窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第2回「利他メソッド」無料勉強会でお話しさせていただきました

2021年07月27日 | その他


 7月26日、日頃お世話になっている株式会社MANY ABILITIES、野原秀樹先生の第2回「利他メソッド」無料勉強会(オンライン)でお話しさせていただく機会をいただきました。野原先生はYMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)でも最多登壇いただいている先生です。



 「利他メソッド」とは、野原先生の提唱する、より良い人間関係の構築、他を思いやる心の醸成、仲間と共にやりがいを実感できる、他者のよろこびを自らのよろこびと感じることができる人材を育成し、成長、変革できる組織を開発するメソッド(株式会社MANY ABILITIES、HPより)を言います。先月より、この「利他メソッド」を実践されている株式会社ミヤマエの宮前昭宏社長を中心とする、主に大阪の中小企業経営者の皆様との勉強会が始まりました。

 ハーバード大学、ロバード・ウォールディンガーによる、同大学2年生の学生とボストンの極貧街で育った同年代の少年たち724名を75年にわたり追跡した有名な調査では、人を健康に幸福にするのは、富でも名声でも 無我夢中で働く事でもなく、「良い人間関係」であったということを明らかにしています。他者と健全な関係は他者への貢献から始まりますが、他者への貢献は同時に自尊感情も高めることが脳神経学者リリングらの実験で分かっています。つまり、「利他メソッド」で言うところの「他者のよろこびを自らのよろこびと感じることができる」ということです。

 「他者への貢献」と「自尊感情」は相補的な関係にあります。他者への貢献は自尊感情を高めますが、自尊感情の高いことが他者への貢献を健全な形にもします。何故なら、共依存的な他者への貢献は自尊感情が低いために生じると考えられるからです。つまり、自尊感情と他者への貢献の健全な相互作用が人間関係の質を高め、幸福感の増進に繋がるということです(これを今回参加されたある社長は、経験的に「ハッピー・スパイラル」と呼んでおられました)。



 では、その「自尊感情」を高めるにはどうすればよいのか?アメリカ心理学の父とも言われるウィリアム・ジェームズの時代から、自尊感情(ジェームズは「自己重要感」と呼んでいますが)は人間の根源的欲求とされているはずですが、人間は外部環境の影響を受けて育つので、現実にはこの欲求が必ずしも満たされる環境にいるとは限りません。その結果、人は満たされない自尊感情を補償する様々な行動をとるようになり、それが様々な問題を引き起こします。当然、人間関係にも良くない影響を及ぼすでしょう。

 しかし、我々は環境を選んで産まれてくるわけではありません。したがって、所与の環境の中で健全に自尊感情を高めていくには、無意識に行われる補償行動を回避する、何らかの視座が必要になります。僕は心理学の専門家ではありませんが、経験的に理解している範囲において、この点の最も基本的な部分、「自己受容」についてお話しさせていただきました。普段から野原先生のお考え、また今回のテーマである「利他メソッド」に共通する点が多かったためです。

 距離的にも離れ、全く違った仕事をしていますが、参加された中小企業経営者の皆さんとお話しさせていただいて、経験や表現方法は違っても、ベースのところではみな同じようなことを考えていらっしゃるのだということが分かりました。それだけでもとても心強く感じました。逆にベースは同じでも、その表現方法は千差万別ですので、大変勉強になりました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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結局、ダメなのはどちらか?

2021年07月19日 | その他


 7月16日、某金融機関の若手経営者の会「滴水会」の勉強会に参加してきました。コロナ禍で活動自体ままならない中、久しぶりの開催です。全てではありませんが、当ブログでも過去の勉強会のレポートをいくつか挙げておりますので、宜しければご覧ください。

【過去の滴水会勉強会レポートはこちら】
5回目のドラマチック・コミュニケーション
何故、遭難事故は起きたのか
ドラッカーと創造的手法
久し振りの「姿勢塾」
久しぶりに「ボーナンザ」をやりました



 さて、今回の講師は、NANASE株式会社の石田七瀬様。自ら現場に入り、伴走しながら中小企業の現場改善、コスト削減、社員の意識行動変容を得意としていらっしゃいます。今回のテーマは、「ダメ社員からの変身!関わり方ひとつで変わる、ウソのようなホントの話」。「〇〇規格」や「△△式」の導入をお手伝いするのではないとおっしゃる石田さんの、現場人間に響く生々しいお話しを伺うことができました。

 一口に「ダメ」と言っても様々だと思いますが、まずは受講者自らが考える、いわゆる「ダメ社員」と呼ばれる人たちを具体的にイメージし、彼らが変容したとすれば何がどう変わると思うかを書き出しました。

 続いて、石田さんが実際に携わった事例をふたつ。

事例1:どこにいっても「使えない!」とたらい回しになったA君の話。
事例2:理不尽な異動にあったBさんの話。

 どちらの事例にも共通していたのは、「その人に対する見方、関わり方」を変えたこと。その結果、ミスが多い、職場からいなくなる、お客さんの前で寝る、モノをなくす、人のせいにする、挨拶ができない、メモを取らない、とったとしても行動に結びつかないといった、いわゆる「問題児」が最終的に現場の整理整頓を自ら行い、棚卸効率を著しく改善する社員にまでA君は変わりました。Bさんの場合も、大手での経験は豊富でしたが、購買という彼から見た「裏仕事」に回されて腐っていたのが、その製造現場で培った「段取り力」に着目し、それを活かすことによって購買部の工数が大幅にダウンするという結果となりました。

 大事なのは、A君、Bさんが変わる以前に、接する側の見方、関わり方が変わった(あるいは、変えた)という点です。つまり、まず変えなければならないのは問題があるとされる当事者ではなく、関わっている側ということになるのではないでしょうか?以下は、関わり方を変える上で前提となるポイント(見方)です。

1.考え方、捉え方は人それぞれ違う
2.まずは相手を知ることから始める
3.知った上で、関わり方を考える
4.自分から変わる
5.得意な事で何をするかを考える
6.褒めてばかりもダメ。ただし叱る時はポジティブなことに挟んで伝える
7.一人で悩まない

 これらに「当事者のココを変える」といったことは一つも出てきません。つまり、ダメだったのは自分の側だったという点に気づく、経営者の意識改革こそが今回のお話しの肝であったように感じました。そして変化を生むには小さなステップから少しずつ影響の輪を広げ、その過程を楽しむことが大切だそうです。別の事例では、3人しか社員がいないのに、その3人がみな仲が悪いという会社が取り上げられました。しかし、そんな彼らも第三者から認めてもらうことによって、何と2回目のセッションで互いに教え合うようになったそうです。今回はいずれも実際に現場で起きた生のお話しでしたが、細かいところでは石田さんの具体的な声掛けの仕方、承認の仕方など、やっぱり上手だなと感心させられました。こちらも少しずつ見習いたいものです。石田先生、ありがとうございました!

 滴水会としては久しぶりのリアル研修となりましたが、参加された皆さんには非常に好評でした。以前のような密に交流できる日が早く来るといいですね。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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経営者のためのSNS活用術-第128回YMS

2021年07月15日 | YMS情報


 7月14日、mass×mass関内フューチャーセンターにて第128回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。今回僕は初めてZOOMからの参加となりました。これまでであれば欠席となっていたところが、ZOOMの一般化によってこうして参加できるようになったのは、コロナ禍の中の良い側面かと思います。



 さて、今回の講師はミアサ企画代表、細山麻実様。フリーのWebライターとして、またイベント企画・SNSサポートなど企業のサポートも行っていらっしゃいます。そんな細山様に、「経営者の為のSNS活用術 〜会社経営をされている方の個人アカウントでの投稿ポイント〜」と題してお話しいただきました。

 初めに、日本で普及している代表的なSNS、LINE、Twitter、Instagram、Facebookなどについて、それぞれのユーザー層や特徴のお話がありました。まずツールが持つ特性や年齢層を理解しておく必要があるのは、そうしたことを踏まえて使い分けないと、経営者にとっては非効率なところにPRを行ってしまう可能性があるためです。

 細山さんによれば、SNSとは一頃で言えば「ネット上の自分新聞」。つまり、企業や商品PR、あるいは集客のために活用するのだとしても、そこには経営者の個性を反映できるという特徴があるということです。この特徴を上手にブランディングに活用していく必要があります。

 その上で、最も大切になるのが、SNSを活用する目的を明確にすることです。そもそも、どんなメッセージを誰に発信し、どんな成果を得たいのかが不明確では、使用するツールも定まりません。特に経営者としてはあくまで個人としてでも、ビジネスとしてでも、あるいはその両方としてでも、その使用目的は様々に考えられます。

 よく勘違いされる注意点として、SNSによる発信とは、TV番組に取り上げられるように即効性を求めるものではなく、地道にゆっくりとファンを獲得していく作業だと認識することです。これを勘違いすると、恐らく疲れてしまったり、嫌になってしまったり、あるいは延々と効果が出ないことを続けるといった罠に陥ることになるのでしょう。

 さて、実際にSNSを活用し始めたとします。前述のようにSNSは投稿者の個性が反映されるツールですので、耳寄りな情報や、告知など以外に、人柄が現れる投稿が可能です。それらがバランスよく組み合わさることで、「自分らしい」個性のある投稿が形成されていきます。古典的なAIDMAモデルで言えば、特に注意(A)、関心(I)、記憶(M)に働きかける、もちろん目的によってはそこから願望(D)を呼び起こし、行動(A)につなげる役割を担うようになります。個人的には、SNSはほぼ個人目的で下らないことばかり書いていますが、実感として記憶には残るようになったのかなと言う感触があります。

 また、投稿する時間帯、曜日も大事。SNSは時間の経過とともに大量の情報の中に投稿が埋もれていってしまうので、見てもらいたい人が見ている時に投稿するタイミングが重要になります。これ次第で同じ内容でも反応が全く違ってくるというのは、僕の実感としてもありますね(その割にあまり気にしていないですが)。また、コミュニケーションツールであるという点もSNSの大きな特徴。したがって、SNSを有効なものとするには、自分のことばかりに注意を払うのではなく、見てもらいたい人の投稿への関心、反応も大切になります。それに、このコミュニケーション自体が、その人の個性をより際立たせることに繋がります。さらに言えば、冗長な投稿はそもそも読んでもらえないので、要点を絞った投稿を心掛けるということも大切になります。

 最後に、いわゆる「SNS疲れ」にならないため、自分の性格を知る簡単な心理テストを行いました。半分遊びのようなものですが、こうしたテストはネット上でも手軽にできるそうです。

 個人利用とはいえ、お話を伺って、あまりにもいい加減すぎたかなという反省はあります。ちょっとした心がけでも、結構大切だなと言うお話が沢山ありましたので、ぜひ取り入れていきたいと思います。

 なお、情勢を鑑み、8月のYMSはお休みとさせていただきます。次回第129回YMSは9月8日の開催となります。

過去のセミナーレポートはこちら

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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リサイクルBORO環境学習2021でお話しさせていただきました

2021年07月15日 | リサイクル(しごと)の話


 去る7月11日、世田谷区烏山区民会館で開催された「リサイクルBORO環境学習2021」にて、「服はどこへ行くの?」と題してお話しさせていただきました。

 28年前、PTA仲間6人で始められたという、世田谷区における古着回収の先駆け「リサイクルBORO」さん。当社も当初からずっとお付き合いさせていただいていますが、毎年こうした環境学習も行っており、リサイクル関係企業の見学や講演会などをされておられます。

 今年はもともと4月末に開催される予定でしたが、東京都における度重なる緊急事態宣言により2度の延期を余儀なくされ、3度目の正直でようやく開催の運びとなったわけです。その間、大変なご苦労がおありだったのだろうと思います。



 当然、会場であるホールも間隔を空けての着席、会場へ通じる階段の入口には「ウィルスバスター」という除菌剤を噴霧するアーチ状の設備が設置されていました。



 日曜の朝にもかかわらず、50名ほどの来場者。この地域の意識の高さと長年の地道な努力の成果が窺われます。国会議員、都議会議員、区議会議員のみなさんも10名ほど来られていました。



 さて、今年の環境学習のテーマは、「今日からできるSDG’s(衣類・紙おむつのリサイクル)」。衣類もおむつも私たちにとって非常に身近な存在です。SDG’sというと何かとても大きな概念で敷居が高いように感じられますが、その核心は私たち一人一人の日常行動であり、決して縁遠いものではありません。そういう意味で、一番身近にある衣類やおむつから目を向けてみるというのはとてもよい試みだと思いました。

僕は前半の衣類の担当で、長年衣類に携わってこられたリサイクルBOROさんには自明のお話しだったかもしれませんが、それでも一般の方々にはとても身近な存在でありながら未だにそのリサイクルについては馴染みが薄いものと思われます。ということで、できる限りビジュアルに、簡単に、しかしながら決定的に重要な部分についてお話しさせていただきました。僕自身も、お話しの後の質疑では今まで気づかなかったような視点が得られ、大変勉強になりました。



 また、会場の外では、当社の「特殊紡績手袋よみがえり」シリーズを展示・販売していただきました。この手袋は、「衣類のリサイクルはどうなっているのか見えにくい」という多くの生活者のみなさまのお声に応える形で、「手元に戻ってくるリサイクル品」の実現を目指し2009年に開発した経緯があります。



 第二部は、一般社団法人NIPPON紙おむつリサイクル協会理事長、須東亮一様より、「大人の紙おむつが大変!」と題してのお話しでした。恥ずかしながら、僕はこの日まで使用済みの紙おむつがリサイクルできるとは思ってもみませんでした。紙おむつは大人用、子供用合わせて年間55万トンも消費されているそうです。しかも、おむつですから使用後はかさが増します。その量、重さにして約4倍。つまり、55万トンが220万トンに膨れ上がるわけです。超高齢化社会の進行により、この量は今後ますます増えていくことになります。

 その使用済み紙おむつですが、大手メーカーにより様々な手法でリサイクルする技術が確立されつつあるようです。例えば、水解性でパルプを抽出する方法、粉砕・乾燥し、固形燃料とする方法、下水道を利用し、洗浄して廃プラスチックと汚物を処理する方法、炭化処理する方法などです。こうした技術は、日本だけでなく今後世界中で大いに貢献していくことでしょう。ご講演では写真や映像と共に、これらの技術をひとつひとつご紹介いただきましたが、全く初めてのことばかりで、感心しきりでした。また、僕自身は子供も大きくなってしまいましたし、両親は健在ということで、介護のことが実感として薄いということに気づきました。興味深いお話しをありがとうございました。

 土曜は山梨、日曜は東京と目まぐるしい週末でしたが、コロナで様々な活動が制限される昨今にあって、久しぶりに充実したものとなりました。お招きいただき、ありがとうございました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2021年6月アクセスランキング

2021年07月02日 | 人気記事ランキング


 7月に入ったことをすっかり忘れていました。今年は梅雨入りが早いのかと思っていましたが、6月はほとんど空梅雨に終わり、逆に長引いているようです。今月から朝5時起き生活を始めましたが、いつまで続きますか…。

 さて、2021年6月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

 まずは定番の3記事から。

2位:「エコノミーとエコロジーの語源」(51ヶ月連続)
5位:「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」(14ヶ月連続)
7位:「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました」(4ヶ月連続)

 3位:「久しぶりにお金の話をしよう-第127回YMS」は、資産運用のお話し。結構、セミナーでも皆さんの関心は高いものでしたが、それがアクセス数にも現れているような気がいたします。4位:「ゲームを変える3D交渉-第48回燮(やわらぎ)会」も同様です。

 前月最終日にアップしたために14位だった「ブリの大きさと身の柔らかさは期待以上でしたーうお時(若葉町)」が、6位に入りました。もしあと1日遅くアップしていれば、恐らく2位には入っていたであろうと思われます。それも頷ける、こだわり抜いたお弁当でした。

 9位:「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」が、昨年12月以来半年ぶりにトップ10に復帰しました。なお、11位~14位はすべて飲食系の記事でした。

1 トップページ
2 エコノミーとエコロジーの語源
3 久しぶりにお金の話をしよう-第127回YMS
4 ゲームを変える3D交渉-第48回燮(やわらぎ)会
5 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
6 ブリの大きさと身の柔らかさは期待以上でしたーうお時(若葉町)
7 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました
8 カテゴリー(リサイクル軍手の世界)
9 2021年5月アクセスランキング
9 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子

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