、6月26日の阪神戦、続く7月3日の巨人戦共に5回までなら完全試合という素晴らしい内容でした。

  しかし、この日は初回から京田選手に痛烈な二塁打を浴び、5回までで8安打2四球、89球と、あまり調子は良くありませんでした。それでも2失点でまとめた点はよかったのではないかと思います。



  一方、中日の先発は2年目の笠原投手。三塁側から見るに、腕が遅れて出てくるのでタイミングがとりづらそうでした。この日は特に外角のカットボールが有効だったように見えました。



  試合はいきなり初回から動きます。1回裏、横浜は先頭の桑原選手、二番の上里選手が倒れ二死となるのですが、続く宮崎選手がカウント2-0から外角高めに甘く入ったカットボールを捕らえ、バックスクリーンにライナーで届く豪快な一発を放ちます。宮崎選手はこれで自己最高の16号。本塁打数も1位の筒香選手にあと3本と迫ります。



  しかし、前述のように、この日は横浜先発のバリオス投手がピリッとしません。2回表、ビシエド選手、高橋選手にヒットを浴び、一死二塁・一塁とされると、地元横浜高校出身、かつ横浜戦には強い印象のある福田選手にタイムリーヒットを浴び、たちまち同点に追いつかれてしまいます。



  3回裏。横浜は先頭から四球とヒットで無死二塁・一塁のチャンスを作りますが、神里選手がスリーバント失敗。続く宮崎選手、筒香選手も倒れ、チャンスを逸してしまいます。



  4回裏。横浜は先頭のソト選手が、外角真ん中の初球ストレートを完璧に捕らえます。打った瞬間に本塁打と分かる打球は、レフトスタンドのワミレスの看板をも越え、場外へと飛び出します。



  勝ち越した横浜。これで流れが来るかと思ったのですが、直後の5回表。先頭から二者連続で三振に切って取り、早々と二死までこぎつけたにもかかわらず、例により5回までのバリオス投手。そこから二者連続で四球を与えた挙句、アルモンテ選手にタイムリーヒットを浴び、同点に追いつかれてしまいます。



  5回裏。横浜は二つの四球と暴投により、二死二塁・一塁のチャンスを得ますが、筒香選手がピッチャーゴロに倒れ、またもチャンスを逸します。流れは徐々に中日へ。この試合の筒香選手は打撃面では良いところがありませんでした。



  6回表。横浜はバリオス投手から、今年の開幕投手ながら調子のあがらない石田投手へと交代します。



  石田投手、オールスター前の調整登板の意味もあったでしょう。しかし、それでもやはりピリッとしません。下位打線にもかかわらず、先頭の福田選手に早速四球を与えると、犠打で一死二塁。ここで、選手生活21年で本塁打が年平均2本にも満たない代打の荒木選手に、何と本塁打を浴びてしまいます。点を取られては取り返され、再三のチャンスも潰し、嫌な流れになっていたところに、この2点は致命的でした。ソト選手のあの豪快な本塁打は何だったのか…。気が付くと、ビールの売り子がニコニコしながら目の前に立っていました。



  さらに京田選手にもヒットを打たれ、さらに盗塁は今年から導入された、監督リクエストによるリプレイ検証となるもセーフ。幸い、続く平田選手を三振に討ち取り、さらなる追加点は許しませんでした。



  6回裏。中日も佐藤投手に交代して継投に入ります。佐藤投手は6回裏を三者凡退に討ち取ります。



  7回裏。横浜は6回から守備交代していた乙坂選手が四球を選んで出塁します。ところが続く柴田選手が最悪の併殺打であっという間に二死。それでも続く桑原選手がヒットで出塁し、何とか食らいつきます。



  次は投手の打順で、この重苦しい雰囲気を変えてくれるのはもうこの男しかいない。豪快な一発が魅力の2年目、代打佐野選手。後付けではなく、何となく予感はありました。初球のカーブをものの見事にレフトスタンドへ!まさに球場の雰囲気を一変させる、起死回生の同点本塁打。外角に甘く入ったとは言え、代打の初球で本当によく打ったなと思います。



  先ほどまでの流れが嘘のよう。流れは横浜へと傾き、一気呵成に攻勢をかけます。続く宮崎選手もフェンス直撃の二塁打。



  たまらず中日は三番手岡田投手に交代。しかし、その岡田投手も筒香選手に四球を与え、二死二塁・一塁。



  そして今最も頼りになる、ソト選手。まさしく初球ソト、高めのスライダーを捕らえ、二塁打。ついに横浜が4vs5と勝ち越します。



  とはいうものの、終盤とはいえまだ1点差。8回表、三番手で登板した砂田投手が中日の代打攻勢を三人で切って取ったことは、中日の流れを断ち切る大きな貢献だったと思います。



  そしてお待ちかねのヤスアキジャンンプ。球場が揺れ、異様な雰囲気を創り出します。



  このところ、得意のツーシームを見切られ苦しい投球内容が続いている山崎投手。しかし、この日は先頭の京田選手に対し、まず徹底した直球勝負で三振。

  しかし、それ以降は全部ツーシーム。平田選手にこそ四球を与えたものの、怖いビシエド選手、アルモンテ選手を三振に切って取り、試合終了。山崎投手は4年連続20セーブに王手をかける19セーブ目。横浜は4連勝で単独2位、最大6あった借金も2まで戻してきました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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【よみがえり9周年】横浜市の人口を超えました

2018年07月04日 | リサイクル軍手の世界


  日頃ご愛顧いただいております、古着をリサクルして作られた「特殊紡績手袋 よみがえり」シリーズは、2018年6月で発売9周年を迎えました。

  そして9年間の累計販売数は374万双となり、地元横浜市の人口371万人(平成30年1月現在)を超えました。つまり横浜市に住む全ての皆様、横浜スタジアムを満席にして129試合分の皆様にお使いいただいたことになります。心より感謝申し上げます。

  その間、再利用した不要衣類は推計178トン、Yシャツに換算して89万着に相当します。

  手袋のために生産した特殊紡績糸の総延長は195万㎞に達し、これは地球を48周、地球から月までの距離の5倍にあたります。

  経済産業省『繊維製品(衣料品)のLCA調査報告書』(2003)に基づくと、同等重量の純綿軍手と比較した場合のライフサイクル全体から見たCO2発生抑制効果は140.5トンとなり、林野庁HPの80年生スギ人工林の年間CO2吸収量を参考にしますと、これだけのC02を1年で吸収するには305.5㎡の森林が必要になるそうです。これは東京ドームの6.5倍の面積に相当します。

  以前、「リファッション・ワークショップ」での発表で、Tシャツ1枚の綿花を生産するのにスプーン10杯の農薬を使用する、ジーンズ1枚の綿花を生産するのに800ℓの水を使用すると聞いたことがあります。Tシャツ1枚を142g、スプーン10杯を30gとすれば、約45トンの農薬使用の抑制効果。また、ジーンズ1枚を800gとすれば、21万6千人(渋谷区の人口に匹敵します)の人が1年間に必要とする水の量を節約した計算になります。



  これからも「特殊紡績手袋 よみがえり」シリーズをよろしくお願い申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした






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交渉のゲーム的要素を学ぶ-第37回燮会

2018年07月02日 | 交渉アナリスト関係


  6月30日、日本交渉協会が主催する交渉アナリスト1級会員のための勉強会、第37回燮(やわらぎ)会を開催しました。

  「交渉分析」のベースにある重要な学問領域の一つに「ゲーム理論」があります。ゲーム理論とは簡単に言うと、複数のプレイヤーによる意思決定を数学モデルで研究する学問のことです。”Negotiation Analysis”の著者、ハワード・ライファ先生も元はこの分野に多大な貢献をしたゲーム理論の専門家でした。

  ”Negotiation Analysis”では、難解な数学を排し(付録として説明されてはいますが)、ゲーム理論のモデルを幾つか紹介しています。それらのモデルが交渉を分析する上での思考のベースとなります。

  今回は交渉における(「ゲーム理論」という意味での)ゲーム的要素を学ぶため、”Win As Much As You Can(できるだけ儲けよ)”という演習を行いました。



  ルールはいたって簡単です。まずプレイは4人で行い、手持ちの「X」または「Y」と書かれたカードのいずれか1枚を一斉に出します。出されたカードの結果を上にあるような「得点カード」と照合し、各プレイヤーの得点を算出し「得点表」に書き込みます。これで1ラウンドが終了し、全10ラウンドをプレイした後、総得点の最も多かったプレイヤーが勝者となります。なお、第5、第8、第10ラウンドはボーナスラウンドとなっており、これらのラウンドでは得点がそれぞれ3倍、5倍、10倍となります。

  なお、ゲームの間、プレイヤーは互いに話や筆談をしたり、どちらのカードを出すかの意思表示をしてはなりません。例外はボーナスラウンドの前で、この時だけは3分間事前にプレイヤー間でコミュニケーションを取ることが認められます。



  今回は2つのグループで、10ラウンド1回のゲームを3回行いました。

  結果は、得点格差が大きく開いてしまったチーム、驚くほど均質だったチーム、途中まで協調していたにもかかわらず、最後のボーナスラウンドで裏切られ大逆転が起こってしまったチームなど、様々なバリエーションが生まれました。それでも戦略的に考えれば、ボーナスラウンドでもっと裏切りが起こってもよさそうだったのですが、予想したほどそれは起こりませんでした。

  実は、”Win As Much As You Can”の”You”には、二つの意味があります。「あなた」と「あなた方」です。明言はしませんでしたが、このゲームは個人として得点を競うばかりでなく、全体としての得点を増やせるかという視点の拡大が可能です。後でいただいた感想を拝見しますと、この点について多くの皆さんは気づいておられたようでした。

  さて、この”Win As Much As You Can”、ルールがオーソドックスなゲーム理論のルールと非常に似通っていることが分かります。オーソドックスなゲーム理論のルールとは、以下のようなものです。

1.固定化された戦略
2.二つの代替案
3.完全情報
4.共通知識
5.同時選択
6.コミュニケーションはない

  ”Win As Much As You Can”との違いは、「6.コミュニケーションはない」だけです。もしコミュニケーションが完全に禁止されたルールだったとしたら、このゲームはどうなっていたでしょうか?

「自分の利益だけを考えたら常にXを出し続ければよい。しかし、恐らく他のプレイヤーも同じように考えるだろう。全員がXを選択したら、最終的に全員△25点という結果になってしまう…」

「では全員でYを出し続ければ、全員25点という平等な結果となるのでハッピーではないか?しかし、もし誰か一人でも裏切ったら、自分は貧乏くじを引くことになってしまう…」


  恐らくプレイヤーは上記のようなディレンマに陥ってしまっていたことでしょう。このような状態をゲーム理論の最も有名なモデルで「囚人のディレンマ」と言います。つまり、たとえ協力する方がしないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなるというディレンマのことです。

  しかし、”Win As Much As You Can”は、部分的にせよコミュニケーションが認められていたことにより、このようなディレンマを回避することができました。一方で、全員が協調して(つまりYを選択して)、25点(チーム総得点100点)を目指すということも今回は起こりませんでした。さらにゲームに習熟してくれば、ボーナスラウンドをうまく活用するなど、さらに新たな戦略が考えられたかもしれません。



  ゲーム理論と交渉との違いが、相手とのコミュニケーションによって意思決定を行うという点にあるとすれば、コミュニケーションによってディレンマを回避できるかもしれないという可能性は、交渉を行うことの意義の一つと言えるでしょう。しかし、参加者の中で「全体のパイを大きくしつつ、自分が多く勝つ方法が難しい」と感想を述べられた方がいらっしゃったように、交渉においても全体利益を大きくし、その後それをどのように配分するかという問題は、「交渉者のディレンマ」と呼ばれ、交渉学の主要なテーマの一つであり続けています。

  なお、意思決定に関わる人間の認知や行動の現実を研究する「行動意思決定論」という学問分野では、現実には上記のようなディレンマ状況、さらには一方のプレイヤーがパイの分け前を一方的に決定できる状況にあっても、多くの人が折半またはある程度の利益を譲歩する選択を行うということを明らかにしています。今回も参加者から「ゲームの結果がこの後の懇親会に及ぼす影響が心配」といった冗談めかした声がありましたが、その通りで、大方の人には自己の利益最大化だけでなく、公平でありたいという願望と、不公平はいずれ代償を伴うかもしれないという認識が備わっているのだということが分かります。

  最後に。囚人のディレンマ的状況の中で、プレイヤー同士のコミュニケーションが認められている場合、現実世界で人はどのように振る舞うのか?2007年から2009年にかけてイギリスBBCで放送されたバラエティ番組、”Golden Balls”に面白い事例がありましたので、ご紹介したいと思います。

  ”Golden Balls”は、二人のプレイヤーが賞金を懸け、“Split”(山分け)または“Steal”(総取り)と書かれた金のボールのいずれかを選択します。プレイヤー同士面識はありません。

  今、ニック(右)とイブラヒム(左)という二人のプレイヤーが、13,600ポンド(約200万円)を懸け、ゴールデンボールの選択をしようとしています。選択前の30秒の交渉で、ニックが行った驚くべき提案とは…



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2018年6月アクセスランキング

2018年07月02日 | 人気記事ランキング


  6月中という異例の早さで梅雨が明け、早くも夏真っ盛りの横浜です。暑さに身体の方が追い付かないということもあろうかと思います。十分ご注意ください。

  さて、2018年6月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

  前月はトップ10の内、実に9つまでが当月更新以前の記事でしたが、6月はついに全ての記事が当月更新以前という珍現象が起こりました。しかも大半が5年以上前に掲載した記事ばかりで、「なぜ今?」と少々驚いております。

  連続ランクインという点では、4位「エコノミーとエコロジーの語源」(15カ月連続)、3位「「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました」(11カ月連続)、6位「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」(4カ月連続)、9位「表情分析アプリを試してみました」(3カ月連続)。個別記事の半数は定番化している傾向が見られます。

  関連は不明ですが、8位「リサとガスパールタウン (La ville de Gaspard et Lisa)」と10位「信玄餅の「桔梗屋」、工場見学」は共に山梨県ですね。

  個別記事に対するアクセス数が非常に多かったのも2018年6月の特徴でした。

1 その他
2 トップページ
3 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました
4 エコノミーとエコロジーの語源
5 三殿台遺跡
6 関東大学ラグビー対抗戦2013 明治vs慶応
6 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
8 リサとガスパールタウン (La ville de Gaspard et Lisa)
9 表情分析アプリを試してみました
10 信玄餅の「桔梗屋」、工場見学

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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弊社密着ドキュメンタリー番組を公開いたしました

2018年07月01日 | リサイクル(しごと)の話


  2018年7月、ナカノ株式会社は創業84周年を迎えました。ここまで来られましたのも日頃の皆様の格別なるご支援の賜物と厚く御礼申し上げます。

  さて、これを記念して、この度およそ10年ぶりとなる弊社密着ドキュメンタリー番組を公開いたしました。元々創業85周年に合わせて進行していた企画ですが、予想を大幅に上回る形で完成しましたので、1年前倒しで公開の運びとなった次第です。

  これまで弊社は数々のメディアに取り上げられていただきましたが、環境対策に対する世間の関心の高さゆえか、どちらかと言うと注目が繊維リサイクル事業に偏る傾向がありました。しかし、繊維リサイクルは弊社の一つの側面に過ぎません。その点で、今回はナカノの「人」に焦点を当て、従来とは違った角度から弊社の様子をお伝えできるのではないかと思っております。

  およそ13分ほどの番組です、ぜひご覧ください!

【ドキュメント】循環型社会の機先を制す~ものづくりを支える資源再生人【ナカノ株式会社】


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グランキャトルの2周年に-ワインダイニング(野毛)

2018年06月29日 | 食べ歩きデータベース


  惨敗を喫した野球観戦の後、2周年を迎えられた野毛のワイン&ダイニング、グランキャトルにお邪魔しました。

  2周年記念ということで、お店お勧めのワインが手ごろな価格で楽しめる企画をやっていました。そこでまず作柄の良かった2014年のヴィンテージ、シャトー・ムートン・ロートシルト2014で惨敗の悔しさを洗い流すことに。想像していたよりもタンニンが弱く、酸味を強く感じました。



  もちろんリーズナブルなワインも沢山あります。また、料理がそれぞれ美味しかったのが印象的でした。まずはワインに合わせ、特性和牛のたたきから。



  漬けマグロもワインとよく合います。



  粗挽き焼ソーセージ。



  暑い日には良い、さわやかな柑橘系の香りとしっかりとした果実味のある、クラウディベイ・ソーヴィニヨンブラン。



  プルプルと揺れる、アナゴのオムレツ。



  炙ったシャキシャキのレタスにゴルゴンゾーラのソースがかかっています。この組み合わせ、ありだなぁ。家でもやってみたくなる一品。



  豚肩ロースのコンフィ。外側をパリッと香ばしく焼き上げ、中はホロホロと柔らかく味わい深い仕上がりになっています。

  そこそこの広さがあるので、25名くらいのカジュアルなパーティにも良さそうです。

ワールドワインダイニング グランキャトル



神奈川県横浜市中区野毛町2-70



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陽川ひとりにやられ…-日本プロ野球2018 横浜vs阪神8回戦

2018年06月28日 | スポーツ観戦記


  梅雨の中休みで非常に気温の上がった6月26日、横浜スタジアムへ横浜vs阪神8回戦の観戦に行ってきました。ここ数年、阪神を苦手にしているベイスターズ、今シーズンもここまで7回戦って2勝5敗と分の悪い相手です。しかも打線に故障者が多く、チーム状態も良いとは言い難い状況。



  この三連戦は"GET THE FLAG SERIES 2018"と題し、ベイスターズは1998年優勝時の復刻ユニフォームを着用して戦います。



  横浜の先発は、ここまで2勝3敗のバリオス投手。かつてソフトバンク・ホークスで中継ぎとして活躍した選手です。戦前の個人的予想では、序盤から試合が動くのではと思っていたのですが、立ち上がりを先頭から二者連続三振にサードゴロと、素晴らしいスタートを切ります。



  一方、阪神の先発は、早くも8勝を挙げているメッセンジャー投手。しかも対横浜にはめっぽう強く、8勝のうち実に4勝を横浜から挙げています。



  しかし、試合の流れは序盤から横浜が押します。初回、ソト選手のヒットと筒香選手への四球で二死二塁・一塁のチャンスを作りますが、得点はならず。



  横浜先発のバリオス投手は、今シーズンのベストピッチではないかと思われるほど素晴らしい内容でした。結果的には6回一死までヒットも四球も出さない、いわゆる完全試合ペースの投球内容でした。阪神のメッセンジャー投手も巧みな投球で、2回・3回はパーフェクトに抑えます。4回裏、横浜は筒香選手のヒットと鳥谷選手のエラーにより一死三塁・一塁のチャンスを作りますが、後続が凡退し得点ならず。



  5回裏も先頭のバリオス投手がヒットで出塁し、送りバントで一死二塁というチャンス。しかし、ここも後続を断たれ得点できず。完璧な投球を展開するバリオス投手に対し、再三の好機を作りながら援護点を挙げられなかったことが、この試合の流れを阪神に渡してしまった要因のように思われます。



  阪神の初安打は6回表。一死から原口選手がセンター前にヒットを放ちます。しかし、それでもバリオス投手は後続を断って無失点に抑えました。



  7回表。阪神は先頭の植田選手がヒットで出塁します。



  両チーム無得点の膠着状態で先に動いたのは横浜でした。投球数85球、二安打無四球のバリオス投手から前々日の試合で好投したエスコバー投手へと継投します。不可解と言えば不可解な投手交代。しかしそれは現場のみぞ知るで、観客席からは想像するしかありません。1点勝負の展開で俊足の植田選手が出塁したことにより、ディフェンスを重視したのかもしれません。



  しかし、結果的にはこれが裏目に出てしまいました。代わり端の福留選手にヒットを許し無死二塁・一塁とすると、長打力を買われているとはいえ、今シーズンまだ本塁打1本の5番陽川選手。しかも、一塁ファウルフライに終わるはずの球を一塁手の中川選手が落球した直後のことでした。バックスクリーン右中段に痛恨の3ランを浴びてしまいます。先発のバリオス投手は素晴らしい投球内容ではありましたが、これで敗戦投手ということに。



  さらに9回、二死二塁からまたも陽川選手に今度は三番手の砂田投手が二塁打を浴び、4点目。



  最後は前々日の広島戦で大炎上、ただし対横浜ではここまで防御率0.00、3セーブを挙げている抑えのドリス投手に抑えられ、万事休す。何とも悔いの残る試合になってしまいました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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お洒落でボリュームも満点のイタリアン-ピアチェーレ(関内・常磐町)

2018年06月24日 | 食べ歩きデータベース


  友人の紹介で訪れた、馬車道の「太陽の母子」像の角を関内駅から見て右手に曲がった狭い路地にあるお店。

  全面が解放されたお洒落な造り、料理も一皿一皿がお洒落なので、天気の良い日などランチにはうってつけかもしれません。この日は夕方からの懇親会でしたが、驚いたのは料理の良さもさることながら、そのボリュームです。冒頭のナス、トマト、海ブドウの盛り合わせに始まり、



  大きな海老とタイのカルパッチョ。



  イカのフライ。



  イチジクのサラダ。



  見た目も豪快、食べ応えのある肉料理の盛り合わせ。



  トマトをベースにした、イカとニシンの生パスタも美味しかったです。



  実は食べるのと話すのに夢中で写真を撮り忘れてしまったのですが、さらにコーンのピザとティラミスとシュークリームのデザートが付きました。これにビールやワインなど2時間半の飲み放題がついて、何と4,500円。それでいて本格的なイタリアンが楽しめます。

  脇道にこんな素敵なお店があったとは!新たな発見でした。

ピアチェーレ



神奈川県横浜市中区常盤町4-47 ニューイナズマビル 1F



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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やってきた、ビールの季節!-バーデンバーデン(有楽町)

2018年06月23日 | 食べ歩きデータベース


  気温30度に迫る暑い日。帝国ホテルでの友人の結婚式を終え、分厚い礼服をまとった熱い身体を冷ますため、有楽町ガード下にあるクラフトビールの老舗「バーデンバーデン」に立ち寄りました。ミュンヘンからホフブロイを直輸入しているそうです。

  お店はガートしたとは思えないような、ドイツの居酒屋を思わせるお洒落な造り。まだ17時を過ぎたばかりだというのに、既にお店は順番待ちの状態でした。

  結婚式の後なので、そんなに食べられる状態ではありませんでしたが、何はともあれホフブロイ・オリジナル(樽生)に、ボイルソーセージの盛り合わせを。

  乾いた喉に、フルーティな飲み口のホフブロイを一気に流し込みます。



  写真撮り忘れましたが、二杯目はホフブロイ・ドゥンケル、いわゆる黒ビール。食事はドイツらしいメニューが色々と揃っています。たくさん食べられるわけではないので、ドイツ定番の家庭料理だというリンダ―グーラッシュ(トマトを使ったビーフシチュー)。元々はハンガリー料理だそうですが、これがまたビールとよく合います。



  白ワインでもよく合うであろう、ムール貝のドイツビール蒸し。ニンニクと鷹の爪がよく効いて、お酒のつまみにはぴったりです。

  梅雨明け近し、いよいよビールの季節がやってきました!
 
バーデンバーデン



東京都千代田区有楽町2-1-8 JR高架下



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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中小企業だからこそのパーソナルブランディング-第96回YMS

2018年06月14日 | YMS情報


  6月13日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第96回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催いたしました。



  今回の講師は、意外なことに第30回YMS以来、講師としては5年ぶりとなる山本秀行先生。昨年、弊社の全社員研修でも講師をしていただいた先生です。コピーライターとして活躍され、2002年に個人をブランディングするパーソナルブランディング・コンサルタントとして独立。以来、パーソナルブランディングを軸に、キャリアデザイン、リーダーシップ、プレゼンテーション、コミュニケーション、最近では定年後のセカンドキャリアに必要な、「パーソナル・リブランディング」など幅広くご活躍されています。

  5年前のテーマは、ブランディングした自分をいかに伝えていくか、先生の言葉をお借りすれば「人前力」をどう身に着けていくかというお話でした。今回のテーマは「中小企業のためのパーソナルブランディング」、企業として強力なブランドも発信する資金力も持たない中小企業にこそパーソナルブランディングの発想が必要であるというお話です。

  そもそもブランドとは、お話によれば「自分が提供する付加価値に対する、他者の心・マインドの中にあるイメージや期待に応え続ける『約束』」のこと。したがって、ブランドを構築するためには独善的な付加価値ではダメで、他者が期待する独自の付加価値は何なのかを徹底して考えることがブランド構築の基本になります。これをマーケティング用語でUSP(Unique Selling Proposition)と言うそうですが、要約すると「『ならでは』の『売り』を伝える強い約束」を「ブランド」ということができそうです。

  そのブランドですが、大企業では大企業であること自体を入口に、そこから商品を訴求していくのが一般的な手順になります。しかし、巨大組織であるというある種の「信用」を前提として持たない中小企業の場合、大企業と同じ手順を踏襲しても上手くいきません。しかも、企業を入口とするには莫大な広告宣伝費がかかり、資金力に劣る中小企業ではそもそも太刀打ちできません。こうした制約が、なおさら中小企業のブランド構築を困難にしています。
 
  したがって、中小企業の場合、大企業とは全く逆のアプローチを採る必要があります。すなわち、企業ではなく個人を入口として商品を訴求するということです。商品(付加価値)を訴求するために、個人からブランディングしていく。これこそ「中小企業にこそパーソナルブランディングが必要」であることの所以です。

  中小企業のパーソナルブランディングは、経営者のパーソナルブランディングとスタッフのパーソナルブランディングの二つに分類できます。中小企業経営における経営者の影響力を考えると、前者の方が圧倒的に重要ということになります(極論すれば、経営者の役割そのものと言っても良いかもしれません)。では、経営者は自らをブランディングするために何をしなければならないか?それは、日常の一挙手一投足の中で先ほどのUSPを常に考え、徹底すること。お話の中で感じたのは、何も特別なことではなく、日常の目配りや気配りであったり、物事の良いところを見出そうとする視点であったり、ただそれを自分の持つビジョンや価値観に基づいて発想するということなのではないかと思いました。その継続によって、最初はぎこちなくとも、やがてそれが経営者の立ち居振る舞いのレベルにまで血肉化していく。結果、その経営者のパーソナルブランドが確立されるということなのではないでしょうか。なお後者については、このブランド発想型の思考・行動によって人財育成を行っていくことが大事だということです。

  最後に、中小企業経営者は自らのブランドの「語り部」にならなければならないということ。今治タオルの名で知る人ぞ知る、池内タオルの池内社長は、「タオル1枚で90分、話ができなきゃダメ」とおっしゃっているそうです。中小企業のパーソナルブランディングは、資金を要さず、行うこと自体は特別なものではないかもしれませんが、それをいかに地道に徹底できるかが、その企業のブランドを築き上げていくのではないかと思いました。個人的に感じたことですが、これと共通した思想が煎茶のお茶席にも流れています。因みに、池内社長とは10年前、パネラーとしてご一緒させていただいたことがあります。その時もいたく感銘を受けた思い出があります。

九条館 煎茶会①
九条館 煎茶会②
九条館 煎茶会③
九条館 煎茶会④



  セミナーの後は、恒例の懇親会です。山本先生はお話が非常に面白いので、セミナーと懇親会を合わせると学びの効果が倍増するという特徴があります。それは我々が期待する、先生のパーソナルブランドなのかもしれません。

あなたをもっと高く売る パーソナルブランディング
クリエーター情報なし
日経BP社


人前で話すことが楽になる 人前力 33のルール
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


  次回、第97回YMSは7月11日開催の予定です。

過去のセミナーレポートはこちら

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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前から気になっていたRigattoへーイタリアン(日ノ出町駅)

2018年06月10日 | 食べ歩きデータベース


  京浜急行「日ノ出町駅」を出てすぐ、大岡川にかかる長者橋の袂を左折し、川沿いに少し行ったところにある隠れ家的なイタリアンのお店。日中は気温が上がりましたが、夕方になって強い雨が降り出した蒸し暑い夜。予定していた野球観戦が中止となったため、以前から気になっていたRigattoへ行ってきました。昔からしばしばお邪魔している、野毛のクラフトビールのお店、アポロ・カンパニーさんの姉妹店です。

  店内は山小屋のようなウッド調で照明を暗めに落とした落ち着いた雰囲気。お世辞にもきれいとは言い難い大岡川(それでも昔に比べればずいぶんきれいになりました)ですが、夜なのでそれなりに雰囲気を演出する一助になっています。というわけで写真全般が暗めですがご容赦ください。



  冒頭の写真はタレッジョ、ゴルゴンゾーラ、モッツアレラ、パルミジャーの四種のチーズによるクアトロ・フロマッジ。蒸し暑い夜なので、ワインはトブラール・ブラン。僕の好きなソービニヨンブラン100%のワインです。



  個人的なお勧めは、トリッパのトマト煮込み。トマトの酸味と甘み、ハチノスとニンニクのうまみが効いて美味しかったです。



  イワシのマリネ。イワシは薄くスライスしていないところが、食べごたえがあってよいです。



  アポロ・カンパニーでの流れを汲み、ここでも羊のスパイシーソーセージを。



  パクチーと青唐辛子のサラダは、ソーセージの脂を見事に清算し、かつ食欲を掻き立てます。



  友人の勧めで、さらにピザを一枚。マリナラソース(トマトソース、オレガノ、ガーリックのソース)をふんだんに盛り、アンチョビとパルミジャーノ・チーズを加えた、マリナーラ。こぼれるソースを包みながら頬張ると、奥深い旨みが口いっぱいに広がります。

  野球は中止でしたが、これで満足。

Rigatto



神奈川県横浜市中区宮川町2-39-4



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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山賊打線の猛打炸裂!-日本プロ野球2018 横浜vs西武1回戦

2018年06月09日 | スポーツ観戦記


  6月5日、今シーズンの初観戦に横浜スタジアムへ行ってきました。

  伝統的に交流戦が苦手な横浜。珍しく今シーズンは楽天に連勝し上々のスタートを切ったのですが、次のソフトバンクに競りながらも結果的には力負けの三連敗を喫してしまいました。ホームの横浜に戻って仕切り直しと行きたいところですが、相手は今シーズン、そのあまりの破壊力に1975年の太平洋クラブライオンズ時代の「山賊打線」の異名が復活するほどの強力打線を誇る西武ライオンズです。

  因みに、1975年当時の山賊打線には、元大洋ホエールズの江藤慎一さんが監督をされ、横浜スタジアム落成時に横浜大洋でプレーしていた基満男選手(覚えています)、横浜大洋時代からベイスターズ優勝時まで長く打撃コーチを務め、多村仁選手などを育てた竹之内雅史選手などがいました。



  さて、横浜の先発は故障で出遅れたものの、復帰後2勝を挙げているウィーランド投手。



  しかし、強力な西武打線を警戒し過ぎたのか、初回1アウトからヒットと二つの四球で満塁。5番森選手にあっさりとレフトへ犠牲フライを上げられ、あっという間に先制を許してしまいます。



  西武の先発はここまで3勝を挙げているカスティーヨ投手。速球派の投手らしいのですが、この日は丁寧に打たせてとる投球のように見えました。横浜としては散発でヒットは出るものの、つながらない。何ともストレスの溜まる展開となりました。



  しかしそれでも横浜は3回裏、一死三塁・二塁から宮崎選手のショートゴロの間に同点に追いつきます。ただ、結果的にはこれがこの試合唯一の得点となってしまいました。



  まずかったのは、直後の4回表に先頭の森選手、外崎選手と二本の二塁打を立て続けに浴び、続く不振にあえぐ中村選手にあっという間に犠牲フライを打たれ、勝ち越されてしまったことです。これが試合の流れに水を差してしまいました。



  そして致命的だったのが6回表。先頭の外崎選手にスタンド中段まで届く大きなホームランを打たれてしまいます。ウィーランド投手としては、何となく不用意な1球に見えました。この時点ではまだ3vs1でしたが、ゲームの流れは完全に西武へ移ってしまったように思います。



  そうなると、ここから西武自慢の強力打線が艦砲射撃の如く火を噴きます。まず7回表、浅村選手が横浜の三番手、三嶋投手からレフトへ2ランホームラン。



  続く山川選手も6月初めにして54打点目となる二者連続ホームランを放ちます。あっという間に6vs1。



  9回表はまたしても浅村選手がライトへ2ランホームラン。ダメ押しというより、もはやおまけ。



  横浜も最後に大和選手が意地の二塁打を放ちますが、万事休す。山賊打線を前に完敗の試合でした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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「よみがえり」を掲載いただきました

2018年06月07日 | リサイクル軍手の世界


  井関産業株式会社様が、全国47都道府県から地域や社会に貢献している、ハートフルな商品を選定し発行された商品カタログ、「つなぐ」の神奈川県代表として、弊社の「特殊紡績手袋 よみがえり」、「よみがぁ~る」が掲載されました。



  全国の都道府県すべてからコンセプトに適う商品を探し、作成に至るまで大変なご苦労があったのではないかと思います。ご縁あって選んでいただいたことを嬉しく思いますし、感謝申し上げます。

  因みに、「特殊紡績手袋 よみがえり」シリーズは、2018年5月末現在、累計販売数が371万双になり、静岡県の人口を超えました。目指すは地元横浜市の人口373万双です。

  これまでに再利用した廃棄衣類は推計176.8トン、製造した「よみがえり」用糸の総延長は地球から月までの距離の5倍に達します。

  引き続き、「特殊紡績手袋 よみがえり」シリーズをよろしくお願い申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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